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【不動産の換価分割】メリット・デメリット、手続きの流れ、譲渡所得税


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2025年10月30日
 

不動産相続における換価分割

不動産相続における代償分割

売却される不動産のイラスト

換価分割(かんかぶんかつ)とは、遺産を特定の相続人が現物として受け継ぐのではなく、一度売却して現金に換えた上で、その売却代金を相続人全員で分配する遺産分割方法です。この方法は主に、土地や建物といった不動産、あるいは株式や貴金属など、現物での分割が困難な財産に対して適用されます。

換価分割の最大の目的は、遺産の価値を明確にし、相続人全員に公平な分配を実現することにあります。現金を分けるため、物理的な制約や評価額の不均衡といった問題が生じにくくなります。また、特定の相続人が不動産を取得するために必要な名義変更などの手続きも、売却を通じて買主に移転することで簡略化される側面があります。

不動産の遺産分割方法の解説・比較(現物分割・代償分割・換価分割・共有分割)

なぜ換価分割が選ばれるのか?

遺産分割には現物をそのまま分ける現物分割という方法がありますが、特に不動産ではこの方法が困難なケースが多く見られます。不動産を物理的に分筆すると利用価値が低下したり、全体の評価額が下がったりするリスクがあるためです。

また、不動産は評価方法によって価値が大きく変動します。相続税評価額、固定資産税評価額、実勢価格など複数の基準があり、誰がどの不動産を取得するかを決める際に、公平性に対する不満が生じてトラブルの主要因となりがちです。

換価分割が選ばれるのは、この評価額をめぐる不公平感を根本から回避できるためです。実際に市場で売却された代金が明確な基準となるため、相続人間で評価方法について争う余地がほとんどなくなります。したがって、相続人全員が不動産の継続的な保有を望んでいない場合や、何よりも公平な分配を優先したい場合に、換価分割は最も合理的な解決策として選択されます。

遺産分割の方法の比較と換価分割の優位性

遺産を分ける方法には、大きく「現物分割」「換価分割」「代償分割」という三つの方式があり、それぞれに長所と短所があります。

現物分割

財産をそのままの形で分けていく方法です。たとえばA不動産は長男、B不動産は二男、預金は長女などの分け方です。

手続きが比較的簡単という利点はありますが、分けた後の財産の価値にばらつきが出て不公平になりやすいという問題があります。

代償分割

この方法では、不動産の評価額に基づいて計算された代償金を支払うことで、法律で定められた各相続人の取り分に応じた、実質的に公平な精算を実現できます。また、不動産を第三者に売る必要がないため、亡くなった方が暮らしていた家や、仕事で使っていた資産をそのまま維持することが可能です。

特定の相続人が不動産を維持できるというメリットがある反面、代償金を用意するための資金が必要となる点と、不動産の評価方法をめぐって相続人間で激しい対立が生じやすいという難点があります。代償金を支払う側は評価を低く見積もりたいと考え、受け取る側は高く見積もりたいと主張するため、協議が難航することがよくあります。

換価分割

不動産などの遺産を売却して、その売却代金を相続人で分け合う方法です。この方法の最大の長所は、不動産の評価額をめぐって揉めることが少ない点です。実際に売れた金額という明確な基準があるため、公平に分けやすく、遺産分割の手続きをスムーズに進められます。

ただし、この方法は不動産を売ることが前提となるため、特定の相続人がその不動産に住み続けたい、あるいは事業で使い続けたいといった希望がある場合には使えません。また、不動産の立地によっては買い手が見つからなかったり、売却が完了するまでに長い時間がかかってしまうリスクもあります。

 

遺産分割協議では、一般的に、まず最も理想的でトラブルが少ないとされる現物分割を検討します。それが困難な場合は代償分割を検討し、代償金の用意が難しい、または不動産の評価で合意が困難な場合に、換価分割が最終的な選択肢として検討されるという流れが一般的です。

換価分割が有利となるのは、特定の相続人が代償金を用意できるだけの現金や資産を持たない場合、不動産の評価方法について意見が対立して円満な合意形成が困難な場合、そして相続税の納税資金を速やかに確保する必要がある場合です。

