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所有不動産記録証明制度とは?証明書の取得方法・必要書類・手数料を司法書士が解説


《この記事の作成者兼監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (
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最終更新日:2026年9月16日

所有不動産記録証明制度(要点まとめ)

● 制度の目的:本人または被相続人が登記簿上の所有者として記録されている不動産を、検索条件に基づき全国からリスト化して証明する制度(相続不動産の見落とし防止/※所有権の登記がない未登記建物などは対象外で、登記上の住所・氏名が検索条件と一致しない不動産は漏れることがあります)

● 施行日令和8年(2026年)2月2日に施行

● 請求できる人:本人(法人含む)/相続人・一般承継人/代理人(任意代理人は委任状、成年後見人などの法定代理人等は権限を証する書面が必要)

● 取得場所全国どこの法務局・地方法務局でも請求可(管轄制限なし/オンライン・郵送・窓口の3通り)

● 手数料検索条件1件につき1通あたり、書面1,600円/オンライン郵送1,500円/オンライン窓口1,470円(不動産個数による加算なし/※引越し等で旧住所も指定する場合は、検索条件数×手数料がかかります)

【目次】
~目次詳細を開くにはこちらをクリック~

関連記事:全国の不動産を調べる所有不動産記録証明制度とあわせて、市区町村ごとの「名寄帳」も精密な財産調査に欠かせません。詳しくは名寄帳の取得方法・見方を司法書士が解説 をご覧ください。

1. 所有不動産記録証明制度とは

所有不動産記録証明制度とは:

「特定の人が所有する全国の不動産を、法務局がリスト化して証明書として交付する制度」

令和6年4月に施行された相続登記義務化に伴い、相続人が被相続人名義の不動産を把握しやすくするために創設されました。

証明書に記載される内容

所有不動産記録証明書(しょゆうふどうさんきろくしょうめいしょ)で証明されるのは、登記記録のうち「不動産所在事項」と「不動産番号」です(不動産登記法第119条の2第1項・不動産登記規則第199条第1項)。証明書には次の情報が記載されます:

【請求人・検索条件】

請求人の資格(本人/相続人その他一般承継人)・氏名又は名称・住所と、検索条件として指定した氏名又は名称・ローマ字氏名・住所・会社法人等番号

【管轄登記所】

抽出された各不動産を管轄する法務局・地方法務局(支局・出張所)

【種別】

土地・建物の別

【不動産所在事項】

登記上の所在と、土地は地番・建物は家屋番号(住居表示の住所とは異なることがあります)

【不動産番号】

不動産を一意に識別する13桁の番号。登記事項証明書の請求に使えます(証明書には登記申請用のコードも印字されます)

⚠️ 証明書に載らない情報

地目・地積、建物の種類・床面積、共有持分、抵当権などの権利関係は証明書には記載されません。これらは、不動産番号をもとに各不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して確認します。該当する不動産がない場合は、記録がない旨が証明されます。

より詳しい情報はこちら

制度の詳細については、法務省の公式ページをご確認ください。

▼ 所有不動産記録証明制度について(法務省HP)▼
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00740.html

2. 誰が請求できるのか

個人の資産情報は極めて高度なプライバシー情報です。そのため、この制度を利用できる人(請求権者)は法律により厳格に限定されています。

【不動産の登記名義人本人】

「自分の財産目録を作りたい」「終活のために資産整理したい」といったニーズに対応。法人も含まれます。

【登記名義人の相続人】

被相続人(亡くなった方)の不動産を網羅的に把握し、遺産分割協議の対象を確定するために利用します。相続登記義務化に伴い、最も利用が想定される請求者です。

【登記名義人の一般承継人】

合併により消滅した会社の権利義務を承継した法人などが該当します。

【代理人】

法定代理人・財産管理人等:未成年者の親権者・未成年後見人、成年後見人、代理権付与の審判を受けた保佐人・補助人、不在者財産管理人、相続財産管理人・相続財産清算人など。破産管財人も、その資格証明書を添えれば請求できます。

