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ゆうちょ銀行の相続手続き・名義変更|必要書類・流れを司法書士が解説


《この記事の作成者兼監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (
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最終更新日:2026年5月13日

ゆうちょ銀行の相続手続き・名義変更(要点まとめ)

● 他行の相続手続きと違うポイント:記号5桁+番号(最大8桁)の独自口座体系/相続専門の処理部署で集約処理/各相続人への分割振込に対応していない(払戻金は相続代表者がまとめて受領)の3点で、メガバンクの相続手続きと異なります。書類提出から払戻し完了まで概ね1〜2か月(メガバンクより長め)を見込んでください

● 手続きの進め方は2通り:①窓口ルート(最寄りのゆうちょ銀行貯金窓口で「相続確認表」提出→相続専門部署から「必要書類のご案内」郵送→書類提出→払戻し)/②相続Web案内サービス(画面入力で「相続確認表」「必要書類のご案内」を作成・印刷し、戸籍等を準備したうえで貯金窓口へ提出。Webだけで完結する手続きではない点に注意)

● そろえる書類:①相続確認表(ゆうちょ所定様式)/②貯金等相続手続請求書(ゆうちょ所定様式・必要書類のご案内に同封)/③被相続人の出生から死亡までの連続戸籍(または法定相続情報一覧図)/④実印を押す相続人の印鑑登録証明書(法定相続情報を使わない場合は相続人の現在戸籍も必要)/⑤遺産分割協議書を作成した場合はその協議書、遺言書がある場合は遺言書(公正証書遺言は正本または謄本、自宅等で保管された自筆証書遺言・秘密証書遺言は検認済みのもの。法務局保管の自筆証書遺言は検認不要)/⑥通帳・キャッシュカード・証書(紛失していても「現存調査」で対応可能)

● 払戻金の受取り方:①相続代表者のゆうちょ銀行口座への入金、②他の金融機関口座への振込(振込手数料:5万円未満660円・5万円以上880円)、③払戻証書による窓口での現金受取、から選択可能。ただしゆうちょ銀行は各相続人への分割振込には対応していないため、複数相続人がいる場合は相続代表者が一括受領し、各相続人への分配はご自身で実施することになります

● 司法書士に依頼するとどう違うか:①戸籍収集・法定相続情報一覧図の作成(被相続人が複数回転籍/改製原戸籍が地方の役所に分散など難航ケースも当方で巻き取り)、②司法書士の「職務上の預り金口座」を通じた各相続人への中立分配(ゆうちょは分割振込に対応していませんが、当方が間に入ることで代表相続人の送金負担をゼロにし、贈与税の誤解や親族間トラブルを未然に防ぎます)、③不動産名義変更との並行進行で時間短縮(ライトプラン66,000円〜/おまかせパック198,000円〜)

ゆうちょ銀行は、日常生活に最も身近な金融機関の一つです。相続のご相談を受けていると、被相続人の口座にゆうちょが含まれているケースは非常に多く、避けて通れない手続きと言えます。一方で、ゆうちょ銀行の相続は、民間銀行と比べて手続きの段取りが独特で、準備の仕方によっては想定以上に時間がかかります。

本稿では、司法書士の実務の目線から、ゆうちょ銀行の相続手続き(名義書換・解約・払戻し)を整理しつつ、不動産の相続登記と一体で進めるときの設計まで解説します。

ゆうちょ銀行の相続手続きの特徴

ゆうちょ銀行の相続で最初に押さえておきたいのは、窓口で完結しにくいという点です。実務上、窓口は「受付・本人確認・書類の受領」が中心で、審査そのものは別部門(事務センター側)で行われます。結果として、書類のやり取り・確認に時間がかかりやすく、不備があると差戻し→再提出になりがちです。

また、ゆうちょ銀行は他の金融機関と異なる重要な特徴があります。各相続人への分割振込には対応しておらず、払戻金は相続代表者が一括して受け取る運用です。払戻金の受取り方法は、①相続代表者のゆうちょ銀行口座への入金、②他の金融機関口座への振込(振込手数料:5万円未満660円・5万円以上880円)、③払戻証書による窓口での現金受取、から選択できます。複数の相続人で分ける場合は、相続代表者が一括受領した後に各相続人への分配をご自身で実施することになります。この点は手続き完了後の資金移動を考える上で事前に知っておくべき重要なポイントです。

そのため、最初の段階で「何を揃えるべきか」「どの方式で進めるべきか」を固めておくことが、手続きの短縮に直結します。

相続の申出と口座の取扱い(凍結・引落し停止)

