不動産名義変更手続センターでは、相続や贈与時の土地・家・マンションなどの不動産名義変更手続きについて、お客さまを完全サポートいたします!
《この記事の監修者》
司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら)
最終更新日:2025年5月27日
共有名義の不動産で共有者の一人が亡くなったら、名義変更(相続登記)はどうすればいい?この記事では、その疑問に専門家がわかりやすくお答えします。共有名義の場合は、持分の相続登記を行うことになります。
共有名義特有の手続きの流れや注意点、そして2024年施行の相続登記義務化による最新ルールまで、一般の相続人の方に向けて丁寧に解説する【2025年最新版】ガイドです。相続登記の義務化により「いずれやればいい」と先延ばしにできなくなった今、早めの対応が重要です。本記事を読めば、共有名義不動産の相続登記の全体像がつかめ、安心して手続きを進められるでしょう。
共有名義の相続登記とは、複数人で共有している不動産において、共有者の一人が死亡した際に、その人の持分を相続人名義に変更する法的手続きです。
不動産の権利関係は法務局の登記簿で管理されていますが、共有者が亡くなっても自動的に名義変更されることはありません。亡くなった方の名義のまま放置すると、登記簿上の情報と実際の権利関係にズレが生じ、将来的なトラブルの原因となります。
共有者が亡くなるとどうなるか重要なポイントは、亡くなった共有者の持分は残された共有者に自動的に移転するわけではないということです。法律上、その持分は亡くなった方の相続人(配偶者、子ども、場合によっては兄弟姉妹など)が引き継ぐことになります。例えば、夫婦で共有していた不動産で夫が亡くなった場合、夫の持分は妻に自動的に移るのではなく、法定相続人である妻と子どもたちが相続することになります。その結果、もともと2人の共有だった不動産に新たな相続人が加わり、共有者の数が増加するケースが多く見られます。
共有者の増加は意思決定や不動産管理の複雑化を招きます。こうした事態を防ぎ、登記簿を実態に合わせて更新するために相続登記を行います。具体的には、亡くなった共有者の持分を誰が相続するかを確定し、その相続人への名義変更を法務局に申請します。
2024年4月からは相続登記が法律で義務化されており、所定の期限内に手続きを完了させることが求められています。適切な相続登記により、不動産の権利関係を明確にし、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。
義務化の背景と概要
従来、相続登記は義務ではなかったため、名義変更されないまま放置される不動産が数多く存在していました。こうした状況が社会問題化したことを受け、2024年の法改正によって相続登記が義務化されました。
申請期限と罰則
相続登記の申請期限は「相続があったことを知った日から3年以内」です。通常は被相続人の死亡日から起算して3年と考えられますが、不動産の存在を後から知った場合などは、実際に知った日から起算されます。正当な理由なく期限を過ぎた場合、10万円以下の過料(行政上の罰則)が科される可能性があります。
既存の未登記案件への適用
特に注意すべき点として、施行前から相続登記が未了のケースも義務化の対象となります。過去に相続が発生していても登記手続きを行っていない不動産については、2024年4月1日を起点として3年以内(2027年3月末まで)に登記申請を完了させる必要があります。この制度は過去の滞留案件も含めて一掃することを目的としており、相続不動産を所有している方は早急な対応が求められています。適切な期限内に手続きを完了させるため、専門家への相談も含めて計画的に進めることが重要です。
共有不動産で相続が発生した際の手続きは、まず相続人の確定から始まり、その後の分割方法によって登記の内容が決まります。以下、段階的に整理します。
共有名義の相続の場合も、通常の相続登記と基本的に同様です。
相続人は民法の規定により以下の順序で決定されます:
相続人を確定するため、以下の戸籍書類を収集します:
遺言がなく、相続人間で特別な取り決めをしない場合、亡くなった共有者の持分は法定相続分に従って分割されます。例えば配偶者と子1人なら各2分の1ずつとなり、新たな共有状態が生まれます。
特定の相続人に持分をまとめたい場合や、割合を変更したい場合は遺産分割協議を行います。相続人全員が合意すれば、遺産分割協議書を作成して特定の一人に持分を集約し、単独名義にすることも可能です。
