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共有名義のまま離婚した場合の要点まとめ
● 放置のリスク:共有名義のまま放置すると、売却には元配偶者の同意が必要なうえ、相手の持分の差押えや相続によって権利関係が複雑化します。
● 解消する方法は4つ:財産分与による単独名義化(住み続けたい場合の第一候補)・売却して現金分割・持分の売買や贈与・共有物分割です。
● 期限:財産分与を家庭裁判所に請求できるのは離婚から5年以内(改正民法768条2項。令和8年4月1日より前に成立した離婚は2年)。
● 費用:登録免許税は移転する持分の固定資産税評価額×2.0%。当センターの財産分与による名義変更はおまかせパック99,000円(税込)〜。
● 住宅ローンが残る場合:多くのローン契約では名義変更に金融機関の承諾が必要とされ、無断で行うと一括返済を求められるリスクがあります。
離婚したのに自宅が共同名義(共有名義)のまま——この状態を放置すると、売却できない・元配偶者の持分が差し押さえられる・相続で権利関係が複雑になるなど、時間の経過とともにリスクが膨らみます。主な解消方法は、財産分与による単独名義化・売却して現金分割・持分の売買や贈与・共有物分割の4つ。本記事では放置リスクと解消方法、費用、住宅ローンが残っている場合の対処法を司法書士が解説します。
目次
離婚届を出しても、不動産の名義は自動的には変わりません。財産分与の話し合いをしないまま、あるいは合意はしたのに登記をしないまま、共有名義のまま名義変更していない状態のご夫婦は、実務でも非常に多く見られます。離婚そのものは有効ですが、不動産は「他人同士の共有」という不安定な状態で残り続け、次のようなリスクが積み上がっていきます。
共有不動産全体の売却には共有者全員の同意が必要です。一方が「売りたい」と思っても、もう一方が反対すればそこで止まります。また、建物の形状や用途を大きく変える工事には原則として共有者全員の同意が必要で、賃貸に出すなどの管理行為も持分価格の過半数で決めるため、持分が2分の1ずつであれば結局は双方の合意がなければ進められません。離婚後は連絡そのものが取りづらくなるため、「同意を取る」というハードルは年々高くなっていきます。
元配偶者が借金を抱えたり事業に失敗したりすると、相手の持分だけが差し押さえられ、競売で見知らぬ第三者の手に渡ることがあります。あなたが住んでいる家であっても、相手の持分に対する差押えを止めることはできません。持分を取得した業者から共有物分割や持分の買取りを求められ、住み続けられなくなるおそれもあります。
元配偶者が亡くなると、その持分は元配偶者の相続人に承継されます。相手が再婚していれば、再婚相手やその子どもが新たな共有者となり、会ったこともない相手と不動産を共有する事態になりかねません。共有者が増えるほど全員の同意は難しくなり、解消のための交渉や費用の負担は跳ね上がります。
固定資産税は共有者全員に連帯して納付する義務がありますが、実務では「住んでいる側だけが払い続ける」「住んでいない側に納税通知が届き続ける」といった負担のねじれが起きがちです。固定資産税とは別に、マンションでは管理費・修繕積立金の負担も残ります。誰が支払うかを元夫婦間で決めていても、その取り決めが管理組合を当然に拘束するとは限らず、精算のルールを決めないまま年数が経つと、後から大きな金銭トラブルに発展します。
ペアローンや連帯債務・連帯保証付きのローンが残っている場合、離婚してもその契約関係は解消されません。元配偶者が返済を滞らせると、あなたに一括請求が来る・自宅が競売にかけられるという深刻な事態につながります。対処法は住宅ローンのセクションで解説します。
