抵当権抹消費用(要点まとめ)
● 費用相場:司法書士報酬16,500円(税込)+登録免許税で総額2.0〜2.5万円程度が当センターの標準例
● 登録免許税の計算:不動産1個 × 1,000円(土地2筆+建物1棟=3,000円)
● シミュレーション例:土地2筆+建物1棟の場合、報酬16,500円+登録免許税3,000円+実費約5,880円=合計約25,380円(郵送でお手続きの場合)
● 住所変更が必要な場合:別途、住所変更登記の報酬16,500円(税込・抵当権抹消と同額)+登録免許税不動産1個1,000円+住民票等の取得実費がかかり合計約4.0〜4.8万円が目安(郵送料・登記事項証明書代は共通で二重にはかかりません。住居表示実施による変更は非課税)
● 自分で行う場合:標準的な一戸建てで住所変更なし・書類完備なら実費約3,000〜5,000円程度で済むことがあります
● 抹消書類を紛失したら:解除証書・委任状は金融機関に再発行依頼可能。ただし登記済証・登記識別情報は再発行不可で事前通知や本人確認情報など別の手続きが必要
● 相続が絡む場合:相続開始後に完済したなら相続登記が先。相続開始前に完済済みなら被相続人名義のまま抹消できるケースもあり
関連記事:司法書士に依頼せず費用を抑えて自分で抵当権を抹消したい方は「抵当権抹消登記を自分でやる方法|費用を抑える申請手順を司法書士が解説」をご覧ください。自分で手続きすれば実費約3,000〜5,000円で完了でき、必要書類・登記申請書の書き方・法務局申請までの流れを5分で把握できます。
抵当権抹消登記の費用
抵当権抹消登記を当センターにご依頼の場合、以下の費用がかかります。
当センターの報酬
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 司法書士報酬 | 15,000円(消費税込16,500円) |
※物件数が3つを超える場合、1つ増えるごとに1,000円加算(税込1,100円)
※抵当権が複数ある場合、1件増えるごとに基本報酬+物件数加算がかかります。
登録免許税(実費)
| 計算方法 | 具体例 |
|---|---|
| 不動産の数 × 1,000円 | 土地2筆、建物1棟の場合:3,000円 |
※その他、登記簿謄本の取得代や郵送費等の実費が数千円かかります。
※不動産の管轄が複数ある場合(例えば東京と横浜)は、管轄ごとに申請が分かれるため、1管轄増えるごとに基本報酬がかかります。登録免許税は不動産の個数で決まるため、不動産の総数が同じであれば管轄が分かれても総額は変わりません。
※抵当権が複数ある場合は、抹消する抵当権1件ごとに上記の登録免許税がかかります。
※同一の申請書で21個以上の不動産の抹消を受ける場合は、申請1件につき20,000円が上限です(登録免許税法別表第一 一(十五))。
費用シミュレーション例
| 項目 | 詳細 | 金額 |
|---|---|---|
| 司法書士報酬 | 基本報酬(住所変更なし・不動産3つまで) | 16,500円 |
| 登録免許税 | 不動産3件(土地2筆・建物1棟) | 3,000円 |
| 登記事項証明書 | 事前・完了後の確認用 | 2,550円 |
| 郵送料・通信費 | 書類送付等の実費(郵送でお手続きの場合) | 3,000円 |
| 金融機関の登記情報 | 商号・本店・代表者の確認用 | 330円 |
| 合計 | 約25,380円 |
※ご来所いただける場合は郵送費が1,200円少なくなり、合計約24,180円が目安です。
抵当権とは
不動産を購入する際に銀行から融資を受けた場合、通常は不動産に担保が設定されています。住宅ローンを利用している場合、銀行が不動産に「抵当権」という権利を付けています。
抵当権とは、住宅ローンなどの借入金の担保として不動産に設定される権利です。万が一ローンの返済ができなくなった場合、金融機関はその不動産を競売にかけて、売却代金から優先的に返済を受けることができます。
ローンを完済すれば抵当権も消滅しますが、自動的に登記簿から消えるわけではありません。放置したままでは、登記簿上は担保が付いたままの状態が続きます。
ポイント
抵当権は、ローンを完済すれば自動的に消滅しますが、登記簿上の記載は自動的には消えません。抵当権抹消登記の手続きを行うことで、初めて登記簿から抵当権の記載が削除されます。
抵当権抹消登記が必要な理由
不動産の売却や新たな融資に影響
抵当権が登記簿に残ったままだと、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 不動産の売却ができない:買主や買主側の金融機関は、抵当権が付いたままの不動産は購入されず、ローンも組めません。
- 新たな融資が受けられない:リフォームローンや借り換えの際、抵当権が残っていると審査に通らないことがあります。
- 相続時のトラブル:古い抵当権が残っていると、将来相続が発生した際、金融機関が合併していたり書類が紛失していたりして、手続きが複雑化します。
団体信用生命保険(団信)でローンが完済された場合
ローンを完済しないまま不動産の所有者が亡くなった場合でも、団体信用生命保険(団信)に加入していれば、保険会社がローン残高を支払うため抵当権は消滅します。この場合も、抵当権抹消登記の手続きは必要です。
注意
相続で不動産を取得する場合や、贈与・財産分与と同時に住宅ローンを完済する場合は、名義変更と抵当権抹消を一緒に手続きすることをお勧めします。別々に行うと、余分な費用や手間がかかる可能性があります。
抵当権抹消登記の手続き
手続きの流れ
抵当権抹消登記は、以下の流れで進めます。