換価分割は、代償分割において最大の障害となる評価額をめぐる紛争を回避するための強力な手段となります。

遺言書の有無による相続登記手続きの比較

不動産の遺産分割方法:メリット・デメリット比較

分割方法特徴メリットデメリット/リスク
現物分割財産をそのままの状態で分ける手続きがシンプル不動産価値の毀損、不公平が生じやすい
換価分割財産を売却し金銭で分ける評価に関するトラブルがない、公平性が高い不動産の売却が必要、利用継続不可、長期化リスク
代償分割特定の相続人が取得し代償金を支払う公平な遺産分割、不動産の保全、共有名義を回避代償金を支払う側の資金調達が必要、評価方法でトラブルが生じやすい

換価分割のメリット

公平に財産を分割できる

不動産を現金化し、その現金を法定相続分や遺産分割協議で定めた割合に応じて分配するため、相続人全員が平等な利益を享受できます。

たとえば、一つの不動産を三人の相続人で分ける場合、現物分割では土地を三つに分けることになり、それぞれの土地の価値や使い勝手が異なってしまう可能性があります。

しかし換価分割なら、売却代金を三等分するだけで済むため、誰もが同じ価値のものを受け取ることができます。この明快さが、相続人間での感情的なトラブルを未然に防ぐことにつながります。

評価を巡るトラブルを回避できる

代償分割など特定の相続人が現物を取得する方法では、不動産の評価額をどう算定するかで揉めることが頻繁に発生します。

不動産には相続税評価額、固定資産税評価額、実勢価格など複数の評価基準があり、どれを採用するかによって金額が大きく変わってしまうため、相続人の利害が対立しやすいのです。

しかし換価分割では、実際に市場で売却された代金という客観的な価格が基準となるため、評価方法について議論する必要がなくなり、争いがほぼ生じません

納税資金の確保に繋がる

相続税は原則として現金で納める必要がありますが、遺産の大部分が不動産である場合、手元に納税資金が不足することがあります。

換価分割で不動産を売却すれば、まとまった現金を得ることができるため、相続税の納税資金を速やかに確保できます。

この点は、相続税の申告期限が相続開始から十ヶ月以内と定められている中で、非常に実務的で重要なメリットとなります。

代償分割のデメリット

売却手続きの手間と費用がかかる

不動産を売却するには、不動産会社への査定依頼、仲介契約の締結、売買活動、そして登記手続きなど、煩雑な手続きと相応の時間が必要となります。

また、不動産仲介手数料や印紙税といった譲渡費用も発生し、これらは最終的に分配される金額から差し引かれることになります。こうした費用は決して小さくなく、売却価格の数パーセントに達することもあります。

希望価格で売却できる保証がない

不動産市場の状況や、その不動産自体の立地や条件によっては、相続人が想定していた価格での売却が難航したり、売却活動自体が長期化したりするリスクがあります。

想定より低い価格でしか売れなかった場合、確かに公平に分配はできますが、財産全体の価値が目減りした状態での分配となってしまいます。また、売却が長引けば相続税の申告期限に間に合わない可能性も出てきます。

物理的な財産を失ってしまう

換価分割を選択するということは、対象となる不動産を売却し、相続財産から完全に手放すことを意味します。

そのため、相続人の中にその不動産に住み続けたい人がいる場合や、故人との思い出が詰まった家として維持したいという強い要望がある場合、あるいは将来的な資産価値の上昇を期待して保有し続けたい場合には、この方法は適しません。一度売却してしまえば、後から取り戻すことは事実上不可能です。

譲渡所得税が発生する可能性がある

不動産を売却して利益、つまり譲渡所得が出た場合、この売却益に対して譲渡所得税として所得税および住民税が課税されます。

不動産の購入価格が安かった場合や、長期間保有していて価値が上昇している場合、この税額は高額になることがあり、結果として相続人が実際に受け取れる手取り額が大きく減少してしまう可能性があります。せっかく公平に分配できても、税金で目減りしてしまっては意味が薄れてしまいます。

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換価分割の手続きと流れ

換価分割の手続きフロー(遺産分割協議から現金化まで)

換価分割を円滑に進めるためには、以下の手順を踏むことが重要です。

Step1:遺産分割協議での合意形成

不動産を換価分割すること、売却後の代金をどのような割合で分配するか(法定相続分か、それ以外の特定の割合か)、そして誰が売却の主体となるか(相続登記の方法)について、相続人全員の合意を得ます。

Step2:遺産分割協議書の作成

合意内容を正確に遺産分割協議書に文書化します。特に、後述する税務リスクを回避するため、売却の主体や代金の分配方法に関する詳細な規定を記載することが必須となります。