任意代理人:委任を受けた司法書士、弁護士、親族など

相続人・代理人が請求するときに知っておきたいポイント

法務省が登記所向けに示した「所有不動産記録証明書の交付等に関する質疑事項集」(第三版・令和8年9月4日現在)の内容をもとに整理しています。

  • 相続人は1人で請求できます。他の相続人の同意や委任は不要で、相続人のうちの1人であることが分かれば足ります。相続放棄をしていないことなどを積極的に証明する必要はありません(ただし、添付書類から相続権を失っていることが分かった場合は請求できません)。
  • 成年後見人は、本人(成年被後見人)が亡くなると請求できなくなります。死亡により代理権が消滅するためです。亡くなった方の相続人から改めて委任を受ければ、その代理人として請求できます。
  • 遺言執行者も、遺言の内容によっては請求できます。財産を包括的に相続人以外の人へ遺贈する遺言のように、執行のために被相続人名義の不動産を把握する必要がある場合が該当します(遺言書の写しと遺言者の死亡を証する情報、または遺言執行者選任の審判書などで権限を示します)。特定の財産だけを遺贈する遺言では、通常は必要ないとされています。
  • 法定代理人が請求する場合は、法定代理人の権限を証する書類と法定代理人自身の本人確認書類があれば、本人(登記名義人)の印鑑証明書などは不要です。

3. 必要な添付書類

請求の際には、以下の書類が必要です。法務省の公式情報に基づく詳細な内容を確認しましょう。

【所有権の登記名義人】

以下のいずれか一方:

① 印鑑証明書
発行期限はありません。請求書には実印を押印してください(発行から長期間経過していて請求の意思に疑義があるときは、登記所から理由を確認されることがあります)。

② 本人確認書類の写し(書面請求のみ)
例:マイナンバーカード、運転免許証など
※ 窓口での原本提示も必要

法人の場合:会社法人等番号を提供し、登記所で印鑑証明書を確認できるときは、法人の印鑑証明書の添付を省略できます。清算結了した法人でも、最後の代表清算人が実印を押し、その個人の印鑑証明書と閉鎖事項証明書(または会社法人等番号)を添えれば請求できます。

【必要となる場合がある書類】
過去の氏名や住所を検索条件とする場合、これらを証する情報
例:戸除籍謄本、住民票の写し、戸籍の附票の写しなど(詳しくは下記「過去の住所・旧姓を検索条件にする場合の証明書類」)

【相続人その他の一般承継人】

上記に加えて:

③ 所有権の登記名義人との相続関係・承継関係を証する情報
例:戸籍謄本、法定相続情報一覧図の写し、会社法人等番号(法人の場合)など
※ 法定相続情報番号、戸籍電子証明書提供用識別符号または除籍電子証明書提供用識別符号を取得している場合、これらの情報を提供することで上記書類の提出に代えることができます(戸籍連携システムの障害などで登記官が確認できない場合は、戸籍謄本等の提出が必要になることがあります)。

【戸籍はどこまで必要?】
相続登記と同じ範囲の戸籍を一律にそろえる必要はなく、請求人が「相続人の1人であること」を証明できる範囲で足ります。請求人の立場ごとの目安は次のとおりです。

  • 子・配偶者が請求する場合:請求人が被相続人の死亡時に生存する子(または配偶者)であることが分かる戸籍謄本等。被相続人の出生から死亡までの戸籍は不要です。
  • 親が請求する場合:請求人が被相続人の親であることに加え、被相続人に子や代襲相続人がいないことが分かる戸籍謄本等。子がいないことの確認のため、被相続人の出生から死亡までの戸籍等が必要になる場合があります。
  • 兄弟姉妹が請求する場合:請求人が被相続人の兄弟姉妹であることに加え、被相続人に子・代襲相続人・直系尊属(親など)がいないことが分かる戸籍謄本等。同様に、被相続人の出生から死亡までの戸籍等が必要になる場合があります。

