ことの通知
相続登記を促すもの
10万円以下の過料
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通知が届いた。これは何?今すぐ何をすべき?
ある日突然、法務局から見慣れない通知が届き、驚かれたことでしょう。これは本物の通知である可能性がありますが、詐欺のケースもあり得るため、まず差出人・連絡先・内容の真偽を確認してください。本物であれば、国が長年放置されてきた土地問題を解決するために、あなたを相続人の一人として特定し、手続きを促すための「お知らせ」です。
このページでは、通知を受け取った方が次に何をすべきか、司法書士が分かりやすく解説します。
- 長期間(10年以上)放置された土地の相続登記を促す国からの正式な通知
- あなたが土地の名義人の法定相続人の一人と特定された
- 相続登記には申請義務があり、正当な理由なく期限を過ぎると10万円以下の過料の可能性あり(通知そのものに罰則はありません)
- 通知書を持って法務局へ行き「法定相続人情報」を入手するのが第一歩

「長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)」とは?
国からの相続登記(名義変更手続き)を促す通知です
法務局では、所有者が不明になっている土地の問題解消のため、長期間にわたり名義変更(相続登記)がされず所有者不明になっている土地(長期相続登記等未了土地)を抽出し、その関係者である相続人を調査しています。そして、相続登記の手続きを促す通知を送付しています。
法定相続人の中から任意の1名の方に対して「長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)」が送られてきます。
この通知は、相続登記の義務化(2024年4月施行)より以前から行われている「長期相続登記等未了土地解消事業」に基づくもので、公共事業等の実施主体(国や地方公共団体)からの要望に応じて、法務局の登記官が職権で法定相続人の探索を代行する制度です。
制度開始当初は「死亡後30年以上」が対象でしたが、令和3年(2021年)12月の運用見直しにより「10年以上」に短縮されました。調査対象の範囲が大幅に拡大されており、通知を受け取る方が全国的に増加しています。
通知の内容は?
通知書には、長期間相続登記されていない旨や、対象不動産を特定する事項、法定相続人情報の作成番号が記載されています。
法務局は長期相続登記等未了土地を調査し、その相続関係を登記・図式化して保管する事業を実施しています。この調査で判明した法定相続人に対し、該当する土地の存在を知らせ、相続登記の手続きを促す通知を送付しています。
| 不動産番号 及び所在事項 | 対象不動産を特定するための13桁の固有番号と、詳細な所在地が記載されます。 |
|---|---|
| 現在の所有権の 登記名義人 | 数十年前に死亡し、登記簿上の所有者として名前が残ったままになっている被相続人の氏名と当時の住所が記載されます。 |
| 法定相続人情報の 作成番号 | 法務局が作成した家系図(一覧図)の管理番号です。本通知書において最も重要な情報であり、相続登記の際に一定の範囲で戸籍謄本等の提出を省略できる場合があります。 |
| 管轄法務局の 連絡先 | 本件に関する問い合わせ先となる地方法務局登記部門の電話番号が記載されています。 |
通知書には「本通知は、法定相続人が複数いる場合には、任意の1名の方に送付しています」と注記されています。受領者が唯一の相続人ではなく、他にも多数の相続人が存在するケースが大半です。法定相続人が複数いる場合でも、通知はそのうち1名に送付されます(送付先の選定理由は事案により異なります)。

相続登記の義務化との関係は?
