相続登記や売却の準備で登記簿(登記事項証明書)を取り寄せたら、明治や大正時代の抵当権が残っていた――債権額は50円、抵当権者は聞いたことのない個人名。このような古い担保権は「休眠担保権」と呼ばれ、放置すると売却や住宅ローンの大きな支障になります。この記事では、休眠担保権を抹消する方法(供託による単独抹消・除権決定・解散した法人の特例など)と費用、相続登記と同時に進める段取りまで、司法書士がわかりやすく解説します。
● 休眠担保権とは:明治〜昭和初期などに設定されたまま、返済の記録も抹消もされずに登記簿に残っている古い担保権(多くは抵当権)の通称です。完済していても、抹消登記をしない限り登記は自動では消えません。
● 放置するとどうなる:不動産の売却・住宅ローン・決済の大きな支障になります(買主や金融機関から抹消を求められるのが通常です)。相続を重ねるほど関係者が増え、手続きはさらに複雑になります。
● 抹消する方法:抵当権者(またはその相続人)と共同で申請するのが原則ですが、所在がわからない場合は供託による単独抹消・除権決定・弁済証書による抹消・解散した法人の特例という単独抹消の方法があります。協力を拒まれた場合は判決による方法もあります。
● 費用の骨子:登録免許税は不動産1個につき1,000円。供託による方法では供託金(元本・利息・遅延損害金の全額)が必要ですが、古い債権では少額にとどまることもあります。司法書士報酬は事案により個別見積りです。
● 相続登記と同時に進められる:休眠担保権は相続をきっかけに発覚するのが典型です。相続登記とあわせてまとめてご相談・ご依頼いただけます。
すでに売買契約を結んでいて決済日が決まっている方は、「売却予定がある場合の注意」を先にご覧ください。
- 休眠担保権とは?なぜ古い抵当権が登記簿に残っているのか
- まず確認:抵当権者が今もわかるか(3つの分岐)
- 休眠担保権を抹消する方法(共同申請+4つの単独抹消ルート+判決による方法)
- 休眠担保権の抹消にかかる費用
- 相続登記と同時に進める段取り
- 売却予定がある場合の注意(決済に間に合わせる)
- 当センターのサポート内容
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
休眠担保権とは?なぜ古い抵当権が登記簿に残っているのか
休眠担保権とは、長期間、返済の記録も抹消もされないまま登記簿に残っている古い担保権の通称です(法律上の正式な用語ではありません)。この記事では、休眠担保権の大半を占める抵当権を中心に解説します。ここで紹介する単独抹消の方法は、先取特権・質権にも共通です(根抵当権には別の論点があるため、よくある質問で説明します)。
典型例は明治〜昭和初期の抵当権
休眠担保権の典型は、明治・大正・昭和初期に設定された抵当権です。登記簿の乙区(権利部・所有権以外の欄)に、次のような記載が残っています。
- 債権額が「金50円」「金100円」など、現在では考えられない少額
- 抵当権者が個人名(当時は個人間の金銭貸借の担保が一般的でした)や、今は存在しない会社名
- 受付年月日が「大正10年」「昭和8年」など数十年〜100年以上前
当時の借金がその後どうなったのかは、今となっては確認が難しいことも多いのですが、抵当権の登記は、完済していたとしても自動では消えません。抹消登記を申請して初めて消える仕組みのため、当時の当事者が手続きをしないまま世代交代し、登記だけが残ってしまったのです。
放置するとどうなるか
- 売却・住宅ローンの大きな支障になる:抵当権が付いたままでも所有権を移転すること自体は可能ですが、実際の取引では、買主や融資する金融機関から決済までに抹消するよう求められるのが通常です。