相続手続きは、相続人等が死亡の事実を申し出るところから始まります。申出がされると、口座は相続手続きに入るため、一般に各種取引(引落し、送金、入出金等)が制限されます。ここで問題になるのが、葬儀費用や当面の生活費など、急な支払いの必要がある場面です。

実務として注意したいのは、相続開始後に預金を動かすことが、ケースによっては「相続財産の処分」と評価されうる点です。相続放棄を検討している場合は特に慎重さが必要です。

やむを得ず資金が必要なときは、金融機関の制度(仮払い等)や他の資金手当てを含め、適法で説明がつく手段を優先して検討します。

手続きの進め方(窓口手続きとWeb案内サービス)

ゆうちょ銀行では、従来の窓口中心の進め方に加えて、相続に関するWeb案内サービス(事前入力・必要書類の案内等)を利用できる場面があります。

※最新の手続き方法や必要書類については、ゆうちょ銀行の相続手続き公式ページでもご確認いただけます。

方式 向いているケース
Web案内サービス ・相続関係が比較的単純(数次相続がない等)
・口座情報(記号番号等)がある程度分かっている
・自宅で印刷・書類準備ができる
・窓口へ行く回数を減らしたい
窓口中心 ・相続人の範囲が複雑(代襲・数次相続等)
・口座が複数あり情報が散らばっている
・投資商品等が絡み、必要書類が増えやすい
・何から始めればよいか不明点が多い

「Webが早い/窓口が遅い」と単純化するより、事案に合うルートを選ぶ方が結果的にスムーズです。

相続手続きの流れ(実務での5ステップ)

  1. 口座の調査(記号番号の確認・照会)

    まず、被相続人の通帳・カード・郵便物を確認し、口座の特定を行います。情報が乏しい場合は、相続人として照会できる制度(貯金等照会・現存調査等)の利用を検討します。ここを省くと、後日口座が見つかって遺産分割をやり直す、という実務上の"やり直し事故"につながります。

  2. 相続に関する初期書類の提出(相続確認表等)

    初期段階では、相続関係の概要や代表者の情報、遺言の有無などを示す書類の提出が求められます。提出後、必要書類一式(請求書、チェックリスト、返信用封筒等)が案内される流れが一般的です。案内書類は、その後の提出に必要となるため、届いたら一式で保管します。

  3. 戸籍の収集と相続人の確定

    ゆうちょ銀行の審査でも、不動産の相続登記でも、戸籍の整合性が最重要です。基本は「出生から死亡まで」の連続性を担保し、相続人が誰かを客観的に示せる状態に整えます。代襲相続や転籍が多い場合は、収集の範囲が広がり、一般の方にとって最も負担が大きい工程になりがちです。

  4. 遺産分割協議書・請求書の作成(押印・印鑑証明)

    遺産分割で誰が預金を取得するかを確定し、その内容を協議書に落とし込みます。併せて、ゆうちょ所定の請求書への署名押印、印鑑証明書の準備が必要になります。

    実務では、住所の表記ゆれ(戸籍・住民票・印鑑証明・申請書の不一致)や、訂正方法の誤りが差戻し原因になりやすいため、提出前に形式面を徹底して整えます。

  5. 本提出・審査・払戻し/名義書換

    書類一式を提出すると、審査を経て払戻し(解約払戻し・名義書換等)が実行されます。手続完了までの期間は、事案の内容や混雑状況、書類の整い方で変動します。

    ※払戻金の振込先などの取扱いは運用が見直されることがありますので、最新の取扱いは提出時点で必ず確認しておくのが安全です。

    ※ゆうちょ銀行の払戻金は、相続代表者のゆうちょ銀行口座への入金のほか、他の金融機関口座への振込(振込手数料:5万円未満660円・5万円以上880円)、払戻証書による窓口での現金受取も選択できます。ただし各相続人への分割振込には対応していないため、相続代表者が一括受領し、各相続人への分配はご自身で実施する必要があります。

書類作成・収集でつまずきやすい点

  • 戸籍が"揃っているようで揃っていない"(改製原戸籍・除籍の抜け)
  • 相続人の一部が遠方で、実印押印の回収に時間がかかる
  • 訂正が必要になり、訂正印や訂正方法で再提出
  • 休眠口座・複数口座が後から見つかり、協議の前提が崩れる
  • 投資商品等があると、請求書が分かれたり追加資料が必要になる

最初に「全体設計」を作っておくと事故が減ります。

不動産の相続登記と同時に進めるポイント

相続手続きは、預貯金と不動産を別々に動かすより、共通する資料(戸籍、相続関係の整理、協議書)を一体で使う方が効率的です。特に、相続登記が義務化され、期限管理が重要になったことで、「銀行が終わってから登記」だと後ろ倒しになりやすい点に注意が必要です。

