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不動産の共有名義はデメリットだらけ?避けるべき理由と解消方法


《この記事の作成者兼監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (
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最終更新日:2026年4月16日

相続や夫婦での住宅購入をきっかけに、不動産を共有名義にするケースがあります。しかし、共有名義にはさまざまなデメリットがあり、後から「共有にしなければよかった」と後悔する方が少なくありません

この記事では、不動産を共有名義にする5つのデメリットと、共有を避ける方法、すでに共有になっている場合の解消方法を司法書士が解説します。

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関連ハブ記事:住宅ローンが残ったまま共有名義を解消したい方は「住宅ローンが残る家の名義変更|借り換え・抵当権の再設定の進め方」をご覧ください。借り換え・債務引受・売却の3パターン、銀行の承諾を得る手順、必要書類と費用の目安を解説しています。

📘 関連記事:共有名義を兄弟間の売買で解消したい方は「兄弟間売買による共有名義の解消|登記・税金・みなし贈与対策を司法書士が解説」をご覧ください。持分買取の価格算定(評価額×持分÷0.7目安)・登記原因「売買」での持分全部移転手続き・代償分割との使い分けまで実務を解説しています。

不動産の共有名義とは

共有名義とは、1つの不動産を複数人で所有している状態のことです。登記簿には各共有者の氏名と持分割合(例:持分2分の1)が記載されます。

共有名義になりやすいケース

ケース具体例
相続親が亡くなり、兄弟3人で実家を相続。遺産分割協議がまとまらず、法定相続分どおりに3分の1ずつで登記した
夫婦での住宅購入夫婦それぞれが住宅ローンを組み(ペアローン)、出資割合に応じて共有名義にした
親子間の資金援助親が頭金を出し、子がローンを組んで住宅を購入。出資割合に応じて親子共有にした
離婚後の放置夫婦共有で購入した不動産が、離婚後も住宅ローンの関係で名義変更できず、共有のままになっている

共有名義にすること自体は違法ではありませんし、住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられるなどのメリットもあります。しかし、長期的に見ると以下のようなデメリットが生じることが多いのが実情です。

共有名義の5つのデメリット

デメリット1:売却に全員の同意が必要

影響度:大

共有名義の不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要です。1人でも反対すれば売却できません。

たとえば、相続で兄弟3人の共有にした実家を売却しようとしても、1人が「思い出の家だから売りたくない」と主張すれば、売却は進められません。共有者が遠方に住んでいたり、連絡が取れなくなっている場合はさらに困難です。

なお、自分の持分だけを第三者に売却することは法律上可能ですが、持分のみの買い手は見つかりにくく、市場価格を大幅に下回る金額でしか売れないのが一般的です。

デメリット2:管理や修繕で意見が対立する

影響度:中〜大

共有不動産の管理行為(修繕・リフォーム等)は持分の過半数の同意が必要です。

「老朽化した屋根を修繕したい」「建て替えたい」といった場合に、共有者間で費用負担や必要性をめぐって対立が生じることがあります。特に建て替えや大規模なリフォームは「変更行為」に該当し、共有者全員の同意が求められます。

デメリット3:相続のたびに共有者が増える

影響度:大(長期的に最も深刻)

共有者が亡くなると、その持分は相続人に引き継がれ、共有者の数がどんどん増えていきます

たとえば、親が亡くなって兄弟3人で共有にした不動産。さらに兄が亡くなれば、兄の持分は兄の配偶者と子に相続されます。数世代が経過すると、共有者が10人、20人に膨らみ、全員の同意を得て売却することは事実上不可能になります。

これは「所有者不明土地問題」の原因の一つとしても社会問題化しており、2024年4月の相続登記義務化の背景にもなっています。

デメリット4:固定資産税の負担トラブル

影響度:中

固定資産税の納税通知書は共有者のうち代表者1人に届くのが一般的です。

税金を払っている代表者が他の共有者に負担分を請求しても、「住んでいないのに払いたくない」と拒否されるトラブルがよくあります。法律上は持分に応じた負担義務がありますが、実際に回収するのは容易ではありません。

デメリット5:融資の担保にしにくい

影響度:中

共有名義の不動産は、単独での担保提供が難しい場合があります。

自分の持分だけを担保に融資を受けることは制度上可能ですが、金融機関側が共有持分のみの担保を嫌うケースが多く、融資を受けにくくなります。リフォームローンや事業資金の借入れに支障が出る可能性があります。

共有名義にはメリットもある?