- 相続を重ねるほど複雑になる:抵当権者側も年月とともに相続(数次相続)が重なり、調査すべき戸籍や関係者が増えていきます。着手は早いほど負担が軽くなります。
- 時効では消えません:借金(被担保債権)が時効で消えていたとしても、登記は自動では抹消されません。消すためには抹消登記の手続きが必要です。
まず確認:抵当権者が今もわかるか(3つの分岐)
休眠担保権の抹消で最初に確認すべきことは、「登記簿に書かれている抵当権者(債権者)と、今も連絡が取れるか」です。登記事項証明書の乙区で、抵当権者の住所・氏名(名称)、受付年月日、債権額を確認したうえで、次の3つに分かれます。
分岐A抵当権者が金融機関で、承継先がわかる場合 → 通常の抹消
抵当権者が銀行・信用金庫などの場合、合併や商号変更を重ねていても、法人の登記をたどれば現在の承継金融機関がわかることが多くあります。承継先が判明すれば、その金融機関に書類の発行を依頼して、通常の抵当権抹消登記で対応できます(詳しくは抵当権抹消登記の費用をご覧ください)。「完済したのは何十年も前で、銀行が合併して書類が古いままだが大丈夫か」というご相談も、まずこの分岐の確認から始めます。
※法人の登記が閉鎖されているだけでは、後述する「解散した法人の特例」が使えるとは限りません。合併による承継先がないか、先に確認することが大切です。
分岐B抵当権者(またはその相続人)はわかるが、協力してもらえない場合 → 判決による方法
相手がわかっていても抹消登記に応じてもらえないときは、登記手続を命ずる判決を得て単独で申請する方法があります(後述の「協力が得られない場合」をご覧ください)。
分岐C抵当権者が死亡・所在不明、法人が解散して清算人もわからない場合 → 単独抹消の特例
個人の抵当権者が亡くなっていて相続人もたどれない、住所地に手紙を送っても届かない、法人が解散していて清算人の所在もわからない――こうした場合のために、不動産登記法は所有者が単独で抹消登記を申請できる特例をいくつも用意しています。次の章で詳しく解説します。
休眠担保権を抹消する方法(共同申請+4つの単独抹消ルート+判決による方法)
抹消登記は、登記によって利益を受ける側(所有者)と義務を負う側(抵当権者)が共同で申請するのが原則です(不動産登記法第60条)。休眠担保権では相手方の協力を得られないことが多いため、法律は例外として単独で申請できる方法を定めています。
方法① 相続人・承継法人との共同申請(原則の形)
抵当権者が亡くなっている場合、原則としてその相続人全員に協力してもらい、共同で抹消登記を申請します。戸籍をたどって相続人を調査し、連絡を取り、書類に協力してもらう地道な作業ですが、相続人と連絡が取れて協力が得られるなら、裁判所や供託を使わずに済むもっとも穏当な方法です。法人の場合は、合併などの承継法人と共同で申請します。
方法② 供託による単独抹消(実務でよく使われる方法)
抵当権者の所在がわからない場合に、次の要件を満たすと、供託を利用して所有者が単独で抹消登記を申請できます(不動産登記法第70条第4項後段)。
- 登記義務者(抵当権者側)の所在が知れないこと
- 被担保債権の弁済期から20年が経過していること
- その期間が経過した後に、被担保債権・利息・遅延損害金(債務不履行により生じた損害)の全額に相当する金銭を供託したこと(20年経過前にした供託を、この方法の要件として使うことはできません)
供託先は債務履行地の供託所(法務局)です。裁判所の手続きが不要なため、休眠担保権の抹消では実務上よく使われる方法です。なお、申請には弁済期を証する情報(登記簿・閉鎖登記簿の記載や契約書など)も必要です。古い登記には弁済期の記載がないこともあり、その場合の取り扱いは法務局・供託所への事前確認が必要です。
供託金はいくらになる?