法定相続情報一覧図の活用

法定相続情報一覧図は、戸籍一式を"公的に要約"したものとして使えるため、金融機関・登記の双方で手続きが並行しやすくなります。戸籍原本の出し入れや原本還付の待ち時間を減らせるのも実務上のメリットです。

遺産分割協議書の不動産記載は要注意

預金は口座番号等が合っていれば足りる場面が多い一方、不動産は登記簿の表示(地番・家屋番号等)で記載できていないと登記に使えません。協議書を一つにまとめる場合は、銀行と登記の双方で通用する記載に整える必要があります。

事案が複雑な場合(数次相続・代襲・遺言等)

相続は「配偶者と子」で完結するとは限りません。次のようなケースは、早い段階で整理しないと手続きが止まります。

  • 数次相続:手続き中に相続人が亡くなった場合、誰がどの立場で協議・押印するかを整理する必要があります。
  • 代襲相続:相続人の範囲が変わり、戸籍収集も増えます。
  • 遺言:遺言の方式により、必要な手続き(検認の要否等)が異なります。
  • 遺言執行者:執行者の権限確認が必要となり、資料の要求が増えることがあります。
  • 投資商品等:預貯金と同じ請求書で完結せず、別書式・追加書類になることがあります。

費用の考え方(実費と専門家報酬)

相続手続きの費用は、大きく「実費」と「専門家報酬」に分かれます。実費は戸籍等の取得費、各種証明書、場合によっては残高証明等が中心です。専門家に依頼する場合は、戸籍収集・書類作成・金融機関対応・登記申請など、どこまでを一括で依頼するかで幅が出ます。

※銀行解約の代行費用について、信託銀行と司法書士の料金体系の違いなど詳しい情報は、銀行解約の代行費用相場|信託銀行と司法書士の料金比較をご参照ください。

判断のポイントは、単に報酬額の大小ではなく、

  • 平日に動く負担(時間コスト)
  • 不備による差戻しリスク
  • 口座の漏れや協議のやり直しリスク

を含めて、トータルで見たときに合理的かどうかです。特に不動産が絡む場合は、最初から登記まで見据えて設計した方が、やり直しが減ります。

当センターの預金相続サポート料金(3プラン・税込)

ライトプラン66,000円〜戸籍収集・法定相続情報一覧図の作成まで
おまかせパック198,000円〜ゆうちょ銀行の相続手続き代行・職務上の預り金口座での中立分配(相続人全員の合意が前提)を含む
フルサポート297,000円〜不動産名義変更を含む一括代行

※上記は専門家報酬の目安です。別途、実費(戸籍謄本1通450円・除籍謄本/改製原戸籍1通750円程度、残高証明書が必要な場合の発行手数料など)がかかります。ゆうちょ口座と不動産を同時に相続する場合は、戸籍収集や相続人確認をまとめて進められるため、別々に手続きするより負担を抑えられます。

まとめ(チェックリスト)

  • 口座情報(通帳・カード・郵便物)を最初に集める
  • 不明なら照会を検討し、口座の漏れを防ぐ
  • 早い段階で「窓口ルート/Web案内サービス」の適性を判断する
  • 戸籍は"揃ったつもり"が危険。連続性と相続人確定を重視する
  • 協議書は、預金だけでなく不動産登記で通用する記載に整える
  • 相続登記の期限も見据え、銀行と登記は同時並行で設計する
  • 数次相続・代襲・遺言がある場合は、早めに専門家へ相談する

ゆうちょ銀行の相続手続きでよくあるご質問

ゆうちょ銀行の相続手続きはどこで行えますか?

全国の郵便局のゆうちょ銀行貯金窓口で受付しています。最寄りの窓口で構いません。受付後、書類審査は相続専門の処理部署で集約処理されます。窓口へ直接出向く窓口ルートと、画面入力で「相続確認表」「必要書類のご案内」を作成・印刷したうえで戸籍等とともに窓口へ提出する相続Web案内サービスの2ルートがありますが、いずれも最終的には貯金窓口での書類提出が必要です(Webだけで手続きが完結するわけではありません)。

ゆうちょ銀行の口座名義変更はできますか?他行振込はできますか?

