不動産名義変更手続センターでは、相続や贈与時の土地・家・マンションなどの不動産名義変更手続きについて、お客さまを完全サポートいたします!
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相続で戸籍を集めていると、取り寄せた戸籍謄本の中に「従前戸籍」という見慣れない言葉が出てきて、「これは何だろう」「前の戸籍はどこで取ればいいのか」と戸惑う方が少なくありません。従前戸籍とは、ひとことで言えば一つ前の本籍地(前の戸籍)のことです。相続では「生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍」を集める必要があり、この従前戸籍欄をたどることが、転籍前の戸籍までさかのぼる手がかりになります。この記事では、年間2,000件超のご相談実績がある司法書士法人が、従前戸籍の意味、転籍前の戸籍謄本の取り方、改製原戸籍との違い、2024年に始まった広域交付の使い方まで、混同しやすいポイントを整理してわかりやすく解説します。
● 従前戸籍とは:新しい戸籍が作られる前に在籍していた戸籍のこと。転籍・婚姻・分籍などで前に在籍していた戸籍を指します(法改正で様式が変わる前の「改製原戸籍」とは分けて考えます)。
● なぜ必要か:相続では「出生から死亡までの連続した戸籍」で相続人を確定するため、従前戸籍をたどって過去へさかのぼります。
● 転籍前の取り方:取り寄せた戸籍の「従前戸籍」欄に書かれた前の本籍地に、その市区町村へ請求します(窓口・郵送)。
● 改製原戸籍との違い:転籍は前の役所へ請求、改製は同じ役所の改製原戸籍を請求。混同しないことが大切です。
● 広域交付:2024年3月開始。本人・配偶者・直系尊属(父母・祖父母)・直系卑属(子・孫)であれば、最寄りの窓口で従前戸籍を含む連続した戸籍を一括請求できます(請求者から見て兄弟姉妹に当たる人の戸籍・代理人請求・郵送は不可)。
● 読み解き:転籍・改製・編製・除籍といった用語の意味を押さえると、戸籍の連続性を追いやすくなります。
● 依頼の目安:戸籍が大量にある、古い手書きで読めない場合は、相続登記に伴う戸籍収集として司法書士にご依頼ください。
従前戸籍(じゅうぜんこせき)とは、新しい戸籍が作られる前にその人が在籍していた戸籍のことです。人は転籍(本籍地を別の市区町村へ移すこと)や婚姻、分籍などのたびに新しい戸籍が作られますが、その前に在籍していた戸籍が「従前戸籍」です。戸籍には、この従前戸籍の本籍地と筆頭者が記載されるため、相続で戸籍をさかのぼる際の手がかりになります。なお、法改正やコンピュータ化で様式が変わる前の戸籍は「改製原戸籍」と呼び、従前戸籍とは分けて考えます(後述)。
たとえば、Aさんが結婚を機に本籍地を東京都千代田区から横浜市に移した場合、横浜市で新しく作られた戸籍から見ると、千代田区にあった戸籍が「従前戸籍」になります。相続で戸籍をさかのぼるときは、この従前戸籍の情報を手がかりに、一つずつ前の本籍地へとたどっていきます。
戸籍の様式によっては「従前戸籍」ではなく「従前本籍」「従前の本籍」と記載されていることがあります。「従前本籍」は前に在籍していた戸籍の本籍地を示す表現で、その戸籍を特定するには本籍地に加えて筆頭者もあわせて確認します。表記の違いに惑わされず、「前の本籍地と筆頭者は何か」を読み取れれば問題ありません。
従前戸籍の情報は、戸籍の冒頭にある「戸籍事項欄」に記載されます。コンピュータ化された現在の戸籍(戸籍全部事項証明書)では「従前戸籍」という見出しで、前の本籍地と筆頭者が示されます。古い紙の戸籍では、戸籍事項欄に「○年○月○日 ○○(地名)から転籍」「○○より入籍」などと記載され、これが前の本籍地を示す手がかりになります。
戸籍事項欄に「平成20年4月1日 東京都千代田区九段南○丁目○番から転籍」とあれば、その直前の本籍地は東京都千代田区九段南だったと分かります。次は、この千代田区へ前の戸籍(除籍謄本)を請求することになります。
相続の手続きでは、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの「連続した戸籍」をすべて集める必要があります。連続した戸籍とは、出生時の戸籍から、転籍・婚姻・改製などで作り替えられたすべての戸籍を、途中で途切れさせずにつなげた一式のことです。
