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《この記事の監修者》
司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら)
最終更新日:2025年12月17日
住所・氏名変更登記とは、不動産を所有している方が住所や氏名・名称を変更した際に、法務局で登記簿上の情報を更新する手続きです。
令和8年4月1日の改正法施行により、これまで義務のなかった所有者の住所・氏名変更登記が義務化されます。施行日より前に住所等を変更した場合であっても義務化の対象となります(遡及効)。
| 義務の内容 | 不動産所有者は住所・氏名・名称変更から2年以内に登記申請が必要 |
|---|---|
| 対象者 | 不動産を所有している個人・法人すべて |
| 施行日 | 令和8年(2026年)4月1日 |
| 猶予期間 | 施行日前の変更も対象だが、施行日から2年間の猶予あり |
| 罰則 | 正当な理由なく申請を怠ると5万円以下の過料の可能性 |
近年、所有者が不明な「所有者不明土地」が深刻な社会問題となっています。その主な原因の一つが、住所変更登記が行われないまま放置されているケースです。
住所変更登記の義務化により改善される点。
これまでは、住所や氏名が変わっても登記の変更は任意でした。そのため変更せずに放置されるケースが多く、登記簿情報と実態の乖離が年々拡大していました。不動産の所有者に連絡が取れないという問題が増加する原因となっていました。
令和8年4月1日からは、住所や氏名の変更から2年以内に登記申請が法的義務となります。住所を移転したり、氏名を変更した場合は、登記簿の名義上の氏名・住所変更登記の手続きが必要となります。
申請を怠ると過料の可能性がありますが、いきなり罰則が科されるわけではなく段階的な対応が取られます。また、新設される職権登記の仕組みによって、手続きの負担が大幅に軽減されることになります。
| 区分 | 変更が生じた日 | 登記申請の期限 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 施行後の変更 | 2026年(令和8年)4月1日以降 | 変更日から2年以内 | 原則的なルール |
| 施行前の変更 | 2026年(令和8年)4月1日より前 | 2028年(令和10年)3月31日まで | 経過措置として施行日から2年間の猶予が付与される |
住所・氏名変更登記に先駆けて、相続登記は2024年4月の法律改正により義務化されました。相続登記を怠ると過料の制裁を受ける可能性があります。
相続登記の申請義務化に伴い、相続登記よりも簡易に手続きできる相続人申告登記が創設されました。
相続登記の義務化を詳しく解説!過去の相続も対象?!
相続人申告登記とは?必要書類・手続きのやり方をわかりやすく解説!
国民の負担を軽減するため、登記官が職権で住所変更登記を行う仕組みが新設されます。これを利用すれば、自分で法務局に行く手間が省けます。
1. 事前の申出(令和7年4月21日から可能)
2. 法務局による定期確認
3. 変更があれば職権登記
| ステップ1 | 事前の申出(令和7年4月21日から可能) |
|---|---|
| ステップ2 | 法務局による定期確認 |
| ステップ3 | 変更があれば職権登記 |
一度法務局で住所等の変更登記を行えば、その後は住所が変わるたびにご自身で登記手続きをする必要がなくなり、登記義務違反となることもありません。これは、法務局が自ら職権により住所等の変更登記を行う「スマート変更登記」というサービスによるものです。
【申出後から変更登記完了までの手順】
(1) 法務局が住基ネットへ定期的に照会を行い、住所等の変更を確認
(2) 変更が確認された方へ、変更登記の実施について確認を求めるメールを配信
(3) 変更登記に同意された方から順に、登記手続きを進行
1. 会社法人等番号の登記
2. 名称・住所の変更情報を通知
3. 職権による変更登記
| ステップ1 | 事前の申出(会社法人等番号) |
|---|---|
| ステップ2 | 変更登記名称・住所の変更情報を通知 |
| ステップ3 | 職権による変更登記 |
「うっかり忘れたらすぐに罰金?」と心配される方も多いですが、罰則の運用は段階的に行われます。
義務違反の事実を登記官が確認した場合でも、すぐに裁判所への通知(過料通知)が行われるわけではありません。登記官から過料通知が行われるのは、義務違反者に対して一定の期間を設けて履行を促したものの、正当な理由がないまま期限内に申請・申出が行われなかった場合に限定されています。
登記官による催告は、住所等変更登記の義務違反者を把握することから始まります。この把握は、登記官が登記申請を審査する際などに得た情報に基づいて行われ、具体的には以下のようなケースが該当します。
職権登記を待たず、自分で速やかに住所変更登記手続きをする場合の方法です。
(現住所と登記上住所の差異確認)
まず、現在の登記簿(登記事項証明書)に記載されている情報がどうなっているかを確認します。
何をするか: 法務局で「登記事項証明書」を取得するか、インターネットの「登記情報提供サービス」で現在の登記情報を閲覧します。
チェックポイント:
単に確認するだけであれば、法務局に行くよりも「登記情報提供サービス(一時利用)」を使う方が手数料が安く、即座に確認できます。
(住民票や戸籍附票の取得)
登記上の住所(旧住所)から現在の住所(新住所)へのつながりを証明する公的書類を集めます。
主な書類:
重要な注意点:
(申請書の作成・登録免許税の納付・提出)
法務局の定めた様式に従って申請書を作成し、提出します。
提出方法:
(完了証の受領と事後確認)
申請から通常1週間〜2週間程度で登記が完了します。
完了後は必ず登記内容を確認しましょう。万が一間違いがあった場合は、早めに法務局に相談することをおすすめします。