ゆうちょ銀行の通常貯金は、相続では口座を解約して残高を払い戻すのが基本です(投資信託や国債を保有している場合は名義換の手続きになることがあります)。払戻金の受取り方法は、(1)相続代表者のゆうちょ銀行口座への入金、(2)他の金融機関口座への振込(振込手数料:5万円未満660円・5万円以上880円)、(3)払戻証書による窓口での現金受取、から選択できます。ただし、ゆうちょ銀行側では各相続人へ分割して振り込むことはできないため、複数の相続人がいる場合は相続代表者がまとめて受領し、その後、相続人間で合意した内容に従って分配します。

ゆうちょの相続払戻しに必要な書類は何ですか?

ゆうちょ銀行の払戻手続きで基本的に必要なのは(1)相続確認表(ゆうちょ所定様式・最初の窓口で入手)、(2)貯金等相続手続請求書(ゆうちょ所定様式・「必要書類のご案内」に同封)、(3)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本(または法定相続情報一覧図1通で代替可)、(4)印鑑登録証明書(遺産分割協議書や貯金等相続手続請求書に実印を押す相続人の分)、(5)遺産分割協議書を作成している場合はその協議書、遺言書がある場合は遺言書(公正証書遺言は正本または謄本、自宅等で保管されていた自筆証書遺言・秘密証書遺言は検認済みのもの。法務局保管の自筆証書遺言は検認不要)、(6)通帳・キャッシュカード・証書(紛失していても窓口での現存調査により確認できます)です。法定相続情報一覧図を利用しない場合は、相続人の現在の戸籍謄本も必要になります。事案によって追加書類が指定されることがあります。

手続き完了までどのくらい時間がかかりますか?

最寄りの貯金窓口に「相続確認表」を提出後、1〜2週間で相続専門の処理部署から「必要書類のご案内」が郵送されます。その後、戸籍や印鑑証明書を整えて「貯金等相続手続請求書」と一緒に再度窓口提出してから、審査を経て払戻しまで通常2〜4週間です。書類の取得・収集を含めると、申出から払戻しまでの全工程で概ね1〜2か月程度が目安です。必要書類を提出した後の処理期間は、相続代表者の通常貯金口座への入金や払戻証書の場合は比較的短く、他の金融機関口座への振込ではやや長めに見込んでおくと安心です。

ゆうちょから他行(メガバンクなど)の口座へ直接振り込んでもらえますか?

可能です。現在は相続払戻金の受取方法として他の金融機関口座への振込も選択できます(振込手数料:5万円未満660円・5万円以上880円)。ただし、払戻金額が振込料金(660円)以下の場合は、振込ではなく振替払出証書が送られます。また、ゆうちょ銀行側で複数の相続人へ分割して振り込むことはできず、相続代表者がまとめて受領する形になります。各相続人への分配は、相続代表者がご自身で送金するか、相続人全員の合意のもとで司法書士の職務上の預り金口座を経由して中立的に分配する方法があります。

通常貯金・通常貯蓄貯金・定額貯金・定期貯金で手続きは違いますか?

基本書類(相続確認表・貯金等相続手続請求書・戸籍・印鑑登録証明書)は共通ですが、貯金種類によって以下の違いがあります。通常貯金・通常貯蓄貯金は払戻処理のみ。定額貯金・定期貯金は解約(払戻し)扱いとなり、利息は解約日まで計算されます。満期前に払い戻す場合は、預入期間に応じた所定の中途解約利率が適用される点に注意が必要です(相続税申告で必要な死亡日時点の残高・既経過利息は別途確認します)。振替口座(旧郵便振替口座)には別の様式が用いられることがあります。

司法書士に依頼すると費用はいくらですか?全国対応していますか?

当センターは全国47都道府県の依頼に対応しており、年間2,000件超の相続相談の実績があります。預金相続の費用プランは3種類:ライトプラン66,000円〜(戸籍収集・法定相続情報一覧図作成まで)/おまかせパック198,000円〜(ゆうちょ銀行の相続手続き代行・相続人全員の合意のもとでの職務上の預り金口座による中立分配を含む)/フルサポート297,000円〜(不動産名義変更を含む一括代行)。ゆうちょ口座と不動産を同時に相続する場合は、フルサポートで一括代行することで、戸籍収集や相続人確認の重複を減らし、手続きの負担を抑えられます。

預金の相続手続きは自分でできる?

不動産の相続、名義変更と同様に、預金の相続についても同じような書類の収集などがございいます。誰でもできるとは言えませんが、時間と労力をかければ可能です

ご自身で書類の収集、作成が難しく、銀行の手続きが困難な場合には専門家に依頼になるかと思います。

当センターでも、預金手続きの解約を含む相続手続きにつき、相続財産管理・処分の業務を承っています。

銀行の預金のみの相続手続きのプランもございます。

この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Plan・manegyへの寄稿実績あり。

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