不動産登記の住所変更(要点まとめ)
● 義務化の概要:2026年4月1日施行の不動産登記法改正により、不動産所有者の住所・氏名に変更があった日から2年以内の登記申請が義務化されました。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料が科される可能性があります
● スマート変更登記(職権登記):住民基本台帳ネットワークと法務局を連携させ、住所等の変更を登記官が職権で登記する制度(2026年4月1日施行。個人の方について実際に変更登記がされるのは2026年12月中旬以降)。所有者が事前に「検索用情報」(生年月日・氏名等)を申し出ておけば、法務局が住基ネットで変更を確認し、本人の了承を得たうえで職権で住所変更登記を行います(無料。海外に住所がある方は対象外)
● 必要書類(自分で申請する場合):①登記申請書/②住民票(または戸籍の附票)/③登記事項証明書(任意・確認用)/④登録免許税1,000円分の収入印紙(不動産1個あたり)。氏名変更の場合は戸籍謄本も必要
● 費用の目安:登録免許税 不動産1個あたり1,000円(土地・建物別、複数あれば加算)。司法書士に依頼した場合は報酬16,500円(当センター・税込)+実費(住民票取得・郵送費等で1,000〜3,000円)。総額2万円前後が目安
● 司法書士活用のメリット:①書類不備による差戻し防止/②2年以内の期限管理/③複数不動産の一括処理/④平日に法務局へ行けない方の負担軽減/⑤相続登記との並行進行(被相続人の住所変更が必要なケース)。当センターは全国47都道府県対応
要点まとめ
(令和7年4月〜)
住所変更登記・氏名変更登記の義務化とは?
住所・氏名変更登記とは、不動産を所有している方が住所や氏名・名称を変更した際に、法務局で登記簿上の情報を更新する手続きです。
令和8年4月1日の改正法施行により、これまで義務のなかった所有者の住所・氏名変更登記が義務化されました。施行日より前に住所等を変更した場合であっても義務化の対象となります(遡及効)。
住所変更登記義務化の基本ルール
| 義務の内容 | 不動産所有者は住所・氏名・名称変更から2年以内に登記申請が必要 |
|---|---|
| 対象者 | 不動産を所有している個人・法人すべて |
| 施行日 | 令和8年(2026年)4月1日 |
| 猶予期間 | 施行日前の変更も対象だが、施行日から2年間の猶予あり |
| 罰則 | 正当な理由なく申請を怠ると5万円以下の過料の可能性 |
なぜ義務化されるのか?背景と目的
近年、所有者が不明な「所有者不明土地」が深刻な社会問題となっています。その主な原因の一つが、住所変更登記が行われないまま放置されているケースです。
住所変更登記の義務化により改善される点。
- 登記簿の情報が常に最新に保たれる
- 所有者への連絡が円滑になる
- 所有者不明土地の発生を予防できる
住所変更登記の義務化で何が変わる?