通知自体に罰則はありませんが、義務化とも関係がありますのでお早めの対応が必要です
通知は上記の通り、法務局が長期間相続登記されていない土地を調査し、あなたが法定相続人の一人と判明したため届いたものです。この通知自体に罰則はありませんが、該当する土地の存在を知らせ、相続登記の手続きを促すものです。
一方、相続登記の申請義務については、2024年4月から法律が改正され、すべての相続について登記が義務化されました。相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要であり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。
相続登記の義務化の罰則とは?10万円以下の過料の対象・回避方法を解説過去に発生した相続も義務化の対象です
相続登記の義務化は、将来の相続だけでなく過去に発生した相続も経過措置のもとで義務化の対象です。2024年4月1日の施行日より前に発生していた古い相続についても対象となります。
過去の相続分については経過措置として猶予期間が設けられており、原則として令和9年(2027年)3月31日までに相続登記を完了させなければなりません。通知の対象となっている土地は多くの場合過去の相続に該当するため、このタイムリミットを意識して対応する必要があります。

詐欺への警戒:本物の通知と偽物の見分け方
法務局を名乗るメールやSMSに注意してください
不動産登記のデジタル化に便乗した特殊詐欺やフィッシング詐欺が増加しています。特に、令和8年(2026年)4月1日に始まった「住所・氏名変更登記」の義務化に便乗し、「法務省からの重要なお知らせ」等を騙るフィッシングメールが出回っています。
法務局を名乗るメールやSMSでリンクを求めるものは、詐欺を強く疑い、リンクは開かないでください。少しでも不審に感じた場合は、以下を徹底してください。
- リンクをクリックしない
- 返信しない
- 添付ファイルを開かない
- 何も操作しない
ただし、検索用情報の申出の際などにメールアドレスを法務局に届け出ていて、住所・氏名に変更があった方には、住所・氏名の変更登記(スマート変更登記)についての「意思確認通知」が法務局から電子メールで届くことがあります(令和8年3月31日までに検索用情報の登録が済んだ方には、令和8年12月中旬以降、順次送られます)。このメールは、リンク先から登記・供託オンライン申請システムに接続して回答する仕組みで、最後に検索用情報の申出をした法務局から送られます。スマート変更登記を希望する場合の回答の期限は、通知が送られてから1か月以内です。期限までに回答しないとスマート変更登記はされず、法務局から変更登記をするよう催告を受けるきっかけになることがあります。心当たりがあるのに本物か判断できないときは、メールに書かれた連絡先ではなく、最後に検索用情報の申出をした法務局の代表番号をご自身で調べて確認してください。
郵送の書面が届いた場合の確認方法
郵送で届いた書面であっても、記載されている連絡先が改ざんされているリスクがあります。確認の際は、書面に記載されている番号には直接電話せず、インターネット等で管轄の地方法務局の正しい代表番号を自分で調べ、代表電話経由で担当部署に繋いでもらうのが確実です。
通知が届いた後にやるべきこと
まずは法務局で内容を確認しましょう
最寄りの法務局へ行き、登記簿謄本(登記事項証明書)と法定相続人情報を交付してもらい、内容を確認しましょう。
- 登記簿謄本を確認することで、長期相続登記等未了土地の詳細情報が分かります。登記簿謄本にも、長期相続登記等未了土地である旨の記載(所有権の登記に付記)がされています。この付記登記は、その後相続登記がされた際に職権で抹消されます。また、不動産登記法の改正(第76条の4・令和8年4月1日施行)により、長期相続登記等未了土地解消事業などの法務局の事務で戸籍を確認し、所有者が亡くなっていることが分かった場合には、登記簿の所有者の氏名に死亡を示す符号(◇)が表示されることがあります。この符号は名義人が亡くなったことを示すもので、相続登記の代わりにはならないため、相続登記は別に申請する必要があります。
- 法定相続人情報には、現在の名義人(被相続人)の氏名・本籍・最後の住所・死亡日や、相続人の住所・氏名などが記載されています。法務局が戸籍を調査して作成した公的な家系図であり、相続登記の際に一定の範囲で戸籍謄本等の提出を省略できる場合があります。
法定相続人情報を入手するには?
最寄りの法務局で入手可能です。手数料は無料です。