関連記事:名義変更せずに放置した場合に起きるトラブルの詳細は「離婚後の名義変更を放置するリスクと対処法」で、共有名義そのものの問題点は「共有名義のデメリット|売却同意・管理対立・相続の連鎖」で詳しく解説しています。
共有名義から単独名義に変更する、あるいは共有関係そのものを終わらせる方法は、大きく次の4つです。このほか自分の持分を放棄する方法(持分放棄)もありますが、税務上の負担や相手の登記協力が必要になる点に注意が必要です。まず全体像を比較してから、それぞれ詳しく見ていきましょう。
方法① 財産分与で単独名義に変更する(住み続けたい場合の第一候補)
離婚にともなう財産分与(婚姻中に夫婦で築いた財産を分け合う制度)として、一方の持分をもう一方に移転し、単独名義にする方法です。「売るしかない」と思い込んでいる方が多いのですが、どちらかが住み続けたい場合には、売却せずに登記で解決できるケースが多くあります。
登記原因は「財産分与」で、離婚成立後に元夫婦が共同で法務局に申請します。離婚により氏や住所が変わっている場合は、前提として登記名義人の住所・氏名変更登記が必要になることがあります。この住所・氏名変更登記は令和8年(2026年)4月1日から義務化されており、原則として変更日から2年以内の申請が必要です。また、話し合いがまとまらない場合に財産分与を家庭裁判所に請求できるのは離婚の時から5年以内(改正民法768条2項・令和8年4月1日施行。施行日より前に成立した離婚は従前どおり2年)ですので、早めに動くことが大切です。
当センターの財産分与による名義変更はおまかせパック99,000円(税込)、離婚協議書を公正証書にする公正証書パック198,000円(税込)です(登録免許税などの実費は別途)。手続きの流れや書類は「離婚による不動産名義変更(財産分与)の手続きガイド」を、費用の内訳は「不動産名義変更の費用」をご覧ください。
方法② 売却して現金で分ける
共有者双方の同意のもと不動産を売却して現金化し、財産分与として清算する方法です。
離婚成立後に財産分与として代金を分ければ、原則として贈与税の問題は生じません。税額の詳細は税理士にご相談ください。
方法③ 持分の売買・贈与で一方に集約する
財産分与の枠組みを使わず、相手の持分を代金を支払って買い取る(持分売買)、または無償で譲り受ける(持分贈与)方法です。離婚から長期間が経過して財産分与としての整理が難しい場合などに検討します。
自分の持分だけを第三者(持分買取業者)に売却する方法は最終手段です。価格が市場相場より大幅に安くなるうえ、見知らぬ第三者と元配偶者との共有状態になり、トラブルが深刻化するおそれがあります。
方法④ 共有物分割(協議・訴訟)で解消する
話し合いがどうしてもまとまらない場合、共有物分割という法的手続きで共有関係を終わらせることができます。まず共有者間の協議による分割を試み、まとまらなければ共有物分割訴訟を提起します(民事調停を利用することもできますが、調停を経ずに訴訟へ進むことも可能です)。訴訟では裁判所が、現物分割・賠償分割(一方が取得して代償金を支払う)・競売による換価分割のいずれかの方法を判断します。
時間と費用がかかり、競売による安値売却など望まない形で決着するリスクもあるため、あくまで最後の選択肢です。紛争性が高い場合は弁護士にご相談ください。
離婚後の共有名義を解消して単独名義にまとめたい方へ:共有名義を解消し単独名義に変更する方法(贈与・財産分与・売買・相続・持分放棄)・費用・必要書類を専門ページで詳しく解説しています。
離婚後の共有名義で最もご相談が多いのが、住宅ローンが残っているケースです。登記(名義)とローン契約(債務)は別物のため、名義変更とローンの整理をセットで設計する必要があります。
共有名義の住宅ローンは、多くが次の3タイプのいずれかです。金銭消費貸借契約書や返済予定表で、ご自身がどの立場かを確認してください。