これまで
これまでは、住所や氏名が変わっても登記の変更は任意でした。そのため変更せずに放置されるケースが多く、登記簿情報と実態の乖離が年々拡大していました。不動産の所有者に連絡が取れないという問題が増加する原因となっていました。
令和8年4月1日以降
令和8年4月1日からは、住所や氏名の変更から2年以内に登記申請が法的義務となります。住所を移転したり、氏名を変更した場合は、登記簿の名義上の氏名・住所変更登記の手続きが必要となります。
申請を怠ると過料の可能性がありますが、いきなり罰則が科されるわけではなく段階的な対応が取られます。また、新設された職権登記の仕組みによって、手続きの負担が大幅に軽減されることになります。
住所変更発生日と申請期限
| 区分 | 変更が生じた日 | 登記申請の期限 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 施行後の変更 | 2026年(令和8年)4月1日以降 | 変更日から2年以内 | 原則的なルール |
| 施行前の変更 | 2026年(令和8年)4月1日より前 | 2028年(令和10年)3月31日まで | 経過措置として施行日から2年間の猶予が付与される |
手続きの負担を軽減!職権登記「スマート変更登記」とは
国民の負担を軽減するため、登記官が職権で住所変更登記を行う仕組みが新設されました。これを利用すれば、自分で法務局に行く手間が省けます。
令和8年(2026年)4月1日に始まった住所等変更登記の義務化に合わせて、登記官が職権で住所等の変更登記を行ってくれる制度が導入されました。「スマート変更登記」とも呼ばれるこの制度を活用すれば、引越しや結婚などで住所・氏名が変わるたびに、ご自身で法務局へ登記申請をする手間を省くことができます。
この職権による変更登記の手続きは、個人と法人で全体の流れが大きく異なります。それぞれの手続きについて確認していきましょう。
個人の場合(住基ネットとの連携)
個人の住所や氏名の変更は、本人の同意(法務局からの意思確認通知に、変更登記を希望すると回答すること)がある場合にのみ職権で行われます。法務局が一方的に登記を変更するのではなく、必ず本人の意思確認を経たうえで手続きが進む点にご注意ください。
検索用情報の事前申出
この制度の対象になるには、あらかじめ法務局に「検索用情報」が登録されている必要があります。検索用情報とは、氏名、氏名のふりがな(日本国籍がない方はローマ字氏名)、住所、生年月日、メールアドレス(お持ちでない方は「なし」と申し出ます)など、法務局の登記官が住基ネットを検索する際のキーとなる情報です。
令和7年4月21日から、所有権の保存・移転、合体による登記等、所有権の更正登記の申請の際には、この検索用情報を併せて申し出ることとされました(同時申出)。すでに所有権の登記名義人である方は、単独で検索用情報の申出を行うことも可能です。検索用情報の申出をする前に引っ越していて住所変更登記をしていない場合も、申出をすればスマート変更登記の対象になります(変更の経緯を住基ネットで確認できないときは、戸籍の附票などの書類が必要です)。
令和8年10月5日以降に所有権の保存・移転などの登記を申請して新たに名義人となる個人の方が、検索用情報を申し出ず、法務局から求められた補正にも応じなかった場合でも、そのことだけを理由に登記が却下されることはなく、まだ登録がなければ登記官が申請書と添付書類をもとに氏名・住所・生年月日などを検索用情報として登録します(メールアドレスは登録されません)。この場合も、日本に住所がある方は、その後に住所や氏名が変わると意思確認通知の対象になり、通知は書面で届きます。
検索用情報の詳細については、以下のページで解説しています。
検索用情報が所有権移転登記申請の際に追加で必要(令和7年4月21日より)
検索用情報の単独申出とは?手続き方法を司法書士が解説
スマート変更登記の流れ
検索用情報の申出を済ませておけば、その後に住所や氏名の変更が生じた場合、法務局が住基ネット照会を行い、所定の確認を経て職権で変更登記をしてくれます。以下の手順で進みます。
法務局による定期照会