この際、他の相続人には代償金を支払う代償分割が行われることもあります。
遺産分割協議は相続人全員の同意が必要です。一人でも反対者がいると成立せず、その場合は家庭裁判所での調停や審判手続きとなります。
遺言書がある場合は基本的にその内容に従って相続し、遺産分割協議は不要です。ただし、遺言書の種類によっては検認手続きなど別途必要な手順があります。
相続内容が決まったら、相続税の申告が必要かどうかも確認しましょう。不動産評価額が高い場合は基礎控除を超えて税額が発生する可能性があります。遺産の額等によっては先に相続税を考慮し分割協議することも必要となります。
相続人と承継内容が確定したら、相続登記の申請に向けて必要書類を準備します。書類の不備は手続きの遅延につながるため、慎重に準備しましょう。
共有名義の相続の場合も、通常の相続登記と基本的に書類は同様です。
戸籍関係一式として、被相続人の出生から死亡まで連続した除籍謄本・改製原戸籍などを用意します。これらは死亡の事実と相続人を確定するために必要な重要書類です。
相続人全員の戸籍謄本で相続人の資格を証明し、現在の住民票(またはマイナンバー付住民票)で登記簿に記載する住所を確認します。
登記事項証明書(登記簿謄本)で対象不動産の現在の登記記録を確認します。法務局やオンラインで取得でき、費用は1通600円程度です。
遺産分割を行った場合は、遺産分割協議書を用意します。相続人全員が実印で押印し、不動産の表示(所在・地番・持分など)と取得者を明記します。併せて相続人全員の印鑑証明書も添付が必要です。
法務局に提出する相続登記用の申請書で、必要事項を記載します。
検認済みの自筆証書遺言や公正証書遺言の写しなどを添付します。
法定相続情報一覧図の写しを戸籍の代わりに提出できます。
一般的な不動産取引とは異なり、相続登記では被相続人の権利証(登記識別情報)の提出は原則不要です。亡くなった方本人が申請する手続きではないため、万一権利証を紛失していても問題ありません。生前の所有者であったことは戸籍と登記簿で証明できます。証明書が取得できない場合などで権利証があると手続きがスムーズな場合はあります。
書類が揃ったら、提出前に以下の点を必ずチェックしましょう
これらに不備があると登記官から補正を求められ、手続きが遅延する原因となります。
書類作成に不安がある場合は、無理をせずに司法書士などの専門家に依頼することも有効な選択肢です。確実で迅速な手続きが期待できます。
必要書類が準備できたら、管轄の法務局で相続登記の申請を行います。以下、申請から完了までの流れを説明します。
共有名義の相続の場合、申請書に持分の移転である旨(登記の目的)、相続人が取得する持分の割合、課税価格が移転する持分の価格を記載することが、通常の相続登記の申請書と異なります。
登記申請書に主に以下の必要事項を記入します
相続登記には登録免許税(国税)の納付が必要です。
税額の計算:
納付方法: 収入印紙を申請書に貼付します。必要額の収入印紙は郵便局や法務局窓口で事前に購入しておきましょう。
※登録免許税の詳しい計算方法や免税については別ページ参照
相続登記の登録免許税の計算方法・納付方法と免税(非課税)になるケースを解説!
登記申請書に収入印紙を貼り、必要書類一式(戸籍類・住民票・協議書など)を添えて法務局の窓口に提出します。
提出方法の選択肢:
申請後、法務局で審査が行われ、問題がなければ登記が完了します。
完了までの期間: 管轄法務局にもよりますが、1〜2週間程度が目安です。
完了時の交付物:
登記識別情報は法務局から直接郵送されるか、窓口提出の場合は交付を受けて持ち帰ることができます。
相続登記が完了すると、新しい共有者(相続人)名義への変更が正式に登記簿に反映されます。確認の為に名義変更後の新しい登記事項証明書を取得しましょう。この登記情報をもとに、今後は不動産の管理や処分を適切に行っていくことになります。
共有名義不動産の相続登記には、単独名義とは異なる特有の課題があります。事前に理解しておくことで、将来のトラブルを回避できます。
相続により新しく共有者となった相続人たちは、必ずしも不動産の管理や利用に関心があるとは限りません。遠方に住んでいたり、不動産に興味がなかったりする場合があります。
共有不動産では持分の大小に関わらず法的権限は平等であり、重要な意思決定(修繕・売却など)には全員の合意が必要です。一人でも反対すれば意思決定ができないため、新たな共有者との連絡体制構築と情報共有が重要になります。