提供依頼書(長期相続登記等未了土地解消作業に基づく法定相続人情報を出力した書面の提供依頼書)を法務局に提出することで入手できます。
| 窓口での請求 | 氏名及び住所を確認できる運転免許証・マイナンバーカード・住民票の写し等が必要です。 |
|---|---|
| 郵送での請求 | 提供依頼書と必要書類、返信用封筒を同封して法務局に郵送します。返信は受取確認ができる書留郵便等の利用が必要です。 |
| 代理人による請求 | 司法書士等の資格者代理人が代理で取得することも可能です。その場合は委任状が必要です。法定代理人の場合は、戸籍謄本等により法定代理権を証明する必要があります。 |
対象不動産の資産価値を確認する
通知を受け取って最初に行うべきもう一つの重要な初動対応は、対象不動産の客観的な資産価値を把握することです。土地が所在する市区町村の役場(税務課など)に連絡し、「固定資産評価証明書」や「名寄帳(なよせちょう)」を取得しましょう。
無価値な山林なのか、再開発が見込まれる価値ある宅地なのかによって、その後の方針は大きく異なります。
他にも未登記の不動産がないか調査する(所有不動産記録証明制度)
「通知に記載された土地以外にも、先祖が全国各地に未登記の不動産を持っているのではないか」という疑念が生じることがあります。
令和8年(2026年)2月2日より、画期的な新制度である「所有不動産記録証明制度」がスタートしました。この制度により、特定の人物が所有する全国の不動産を一覧的にリスト化した証明書を発行してもらえます。
| 請求方法 | 全国どこの法務局窓口でも請求可能で、オンライン請求にも対応しています。 |
|---|---|
| 手数料 | 検索条件1件につき、1通あたり1,600円(オンラインは別額の設定あり) |
| 注意点 | 請求書に記載した検索条件(氏名・住所)と完全一致する登記記録を機械的に抽出する仕組みのため、登記簿上の氏名や住所が古いままの不動産は抽出漏れの可能性があります。 |
通知を受け取った際には、この制度を活用して他に隠れた不動産がないかを調査しておくことをお勧めします。
所有不動産記録証明制度について詳しく解説長期相続登記等未了土地の問題を解決する選択肢
長期相続登記等未了土地の問題を解決するには、主に以下の選択肢が考えられます。皆様の状況に合わせてご選択ください。
| 選択肢 | 概要 | 適している場合 |
|---|---|---|
| 相続登記 | 相続人間で話し合い、正式に名義変更を行う最も標準的な手続き | 土地に資産価値がある場合、売却・活用を考えている場合 |
| 相続放棄 | 家庭裁判所で相続の権利を放棄する手続き | 土地が負動産で、固定資産税や管理義務を負いたくない場合 |
| 相続人申告登記 | 単独で行える暫定的な手続きで、過料を回避する | 遺産分割協議がまとまらず、期限が迫っている場合 |
| 相続土地国庫帰属制度 | 不要な土地を国に引き取ってもらう制度 | 資産価値がなく、誰も引き取らない土地の場合 |
相続登記(最も標準的な選択)
可能であれば、相続人の皆様に連絡を取り、名義変更手続きを進めましょう。
長年放置されていた土地のため、相続人が複数名に増え、手続きが簡単にはできないことも予想されます。しかし、このまま放置すると将来さらに相続人が増え、ますます手続きが困難になります。次世代に課題を残さず、今のうちに解決することをお勧めいたします。
手続きには、遺産分割協議書の作成やその他証明書の手配、相続人とのやり取りがあります。ご自身での手続きが難しい場合は、専門家である司法書士への依頼をご検討ください。
【相続登記】亡くなった方から不動産を相続する際の名義変更手続きをわかりやすく解説!相続登記の手続きに何か違いがある?
相続登記の申請の際に「法定相続人情報の作成番号」を提供すると、一定の範囲で相続関係・住所証明に関する添付書類の提出を省略できる場合があります(法定相続人情報に「相続人の全部又は一部が判明しない旨」の記録がない等の要件があります)。
通常の相続登記では、被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍などの各書類を提出する必要があり、複数の相続が関係する場合は膨大な通数になることがあります。作成番号を利用できれば、この相続人調査の手間が軽減され、労力や費用の削減につながります。
数世代にわたる相続の場合、集めるべき戸籍は数十通から百通近くにも及び、取得に数ヶ月〜半年以上かかることもあります。法定相続人情報の作成番号を利用できれば、この負担が大幅に軽減される可能性があります。通知書は大切に保管してください。
相続登記を進める上で何が難しい?