法務局の登記官が、少なくとも2年に1回以上の頻度で住基ネット情報へ照会を行い、所有者の氏名や住所に変更がないかを確認します。
意思確認通知の送付
変更が確認されると、本人に対して「変更登記をしてよいかどうか」を確認する通知が送られます。通知は原則として電子メールで行われますが、メールアドレスの登録がない場合は書面が送付されます。
本人の回答(1か月以内)
通知を受けた本人は、スマート変更登記を希望する場合、通知が送られてから1か月以内にその旨を回答します。回答は、通知メールのリンク先や通知書面の二次元コード・URLから登記・供託オンライン申請システムに接続して行います。通知を書面で受け取った方は、その書面に必要事項を記入し、通知を送った法務局に持参または送付して回答することもできます(送付する場合の費用は本人負担です)。期限までに回答しなかったり、スマート変更登記を断ったりした場合は、職権による変更登記はされず、登記官が申請の催告をするきっかけになります。
登記官が職権で変更登記を実施
本人の同意が確認されると、登記官が職権で住所等の変更登記を行います。完了後は、メールアドレスを登録した方にだけ電子メールで通知されます(登録していない方には完了の通知はありません)。
スマート変更登記を希望すると回答した後は、手続が完了するまで中断・中止することはできません。また、対象の不動産を管轄する法務局が手続を受け付けてから登記が完了するまでの間は、その不動産の登記事項証明書などを取得できません。売却などで証明書が必要な時期が近い場合はご注意ください。手続中の登記がスマート変更登記によるものかどうかや、その完了予定日は、不動産を管轄する法務局に問い合わせると教えてもらえます。
職権による住所等変更登記については、登録免許税はかかりません(非課税)。通常、住所変更登記を自ら申請する場合は不動産1個につき1,000円の登録免許税が必要ですので、とくに不動産を複数所有している方にとっては、節約効果も無視できません。
法人の場合(商業登記簿との連携)
個人と比べると、法人の手続きはシンプルです。法人については、個別の申出や意思確認を要せず、会社法人等番号に基づく商業・法人登記システムとの連携により、登記官が職権で変更登記を行います。
会社法人等番号の登記
令和6年4月1日から、不動産登記において「会社法人等番号」が登記事項に追加されました。法人が所有する不動産について、この番号が登記されていることが職権登記の前提となります。
会社法人等番号がまだ登記されていない場合は、オンラインで「会社法人等番号の申出」(法人識別事項の申出)を行うことができます。
法人の変更登記の流れ
変更情報の通知
会社法人等番号が登記されている法人について、法人の登記簿(商業登記)から名称や住所が変更された情報(会社法人異動情報)が、不動産登記システムに通知されます。
登記官が職権で変更登記を実施
通知された変更情報をもとに、登記官が職権で不動産登記上の住所・名称変更登記を行います。個人の場合とは異なり、法人への事前の意思確認は不要で、変更が確認され次第、順次実施されます(通常の登記と同様、完了まで一定の期間がかかります)。
経過措置について
令和8年5月15日より前に会社法人等番号が登記されていて、すでに法人登記簿上の名称や住所が変わっている場合も、令和8年5月15日以降、順次、職権登記の対象になります。名称や住所が変わった後に会社法人等番号を登記した場合も対象です。
登記記録への記録方法(個人・法人共通)
職権による住所等変更登記が行われた場合、登記記録には以下のように記録されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登記原因 | 「異動情報取得」と記録されます |
| 原因の日付 | 異動情報を取得・確認した年月日 |
| 登記の形式 | 現在の所有権登記に付加する「付記登記」の形式で記録されます |
通常の住所変更登記では、登記原因欄に「令和〇年〇月〇日住所移転」などと記録されますが、職権登記の場合は「令和〇年〇月〇日異動情報取得」という固有の表記になります。実際の登記簿上は、個人・法人ともにこの形式で記録されます。
職権登記が行われない例外ケース