デメリットばかりではなく、共有名義には以下のようなメリットもあります。ただし、いずれも短期的・限定的なメリットであり、長期的にはデメリットが上回ることが多いです。

共有名義のメリット
  • 住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられる(ペアローン等で各自が借入・居住要件を満たす場合)
  • 将来の売却時に居住用財産の3,000万円特別控除を共有者それぞれで適用できる可能性がある
  • 遺産分割がまとまらない場合の暫定的な措置として機能する

住宅ローン控除のメリットは返済期間中(最大13年間)に限られます。控除期間終了後は共有のデメリットだけが残るため、将来を見据えた判断が重要です。

共有名義を避ける方法

特に相続の場面では、以下の分割方法を活用することで共有名義を避けることができます。

代償分割

不動産を1人が単独で取得し、他の相続人に対して金銭(代償金)を支払う方法です。たとえば、実家(評価額3,000万円)を長男が取得し、次男に1,500万円を支払うケースです。

不動産を分割せずに済むため、最もトラブルが少ない方法の一つですが、代償金を準備する資力が必要です。

換価分割

不動産を売却して現金化し、売却代金を分ける方法です。不動産をそのまま保有する必要がない場合に有効です。売却には相続人全員の合意が必要ですが、共有名義にした後に全員の同意を得るよりも、遺産分割協議の段階で合意するほうがスムーズです。

現物分割

広い土地を分筆して、それぞれの相続人が別々の土地を単独で取得する方法です。分筆が可能な土地に限られますが、共有を回避できます。または遺産に複数不動産がある場合は、それぞれを単独に取得する方法です。

すでに共有名義になっている場合の解消方法

すでに共有名義になっている不動産でも、以下の方法で共有を解消できます。

持分の譲渡(贈与・売買)

共有者の一人が他の共有者の持分を買い取るか、贈与を受けることで単独名義にする方法です。持分移転登記の手続きが必要になります。

贈与の場合は贈与税、売買の場合は譲渡所得税の問題がありますので、税務面の検討も重要です。

共有物分割請求

共有者間で話し合いがまとまらない場合、裁判所に共有物分割請求を申し立てることができます。裁判所が分割方法(現物分割・換価分割・価格賠償)を決定します。ただし、時間と費用がかかるため、できれば話し合いで解決するのが望ましいです。

全員の合意による売却

共有者全員が合意すれば、不動産を売却して代金を分配することができます。共有状態を完全に解消でき、全員が現金を受け取れるため、もっとも明快な方法です。

解消方法条件メリットデメリット
持分の譲渡相手方の同意が必要不動産を手放さずに済む買取資金・贈与税の負担
共有物分割請求同意不要(裁判所が判断)話し合いがまとまらなくても解消可能時間・費用がかかる
全員で売却共有者全員の同意もっとも明快。全員が現金を得られる全員の合意が必要
「共有名義をどう解消すればいいか分からない…」「兄弟間で話し合いが進まない…」とお困りの方へ。当センターでは共有名義の解消に必要な登記手続きをサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。

共有名義に関するよくある質問

Q. 共有名義の不動産は相続登記の義務化の対象ですか?

はい。2024年4月1日以降、共有持分の相続についても相続登記が義務化されています。相続を知った日から3年以内に登記しなければ、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります。

Q. 共有者の1人が行方不明の場合はどうすればいいですか?

共有者の1人が行方不明で連絡が取れない場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てることで、売却や持分の処分に向けた手続きを進められる場合があります。2023年の民法改正で「所在等不明共有者」の持分を取得・売却できる制度も新設されました。

Q. 夫婦の共有名義を離婚後に解消するには?

離婚に伴う財産分与として、一方の持分をもう一方に移転する方法が一般的です。財産分与による名義変更は通常、贈与税はかかりません。ただし、分与額が過大な場合などは課税問題が生じることがあります。また、住宅ローンが残っている場合は金融機関の承諾が必要になるなど、注意すべき点があります。

Q. 自分の持分だけ売却できますか?

法律上は、自分の持分のみを第三者に売却することは可能です。ただし、持分のみの買い手は限られるため、市場価格の50〜70%程度まで下がるのが一般的です。まずは他の共有者に買い取りを打診し、それが難しい場合に第三者への売却を検討するのが現実的です。

Q. 共有名義の固定資産税は誰が払うのですか?

固定資産税は共有者全員に連帯納付義務があります。納税通知書は代表者(通常は持分が最も多い人)に届きますが、各自の負担割合は持分に応じて決まります。代表者が全額負担している場合、他の共有者に持分に応じた金額を請求する権利があります。

まとめ:共有名義は避けるか、早めに解消を

不動産の共有名義のポイントをまとめます。

  • 共有名義の5大デメリット:売却に全員の同意が必要/管理の意見対立/相続で共有者が増加/固定資産税トラブル/融資の担保にしにくい
  • 特に深刻なのは「相続のたびに共有者が増える」問題。数世代後には売却が事実上不可能になることも
  • 相続の場面では代償分割・換価分割を活用し、共有を避ける工夫が重要
  • すでに共有になっている場合は、持分の譲渡・売却・共有物分割請求で解消できる
  • 2024年4月の相続登記義務化により、共有持分の放置もできなくなった

共有名義の問題は、時間が経つほど解決が難しくなります。「共有を解消したい」「そもそも共有にならないようにしたい」とお考えの方は、早めに専門家にご相談されることをおすすめします。

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この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Plan・manegyへの寄稿実績あり。

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