相続人全員の了承を取ることが最も難しいポイントです。長年放置されていた土地のため、中には数十名規模の相続人が対象となっているケースもあります。
まずは法定相続人情報をもとに関係者全員に連絡を取ることが必要です。疎遠なご親族の場合は全く面識がないこともあるでしょう。お電話等の連絡先が分かれば直接お願いすることもできますが、連絡先が分からない場合はご住所にお手紙等をお送りして連絡を取ることになります。
司法書士がお客さまの代わりにお手紙等の連絡をする場合もありますので、ご自身での対応が難しい場合は司法書士にご相談ください。
【費用早見表】不動産名義変更・相続登記の費用|相場と無料見積相続放棄
対象の土地に資産価値がなく、相続人の数が膨大で現実的に相続登記の完了が見込めない場合は、相続放棄も選択肢の一つです。固定資産税の負担や管理義務を負いたくない場合、他の相続人との関わりを持ちたくない場合にも検討されます。
相続放棄は熟慮期間である3ヶ月の期限があり、期限を過ぎると原則として相続放棄できなくなります。熟慮期間は以下の時点から始まります。
- 被相続人が亡くなったことを知った時
- それによって自分が相続人になったことを知った時
「亡くなったのは何年も前だから、もう3ヶ月はとっくに過ぎている」と諦めてしまう方も多いのですが、判例では「相続財産の存在を全く知らず、知らなかったことに相当な理由がある場合」には、相続財産の存在を具体的に知った時から3ヶ月以内であれば、相続放棄が認められる例もあります。
今回のケースでは、「法務局からの通知で初めて、自分が相続すべき財産の存在を知った」という状況がこれに該当する可能性があります。通知で初めて相続財産の存在を具体的に知った事情がある場合、熟慮期間の起算点が問題となり得ます。
相続放棄が認められるかどうかは、これまでの相続の状況などの事情も影響します。相続放棄を検討される場合は、通知受領後できるだけ早く(目安として3ヶ月以内に)家庭裁判所への申述準備や専門家への相談を進めてください。弁護士・司法書士に早めにご相談されることをお勧めします。

相続人申告登記(暫定的な措置)
相続登記がすぐにはできない場合でも、簡易な手続きで相続人申告登記をすることで、相続登記の義務を履行したものとみなされ、過料を回避できます。
相続人申告登記が適しているのは、相続人が多数いる・意見がまとまらない・遠方に住んでいて連絡が取りにくいなど、遺産分割協議が難航し3年の期限が迫っている場合です。
相続人申告登記は過料を免れるための措置であり、最終的には遺産分割協議後の正式な相続登記が必要です。遺産分割が成立した日からさらに3年以内に、改めて正式な相続登記を行わなければなりません。
通常の相続登記と相続人申告登記の比較
| 比較項目 | 通常の相続登記 | 相続人申告登記 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 所有権が誰に移ったかを確定させ、第三者に公示する | 自分が相続人の一人であることを国に申告し、過料を回避する |
| 他の相続人の関与 | 遺産分割協議を行う場合、相続人全員の合意・実印・印鑑証明書が必要 | 他の相続人の協力や同意は不要。単独で完結する |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額の0.4%(数万円〜数十万円) | 非課税(無料) |
| 不動産の処分 | 売却・抵当権設定・建築などが自由に可能 | 売却・名義変更・担保設定は一切不可 |
| 最終的な手続き | これで名義変更手続きは完了 | 遺産分割成立後、別途正式な相続登記が必要 |
| 過料の回避 | 新たな名義人について完全に回避できる | 申出をした本人のみ回避できる |

相続土地国庫帰属制度(土地を国に引き取ってもらう)
資産価値がほとんどなく管理コストだけがかかる地方の山林や原野などで、相続人の誰も土地を相続しない・引き取らない場合の選択肢として、土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」の利用も考えられます。
ただし、利用にあたっては以下のような問題点があり、安易に選択できる方法ではありません。
- 共有者全員が共同して申請する必要がある
- 費用負担が大きい(申請時に審査手数料1筆14,000円、承認後に負担金は原則20万円〜)
- 承認要件が厳しい
- 手続きに時間と手間がかかる
利用をご検討の場合は、お早めに専門家にご相談されることをお勧めいたします。
相続土地国庫帰属制度 完全ガイド:不要な土地を手放すための条件・手続き・費用・代替案を徹底解説通知を受け取った後の具体的な対応手順
以上の制度的背景とリスクを踏まえ、通知を受け取った方が取るべき行動手順をまとめます。
- 通知の真偽を確認する
管轄法務局の代表番号を自分で調べ、通知が本物であることを確認します。メールやSMSで届いた場合は詐欺を強く疑い、絶対にリンクをクリックしないでください。 - 法務局で「法定相続人情報」と「登記簿謄本」を取得する
通知書を持参して最寄りの法務局へ行き、相続関係の全体像と対象不動産の詳細を把握します。 - 対象不動産の資産価値を確認する
市区町村の役場で「固定資産評価証明書」「名寄帳」を取得し、土地の経済的価値と固定資産税の負担額を確認します。 - 他に未登記の不動産がないか調査する