いずれの場合も、被相続人が登記名義人と同一人であることを示す情報(被相続人の住民票の除票・戸籍の附票など)が必要です。除票や附票が保存期間切れで取れないときは、同一人である旨の上申書(印鑑証明書付き)で対応できる取扱いがあります。請求人の戸籍は現在の戸籍でなくてもよく(被相続人の死亡後に転籍した場合の転籍前の戸籍でも可)、請求人の戸籍の父母欄などから登記名義人の子であることが確認できれば、親子が同じ戸籍に載っていた当時の除籍までは求められません。なお、戸籍に記載された本籍と本人確認書類の住所が異なる場合は、戸籍の附票などで請求人と戸籍上の相続人が同一人であることを示す書類が別途必要になります。

【必要となる場合がある書類】
被相続人または被承継人の過去の氏名や住所を検索条件とする場合、これらを証する情報
例:除籍謄本、除かれた戸籍の附票の写しなど

【過去の住所・旧姓を検索条件にする場合の証明書類】

引っ越し前の住所や結婚前の氏などを検索条件に加えるときは、「その氏名・住所が請求人(または被相続人)のものだった」ことを証する書類が必要です。市町村長などの公務員が作成した書類が原則ですが、次のものも認められています。

◎ 使える書類の例

  • 戸籍の附票の写し・住民票(除票)の写し・戸除籍謄本
  • 登記済証(権利証)の写し、固定資産税の納税通知書(課税明細書を含む)の写し、名寄帳
  • 変更前の氏名・住所から現在の氏名・住所への変更登記がされている不動産の登記事項証明書(変更の経緯が登記記録から確認できるため)
  • 法人の場合:変更前の商号・本店が確認できる法人の登記事項証明書(会社法人等番号の提供で確認できる場合は、番号の提供で足ります)
  • 町名変更のように番地の表記が変わらない行政区画の変更:変更の事実が分かる自治体ホームページの写しなど

✕ 使えない書類の例

  • 登記完了証(登記完了の通知を目的とした書面であるため)
  • 登記名義人として変更前の氏名・住所だけが記載されている不動産の登記事項証明書(請求人との同一性を確認できないため)

◎ 公的な書類がどうしても用意できない場合
変更前の氏名・住所が記載された郵便物や公共料金の請求書などで代えることができます。それもない場合は、実印を押した「同一人である旨の上申書」を提出します(上申書に添える印鑑証明書は、請求書に添付する印鑑証明書と兼ねることができます)。

◎ 昭和27年7月1日より前に、本籍が住所として登記されている場合
住民登録法の施行(昭和27年7月1日)前は、登記名義人の住所が本籍で登記されていることがあります。被相続人の氏名と「本籍」を検索条件にする場合は、戸籍の附票と戸除籍謄本から、その本籍が住民登録法施行前のものであることを示せば足ります。

【上記の代理人】

上記に加えて:

④ 委任状(任意代理人の場合)
請求人の実印を押印し、請求人の印鑑証明書を添付してください。成年後見人などの法定代理人等が請求する場合は、委任状の代わりに代理権・権限を証する書類(審判書・資格証明書など)を添付します。

書類提出の重要な注意点
  • 原則、原本の提出が必要です。ただし、印鑑証明書およびこの請求のためだけに作成した委任状以外の書類については、原本と併せてコピー(原本と相違がない旨を記載し、請求人または代理人の記名がされたもの)が提出された場合には、手続完了後、原本を返却します。
  • 相続人が請求する場合、戸籍謄本等の原本還付を受けるときは、相続関係説明図を戸籍のコピーの代わりとして提出できます(相続登記と同じ扱いです)。
  • 印鑑証明書と、この請求のためだけに作成した委任状は原本還付を受けられません。ただし、複数の請求人が1枚の委任状で委任している場合など、他の請求にも使う委任状は還付を請求できます。
  • 同時に複数の書面請求をする場合、共通して添付する書類は1通で足ります。
  • 法定代理人が請求する場合、権限を証する書類から登記名義人と本人の同一性を確認できないときは、同一性を明らかにする書類(住民票など)が別途必要です。
  • 代理人が窓口に請求書を持参する場合、持参した人が代理人本人かどうかの確認までは求められません(代理権を証する書類があれば足ります)。
  • 添付書類に不足がある場合には、補完が必要です。一定の期間内に補完されない場合、証明書が交付されないことがあります。
  • オンライン請求の場合には、必要書類も全てオンラインで提供する必要があります。