変更の事実が確認された場合であっても、次のようなケースでは職権による住所等変更登記は行われません。
- すでに該当の変更登記がされている場合、または通知された原因日より後の日付を原因とする変更登記がすでにされている場合
- 通知された所有者の表示(氏名・名称や住所)が、実際の不動産登記記録の記載内容と合致しない場合
すでに変更登記が済んでいる不動産について、重ねて職権登記がされることはありません。
なお、所有権の移転の登記の際に住所を誤って登記していた場合でも、検索用情報の申出をしていれば個人のスマート変更登記の対象になります(事前に意思確認通知が届き、希望する旨の回答が必要です)。法人も、会社法人等番号が登記されていれば、商業登記簿と不動産登記簿で名称の表記が当初から異なる場合(全角ハイフンと長音記号の違いなど)は、商業登記簿と同じ表記に職権で変更されます。
個人と法人の手続きの違い(比較表)
| 比較項目 | 個人(自然人) | 法人(会社等) |
|---|---|---|
| 連携先 | 住基ネット | 商業登記(法人登記簿) |
| 事前の準備 | 検索用情報の申出 | 会社法人等番号の登記 |
| 本人の同意 | 必要(1か月以内に回答) | 不要(意思確認なし) |
| 変更確認の頻度 | 2年に1回以上 | 変更が確認され次第 |
| 完了通知 | メール登録者のみメールで通知 | 通知なし |
| 登録免許税 | 非課税 | 非課税 |
過料(罰則)について知っておくべきこと
正当な理由なく変更日から2年以内に住所・氏名変更登記をしないと、5万円以下の過料(不動産登記法第164条第2項)が科される可能性があります。ただし、いきなり科されるわけではなく、登記官からの催告→相当の猶予期間を経た段階的な運用です。期間内に申請するか、国内に住所がある方が検索用情報の申出(法人は会社法人等番号の登記)をしておけば、一般に過料の対象にはならないと考えられます(申出等をしていて職権登記の手続がまだされていない場合は、一般に「正当な理由」があると認めることとされています)。一方、法務局から届く意思確認通知に期限(通知が送られてから1か月)までに回答しなかったり、スマート変更登記を断ったりした場合は、登記官が申請の催告をするきっかけになります。海外に住所がある方は職権登記の対象外のため、ご自身での申請が必要です。
過料が科されるまでのプロセス
- 催告(お知らせ)
まず登記官から「登記してください」という催告が届く - 猶予期間
相当の期間が設けられる - 対応
この期間内に申請すれば過料は科されない(海外に住所がある方は職権登記の対象外のため、申請が必要) - 正当な理由の考慮
やむを得ない事情がある場合は過料が免除される可能性
義務違反の事実を登記官が確認した場合でも、すぐに裁判所への通知(過料通知)が行われるわけではありません。登記官から過料通知が行われるのは、義務違反者に対して一定の期間を設けて履行を促したものの、正当な理由がないまま期限内に申請・申出が行われなかった場合に限定されています。
「正当な理由」と認められる例
- 検索用情報の申出または会社法人等番号の登記はしたが、まだ職権登記の手続がされていない
- 市町村合併など行政都合による住所変更
- 重病などやむを得ない事情
- DV被害者等で、生命・身体に危害が及ぶおそれがあり避難を余儀なくされている
- 経済的困窮で登記費用の負担が困難
登記官が申請の催告を行う端緒(きっかけ)
登記官による催告は、住所等変更登記の義務違反者を把握することから始まります。この把握は、登記官が登記申請を審査する際などに得た情報に基づいて行われ、具体的には以下のようなケースが該当します。
- 所有権の登記名義人が表示に関する登記を申請した際、申請書に記載された住所等が登記簿上の内容と一致していなかった場合
- 住基ネットへの照会で住所等の変更が確認された所有権の登記名義人に対し、職権による変更登記の可否を確認する通知を送ったものの、登記を拒否されたか、期限までに返答がなかった場合
住所変更登記 実行ガイド
職権登記を待たず、自分で速やかに住所変更登記手続きをする場合の方法です。