「所有不動産記録証明制度」(2026年2月開始)を活用し、通知の土地以外にも先祖名義の不動産が存在しないか調査します。 - 方針を決定し、手続きを実行する
資産価値・管理コスト・相続人の人数と関係性を総合的に判断し、「相続登記」「相続放棄」「相続人申告登記」「国庫帰属制度」のいずれかを選択して手続きを進めます。判断が難しい場合は、司法書士等の専門家への相談をお勧めします。
長期相続登記等未了土地に関するQ&A
法務局から通知が届いた方からよく寄せられる質問と回答をまとめました。
法務局の正式な手続きに基づく通知であれば、国(法務局)による正規の通知です。ただし、詐欺の可能性もあるため、まず管轄法務局の代表番号に電話して真偽を確認してください。
公共事業(道路や公園の整備など)を行う予定がある土地について、所有者が亡くなったまま長期間(10年以上)相続登記がされていない場合、法務局が職権で相続人を調査し、その結果をお知らせするものです。通知は、あなたがその土地の相続人の一人であることを示しています。
原則として、判明した相続人のうち「お一人だけ」に送付されています。全員に送られるわけではありません。
通知を送る宛先については、法定相続人が複数いる場合でもそのうち1名に送付されます(送付先の選定理由は事案により異なります)。
そのまま放置すると、さらに次の相続が発生して権利関係が複雑になり、解決がより困難になるおそれがあります。
また、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。この通知が届いた土地に限らず、過去に相続した土地も含め、正当な理由なく義務に違反すると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。この機会に手続きを進めることをお勧めします。
法務局では場所の案内までは行っていませんが、以下の方法で調べることができます。
- インターネット上の地図サービス(GoogleマップやGoogle Earthなど)
- 市区町村の資産税課にある「固定資産課税台帳附属地図」
- 図書館等にある住宅地図
特に山林や農地の場合は場所の特定が難しいことがありますが、まずは地番を頼りにこれらの資料で確認してみてください。
具体的に「誰が」「何の事業で」その土地を使おうとしているのかについて、法務局からは教えてもらえません。
調査のきっかけは、地方公共団体や民間事業者などが「公共の利益となる事業」を行うためですが、法務局からは依頼元の情報は提供されない決まりになっています。土地の場所や現状から推測するか、事業計画が公表されていないかご自身で確認する必要があります。
法務局が調査して作成した「法定相続人情報」を取得することで、誰が相続人かを知ることができます。
法務局は戸籍を調査して、相続関係を一覧にした図(法定相続人情報)を作成・保管しています。この情報を請求すれば、他の相続人が誰であるかを確認できます。
手数料は無料です。通知を受け取った方や、そこに記載されている相続人の方は、最寄りの法務局に対して「法定相続人情報を出力した書面」の提供を依頼できます。郵送での請求も可能です(切手代等は自己負担)。
残念ながら、銀行口座の解約などには利用できません。
今回作成された情報はあくまで登記手続きの促進を目的としたものであり、一般的な相続手続きに使う公的な証明書(法定相続情報一覧図)とは異なります。銀行手続き等には別途戸籍謄本等を集める必要があります。
相続登記を申請する際、戸籍謄本等の提出を省略できる場合があります。
通常、相続登記には亡くなった方の出生から死亡までの戸籍など多くの書類が必要ですが、法定相続人情報に記載された「作成番号」を申請書に記載することで、一定の範囲で添付書類の提出を省略できる場合があります(ただし、遺産分割協議書などは別途必要です)。
まずは法務局で「法定相続人情報」を取得し、相続関係を把握することをお勧めします。
その上で、他の相続人と連絡を取り、誰がその土地を相続するか(遺産分割協議)を話し合ってください。ご自身での手続きが難しい場合は、司法書士へのご相談をご検討ください。通知書だけでは情報が足りないため、まずは情報を集めることが第一歩です。
まとめ:専門家を交えた迅速な初期対応が重要です
法務局から送付される「長期間相続登記等がされていないことの通知」は、国が所有者不明土地問題の解決に向けて本腰を入れて国民に「決断と行動」を促す重要なメッセージです。
通知書に付与された法定相続人情報の作成番号により、戸籍収集の負担が軽減される可能性があることは大きなメリットです。しかし、その後に控えている「資産価値の分析」「見知らぬ親族との遺産分割に向けた権利調整」「相続放棄の要否判断」「過料リスクの回避」といった一連の実務は、法律知識を持たない方が単独で完遂するには難易度が高いのが現実です。
本通知を受け取った際の最も安全かつ確実な対応は、不動産名義変更と相続法務に精通した司法書士等の専門家に速やかに相談することです。現状の正確な診断、相続人への適切なアプローチ手法、そして「相続登記」「相続放棄」「相続人申告登記」のいずれが最適かの戦略的判断が可能になります。期限が厳密に定められた現在の法制度下において、専門家によるナビゲーションは自己の財産と権利を守るための重要なリスクマネジメントです。