職権登記を待たず、自分で速やかに氏名変更登記手続きをする場合の方法です。
(現在の登記内容と変更点の整理)
まず、登記簿上の情報が「旧姓」のままになっているか、また「住所」も同時に変わっていないかを確認します。
何をするか: 登記事項証明書を取得し、所有者の欄(甲区)を確認します。
重要チェック:
氏名と住所の両方が変わっている場合は、1件の申請書でまとめて変更(氏名・住所変更)できます。
(戸籍謄本、住民票等の取得)
氏名が変わった事実とその年月日を証明する書類を集めます。
必須の書類:
注意点:
(申請書の作成・登録免許税の納付)
申請書を作成し、法務局へ提出します。
氏名変更と住所変更を別々に申請すると、それぞれに登録免許税がかかります。まとめて申請することで費用を抑えられます。
(完了証の受領と事後確認)
申請から通常1週間〜2週間程度で登記が完了します。
完了後は必ず登記内容を確認しましょう。万が一間違いがあった場合は、早めに法務局に相談することをおすすめします。
住所や氏名が変わった日から2年以内に変更登記が必要です。
施行日(令和8年4月1日)より前に変更があった場合:
まだ登記していない場合は、施行日から2年以内(令和10年3月末まで)に手続きが必要です。
いいえ、すぐに罰則が科されるわけではありません。
まず法務局から「登記申請してください」という催告(通知)が届きます。
その催告を受け取っても「正当な理由」なく手続きをしない場合に、5万円以下の過料が科される可能性があります。
自分で申請する場合:
• 登録免許税:不動産1個につき1,000円
• 住民票等の取得費用:数百円程度
司法書士に依頼する場合:
• 上記費用 + 司法書士報酬(事務所により異なる)
職権登記の場合:
法務局が職権で登記してくれる場合は、登録免許税はかかりません。
「検索用情報の申出」をすることで、法務局が自動的に住所変更登記をしてくれます(個人の場合)
令和7年4月21日から、所有者が「検索用情報」(氏名、住所、生年月日等)を法務局に申し出ることで、法務局が住基ネット情報を検索し、職権で住所等変更登記を行う「スマート変更登記」が利用できるようになります。
検索用情報の申出の特徴:
• 費用がかからない(登録免許税等不要)
• 押印・電子署名不要
• Webブラウザ上で手続可能(かんたん登記申請が利用可能)
• 必要な添付書類は、多くの場合、身分証明書(運転免許証、個人番号カード等)の写しのみ
申出の方法は2つあります:
1. 登記申請と同時に申し出る方法
令和7年4月21日以降、所有権の保存・移転等の登記申請をする際に、同時に検索用情報を申し出ます。
2. 既に登記名義人である者が別途申し出る方法
令和7年4月21日時点で既に所有権の登記名義人である方も、別途申出をすることで「スマート変更登記」の対象となります。
注意:
• 国内に住所を有する自然人のみが対象です
• 海外居住者や法人は対象外です
• 申出をした不動産のみが職権登記の対象となります
【法人の場合】会社法人等番号の登記
令和6年4月1日から、所有権の登記の登記事項として「会社法人等番号」が追加されました。会社法人等番号を登記しておくことで、令和8年4月1日から法務局が職権で法人の名称・住所変更登記を行います。
はい、所有している全ての不動産について変更登記が必要です。
ただし、申請は1件にまとめて行うことができます。
同一の管轄法務局内の複数の不動産であれば、一括で申請することで手続きを効率化できます。
住民票や戸籍附票で登記簿上の旧住所から現住所までのつながり(住所履歴)が確認できない場合、以下の書類を取得する必要があります:
• 住民票除票
• 戸籍の附票(改製原附票)
これらを過去の住所地や本籍地から取得する必要があります。それでもつながらない場合は、さらに特殊な書類が必要となります。詳しくは法務局や司法書士にご確認ください。
注意:
住所変更を長期間放置すると、このように手続きが煩雑になります。早めの変更登記をお勧めします。
司法書士等に依頼すれば、必要書類の取り寄せも対応してもらえます。
原則不要です。
相続登記(名義変更)を行えば、新たな所有者である相続人の現住所が登記されるため、亡くなられた方の住所変更登記を別途する必要はありません。
ただし注意点があります:
• 相続登記自体が義務化されています(2024年施行)
• 相続人自身が住所変更した場合は、その後2年以内に住所変更登記が必要です
必要です。
不動産の所有者である限り、国内・海外問わず住所変更登記の義務があります。
海外居住者の注意点:
市区町村への住民登録をしていない海外居住者の場合、法務局による職権での変更登記(スマート変更登記)の対象になりません。
そのため、自ら申請する必要があります。
日本に一時帰国できない場合は、司法書士にオンラインや郵送で依頼して手続きを進めることも可能です。
はい、必要です。
氏名(名称)変更についても2026年4月1日から住所変更と同様に、変更日から2年以内に登記申請をする義務があります。
例:結婚により登記名義人の姓が変わった場合も、期限内に氏名変更登記を行いましょう。
住所と氏名の変更を同時に行うことも可能です。
必要書類:戸籍謄本(旧姓・新姓のつながりがわかるもの)等
いいえ、猶予と段階的手続きがあります。
変更日から2年を経過しても申請しない場合、すぐに過料が科されるのではなく、以下の手順で進みます:
手順:
1. まず法務局から「登記申請してください」という催告(通知)が届きます
2. その催告を受け取っても正当な理由なく一定期間内に申請しない場合に、5万円以下の過料が科される可能性があります
つまり、催告に対応すれば直ちに罰則とはなりません。
所変更登記の義務化開始は2026年4月からですが、今からできる準備があります:
不明点は法務局や司法書士に相談することをおすすめします。早めの対応で、将来の手続きの手間と負担を大幅に減らせます。

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