- ローンの完済:金融機関に最後の返済を行います。
- 抹消書類の受領:完済後、金融機関から抵当権抹消に必要な書類一式が送られてきます(通常1〜2週間程度)。
- 登記申請:不動産の所在地を管轄する法務局に、抵当権抹消登記を申請します。
- 登記完了:申請から通常1〜2週間程度で登記が完了します。
申請方法
抵当権抹消登記の申請は、以下の3つの方法があります。
- 法務局の窓口:直接持参して申請
- 郵送:必要書類を郵送して申請
- オンライン申請:主に司法書士が専用ソフトを使用して電子申請(一般の方は利用難易度が高め)
必要書類
住宅ローン完済に伴う抵当権抹消に必要な書類は、基本的に金融機関が発行する書類のみです。通常は完済後に銀行から郵送で送られてきます。
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 登記識別情報または登記済証 | 抵当権を設定した際に金融機関が受け取った登記識別情報(12桁の番号が記載されたもの、または紙の権利証) |
| 登記原因証明情報 | 抵当権が消滅したことを証明する書類(弁済証書、解除証書など) |
| 委任状 | 金融機関から所有者(または司法書士)への登記申請の委任状 |
重要
金融機関から届いた書類は、紛失しないよう大切に保管してください。再発行には時間がかかる場合があり、金融機関が合併していると手続きがさらに複雑になります。
住所変更登記が必要なケース
抵当権抹消登記を申請する際、登記簿上の住所と現在の住所が異なる場合は、事前に住所変更登記が必要です。
よくあるケース
- 不動産を購入した後に引っ越しをした
- 結婚により氏名が変わった
- 住所表示の変更があった(市町村合併など)
住所変更登記の費用
住所変更登記にも、登録免許税が必要です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 登録免許税 | 不動産1個につき1,000円 |
| 必要書類 | 数百円~数千円(住民票、戸籍謄本などの取得費) |
| 司法書士報酬 | 15,000円(消費税込16,500円) ※物件数が3つを超える場合、1つ増えるごとに1,000円加算(税込1,100円) |
※郵送料・登記事項証明書の取得費は抵当権抹消と共通のため、二重にはかかりません。
2026年4月1日から、住所や氏名が変わった場合の変更登記も義務化されています。変更日から2年以内(2026年4月1日より前に住所・氏名が変わっていて登記していない場合は2028年3月31日まで)に申請する必要があり、正当な理由がないのに怠ると5万円以下の過料が科される可能性があります。なお、検索用情報の申出をしている方には、法務局が意思確認のうえ職権で住所等を変更する仕組み(スマート変更登記)があります。ただし、海外に住所がある方は対象外で、実施の時期は法務省が決めるため、抵当権抹消に合わせて個別に頼むことはできません。住所変更と抵当権抹消は同時に手続きすることをお勧めします。
よくある質問と注意点
金融機関が合併している場合はどうなる?
住宅ローンの返済期間は20〜35年と長期にわたるため、その間に金融機関が合併しているケースは珍しくありません。合併している場合でも、現在の金融機関から抹消書類が交付されるため、基本的には問題なく手続きできます。
ただし、古い抵当権の場合は書類の再発行が困難なこともあるため、完済後は速やかに手続きを進めることが重要です。
自分で手続きできる?
抵当権抹消登記は、ご自身で行うことも可能です。ただし、以下のようなケースでは司法書士への依頼をお勧めします。
- 住所変更登記も必要な場合
- 不動産の数が多い場合
- 平日に法務局へ行く時間が取れない場合
- 確実に手続きを完了させたい場合
司法書士に依頼するメリット
- 書類の不備による補正の手間がかからない
- 住所変更に必要な戸籍等の収集も代行可能
- オンライン申請により、手続きが迅速
- 登記簿全体をチェックし、他の問題も発見できる
相続登記と抵当権抹消の順序
被相続人(亡くなった方)名義の不動産に抵当権が残っている場合、以下の順序で手続きを行います。
- 相続登記:被相続人から相続人へ名義変更
- 抵当権抹消登記:新所有者(相続人)と金融機関が共同して抹消
※相続登記をせずに抵当権抹消だけを先行させることはできません。
抹消書類を紛失した場合
金融機関から送られてきた抹消書類を紛失してしまった場合は、金融機関に再発行を依頼します。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 再発行には時間がかかる(数週間〜1ヶ月程度)
- 金融機関が合併している場合、窓口の特定に時間がかかる
- 再発行手数料がかかる場合がある
完済したらすぐに手続きを
抵当権抹消登記には期限はありませんが、時間が経つほど以下のリスクが高まります。
- 金融機関の合併により手続きが複雑化
- 抹消書類の紛失
- 相続が発生した場合の手続きの複雑化
完済後は速やかに抵当権抹消登記を行うことをお勧めします。
まとめ
住宅ローンを完済したら、抵当権抹消登記を必ず行いましょう。登記簿に抵当権が残ったままでは、不動産の売却や新たな融資の際に支障をきたします。
手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、住所変更が必要な場合や、平日に時間が取れない場合は、司法書士への依頼をご検討ください。当センターでは、全国どこの不動産でも対応可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
