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検索用情報の単独申出とは?手続き方法を司法書士が解説【令和7年4月開始】


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2026年2月13日
 

【令和7年4月開始】不動産の「検索用情報の申出(単独申出)」とは?

令和7年(2025年)4月21日から、不動産登記に関する新しい制度「検索用情報の申出」がスタートしました。これは、令和8年(2026年)4月から始まる「住所変更登記の義務化」に先駆けて導入される仕組みで、あらかじめ法務局に申出をしておくことで、将来の住所変更手続きが劇的に楽になる可能性があります。

特に、既に不動産を所有している方は、「単独申出」という手続きを利用することで、この新制度の恩恵を受けることができます。この記事では、不動産登記の専門家である司法書士が、制度の仕組みやメリット、具体的な手続き方法について分かりやすく解説します。

「検索用情報の申出」とはどんな制度?

簡単に言うと、「法務局に自分の最新情報を登録しておけば、住所が変わった時に法務局が自動的に(職権で)登記を変更してくれるようになる」ための事前準備です。

従来の仕組みと課題

これまで、引越しをして住所が変わった場合、所有者自身が法務局へ「住所変更登記」を申請しなければなりませんでした。これを忘れると、登記簿上の住所が古いままとなり、所有者不明土地問題の一因となっていました。

新制度(令和8年4月以降)の仕組み

今後、法務局は「住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)」の情報と連携し、所有者の住所変更を把握できるようになります。

もし法務局が「住所が変わった」と気づいた場合、所有者に「登記の住所を変更してもいいですか?」と確認の連絡をし、了承が得られれば登記官が職権で(あなたの代わりに)住所変更登記を行ってくれます。

「申出」が必要な理由

ただし、法務局が勝手に個人の情報を検索することはできません。そこで、あらかじめ所有者自身が「私の住基ネット情報を検索してもいいですよ」という意思表示(=検索用情報の申出)を行い、検索に必要な情報(氏名、生年月日、住所など)を法務局に登録しておく必要があるのです。

制度のポイント

この制度は「自分の情報を法務局に検索してもらう許可を出す」ための手続きです。許可があれば、住所変更のたびに自分で登記申請をする必要がなくなります。

「単独申出」は誰ができる?おすすめな人は?

「検索用情報の申出」には、不動産を購入した時に行う「同時申出」と、既に所有している不動産について行う「単独申出」があります。

単独申出ができる人

  • 令和7年4月21日時点で、既に不動産の所有権登記名義人である方(国内に住所がある個人のみ)
  • 令和7年4月21日以降に不動産を取得したが、その登記の際に申出をしなかった方

こんな方におすすめ

✅ 申出をおすすめする方
  • 今後、転勤や引越しの可能性がある方
  • 将来、住所変更登記の手続きを自分でするのが面倒だと感じる方
  • 住所変更登記の費用を節約したい方

メリット:手続きの手間と費用を削減

この申出を行っておく最大のメリットは、将来の「住所変更登記の手間と費用」がなくなることです。

1

申請の手間が不要に

住基ネットの情報をもとに法務局から確認のメールが届き、それに承諾すれば登記が変更されます。自分で申請書を作ったり、住民票を取りに行ったりする必要がなくなります。

2

コストがかからない

「検索用情報の申出」の手続き自体に登録免許税(国への手数料)はかかりません。また、職権で住所変更登記がなされる場合も、通常の申請のような費用負担が発生しない仕組みとなる予定です。

比較項目従来の住所変更登記申出後の職権登記
手続きの方法所有者自身が申請書を作成し、法務局へ提出法務局からの確認メールに承諾するだけ
必要書類住民票・申請書・委任状 など不要(法務局が住基ネットで確認)
登録免許税不動産1個につき1,000円なし(職権登記のため)
司法書士への依頼費用10,000円〜(目安)不要

手続きの流れと必要書類

「単独申出」の手続きは比較的にシンプルで、ご自身で行う難易度も、氏名・住所変更登記と比べると高くありません。ご自身でできる方も多いと考えます。

必要書類

基本的には以下の1点のみです。

本人確認書類の写し(コピー)

運転免許証、マイナンバーカード(表面のみ)、パスポートなど、氏名・住所・生年月日が記載された公的書類

※住所の移転経過が複雑で住基ネットで確認できない場合などは、別途「戸籍の附票」などが必要になることがあります。

申出の方法

以下の2つの方法があります。

① オンライン申出(おすすめ!)

専用ソフトは不要で、Webブラウザ上の「かんたん登記申請」から手続き可能です。

  • 8時30分から21時00分まで(月曜日から金曜日)
    ※国民の祝日・休日、12月29日から1月3日までの年末年始を除く。
  • 電子署名(マイナンバーカードの読み取り等)も不要
  • 本人確認書類はスマホで撮影して添付するだけでOK

② 書面での申出

申出書を作成し、管轄の法務局へ郵送または持参します。

  • 申出書への押印は不要
  • 郵送の場合は書留郵便などを使い、封筒に「検索用情報申出書在中」と明記すると良いでしょう

申出書に記載する内容

記載事項補足
氏名・フリガナ登記名義と一致している必要があります
住所現在の住民登録上の住所
生年月日住基ネットでの照合に使用されます
メールアドレス法務局からの確認連絡用として重要
対象不動産の表示不動産番号で記載するのが簡便です

よくある質問(Q&A)

Q.司法書士に依頼する必要はありますか?
A.ご自身でもできる手続きです。ただし、パソコン操作が不安な方や対象不動産が多い場合などは、司法書士に代理を依頼することも可能です。
Q.メールアドレスを持っていない場合は?
A.メールアドレスがなくても申出は可能です。その場合、法務局からの確認連絡は郵送で行われます。ただし、手続きをスムーズにするため、可能な限りメールアドレスの登録が推奨されています。
Q.全ての不動産が対象ですか?
A.申出をした不動産のみが対象となります。管轄が異なる複数の不動産を持っている場合でも、そのうちの1つの法務局にまとめて申出をすることが可能です。

まとめ:早めの申出で将来に備えましょう

令和8年4月からは住所変更登記が義務化され、正当な理由なく怠ると過料の対象となる可能性があります。

「検索用情報の申出(単独申出)」をしておけば、うっかり手続きを忘れるリスクを防げますし、何より将来の手続きが格段に楽になります。費用も無料ですので、ぜひ手続きを検討してみてください。

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監修者プロフィール - 板垣隼
司法書士 板垣隼
この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Planやビジネスメディアへの寄稿実績多数。
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