4. 請求方法

所有不動産記録証明書の請求は、以下の3つの方法で行えます:

【① 窓口請求】

全国どこの法務局・地方法務局(支局・出張所を含む)でも請求可能です。

メリット:その場で書類の不備を確認できる、相談しながら記入できる

デメリット:平日の開庁時間(8:30~17:15)に出向く必要がある

【② 郵送請求】

請求書と必要書類、返送用封筒(切手貼付)を同封して法務局に郵送します。

メリット:来庁不要、全国どこからでも請求可能

デメリット:往復の日数がかかる、書類不備の場合は補正に時間を要する

【③ オンライン請求】

登記・供託オンライン申請システムを利用して請求します。

メリット:平日は23時まで・土日祝も18時まで送信できる(年末年始を除く)、手数料が安い、来庁不要

デメリット:電子証明書(マイナンバーカード等)が必要、システムの操作に慣れが必要

▼ 登記・供託オンライン申請システム ▼
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/

⚠️ 処理期間についての注意

請求から交付までにかかる日数は、請求の状況や登記所の実情に応じて登記所ごとに設定されるため、請求先の登記所にお問合せください。

法務省は、標準的な処理期間として「受付後1週間以内の交付」を想定しています(登記所向けの質疑事項集・令和8年9月時点)。ただし、混み合う時期や書類に不備がある場合はこれより長くなることがありますので、余裕を持って請求しましょう。

【証明書の受け取り方】

窓口で受け取る場合:請求書に書いた請求人(または代理人)と同じ氏名・住所が記載された運転免許証などの本人確認書類を提示します。司法書士などの資格者代理人は、所属団体の身分証明書で足ります。請求書に押した印鑑と同じ印鑑を持参するなど、受け取る権限があることを確認できる方法でもかまいません。

郵送で受け取る場合:請求人・代理人以外の第三者(たとえば遠方の親族)を送付先に指定することもできます。証明書には所有不動産の一覧という個人情報が載るため、登記所から送付先に誤りがないか確認されます。

受け取らないまま1か月が経過した証明書は廃棄されることがあります。廃棄後に改めて交付を求める場合は、手数料をもう一度納めて請求し直す必要があります。

【書類に不備があったとき・請求を取り下げたいとき】

  • 不備があると、登記所から電話などで連絡があり、一定期間内に補完(追加提出・訂正)を求められます。手書きの文字が読み取りにくい場合も電話等で確認されます。複数の検索条件のうち1件だけに不備がある場合は、確認のうえその条件を除き、残りの条件について証明書が交付されることもあります。
  • 期間内に補完されないときは、書面または電話で通知のうえ添付書類が返戻されます。請求書類は請求から1年間保管されます。
  • 不備が解消されない場合は、請求人の求めにより手数料の償還(返還)を受けられる取扱いです(登記事項証明書の手数料の償還手続に準じます)。証明書の交付前に請求を撤回した場合なども償還の対象となり得るため、請求先の登記所に手続を確認してください。該当する不動産がない旨の証明書が交付された場合は、手数料は戻りません。
  • オンライン請求では、証明書の内容が確定してから納付の案内があり、電子納付をした後は請求情報・添付情報の削除ができません。訂正や撤回の取扱いは、請求先の登記所にご相談ください。
  • 書面請求の手数料は収入印紙で納めます。登記印紙は使えません

5. 手数料

本制度は有料のサービスです。手数料は以下の通り設定されています:

【窓口請求・郵送請求】

1,600円

検索条件1件につき、1通あたり(収入印紙で納付)

【オンライン請求(郵送交付)】

1,500円

検索条件1件につき、1通あたり

【オンライン請求(窓口交付)】

1,470円

検索条件1件につき、1通あたり

【手数料計算例】

例えば、登記所に請求書を提出する方法(窓口請求)で証明書を請求する場合において、検索条件を4件指定し、証明書の請求通数を1通としたときに納付する手数料額は:

検索条件4件 × 1通 × 1,600円 = 6,400円

【手数料計算例②:オンライン請求】

検索条件を2件指定し、証明書を各2通ずつオンラインで請求して郵送で受け取る場合:

検索条件2件 × 2通 × 1,500円 = 6,000円

⚠️ 検索条件の「数え方」で手数料が変わります
  • 「斉藤」と「齊藤」のように、システム上は同じ文字(代表文字)に変換されて検索される異体字でも、検索条件を2件書けば2件分の手数料がかかります。同じ文字に変換されることが登記官の側で容易に分かる場合は、連絡のうえ検索条件をまとめてもらえることがあります。
  • 「A市B町1丁目1番1号」と「A郡B町1丁目1番1号」のように、行政区画の変更前後で地番が同じ住所を両方書いた場合も、2件として数えられます
  • 1枚の請求書で複数の検索条件を指定する場合、検索条件ごとに通数を変えることはできません(例:条件①は2通・条件②は1通)。通数を変えたいときは請求書を分けて請求します。

6. 請求できる場所

全国どこの法務局・地方法務局でも請求可能

所有不動産記録証明書は、法務大臣が指定する登記所で請求できます。不動産の所在地に関係なく、全国どこの法務局・地方法務局(支局・出張所を含む)でも請求できます。

法務局・地方法務局の検索

お近くの法務局は、以下のページで検索できます:

法務局・地方法務局の管轄一覧

7. 申請書の書き方

法務省所定の「所有不動産記録証明書交付請求書」様式に基づき、記入のポイントを解説します。

申請書フォームのダウンロード

Word形式の申請書をダウンロードして、入力・印刷することができます。

所有不動産記録証明書交付請求書(Word)をダウンロード

※ Microsoft Word または互換ソフトで開くことができます

【表面】請求書の様式

所有不動産記録証明書交付請求書(表面)

出典:法務省「所有不動産記録証明書交付請求書」様式

▶ 自然人の記載例PDF  ▶ 法人の記載例PDF  ▶ 相続人の記載例PDF

【裏面】検索条件の様式

所有不動産記録証明書交付請求書(裏面・検索条件)

出典:法務省「所有不動産記録証明書交付請求書」様式

▶ 請求書様式PDF(空白フォーム)

実際に取得した証明書の例

実際に法務局で交付された所有不動産記録証明書の実物をご紹介します。以下のように記載されて交付されます:

所有不動産記録証明書の実物

実際に取得した所有不動産記録証明書

⚠️ 申請書記入の重要な注意点
  • 請求書の内容に不備がある場合には訂正が必要です。一定の期間内に訂正されない場合、証明書が交付されないことがあります。
  • 請求書1枚で複数の検索条件を指定することができますが、1つの検索条件欄に、複数の氏名(又は名称)・住所等をまとめて記載することはできません。それぞれの検索条件欄に記載してください。
  • 検索対象となる不動産は所有権の登記がされている不動産に限られ、土地や建物の表示に関する登記のみの不動産は検索対象となりません。
  • 証明の対象となる不動産が検索結果として抽出されない場合、該当不動産がない旨の証明がされます。この場合も手数料はかかり、返却されません。この「該当なし」は指定した検索条件で抽出されなかったという結果であり、不動産を一切所有していないことの証明ではありません。心当たりがある場合は、登記時の氏名・住所や従来の資料を確認してください。
  • 登記簿がコンピュータ化されていない不動産については、検索結果として抽出されません。
  • 検索対象の不動産について相続登記や売買の登記が申請中でも、証明書は発行されます。ただし、証明書は検索時点の登記記録を基準に作成されるため、まだ登記記録に反映されていない申請内容は含まれません。所有権移転の登記が処理(校合)された後は、変更前の所有者の氏名・住所で検索しても、その不動産は抽出されなくなります。
  • 旧氏(旧姓)を括弧書きで併記して登記されている不動産は、旧氏の方を検索条件にしても抽出されないとされています。併記ではなく旧姓のまま登記されている不動産は、旧姓と当時の住所を検索条件にして探します。
  • 所有不動産記録証明書の請求書や添付書類は登記簿の附属書類には当たらないため、登記簿の附属書類の閲覧制度によって閲覧することはできません。