スマート変更登記は法務省が決めたスケジュールで行われるため、検索用情報の申出をしていても、個別に早めてもらうことはできません。不動産の売却などで住所変更登記を急ぐ場合は、ご自身で(または司法書士に依頼して)住所変更登記を申請する必要があります。
STEP 1登記記録の内容確認
(現住所と登記上住所の差異確認)
まず、現在の登記簿(登記事項証明書)に記載されている情報がどうなっているかを確認します。
何をするか: 法務局で「登記事項証明書」を取得するか、インターネットの「登記情報提供サービス」で現在の登記情報を閲覧します。
チェックポイント:
- 所有者の欄(甲区)に記載されている住所が、現在の住民票上の住所と一致しているか確認します。
- 住所の表記(「◯丁目◯番地」か「◯丁目◯番◯号」かなど)も正確に確認してください。
単に確認するだけであれば、法務局に行くよりも「登記情報提供サービス(一時利用)」を使う方が手数料が安く、即座に確認できます。
STEP 2必要書類の取得
(住民票や戸籍附票の取得)
登記上の住所(旧住所)から現在の住所(新住所)へのつながりを証明する公的書類を集めます。
主な書類:
- 住民票の写し: 1回だけの引越しの場合(前住所が記載されているもの)。
- 戸籍の附票(こせきのふひょう): 複数回の転居をしている場合。これまでの住所の履歴が一覧で記載されています。
重要な注意点:
- 書類上で「登記上の住所」から「現住所」までの変遷がすべて繋がっている必要があります。
- 保存期間の経過などで住民票(除票)が取得できない場合は、「不在籍不在住証明書」や「上申書」が必要になるケースもあります。
STEP 3登記申請書の作成と提出
(申請書の作成・登録免許税の納付・提出)
法務局の定めた様式に従って申請書を作成し、提出します。
- 申請書の作成: 法務局HPの様式をダウンロードして作成します。
- 費用(登録免許税): 不動産1個につき1,000円です(土地と建物なら合計2,000円)。収入印紙を購入して台紙に貼ります。
提出方法:
- 窓口: 管轄の法務局へ持参。
- 郵送: 書留郵便で送付。
- オンライン: マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば自宅から申請可能。
STEP 4登記完了
(完了証の受領と事後確認)
申請から通常1週間〜2週間程度で登記が完了します。
- 完了証の受領: 窓口での受け取り、または郵送(返信用封筒を提出した場合)で「登記完了証」を受け取ります。
- 最終確認: 念のため、再度「登記事項証明書」を取得する、インターネットの「登記情報提供サービス」で、住所が正しく変更されているかを確認して終了です。
完了後は必ず登記内容を確認しましょう。万が一間違いがあった場合は、早めに法務局に相談することをおすすめします。
氏名変更登記 実行ガイド
職権登記を待たず、自分で速やかに氏名変更登記手続きをする場合の方法です。
STEP 1登記記録の内容確認
(現在の登記内容と変更点の整理)
まず、登記簿上の情報が「旧姓」のままになっているか、また「住所」も同時に変わっていないかを確認します。
何をするか: 登記事項証明書を取得し、所有者の欄(甲区)を確認します。
重要チェック:
- 氏名: 当然ですが、旧姓であることを確認します。
- 住所: 氏名が変わるタイミング(結婚など)で引っ越しもしている場合、住所も「旧住所」のままになっていることが多いです。
氏名と住所の両方が変わっている場合は、1件の申請書でまとめて変更(氏名・住所変更)できます。
STEP 2必要書類の取得
(戸籍謄本、住民票等の取得)
氏名が変わった事実とその年月日を証明する書類を集めます。
必須の書類:
- 戸籍謄本(全部事項証明書)または戸籍抄本(個人事項証明書):
- 「誰が(申請人)」、「いつ(婚姻日など)」、「何という氏名に変更したか」が記載されているものが必要です。
- 住民票(本籍地記載のもの):
- 登記上の住所と現在の住所と、戸籍謄本のつながりを確認するために必要になります(※住所変更も兼ねる場合もあり)。
注意点:
- 現在の戸籍に「旧姓」や「変更日」が載っていない場合(転籍などを挟んでいる場合)は、除籍謄本や改製原戸籍が必要になることもあります。
