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ネット銀行の預金相続手続き|主要6行の必要書類・手数料を比較


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2026年3月6日
 

ネット銀行に口座をお持ちの方が亡くなった場合も、従来の銀行と同様に預金の相続手続きが必要です。ネット銀行には店舗がない(または店舗数が限定的な)ため、手続きは電話・Web受付・郵送が中心で来店が不要なのが大きな特徴です。この記事では、楽天銀行・住信SBIネット銀行・PayPay銀行・ソニー銀行・auじぶん銀行・イオン銀行の主要ネット銀行6行を取り上げ、各行の公式サイトの情報をもとに、手続きの流れや注意点をご説明します。

ネット銀行に共通する相続手続きの流れ

ネット銀行の預金相続手続きも、基本的には「死亡連絡 → 書類案内 → 書類収集・提出 → 審査・払戻し」の流れで進みます。ただし、従来型の銀行と異なり、原則としてすべてのやり取りが電話と郵送(またはWeb受付フォーム)で完結する点が最大の特徴です。銀行預金の相続手続き全般については銀行預金の相続手続き|口座凍結後の流れ・必要書類で詳しくご説明しています。

段階内容6行共通の概要
第1段階死亡連絡・口座凍結電話またはWeb受付フォームで口座名義人の死亡を届け出ます。届出後、被相続人名義のすべての口座が凍結され、入出金や自動引き落としが停止されます。
第2段階書類案内の受領銀行から「相続手続きのご案内」と所定の届出書が郵送で届きます。案内に沿って必要書類を確認し、収集を開始します。
第3段階書類収集・提出戸籍謄本・印鑑証明書・遺産分割協議書などを準備し、銀行所定の届出書とともに郵送で提出します。ネット銀行は原則すべて郵送での受付です。
第4段階審査・払戻し銀行が書類を審査し、問題がなければ代表相続人の指定口座へ預金が払い戻されます。
ネット銀行の相続手続きの特徴:ネット銀行は店舗がない(またはイオン銀行のように店舗が限定的な)ため、書類のやり取りは原則郵送が基本です。PayPay銀行やauじぶん銀行のようにWeb受付フォームで相続発生の連絡ができる銀行もあります。auじぶん銀行は所定条件を満たせば書類アップロードによるWeb完結も可能ですが、他行は郵送での書類提出となります。来店の必要がない反面、郵送のやり取りに時間がかかる点を考慮してスケジュールを組んでください。

死亡連絡の方法と対応チャネルの違い

ネット銀行への死亡連絡は、電話が中心ですが、一部の銀行ではWeb受付フォームにも対応しています。住信SBIネット銀行は24時間365日の電話受付に対応しており、夜間・休日でも連絡が可能です。

比較項目楽天銀行住信SBI
ネット銀行
PayPay銀行ソニー銀行auじぶん
銀行
イオン銀行
死亡連絡の方法電話電話 24hWeb受付フォームWeb電話Web受付フォーム(電話も可) Web電話・店頭
電話受付時間9:00〜17:00
(平日・土日祝)
24時間365日Web受付のため
電話不要
9:00〜17:00
(土日祝含む)
Webフォーム主体
(電話も可)
9:00〜18:00
(年中無休)
書類提出方法郵送郵送郵送郵送郵送(原則)
※条件付きWeb完結可
郵送(原則)
Web受付フォームの活用:PayPay銀行はWeb上の相続受付フォームから直接連絡が可能で、電話をかける必要がありません。auじぶん銀行もWeb受付フォームが主たる連絡手段で、必要事項の入力と書類アップロードに対応しており、所定条件を満たせば約5営業日でWeb完結(郵送不要)も可能です。住信SBIネット銀行は電話のみですが、24時間365日対応のため、時間を問わず連絡できます。

必要書類の比較

6行共通で必要な主な書類(遺産分割協議書がある場合)

ネット銀行での預金相続に共通して必要な書類は、従来型の銀行とほぼ同じです。書類の詳しい取得方法については預金相続に必要な書類一覧もご参照ください。

  • 銀行所定の相続届出書(各行で名称が異なります)
  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印押印)
  • 相続人全員の印鑑登録証明書
  • 手続きを行う相続人の本人確認書類