なぜ死亡時の戸籍1通では足りないのでしょうか。それは、死亡時の戸籍には、過去の相続人の情報がすべて載っているとは限らないからです。戸籍は転籍や改製のたびに新しく作り直されますが、その際、すでにその戸籍から抜けている人(先に結婚して別の戸籍を作った子や、亡くなった子など)の情報は、新しい戸籍には書き写されません。
たとえば、長男が結婚して別戸籍を作った後に親が転籍すると、転籍後の新しい戸籍には長男の記載が現れません。死亡時の戸籍だけを見ると長男の存在を見落とし、相続人を一人取りこぼしてしまう危険があります。そこで、出生まで戸籍をさかのぼり、すべての子(相続人)を漏れなく確認する必要があるのです。
不動産の名義変更(相続登記)でも、法務局に対して相続人を証明するために、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を提出します。当センターでは、相続登記に伴うこの戸籍収集から名義変更の申請まで一括して対応しています。戸籍謄本そのものの種類や違いについては、相続登記で必要な戸籍の種類と違い(原戸籍・改製原戸籍・除籍の解説)もあわせてご覧ください。
連続した戸籍を集める基本は、「今ある戸籍の従前戸籍欄を読み、そこに書かれた前の本籍地へ請求する」という作業を、出生の記録が出てくるまで繰り返すことです。転籍を何度もしている方の場合、本籍地が複数の市区町村にわたるため、この遡り作業が中心になります。具体的な手順は次のとおりです。
まず、亡くなった方の最後の本籍地を管轄する市区町村で、戸籍(亡くなった記載のあるもの。全員が抜けていれば除籍謄本)を取得します。本籍地が分からない場合は、本籍地の記載がある住民票の除票を取ると本籍を確認できます。
取り寄せた戸籍の戸籍事項欄(従前戸籍欄)を読み、一つ前の本籍地と筆頭者を確認します。「○○から転籍」「○○より入籍」とあれば、前に在籍していた戸籍をたどる手がかりです(前の市区町村へ請求)。一方、「○○で改製」とある場合は、前の市区町村へ移るのではなく、同じ本籍地の市区町村で改製原戸籍を請求します(次のH2で解説)。
従前戸籍欄に書かれていた前の本籍地を管轄する市区町村に、その戸籍(多くは除籍謄本・改製原戸籍)を請求します。窓口でも郵送でも取得できます。郵送請求では、申請書・本人確認書類のコピー・手数料分の定額小為替・返信用封筒(切手貼付)を同封します。
新たに届いた戸籍の従前戸籍欄を読み、さらに前の本籍地へ請求する——この作業を、戸籍に「出生」の記載が現れるまで繰り返します。被相続人が高齢の場合、本籍地を何度も移していることがあり、5〜6通以上の戸籍が必要になることもあります。
請求書の「使いみち」欄には「相続手続きのため、出生から死亡までの連続した戸籍が必要」と書き添えると、担当者がその役所にある関連戸籍(除籍・改製原戸籍)をまとめて出してくれることが多く、やり取りの往復を減らせます。手数料は不足すると追加請求になるため、定額小為替を少し多めに同封しておくと安心です。
戸籍をさかのぼるとき、「従前戸籍」「改製原戸籍」「除籍」の3つの言葉が混同されがちです。請求先(どの役所に頼むか)が変わるため、ここで違いをはっきりさせておきましょう。
もっとも間違えやすいのが、従前戸籍(転籍)と改製原戸籍の取り違えです。違いは「役所が変わるかどうか」で見分けられます。
改製原戸籍は法改正前の旧戸籍で、原則として150年間保存されます(ただし、保存期間が延長される前に廃棄済みのものや、戦災・災害等で滅失したものは取得できないことがあります)。「改製原戸籍」と「従前戸籍(前の本籍地の戸籍)」はまったく別物ですので、戸籍事項欄に「改製」とあれば同じ役所、「転籍」とあれば前の役所、と切り分けて請求してください。原戸籍・改製原戸籍そのものの詳しい説明は、相続登記で必要な戸籍の種類と違いで解説しています。