供託する金額は、元本+利息+遅延損害金の全額です。「全額」と聞くと高額に思えますが、明治・大正期の債権は元本自体が数十円〜数百円と小さいため、供託金も少額にとどまることがあります。
ごく単純化した一例として、元本50円・利率年5%・弁済期が大正10年(1921年)と登記されている場合、元本50円に約105年分の利息・遅延損害金(年2.5円×約105年=約260円)を加えた合計約310円というイメージです。実際には、弁済期までの利息と弁済期後の遅延損害金を区分し、約定の利率や起算日をもとに計算するため、登記記録・閉鎖登記簿を確認して個別に算定し、供託先の供託所に事前確認します。
利息・遅延損害金の計算には、法務省が公開している遅延損害金計算ソフトウェア(法務省)が利用できます。供託書の書き方は供託書等の記載例(法務省)に休眠担保権の例が掲載されています。
方法③ 除権決定による単独抹消(公示催告)
抵当権者の所在がわからない場合のもう1つの方法が、裁判所の公示催告・除権決定を使う方法です(不動産登記法第70条第1項・第3項)。
- 簡易裁判所に公示催告の申立てをする(抵当権者の所在がわからないことを資料で示します)
- 裁判所の掲示場への掲示と官報への掲載で公告される(非訟事件手続法第102条)
- 権利の届出期間は官報掲載から2か月以上確保される(同法第103条)
- 期間内に届出がなければ除権決定が出て(同法第106条)、その決定を添付して所有者が単独で抹消登記を申請できます
申立てにあたっては、所在がわからないことを示す資料に加えて、被担保債権が弁済などで消滅していることをうかがわせる資料の提出を求められるのが一般的です(求められる資料は申立先の裁判所の運用によります)。
費用は、申立手数料が収入印紙1,000円のほか、官報公告料などの予納が必要です(金額は申立先の簡易裁判所にご確認ください)。なお、地上権など一部の権利には、登記された存続期間などが満了している場合に「相当の調査をすれば所在不明とみなす」という規定(同法第70条第2項)がありますが、抵当権には適用されません。抵当権の公示催告では、従来どおり所在がわからないことを資料で示す必要があります。
当センターでは、この方法をとる場合、裁判所に提出する申立書類の作成でサポートします(申立てはご本人名義で行っていただきます)。
方法④ 弁済証書による単独抹消
抵当権者の所在がわからない場合でも、借金を完済したことを証明する書類が手元に残っているときは、その書類を添付して単独で抹消登記を申請できます(不動産登記法第70条第4項前段)。具体的には、債権証書(借用証書)と、被担保債権・最後の2年分の利息などをすべて弁済したことを証する書面(領収書など)が必要です。
ただし、何十年も前の借用証書や領収書が完全な形で残っているケースはまれで、実際にこの方法を使える場面は限られます。書類が残っていない場合は、所在不明・弁済期から20年経過などの要件を確認したうえで、方法②(供託)の利用を検討することになります。
方法⑤ 解散した法人の特例(令和5年4月スタートの新しい方法)
抵当権者が解散した法人の場合のために、令和5年4月1日に新しい特例ができました(不動産登記法第70条の2)。次の要件をすべて満たすと、供託も裁判所の手続きも不要で、所有者が単独で抹消登記を申請できます。
- 抵当権者である法人が解散している
- 法務省令で定める方法(登記事項証明書の取得や、清算人の住民票調査・書留郵便の送付など)で相当の調査をしても、清算人の所在が判明しない
- 被担保債権の弁済期から30年が経過している
- 法人の解散の日から30年が経過している
申請には、弁済期を証する情報(金銭消費貸借契約書や閉鎖登記簿の記載など)、法人の解散日を証する登記事項証明書、調査の過程をまとめた調査報告書などを添付します。戦前の金融会社など、解散して長期間が経過した法人の抵当権では有力な選択肢です。
協力が得られない場合:判決による単独申請
抵当権者やその相続人がわかっているのに、抹消登記に協力してもらえない場合は、上記の特例は使えません。この場合は、登記手続をすべきことを命ずる確定判決を得て、所有者が単独で抹消登記を申請する方法があります(不動産登記法第63条第1項)。協力を拒まれてしまっても道はあります。ただし、相手方と争いになっている(紛争性が高い)事案は、弁護士にご相談ください。