STEP 3登記申請書の作成と提出
(申請書の作成・登録免許税の納付)
申請書を作成し、法務局へ提出します。
- 登記の目的: 「◯番所有者登記名義人氏名変更」と記載します。
- ※住所も変える場合は「◯番所有者登記名義人住所、氏名変更」となります。
- 原因: 「令和◯年◯月◯日 氏名変更」
- ※婚姻の場合は婚姻届が受理された日、離婚の場合は離婚届の日付です。
- 費用(登録免許税): 不動産1個につき1,000円。
- ※氏名と住所を同時に変えても、1個につき1,000円のままで済みます(別々にやると2倍かかります)。
氏名変更と住所変更を別々に申請すると、それぞれに登録免許税がかかります。まとめて申請することで費用を抑えられます。
STEP 4登記完了
(完了証の受領と事後確認)
申請から通常1週間〜2週間程度で登記が完了します。
- 完了証の受領: 窓口での受け取り、または郵送(返信用封筒を提出した場合)で「登記完了証」を受け取ります。
- 最終確認: 念のため、再度「登記事項証明書」を取得する、インターネットの「登記情報提供サービス」で、氏名(および住所)が正しく変更されているかを確認して終了です。
完了後は必ず登記内容を確認しましょう。万が一間違いがあった場合は、早めに法務局に相談することをおすすめします。
オンラインで住所変更登記を自分で申請する方法
住所変更登記は、法務局の窓口に行かなくてもオンラインで申請できます。法務省が提供する「かんたん登記・供託申請」を利用すれば、自宅のパソコンから手続きが可能です。
オンライン申請に必要なもの
・マイナンバーカード(署名用電子証明書が有効なもの)
・ICカードリーダー(またはマイナンバーカード対応のスマートフォン)
・パソコン(Windows推奨)
・住民票の写し(データまたは原本を後日郵送)
申請手順
手順1:「かんたん登記・供託申請」にアクセス
法務省の「かんたん登記・供託申請」サイトにアクセスし、申請者情報を入力します。手続の種類は「登記名義人の表示変更の登記申請」を選択してください。
手順2:物件情報・変更内容を入力
対象不動産の情報(所在・地番・家屋番号等)と、変更前の住所・変更後の住所を入力します。不動産の情報は、登記事項証明書で事前に確認しておくとスムーズです。
手順3:電子署名・申請
入力内容を確認し、マイナンバーカードで電子署名を行って申請します。登録免許税はインターネットバンキングまたはPay-easy(ペイジー)で納付できます。
手順4:添付書類の送付
住民票の写しなどの添付書類(原本)は、申請後に法務局へ郵送または窓口へ持参します。送付先は申請時に画面に表示されます。なお、申請情報に「住民票コード」を入力した場合は、住民票の提出を省略できます。
住所変更登記にかかる費用の目安
住所変更登記の費用は、自分で申請する場合と司法書士に依頼する場合で大きく異なります。以下の表で比較してみましょう。
| 費用項目 | 自分で申請する場合 | 司法書士に依頼する場合 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 不動産1個につき1,000円 | 不動産1個につき1,000円 |
| 住民票・戸籍の附票等の取得費用 | 1通200〜450円程度 | 1通200〜450円程度 |
| 司法書士報酬 | なし | 10,000〜30,000円程度 |
| 合計の目安(不動産2個の場合) | 約2,500〜3,000円 | 約13,000〜33,000円 |
※行政区画の変更や住居表示の実施に伴う住所変更の場合、証明書を添付すれば登録免許税は非課税となります。また、不動産の個数や管轄法務局の数によって費用は変動します。
※司法書士報酬は事務所や地域により異なります。当センターの費用・料金のご案内もご参照ください。
よくある質問(FAQ)
基本事項
住所や氏名が変わった日から2年以内に変更登記が必要です。
施行日(令和8年4月1日)より前に変更があった場合:
まだ登記していない場合は、施行日から2年以内(令和10年3月末まで)に手続きが必要です。
いいえ、すぐに罰則が科されるわけではありません。
まず法務局から「登記申請してください」という催告(通知)が届きます。