除籍とは、その戸籍に記載されていた人が全員いなくなった(死亡・婚姻・転籍などで抜けた)状態の戸籍です。亡くなった方をたどると、その方が在籍していた古い戸籍はすでに除籍になっていることが多く、請求するときは「除籍謄本(除籍全部事項証明書)」として取得します。一方、まだ誰か在籍している戸籍は「戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)」です。手数料は戸籍全部事項証明書が450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本が750円と異なります。
戸籍をさかのぼる作業を大きく楽にしたのが、2024年(令和6年)3月1日に始まった「広域交付」です。戸籍法の改正により、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍を請求できるようになりました。これにより、各地に散らばった従前戸籍を、最寄りの役所でまとめて取得できる可能性が広がりました。
広域交付では、本人・配偶者・直系尊属(父母・祖父母)・直系卑属(子・孫)であれば、お住まいの市区町村など最寄りの窓口で、従前戸籍を含む過去の連続した戸籍をまとめて請求できます。これまでのように本籍地ごとに郵送請求を繰り返す手間が省け、相続の戸籍集めの負担が軽くなりました。
便利な一方で、広域交付には次の重要な制限があります。これに該当する場合は、従来どおり本籍地の市区町村へ請求する必要があります。
たとえば兄弟姉妹が亡くなり、その戸籍を取りたいケースや、代理人にまとめて取得を頼みたいケースでは、広域交付は利用できません。司法書士に相続登記とあわせて戸籍収集を依頼する場合も、広域交付ではなく、本籍地の市区町村への職務上請求・郵送請求などで戸籍を集めます。広域交付の対象範囲・必要書類・窓口での手続きの詳細は、広域交付で戸籍謄本が全国どこからでも取得可能に(詳細解説)をご覧ください。
従前戸籍をたどるには、戸籍事項欄に書かれた言葉を正しく読み解くことが欠かせません。とくに古い手書きの戸籍は文字も様式も読みにくいものですが、主要な用語の意味を押さえておくと、連続性を追いやすくなります。
明治・大正期の戸籍は毛筆の手書きで、旧字体や変体仮名が使われ、慣れない方には判読が困難です。戸籍をさかのぼる段階では、まず「前の本籍地と筆頭者」「いつ転籍・改製したか」を押さえることが出発点です。ただし、相続人を確定する段階では、婚姻・養子縁組・離縁・認知・死亡などの身分事項も確認する必要があり、古い戸籍が読めないまま判断すると相続人を取りこぼすおそれがあります。どうしても読めないときは、相続登記に伴う戸籍収集として専門家にお任せいただくのが安心です。
戸籍をさかのぼっていくと、ごくまれに「保存期間が過ぎて廃棄され、これ以上さかのぼれない」という事態に行き当たることがあります。その場合の代替的な進め方は、戸籍の附票・住民票が古すぎて保存期間経過している場合の対処法で解説しています。
従前戸籍のたどり方は本記事のとおりですが、次のような「危険なサイン」が一つでも当てはまる場合は、自力収集でつまずきやすく、相続人を取りこぼすリスクも高まります。早めに専門家へ相談する判断をおすすめします。
転籍・除籍が大量にある複雑なケースを、どの順番で集めれば効率的かといった段取りは、転籍・除籍が多い複雑な戸籍の収集手順でも詳しく解説しています。また、郵送・窓口・コンビニ・広域交付という取得方法そのものの全体像は、戸籍謄本の取り方4通りの総合ガイドをご覧ください。
当センターは、相続登記(不動産の名義変更)に伴う戸籍収集から名義変更の申請までを一括してサポートしています。出生から死亡までの連続した戸籍の取り寄せ、従前戸籍のたどり、相続人の確定をまとめてお任せいただけます。年間2,000件超のご相談実績をもとに、全国対応で進めますので、「自分で集めるのは難しそう」と感じたら、お気軽にご相談ください。なお、相続税の試算・申告は税理士の業務範囲のため、税額については税理士にご相談ください。費用の目安は相続登記・名義変更の費用でご確認いただけます。
Q. 従前戸籍とは何ですか?
Q. 転籍前の戸籍謄本はどこで取れますか?
Q. 従前戸籍と改製原戸籍は何が違いますか?
Q. 最後の本籍(従前本籍)が分からない場合はどうすればいいですか?
Q. 広域交付で従前戸籍(転籍前の戸籍)もまとめて取れますか?
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