どの方法を選ぶ?(比較表)
ご相談の前に準備いただくとスムーズなもの
- 対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)。お手元になければ、ご依頼いただいた場合は当センターでの取得も可能です
- 手元に残っていれば、古い借用証書・領収書・権利証など
- 抵当権者についてわかる範囲の情報(親族から聞いた話など)
休眠担保権の抹消にかかる費用
費用は「実費(法律で決まっている費用)」と「司法書士報酬」に分かれます。
実費(法定の費用)
- 登録免許税:不動産1個につき1,000円(同じ申請書で20個を超える不動産をまとめて抹消する場合は、申請1件につき2万円)
- 供託金(方法②の場合):元本・利息・遅延損害金の全額。古い少額債権では少額にとどまることもあります(前章の計算例参照)
- 公示催告の費用(方法③の場合):申立手数料の収入印紙1,000円+官報公告料等の予納(金額は申立先の簡易裁判所にご確認ください)
- 調査の実費:戸籍・住民票・法人の登記事項証明書・閉鎖登記簿謄本の取得費用、書留郵便の郵送料など
司法書士報酬
休眠担保権の抹消は、抵当権者の調査量・とる方法(供託・公示催告・解散法人の特例)・不動産の数によって作業量が大きく異なるため、報酬は事案ごとの個別見積りとさせていただいています。お見積りは無料です。登記事項証明書をお手元にご用意のうえ、お気軽にご相談ください。
なお、金融機関から交付された書類がそろっている通常の抵当権抹消登記は、司法書士報酬16,500円(税込)で承っています(抵当権抹消登記の費用)。休眠担保権の抹消は、この通常の抹消とは手続きの内容が大きく異なる、という関係です。
相続登記と同時に進める段取り
休眠担保権が見つかるきっかけとして圧倒的に多いのが、相続登記の準備です。亡くなった親名義の土地の登記簿を取ったら、祖父母の代よりさらに前の抵当権が残っていた――というケースです。
「相続登記 → 休眠担保権の抹消」が通常の流れ
休眠担保権が見つかった事案では、まず相続登記で現在の所有者(相続人)の名義にし、そのうえで所有者として休眠担保権の抹消を申請するのが通常の流れです(事案によっては相続登記を経ずに抹消を申請できる場合もあるため、進め方は個別に確認します)。
相続登記は、相続および所有権の取得を知った日から3年以内に申請する義務があります(不動産登記法第76条の2)。休眠担保権が見つかったからといって相続登記を先送りする理由にはなりませんので、2つの手続きをセットで計画するのが合理的です。
抵当権者側の相続と、所有者側の相続は別の話
まぎらわしいのですが、「抵当権者が亡くなっていて相続人を探す」(方法①)のは相手方側の相続の話、「不動産の所有者が亡くなったので相続登記をする」のはご自身側の相続の話です。休眠担保権の事案では両方が同時に登場することが多く、それぞれ別の調査・手続きが必要になります。
当センターは相続登記を専門とする司法書士法人です。相続登記と休眠担保権の抹消をあわせて、まとめてご相談・ご依頼いただけます(相続登記の費用は不動産名義変更の費用をご覧ください)。
売却予定がある場合の注意(決済に間に合わせる)
不動産の売却では、買主や仲介会社から決済(引渡し)までに抵当権を抹消しておくことを求められるのが通常です。休眠担保権が残っていることが売買の話が進んでから発覚すると、決済日までの限られた時間で調査と手続きを進めることになります。
- 方法③(除権決定)は、官報掲載から2か月以上の届出期間が法律で定められているため、この期間だけでも2か月以上かかります。申立ての準備や登記の期間も必要です
- 方法②(供託)でも、抵当権者の調査(戸籍・住民票・不在住証明など)や供託金の計算・確認に時間がかかります
- いずれの方法でも、売却を考え始めた段階で登記簿を確認し、休眠担保権があれば早めに着手することが何より重要です
「決済日が決まっているが間に合うか不安」という場合は、状況をお聞きした上で、とれる方法と現実的な段取りをご案内します。お早めにご相談ください。
当センターのサポート内容
司法書士法人 不動産名義変更手続センターでは、休眠担保権の抹消について次のサポートを行っています(全国対応)。
- 休眠担保権の抹消登記の申請代理(供託による単独抹消・解散した法人の特例・除権決定後の抹消申請・相続人との共同申請など)