離婚を理由に、金融機関が連帯債務や連帯保証を当然に外してくれることはありません。ペアローンや連帯保証から抜けるために実務で使われるのは、次の3つです。
売却代金で完済できないオーバーローンの場合は、不足額を自己資金で補うか、金融機関の承諾を得た任意売却を検討する必要があります。抵当権を抹消できないままでは、通常の売却を完了することはできません。
ほとんどの住宅ローン契約では、所有者(名義)の変更に金融機関の事前承諾が必要と定められています。承諾を得ずに名義変更すると契約違反となり、ローン残額の一括返済を求められる(期限の利益の喪失)リスクがあります。名義変更を検討する段階で、必ずお借入先の金融機関に相談してください。
関連記事:借り換え・免責的債務引受の進め方や必要書類は「住宅ローンが残る家の名義変更|離婚・借り換え・費用」で詳しく解説しています。
「共有名義の家に、離婚後も妻が子どもと住み続けたい」というご相談は特に多いパターンです。第一候補は、財産分与で相手の持分を取得して単独名義に変更する方法です。
たとえば「子どもの学区の関係で売却できないため、元夫の持分を財産分与として妻に移転し単独名義にする」「妻が親族からの借入れで夫名義のローンを完済し、抵当権抹消と財産分与による持分移転を同時に申請する」といった形が典型的な解決の進め方です。
分譲マンション(敷地権付き区分建物)も、戸建てと同じく財産分与による単独名義化が可能です。登記の上では、部屋(専有部分)と土地の権利(敷地権)が一体として移転し、登録免許税は建物と敷地権それぞれの固定資産税評価額をもとに計算します。管理費・修繕積立金は所有者に請求されるため、住む人と名義人のずれを放置すると滞納トラブルの原因になります。
双方とも住む予定がなければ、売却して現金で分けるのが最も後腐れのない方法です。進め方のポイントは次のとおりです。
離婚して共有名義のまま名義変更していない場合、どうなりますか?
離婚そのものは有効ですが、不動産は元夫婦の共有のまま残ります。売却やリフォームには元配偶者の同意が必要になり、相手の持分が差し押さえられたり、相手が亡くなって相続人(再婚相手や子など)が新たな共有者になったりするリスクが時間とともに大きくなります。財産分与を家庭裁判所に請求できるのは原則として離婚から5年以内のため、早めに解消へ動くことをおすすめします。
共有名義から単独名義に変更する費用はいくらですか?
財産分与による名義変更では、登録免許税(移転する持分の固定資産税評価額×2.0%)、司法書士報酬、登記事項証明書などの実費がかかります。たとえば移転する持分に対応する評価額が1,000万円なら登録免許税は20万円です。当センターの費用は、おまかせパック99,000円(税込)、離婚協議書を公正証書にする公正証書パック198,000円(税込)で、登録免許税などの実費は別途必要です。
元配偶者が名義変更に応じない場合はどうすればよいですか?
まずは費用負担や税金の見通しを整理したうえで話し合い、まとまらない場合は家庭裁判所の財産分与調停(離婚から5年以内)を利用します。調停や審判で決まった内容をもとに登記を進めることができます。感情的な対立が強く交渉が難しい場合は、弁護士にご相談ください。具体的な進め方は「元配偶者が名義変更に応じない場合の対処法」で詳しく解説しています。
自分の共有持分だけを売却できますか?
可能です。自分の持分は相手の同意がなくても売却できます。ただし買主は持分買取業者などに限られ、価格は市場相場より大幅に安くなるのが一般的です。また、見知らぬ第三者が新たな共有者になることで元配偶者とのトラブルが深刻化するおそれもあるため、財産分与による単独名義化や共同での売却を先に検討し、持分のみの売却は最終手段と考えてください。
財産分与に期限はありますか?