その催告を受け取っても「正当な理由」なく手続きをしない場合に、5万円以下の過料が科される可能性があります。
自分で申請する場合:
• 登録免許税:不動産1個につき1,000円
• 住民票等の取得費用:数百円程度
司法書士に依頼する場合:
• 上記費用 + 司法書士報酬(事務所により異なる)
職権登記の場合:
法務局が職権で登記してくれる場合は、登録免許税はかかりません。
手続き方法
「検索用情報の申出」をしておくと、法務局が住基ネットで変更を確認し、ご本人の了承を得たうえで、登記官の職権で住所変更登記が行われます(国内に住所がある個人の場合)
令和7年4月21日から、所有者が「検索用情報」(氏名、住所、生年月日等)を法務局に申し出ることができるようになり、令和8年4月1日からは、検索用情報が登録された方について法務局が住基ネット情報を検索し、職権で住所等変更登記を行う「スマート変更登記」の制度が始まっています。
個人の方について実際に変更登記がされるのは令和8年(2026年)12月中旬以降です。住所や氏名の変更が確認された方には、その前に法務局から意思確認通知が届き、通知が送られてから1か月以内に希望する旨の回答が必要です。令和8年度の対象は、令和8年3月31日までに法務局で検索用情報の登録が完了した方です(一部の不動産だけ令和8年3月31日までに登録が完了した場合は、その不動産に限ります)。令和8年4月1日以降に登録が完了した方への意思確認通知は令和9年度以降になり、その時期は決まり次第法務省が案内するとしています。令和8年3月31日までに登録が完了したはずで、国内で住所や氏名が変わっているのに、令和9年3月末までに意思確認通知が届かない場合は、最後に検索用情報の申出をした法務局にお問い合わせください。
検索用情報の申出の特徴:
• 費用がかからない(登録免許税等不要)
• 押印・電子署名不要(司法書士が代理する場合を除く)
• Webブラウザ上で手続可能(かんたん登記・供託申請が利用可能)
• 必要な添付書類は、多くの場合、身分証明書(運転免許証、個人番号カード等)の写しです(原則として国籍等を証する情報も必要です。ただし、住民票コードを提供して日本国籍を確認できる場合などは不要です)
申出の方法は2つあります:
1. 登記申請と同時に申し出る方法
令和7年4月21日以降、所有権の保存・移転等の登記申請をする際に、同時に検索用情報を申し出ます。
2. 既に登記名義人である者が別途申し出る方法
令和7年4月21日時点で既に所有権の登記名義人である方も、別途申出をすることで「スマート変更登記」の対象となります。
注意:
• 自然人のみが対象です(法人は対象外)
• 海外に住所がある方も、令和8年10月5日から申出ができるようになりました(ただし、海外に住所がある間は職権登記の対象にならず、海外に住所があるときに申出をした方は、日本に住所を移した後に改めて申出をしない限り対象になりません)
• 検索用情報の登録が完了した不動産のみが職権登記の対象となります
【法人の場合】会社法人等番号の登記
令和6年4月1日から、所有権の登記の登記事項として「会社法人等番号」が追加されました。会社法人等番号が登記されていれば、令和8年5月15日以降、法務局が順次、職権で法人の名称・住所変更登記を行います。
はい、所有している全ての不動産について変更登記が必要です。
ただし、申請は1件にまとめて行うことができます。
同一の管轄法務局内の複数の不動産であれば、一括で申請することで手続きを効率化できます。
住民票や戸籍附票で登記簿上の旧住所から現住所までのつながり(住所履歴)が確認できない場合、以下の書類を取得する必要があります:
• 住民票除票
• 戸籍の附票(改製原附票)
これらを過去の住所地や本籍地から取得する必要があります。それでもつながらない場合は、さらに特殊な書類が必要となります。詳しくは法務局や司法書士にご確認ください。
注意:
住所変更を長期間放置すると、このように手続きが煩雑になります。早めの変更登記をお勧めします。
司法書士等に依頼すれば、必要書類の取り寄せも対応してもらえます。
特殊ケース
原則不要です。