- 供託手続きの代理・サポート(供託金の計算、供託書の作成・提出)
- 公示催告の申立書類の作成(裁判所に提出する書類の作成。申立てはご本人名義で行っていただきます)
- 抵当権者の調査(戸籍・住民票・法人登記による相続人・承継法人・清算人の調査)
- 相続登記とあわせたご依頼(相続登記と休眠担保権の抹消をまとめて対応します)
報酬は事案により個別見積り(お見積り無料)です。なお、当事者間で争いになっているなど紛争性が高い事案は、弁護士にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
制度上は、ご自身で手続きすることも可能です。ただし、抵当権者の戸籍・住民票をたどる調査、弁済期の認定、供託金の計算、裁判所に提出する書類の作成など、通常の登記手続きにはない専門的な作業が多く、事案によっては法務局や供託所への事前照会も必要になります。時間と手間を考えると、司法書士に依頼するメリットが大きい手続きです。
登記記録に記載された元本・利息・遅延損害金の全額です。金額は元本・利率・経過年数によって決まります。明治・大正期の債権は元本自体が小さいため、供託金も少額にとどまることがあります(例:元本50円・利率年5%・弁済期が大正10年なら、単純化した計算で合計約310円。あくまで一例です)。実際には利息と遅延損害金を区分して個別に計算するため、登記記録をもとに算出し、供託先の供託所に事前確認します。
とる方法と調査の状況によって大きく変わるため、一概には言えません。目安として、除権決定の方法では官報掲載から2か月以上の届出期間が法律で定められているため、この期間だけでも2か月以上かかります。供託の方法でも抵当権者の調査に時間がかかることがあります。売却予定がある方は、できるだけ早めの着手をおすすめします。
「所在が知れない登記義務者」には、抵当権者本人だけでなく、その相続人などの承継人も含まれると解されています。相続人の一部の所在がどうしてもわからない場合でも、公示催告(除権決定)や供託による単独抹消の対象になりえます。戸籍調査の段階から当センターでサポートできます。
消せます。買戻し特約の登記は抵当権とは別の制度で、契約の日から10年を経過していれば、所有者(登記権利者)が単独で抹消を申請できます(不動産登記法第69条の2・令和5年4月1日施行)。休眠担保権の供託や公示催告よりも簡便に抹消できるケースが多い登記です。
古い根抵当権が残っているケースもありますが、根抵当権には「元本の確定」という抵当権にはない論点があり、弁済期の考え方が通常の抵当権と異なります。供託による単独抹消が使えるかどうかは登記記録の内容によりますので、個別にご相談ください。
登記が残っていること自体で直ちに何かを請求されることは通常ありませんが、売却や融資の場面で大きな支障となり、買主や金融機関から抹消を求められるのが通常です。また、時間が経つほど抵当権者側の相続人が増え、調査も手続きも大変になります。売却や相続の予定がなくても、気づいたときに抹消しておくのが安全です。
法律で決まっているわけではなく、契約内容によります。売買では、抵当権などの負担のない状態で引き渡す約束になっていることが多く、その場合は売主側が負担して抹消するのが一般的です。
まとめ
休眠担保権(明治・大正時代などの古い抵当権)は、放置していても消えませんが、法律の定める方法で抹消への道筋をつけられます。ポイントは次のとおりです。
- まず登記簿の乙区で抵当権者を確認し、承継先がわかるか・協力が得られるか・所在不明かの分岐を見極める
- 所在不明の場合は、供託による単独抹消(弁済期から20年経過+全額供託)が実務でよく使われる。書類が残っていれば弁済証書による方法、解散した法人なら令和5年スタートの特例(弁済期・解散から各30年)も使える
- 登録免許税は不動産1個につき1,000円。供託金は古い少額債権なら少額にとどまることもある
- 相続をきっかけに見つかったら、相続登記(知った日から3年以内の義務)とセットで計画するのが合理的
- 売却予定があるなら、届出期間だけで2か月以上かかる方法もあるため早めの着手が重要
当センターでは、休眠担保権の抹消と相続登記をまとめてサポートしています。登記簿に見慣れない古い抵当権を見つけたら、まずは無料相談をご利用ください。