話し合いがまとまらない場合に家庭裁判所へ財産分与を請求できるのは、改正民法768条2項により離婚の時から5年以内です(令和8年4月1日施行。施行日より前に成立した離婚は従前どおり2年)。双方の合意があれば期限の経過後でも分与自体は可能で、期間を過ぎたことだけで直ちに贈与税が課されるわけではありません。ただし、財産分与としての根拠や金額の相当性を説明しにくくなるため、離婚協議書や評価資料を残し、早めに手続きするのが安全です。
財産分与で家をもらうと贈与税はかかりますか?
婚姻中に築いた財産の清算として相当な範囲であれば、原則として贈与税はかかりません。ただし、分与された財産が多すぎる場合や、税負担を免れるための偽装離婚と認められる場合は課税されることがあります。また、不動産取得税は、財産分与の性質(清算・慰謝料・扶養)や持分の状況によって取り扱いが分かれ、清算的な財産分与でも課税される場合があります。不動産所在地の都道府県税事務所に事前に確認してください。
住宅ローンが残っていても名義変更できますか?
登記手続き自体は可能ですが、ほとんどの住宅ローン契約では所有者の変更に金融機関の承諾が必要とされており、無断で名義変更すると契約違反としてローン残額の一括返済を求められるリスクがあります。借り換えや免責的債務引受などでローン契約の整理と名義変更をセットで進めるのが安全です。まずはお借入先の金融機関にご相談ください。
名義変更は離婚前と離婚後のどちらで行うのがよいですか?
財産分与を原因とする名義変更は、離婚成立後に行うのが原則です。離婚前に名義を移すと夫婦間の贈与として贈与税の対象になり得るためです。実務では、離婚前に財産分与の内容を離婚協議書や公正証書にまとめておき、離婚成立後すみやかに登記を申請する流れが安全です。なお、公正証書は合意内容の強力な証拠になりますが、公正証書があるだけで相手の協力なしに名義変更の登記ができるわけではありません。また、分与する側に譲渡所得税がかかる場合、居住用財産の3,000万円特別控除は配偶者への譲渡には適用されないため、離婚成立後の分与であれば適用できる可能性があります。タイミングの詳しい比較は「名義変更は離婚前・離婚後どちらがよいか」をご覧ください。
共有名義のマンションも同じ方法で解消できますか?
はい、考え方は戸建てと同じです。分譲マンション(敷地権付き区分建物)では、部屋(専有部分)と土地の権利(敷地権)が一体のものとして移転します。登録免許税は建物と敷地権それぞれの固定資産税評価額をもとに計算します。管理費や修繕積立金は所有者に請求されるため、住む人と名義人のずれは早めに解消しておくことが大切です。
共有名義の解消手続きは自分でもできますか?
双方の合意が明確で、住宅ローンが残っておらず、離婚協議書などの書面が整っていれば、ご自身で申請することも可能です。ただし持分の記載や登記原因証明情報の作成でつまずきやすく、途中で止まると時間も費用も余計にかかります。ご自身で進める手順は「離婚による不動産名義変更を自分でする方法」を、そろえる書類は「離婚による名義変更の必要書類」をご覧ください。
● 共有名義(共同名義)のまま放置すると、売却・差押え・相続の場面で解決に必要な当事者が増え、手続きは年々難しくなります。
● 主な解消方法は4つ——財産分与による単独名義化(住み続けたい場合の第一候補)・売却して現金分割・持分の売買や贈与・共有物分割。
● 財産分与を家庭裁判所に請求できるのは離婚から5年以内——令和8年4月1日より前に成立した離婚は従前どおり2年です。
● 費用は登録免許税(移転する持分の固定資産税評価額×2.0%)+報酬+実費——当センターはおまかせパック99,000円(税込)・公正証書パック198,000円(税込)で承ります。
● 住宅ローンが残っている場合は、契約上、金融機関の承諾が原則必要——名義とローンをセットで整理しましょう。
当センターは、財産分与による名義変更(持分移転登記)を中心に、年間2,000件超の相談実績をもとに全国対応で承っています。「何から手を付ければいいか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
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