銀行ごとの主な違い

比較項目楽天銀行住信SBI
ネット銀行
PayPay銀行ソニー銀行auじぶん
銀行
イオン銀行
所定届出書の名称銀行所定の届出書(郵送で送付)「相続届」銀行所定の届出書(郵送で送付)銀行所定の届出書(郵送で送付)「相続届」「相続手続依頼書」
印鑑証明書の有効期限6か月以内6か月以内6か月以内6か月以内6か月以内6か月以内
法定相続情報一覧図利用可能利用可能利用可能利用可能利用可能利用可能
原本還付返却可能
※メモ同封で依頼
要問合せ
※原本提出必須
返却可能返却可能返却可能
※完了後に書類返送
返却可能
印鑑証明書・戸籍謄本の有効期限について:印鑑証明書は6行すべてが「発行から6か月以内」の原本を求めています。一方、戸籍謄本の有効期限は銀行により異なります。住信SBIネット銀行は戸籍謄本についても6か月以内の原本が必要(コピー不可)ですが、楽天銀行・PayPay銀行・ソニー銀行・auじぶん銀行・イオン銀行では戸籍謄本に明確な有効期限を設けていないケースもあります。各行から届く案内書で必ず確認してください。複数行の手続きを並行する場合は、最初に取得した書類の有効期限が切れないようスケジュール管理に注意してください。
ネット銀行では通帳・キャッシュカードがない場合がある:ネット銀行は通帳を発行していない場合がほとんどです。キャッシュカードも発行しない銀行があります。従来型の銀行と異なり、口座番号や支店名が分からないケースもあるため、被相続人のメールやアプリの利用履歴から口座情報を確認しておくことが重要です。ネット銀行を含む口座の探し方は銀行預金の相続手続きガイドもご参照ください。

残高証明書の発行手数料

相続税の申告や遺産分割協議の前提として、被相続人の死亡日時点の残高証明書が必要になる場合があります。ネット銀行の残高証明書の手数料は銀行ごとに大きく異なります。

項目楽天銀行住信SBI
ネット銀行
PayPay銀行ソニー銀行auじぶん
銀行
イオン銀行
残高証明書524円(税込)無料(相続手続き時) 無料880円(郵送)
PDF:無料
440円(税込)550円(税込)1,100円(税込)
手続き自体の手数料6行すべて、通常の相続手続き(払戻し)は無料
手数料の差に注目:住信SBIネット銀行は相続手続き時の残高証明書が無料で、口座数や発行方法にかかわらず手数料がかかりません。ソニー銀行も440円と比較的安価です。イオン銀行は1,100円(税込)です。相続税申告に残高証明書が必要な場合は、申告期限(死亡を知った日の翌日から10か月以内)を考慮し、早めに申請してください。残高証明書の活用場面については預金残高証明書の取得方法と相続手続きでの活用もご参照ください。

口座凍結と仮払い制度

6行すべてにおいて、銀行が口座名義人の死亡を知った時点で口座が凍結されます。ネット銀行の場合、口座振替やデビットカードの自動決済も停止されるため、各種サービスの支払い方法を早めに切り替える必要があります。

仮払い制度(預貯金の払戻し制度)

6行すべてが、2019年7月施行の改正民法(909条の2)に基づく預貯金の仮払い制度に対応しています。遺産分割が整う前でも、葬儀費用や当面の生活費として一定額を引き出すことが可能です。

項目内容(6行共通)
計算式相続開始時の預金残高 × 1/3 × 法定相続分(請求する相続人1人あたり
上限額前項の計算式で算出した金額と150万円のいずれか低い方(同一銀行内の複数支店は合算して1金融機関あたりで判定)
必要書類被相続人の出生〜死亡の戸籍(または法定相続情報一覧図)、請求者の戸籍謄本、各行所定の本人確認書類・届出印
※印鑑証明書・実印の要否は銀行により異なります。詳細は各行にお問合せください