共有名義のまま長期間放置すると、時間の経過とともに共有者自身にも相続が発生し、権利者が指数的に増加していきます。例えば兄弟2人の共有から始まり、次世代はいとこ同士、その次は従甥姪といった具合に代を重ねるごとに関係者が増え、最終的には収拾がつかない状況に陥ります。
このような状態では不動産の有効活用が困難となり、誰も使用しないにも関わらず権利者だけが多数存在する"塩漬け不動産"となるリスクがあります。
共有不動産の売却には共有者全員の同意が必要です。相続により見ず知らずの親族が共有者に加わった場合、売却への協力を得られない可能性があります。
同様に、不動産を担保としたローン利用時にも全共有者の承諾が必要となり、一人でも反対すれば売却も借入れもできません。将来的に売却の可能性がある場合は、早期の共有状態解消(持分買取、全員での売却・現金分配など)が得策です。
固定資産税・都市計画税の納税通知書は基本的に代表者1名に届きますが、税負担義務は各共有者の持分に応じて連帯責任となります。相続により複数の相続人が税負担者となるため、事前に負担方法を共有者間で決めておくことが重要です。
共有名義の相続登記では、複数の費用項目があります。事前に総額を把握して予算を準備しておきましょう。
不動産評価額の0.4%(計算例:評価額1,000万円の持分 → 税額4万円)
登録免許税の計算結果が1,000円未満の場合は1,000円に切り上げ
付方法は、通常収入印紙での納付
なお、土地の相続登記については、被相続人から相続登記しないまま次の相続が発生したケースなど、一定の場合で免税措置が設けられています(2021年の法改正による)。詳細は法務局のホームページで確認できます。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html
各種証明書の発行手数料として以下の費用が発生します:
相続関係者の人数や不動産の数によって変動しますが、全体で数千円〜1万円弱が目安となります。
自分で手続きする場合は不要ですが、専門家に依頼する場合は報酬が発生します。
費用の相場:
多くの司法書士事務所では事前見積もりを提供しており、依頼前に総額の目安を確認できます。初回相談時に費用について詳しく聞いてみることをお勧めします。
ケースによって発生する小規模な費用として以下があります:
これらは大きな負担にはなりませんが、総費用を把握するために念頭に置いておきましょう。
共有名義の相続登記では、登録免許税が最も大きな費用となります。不動産の評価額を事前に調べ、0.4%で計算しておくと予算の目安が立てられます。
専門家に依頼するかどうかは、手続きの複雑さや自身の時間的余裕を考慮して判断しましょう。費用はかかりますが、確実で迅速な手続きが期待でき、将来のトラブル防止にもつながります。
相続登記は自分でも手続き可能ですが、専門知識と多くの労力を要します。司法書士など専門家に依頼することで得られる主なメリットを整理します。
戸籍収集から書類の不備チェック、法務局とのやり取りまで、慣れない作業を司法書士が一括して代行します。平日に役所や法務局へ出向く必要がなくなり、本業や日常生活への負担を大幅に軽減できます。
司法書士は不動産登記の法律改正や運用について常に最新情報を把握しています。2024年の義務化に伴う新ルールや、相続人申告登記制度、法定相続情報証明制度などの特例制度についても精通しており、最適で抜け漏れのない手続きが可能です。
登記申請書や遺産分割協議書の作成には専門的な書式・表現が求められます。不備があれば法務局から訂正を求められ、時間ロスや申請却下のリスクがあります。
司法書士に依頼すれば一度で受理される正確な書類を用意できます。特に共有持分の登記では記載内容が複雑になりがち(「○分の○を○に相続」等の表現)ですが、専門家なら適切に対応できます。
必要に応じて、司法書士が相続人全員への案内や押印手続きのフォローを行います。遠方の相続人がいる場合の郵送での書類取り交わしもスムーズに段取りします。
中立的な第三者が入ることで、親族間のコミュニケーションが円滑になるケースも多くあります。
※相続人間のトラブルに司法書士は基本的に関与できません。一部の相続人の代理人として他の相続人と交渉することもできません。
相続は大切な家族を亡くした後の手続きであり、気持ちの面でも大変な時期です。司法書士がサポートすることで手続きのストレスから解放され、本来重要な相続人間の話し合いや故人の供養などに専念できます。
費用はかかりますが、その価値以上の安心と時間節約が得られるでしょう。特に以下のような場合は専門家への依頼を強く推奨します。