8. 取得までの流れ

所有不動産記録証明書を取得するまでの流れを、ステップごとにまとめます。

【STEP 1】必要書類を準備する

  • 印鑑証明書または本人確認書類の写し(写しは書面請求のみ・窓口での原本提示が必要)
  • 相続人の場合:相続人の1人であることが分かる戸籍謄本等(出生から死亡までの戸籍は不要)または法定相続情報一覧図
  • 過去の住所を検索する場合:戸籍の附票など
  • 代理人の場合:委任状(任意代理人)または代理権・権限を証する書類(法定代理人等)

【STEP 2】申請書を記入する

  • 法務省の様式をダウンロード、または法務局で入手
  • 表面:請求者情報、証明書の通数などを記入
  • 裏面:検索条件(氏名・住所など)を記入

【STEP 3】手数料を準備する

  • 窓口・郵送請求:収入印紙 1,600円×検索条件数×通数
  • オンライン請求:1,500円または1,470円×検索条件数×通数

【STEP 4】請求する

  • 窓口請求:全国どこの法務局でも可(平日8:30~17:15)
  • 郵送請求:返送用封筒と切手を同封して郵送
  • オンライン請求:登記・供託オンライン申請システムから

【STEP 5】証明書を受け取る

  • 窓口受取または郵送受取を選択
  • 標準的な処理期間は受付後1週間以内(登記所や混雑状況により異なる)

【受け取った後にすること】

  • 証明書の不動産番号をもとに、各不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する
  • 名義・共有持分・抵当権などの担保権・所在/地番/家屋番号を確認する
  • 固定資産税の課税明細書や名寄帳と照合し、私道の持分・未登記家屋・古い住所のまま登記された不動産の漏れを点検する
  • 物件ごとに、相続による取得を知った時期(相続登記の期限の起算点)を確認する
  • 遺産分割協議・相続登記へ進む。すぐに分割が決まらない不動産は相続人申告登記を検討する
✅ スムーズに取得するためのポイント
  • 過去の住所履歴をできるだけ正確に把握しておく
  • 戸籍の附票を事前に取得しておく
  • 法定相続情報一覧図を活用する(相続人の場合)
  • 申請書の記入例をよく確認する
  • 不明点があれば法務局に事前に相談する
司法書士による実体験レポート

当事務所の司法書士が、制度開始初日に実際に所有不動産記録証明書の交付請求を行いました。窓口での実際のやり取り、必要だった書類、気づいた注意点などを詳しくレポートしています。

【体験談】所有不動産記録証明書の交付請求レポートを読む

※ 開始初日の流れ・必要書類・注意点を詳しく解説

9. よくある質問(FAQ)

所有不動産記録証明書の取得についてよくいただく質問をまとめました。実務上の取扱いは、法務省が登記所向けに示した「所有不動産記録証明書の交付等に関する質疑事項集」(第三版・令和8年9月4日現在)をもとにしています。