各行の独自サポートサービスと特徴

ネット銀行はそれぞれ独自の特徴を持っています。各行の相続手続きにおけるポイントをまとめます。

楽天銀行
  • 死亡連絡は電話で受付(WEB受付の案内もあり)
  • 残高証明書は524円(税込)と比較的安価
  • 原本返却は「原本返却希望」のメモ同封で対応
  • 楽天証券にも口座がある場合は別途手続きが必要
住信SBIネット銀行
  • 24時間365日電話受付で夜間・休日も連絡可能
  • 相続手続き時の残高証明書が無料
  • SBI証券にも口座がある場合は別途手続きが必要
  • 2025年10月よりサービスブランドが「d NEOBANK」に移行(商号は2026年8月に「ドコモSMTBネット銀行」へ変更予定)
PayPay銀行
  • Web相続受付フォームで電話不要で連絡可能
  • 残高証明書はPDF発行なら無料
  • 書類提出後約2週間で払戻し完了
  • 旧ジャパンネット銀行からの口座も同様に手続き可能
ソニー銀行
  • 残高証明書が440円と最安水準
  • 書類到着後3〜5営業日で払戻しと比較的スピーディ
  • 相続人のソニー銀行口座がある場合は一部商品を除き資産をそのまま引継ぎ可能
  • 原本書類は手続き完了後に返却
auじぶん銀行
  • Web受付フォームから申請・書類アップロード可能
  • 所定条件を満たせば約5営業日でWeb完結(郵送不要)
  • 原則は郵送手続き(約2週間)
  • 残高証明書は550円(税込)、取引明細表は無料
イオン銀行
  • 店舗(イオン内)での対面相談も可能な唯一のネット銀行
  • 書面の授受が原則2回必要(1回で完了する場合もあり)
  • WAON残高は返金されるがWAONポイントは消滅
  • 遺産整理業務(有料代行サービス)を提供
ネット銀行の口座を発見できないリスクに注意:ネット銀行は通帳やキャッシュカードが発行されないことが多く、相続人が口座の存在に気づかない場合があります。被相続人のメール受信箱での銀行名の検索、スマートフォンのアプリ一覧の確認、確定申告書の利息記録などから口座の有無を調べましょう。また、2025年4月に開始された預金保険機構の「相続時預貯金口座照会」(口座管理法に基づく制度)を活用すれば、1か所の金融機関窓口から全国の金融機関の口座有無を一括で照会できます(手数料5,060円・税込)。

法定相続情報証明制度の活用

法務局が無料で発行する「法定相続情報一覧図の写し」は、6行すべてで戸籍謄本の代わりとして利用できます。ネット銀行の手続きはすべて郵送のため、分厚い戸籍の束を郵送する負担を減らせる点でも一覧図の活用は有効です。制度の概要は法定相続情報証明制度の活用方法と手続きの流れをご覧ください。

一覧図は複数枚取得して同時並行で提出:法定相続情報一覧図の写しは何枚でも無料で取得できます。ネット銀行は郵送で書類を送付するため、原本の返却を待つ時間が従来型の銀行よりもかかります。口座のある銀行数+αの枚数を取得しておくと、手続きを並行して進められます。

手続き全体の所要期間の目安

比較項目楽天銀行住信SBI
ネット銀行
PayPay銀行ソニー銀行auじぶん
銀行
イオン銀行
書類提出〜払戻し1〜4週間2〜4週間約2週間3〜5営業日
※取引内容により2〜3週間
約2週間
※条件付き約5営業日
2〜4週間
※書面授受が2回の場合あり
ご注意:上記はあくまで目安です。書類の不備があった場合は郵送でのやり直しとなり、さらに時間がかかります。ネット銀行は来店して不備を補正することができないため、提出前に書類の記載漏れや添付忘れがないか入念にチェックしてください。

従来型の銀行(メガバンク・地方銀行)との主な違い

ネット銀行の預金相続手続きは、メガバンクや地方銀行と基本的な流れは同じですが、ネット銀行特有の注意点があります。メガバンクの手続きについてはメガバンク3行の預金相続手続き比較、地方銀行については地方銀行の預金相続手続き比較で詳しくご説明しています。