相続登記(名義変更)を行えば、新たな所有者である相続人の現住所が登記されるため、亡くなられた方の住所変更登記を別途する必要はありません。
ただし注意点があります:
• 相続登記自体が義務化されています(2024年施行)
• 相続人自身が住所変更した場合は、その後2年以内に住所変更登記が必要です
必要です。
不動産の所有者である限り、国内・海外問わず住所変更登記の義務があります。
海外居住者の注意点:
市区町村への住民登録をしていない海外居住者の場合、法務局による職権での変更登記(スマート変更登記)の対象になりません。
そのため、自ら申請する必要があります。
日本に一時帰国できない場合は、司法書士にオンラインや郵送で依頼して手続きを進めることも可能です。なお、国内に住所がある間に検索用情報の申出をした方が海外に転居し、その後国内に戻った場合は、改めて申出をしなくてもスマート変更登記の対象になります。一方、海外にお住まいのときに申出をした方が国内に転居したときは、改めて検索用情報の単独申出をしないとスマート変更登記の対象になりません。
はい、必要です。
氏名(名称)変更についても2026年4月1日から住所変更と同様に、変更日から2年以内に登記申請をする義務があります。
例:結婚により登記名義人の姓が変わった場合も、期限内に氏名変更登記を行いましょう。
住所と氏名の変更を同時に行うことも可能です。
必要書類:戸籍謄本(旧姓・新姓のつながりがわかるもの)等
よくある疑問
いいえ、猶予と段階的手続きがあります。
変更日から2年を経過しても申請しない場合、すぐに過料が科されるのではなく、以下の手順で進みます:
手順:
1. まず法務局から「登記申請してください」という催告(通知)が届きます
2. その催告を受け取っても正当な理由なく一定期間内に申請しない場合に、5万円以下の過料が科される可能性があります
つまり、催告に対応すれば直ちに罰則とはなりません。
住基ネットへの照会で、登記されている住所や氏名の変更が分かったためです。
令和8年4月1日から住所や氏名の変更登記が義務になったことにあわせて、登記官が住基ネットに照会して所有者の住所や氏名の変更を把握し、本人の同意を得て職権で変更登記をする仕組み(スマート変更登記)が始まっています。この照会には、氏名・住所・生年月日などの「検索用情報」が使われます。
令和7年4月21日以降に売買・相続・贈与などの登記を申請して新たに名義人となった個人の方は(海外に住所がある方は令和8年10月5日以降)、その申請と同時に検索用情報を申し出ることとされています。司法書士などに登記を依頼した場合は、その申請の中で申出がされていることがあります。また、令和8年10月5日以降の所有権の保存・移転などの登記の申請で申出をせず、法務局から求められた補正にも応じなかった場合も、まだ登録がなければ登記官が申請書と添付書類をもとに検索用情報を登録するため、日本に住所がある方は、申出をしていなくても意思確認通知の対象になります。
回答期限(通知が送られてから1か月)までに職権による変更登記を希望すると回答すれば、登記されている住所・氏名は無料で変更されます。回答しないと職権による変更登記はされず、変更があった日から2年以内(令和8年4月1日より前の変更は令和10年3月31日まで)にご自身で変更登記を申請する必要があります。正当な理由なく申請しないと、5万円以下の過料が科される可能性があります。
まとめ:今からできる準備
住所変更登記の義務化は2026年4月1日に始まっています。2026年3月31日までに検索用情報の登録が完了し、国内で住所や氏名が変わった方には、2026年12月中旬以降に順次、スマート変更登記の意思確認通知が届きます(2026年4月1日以降に登録が完了した方への通知は、令和9年度以降です)。次の準備をしておきましょう:
- 所有不動産の確認: 自分が所有する全ての不動産を確認
- 登記簿上の情報確認: 現在の登記簿上の住所・氏名を確認
- 職権登記の準備:
- 個人: 「検索用情報」の申出(令和7年4月21日から可能)
- 法人: 「会社法人等番号」の登記
不明点は法務局や司法書士に相談することをおすすめします。早めの対応で、将来の手続きの手間と負担を大幅に減らせます。