「義務化されたとはいえ専門家に頼むほどでも…」と迷われる方も、まずは無料相談を利用してみることをお勧めします。具体的な状況を伺った上で、費用も含めて最適な進め方を提案してもらえます。
複雑な共有名義の相続登記では、将来のトラブル防止も含めて専門家のアドバイスが特に価値を持ちます。まずは気軽に相談してみて、自分で進めるか依頼するかを判断するのが賢明でしょう。
司法書士法人不動産名義変更手続センターでは、豊富な実績と専門性を活かして、お客様に安心してご依頼いただける相続登記サービスを提供しています。
年間2,000件超の相談実績を持ち、相続登記をはじめとする不動産名義変更手続きに幅広く対応しています。共有持分の相続や複雑な相続案件にも多数対応してきた経験により、どのようなケースでも的確に対処できます。
事前にお見積もりを提示し、料金の内訳をしっかり説明します。追加費用が発生する可能性がある場合も、都度ご相談の上で進めるため、「知らない間に費用が膨らんだ」といったご心配は不要です。
義務化により期限厳守が求められる中、スピーディーな手続き完了を心がけています。ご依頼後は戸籍収集から登記申請まで無駄なく進め、可能な限り早い完了を目指します。遠方の案件についてもオンラインや郵送を活用した迅速対応を実施しています。
司法書士だけでなく、必要に応じて税理士や弁護士とも連携したワンストップサービスを提供できます:
初回の無料相談は多様な方法で受け付けています:
LINEでの相談受付により、専門家へのハードルを感じることなく、身近な窓口としてご活用いただけます。もちろん面談でのご相談も可能です。
当法人は提供する情報についても、司法書士が最新情報をチェックしながら監修しており、常に正確性・専門性を担保しています。
まずはお気軽にお問い合わせください。お客様の状況に応じた最適な解決方法をご提案いたします。
経験豊富なプロフェッショナルチームが、義務化された相続登記を確実かつスムーズに完了させ、お客様の大切な不動産の権利を守ります。
共有名義の相続登記に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問点の解消にお役立てください。
2024年の法改正により、相続登記は原則として相続開始(被相続人の死亡を知った日)から3年以内に申請する義務があります。
具体的な期限は以下の通りです:
期限を過ぎ正当な理由もなく放置すると過料(10万円以下)の対象となる可能性があるため、早めの手続き開始をおすすめします。
いいえ、亡くなった方の持分はその方の相続人が引き継ぎます。残された他の共有者に自動的に集中するわけではありません。
例えば夫婦で各2分の1ずつ所有していた場合で夫が亡くなれば、夫の持分2分の1は夫の相続人全員(妻および子など)に承継されます。結果として妻の持分2分の1と、子たちと分け合った持分合計2分の1が新たな共有状態となります。
他の共有者が亡くなった持分を取得したい場合は、遺産分割協議でそのように取り決めをして相続登記をする必要があります。
相続人が複数いる場合には作成を強くおすすめします。
これらの場合は、相続人全員の合意内容を示す遺産分割協議書がなければ登記ができません。協議書には相続人全員の実印押印と印鑑証明書が必要です。
法定相続分通りに相続する場合でも、後々のトラブル防止のため書面で明確に残しておくことをおすすめします。
はい、過料という罰則があります。正当な理由なく期限内に相続登記を申請しない場合、10万円以下の過料に処される可能性があります。
過料は刑事罰ではなく行政上のペナルティですが、軽視はできません。また罰則だけでなく、登記をしないことで生じるデメリット(次世代への負担、売却不能など)は計り知れません。
義務化された以上、罰則の有無にかかわらず早急に手続きすることが重要です。
主な費用は以下の通りです:
司法書士に依頼する場合は、上記実費に加えて専門家報酬(数万円~)が必要です。
多くの司法書士事務所では無料相談時に概算費用を提示しており、明確な料金体系で対応しています。事前見積もりを取ることで「思っていたより高額だった」という心配を避けられます。
はい、可能です。相続登記は郵送やオンラインでも手続きできるため、相続人全員が一堂に会する必要はありません。
専門家に依頼するとより負担は軽減されるかと思います。
相続登記の手続き方法(費用・必要書類・義務化等)については、以下にまとめておりますのでご参照ください。
不動産名義変更・相続登記の手続きの詳細(費用、書類、期間、義務等)は以下をご参照ください。
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