比較項目従来型の銀行(メガバンク・地方銀行)ネット銀行(本記事の対象6行)
手続き方法窓口対面+郵送が中心電話・Web受付+郵送(来店不要)
死亡連絡来店・電話・一部Webフォーム電話が中心、PayPay銀行・auじぶん銀行はWebフォーム対応
書類の不備対応窓口で即日補正が可能郵送のやり直しが必要(時間がかかる
口座発見のしやすさ通帳・キャッシュカードが手がかりになる通帳なし、メールやアプリで確認が必要
残高証明書の手数料770円〜2,200円程度住信SBIネット銀行は相続時無料、他行も440円〜880円程度
対面相談窓口で相談可能イオン銀行のみ店頭相談・店頭連絡が可能

状況に応じた各行のポイント

楽天銀行で注意すべき点
  • 楽天証券にも口座がある場合は証券の相続も別途必要
  • 原本返却は自動ではなくメモの同封が必要
  • 死亡連絡は電話が基本(WEB受付の案内もあり)
住信SBIネット銀行で注意すべき点
  • SBI証券にも口座がある場合は証券の相続も別途必要
  • 残高証明書が無料のため、相続税申告で有利
  • 24時間電話受付なので急ぎの凍結に対応可能
PayPay銀行で注意すべき点
  • Web受付フォームで24時間連絡可能
  • 相続に必要な残高証明書はPDF版では不十分な場合があり、郵送版の取得を推奨
  • PayPay残高はPayPay銀行とは別の手続き
ソニー銀行で注意すべき点
  • 外貨預金がある場合は為替レートのタイミングに注意
  • 払戻しが3〜5営業日と比較的早い
  • 手続き期限はないが早めの返送が推奨
auじぶん銀行で注意すべき点
  • Web受付フォームで申請・書類アップロードが可能
  • 所定条件を満たせば約5営業日でWeb完結(郵送不要)
  • 三菱UFJ銀行・三菱UFJ eスマート証券にも口座がある場合は別途手続き
イオン銀行で注意すべき点
  • 書面授受が2回あり、全体で2〜4週間かかる場合がある
  • 唯一店舗での対面相談が可能(イオンモール等に店舗あり)
  • WAON残高は返金されるがWAONポイントは消滅する点に注意
ネット銀行の預金相続手続きで押さえておきたいポイント
  • 口座の存在を事前に把握する:通帳がないネット銀行は相続人が見落としやすいため、メール・アプリ・確定申告書などから口座の有無を確認する
  • 手続きはすべて郵送:ネット銀行は原則来店不要だが、書類不備があると郵送のやり直しで時間がかかるため、提出前の入念なチェックが重要
  • 印鑑証明書・戸籍謄本の有効期限に注意:印鑑証明書は6行すべて「発行から6か月以内」の原本が必要。戸籍謄本の有効期限は銀行により異なり、住信SBIネット銀行は6か月以内の原本(コピー不可)を要求。複数行の手続きを並行する場合は有効期限の管理が重要
  • 法定相続情報一覧図を複数枚取得する:郵送で原本を送付するため、返却を待つ時間を考慮して銀行数+αの枚数を取得しておく
  • 残高証明書は手数料を比較する:住信SBIネット銀行は相続時無料、ソニー銀行は440円と安い一方、銀行によって数百円〜の差がある
  • 証券口座の有無も確認する:楽天証券・SBI証券・三菱UFJ eスマート証券など、同グループの証券口座がある場合は別途手続きが必要

本ページは、各銀行の公式サイトの情報をもとに作成しています。最新の手続き内容・手数料・必要書類は各銀行の公式サイトでご確認ください。

参考: 楽天銀行「相続のお手続き」住信SBIネット銀行「相続手続」PayPay銀行「相続のお手続き」ソニー銀行「相続のお手続」auじぶん銀行「相続」イオン銀行「相続のお手続き」

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監修者プロフィール - 板垣隼
司法書士 板垣隼
この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Planやビジネスメディアへの寄稿実績多数。
不動産名義変更・相続登記専門年間2000件の実績全国対応
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