Q. 所有不動産記録証明制度とは何ですか?
A. 所有不動産記録証明制度とは、ご本人または被相続人が所有権の登記名義人として登記簿に記録されている不動産を、検索条件(氏名・住所・会社法人等番号など)に基づき登記官が全国からリスト化して証明書として交付する制度です。令和8年(2026年)2月2日に施行されました。相続登記義務化(令和6年4月1日施行)に伴い創設され、被相続人が所有していた不動産の見落としを防ぐのに役立ちます。ただし、所有権の登記がない未登記建物などは対象外で、登記上の住所・氏名が検索条件と一致しない不動産は漏れることがあります。
Q. 制度はいつから利用できますか?
A. 令和8年(2026年)2月2日に施行され、現在利用可能です。法務省が公式パンフレットを公表しています(出典:法務省ホームページ)。
Q. 誰が請求できますか?
A. 請求できるのは、(1)所有権の登記名義人ご本人(法人を含む)、(2)その相続人または他の一般承継人(法人の合併承継法人を含む)、(3)上記(1)(2)の代理人 です。
Q. 必要な添付書類は何ですか?
A. 本人請求の場合は印鑑証明書または本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)の写し、相続人請求の場合はこれに加えて登記名義人の相続人の1人であることを証する戸籍謄本等(子・配偶者なら被相続人の出生から死亡までの戸籍は不要)または法定相続情報一覧図の写し、任意代理人が請求する場合はさらに委任状(請求者の実印押印・印鑑証明書添付)が必要です。成年後見人などの法定代理人は、委任状の代わりに代理権・権限を証する書類を添付します。過去の氏名・住所を検索条件にする場合は、戸籍の附票などそれを証する書類も添付します。
Q. 手数料はいくらかかりますか?
A. 手数料は検索条件1件につき1通あたりで決まります。書面請求は1,600円、オンライン申請+郵送交付は1,500円、オンライン申請+窓口交付は1,470円です。不動産の個数による加算はありません。ただし、引越しなどで旧住所も検索条件に指定する場合は、指定した検索条件の数×手数料がかかります(例:検索条件2件×書面請求1通=3,200円)。手数料は収入印紙または電子納付で納めます。
Q. オンライン申請は可能ですか?
A. 可能です。法務省の「登記・供託オンライン申請システム」から「申請用総合ソフト」をダウンロードし、所有不動産記録証明書の請求様式を選んで電子署名のうえ送信します。受取方法は郵送(1,500円)と窓口(1,470円)の2通りから選べます。
Q. 代理人が委任を受けて請求できますか?
A. 可能です。司法書士・弁護士などの専門家を含め、任意の第三者を代理人にできます。代理請求には委任状(請求者の実印押印・印鑑証明書添付)が必要です。
Q. 全国どこの法務局でも取得できますか?
A. 取得できます。所有不動産記録証明制度には管轄の制限がなく、全国の法務局・地方法務局(支局・出張所を含む)の窓口で請求できます。郵送・オンラインも可能です。
Q. 法人や会社の所有不動産も対象になりますか?
A. 対象になります。法人が所有権登記名義人の場合、会社法人等番号を検索条件に追加することで、より精度の高い検索が可能です。法人の合併承継法人も請求権者に含まれます。
Q. 取得までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 法務省は標準的な処理期間として、受付後1週間以内の交付を想定しています。実際の所要日数は請求の状況や登記所の実情によって異なるため、急ぎの場合は事前に窓口にご確認ください。受け取らないまま1か月が経過した証明書は廃棄されることがあり、廃棄後に交付を求めるには手数料を改めて納めて再請求する必要があります。
Q. 相続人が請求する場合、戸籍は被相続人の出生から死亡まで必要ですか?
A. 相続登記と同じ範囲の戸籍を一律にそろえる必要はなく、請求人が登記名義人の相続人の1人であることを証明できる範囲で足ります。子や配偶者が請求する場合は、被相続人の死亡時に生存する子(配偶者)であることが分かる戸籍謄本等と、被相続人が登記名義人と同一人であることを示す情報(住民票の除票・戸籍の附票など)を用意します。親や兄弟姉妹が請求する場合は、先順位の相続人がいないことを確認するため、被相続人の出生から死亡までの戸籍等が必要になる場合があります。戸籍上の本籍と本人確認書類の住所が異なるときは、戸籍の附票などで同一人であることを示す書類も必要です。相続人は1人で請求でき、他の相続人の同意は不要です。
Q. 引っ越し前の住所を検索条件にしたいのですが、戸籍の附票が取れない場合はどうすればよいですか?
A. 戸籍の附票や住民票の除票のほか、登記済証(権利証)の写し、固定資産税の納税通知書(課税明細書を含む)の写し、名寄帳も、変更前の住所を証する書類として認められています。これらもない場合は、その住所が記載された郵便物や公共料金の請求書などで代えることができ、それもなければ実印を押した「同一人である旨の上申書」を提出します。登記完了証や、変更前の住所だけが記載された登記事項証明書は使えません。

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この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Plan・manegyへの寄稿実績あり。

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司法書士 板垣 隼

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