Step3:相続登記の実行

遺産分割協議書に基づき、不動産を売却できる状態にするための相続登記を行います。この際、共同登記または単独登記のいずれかを選択します。

Step4:不動産の売却と換価

不動産会社に査定を依頼し、実勢価格を把握した後、買主を探して売却活動を開始します。売買契約を締結し、買主への所有権移転登記を完了させ、売却代金を受け取ります。

Step5:売却代金の分配

受け取った売却代金から、仲介手数料や登記費用、測量費などの譲渡費用を差し引いた純粋な金額を、遺産分割協議書に定められた割合に応じて、速やかに相続人全員に分配します。

相続登記の種類と選択の注意点

換価分割で不動産を売却する際、相続登記の方法をどう選ぶかは、その後の売却手続きのスムーズさと税務リスクに直結するため、慎重に判断する必要があります。

共同登記(共有名義)

相続人全員の共有名義にする方法があります。換価処分し代金を分配するのであれば、基本的には共有名義にするのが原則です。

これは一旦、相続人全員が持分に応じて共同で不動産の所有権を登記する方法です。この方法の利点は、贈与税のリスクが生じない点にあります。全員が正式な所有者として登記されているため、売却代金を分配しても税務上の問題は起きません。

ただし、売却手続きの際には買主への名義移転にあたって相続人全員の実印や署名、売却意思の確認が必要となるため、手続きが煩雑になりやすいという難点があります。相続人の中に遠方に住んでいる人がいたり、協力が得にくい人がいる場合、売却が思うように進まない可能性があります。

単独登記(単独名義)

特定の相続人が代表者として登記する方法もあります。これは相続人のうち一人が代表者として便宜的に単独で所有権を登記し、その代表者が売却を行う方法です。この方法の最大の利点は、代表者一人で売却手続きを進められるため、迅速かつスムーズに取引を完了できる点にあります。複数人の同意や署名を集める手間がないため、売却活動を効率的に進められます。

しかし、単独登記には贈与税のリスク考えられます。代表者が受け取った売却代金を他の相続人に分配する行為が、遺産分割協議書の内容や記載の仕方次第では、「代表者から他の相続人への贈与」とみなされてしまい、贈与税が課税される危険性があります。この税務リスクは決して軽視できるものではなく、場合によっては多額の贈与税が課される可能性があります。

遺産分割協議書に必須となる記載事項

単独登記を選択した場合、贈与税のリスクを回避するため、遺産分割協議書に二つの重要な点を必ず明確に記載する必要があります。

  1. 換価分割が目的であることの明記です。「本不動産は売却して代金を分割するため」という趣旨を明確に記載します。これにより、代表者が単独で登記を受けるのは売却手続きを円滑に進めるための便宜的な措置であって、不動産を独占するためではないことを示します。
  2. 売却代金の分配割合の明記です。売却後に得られた代金から譲渡費用を差し引いた残額を、相続人全員がどのような割合で分配を受けるのかを具体的に定めます。

この厳密な記載により、代表者が受け取る現金は売却代金の一時的な預かり金であり、代表者から他の相続人への贈与ではないことが税務署に証明されます。記載が曖昧だと多額の贈与税が課される可能性があるため、単独登記を行う際には司法書士や税理士といった専門家の助言が不可欠となります。

換価分割と税金の問題

換価分割で相続税はかかるのか?

換価分割は遺産分割の方法を定めたものであり、この行為自体が新たな相続税を発生させるわけではありません。相続税は、被相続人の遺産総額が基礎控除額を超えた場合に、通常の税法に基づいて課税されます。

相続税の計算と納税義務は、換価分割が行われる以前から発生しているものです。むしろ換価分割によって不動産を売却して得た現金を納税資金に充てることができる点が、この方法のメリットの一つとなります。つまり、換価分割は相続税を増やすものではなく、納税資金を確保する手段として有効なのです。

譲渡所得税が発生する仕組み

換価分割において最も注意が必要な税金は、不動産を売却したことによって生じる譲渡所得税です。

譲渡所得税は、不動産を売却した価格から、その不動産の取得にかかった費用(取得費)と売却にかかった費用(譲渡費用)を差し引いた売却益、つまり譲渡所得に対して課税されます。この税金は、特に古い不動産を売却する場合に高額になるリスクがあります。

計算式は「譲渡所得 = 売却代金 - (取得費 + 譲渡費用)」となります。

取得費とは、被相続人が不動産を購入した際の費用、具体的には購入代金、建築費、仲介手数料、改良費などを指します。故人が数十年前に取得した不動産の場合、当時の購入価格が非常に低かったり、購入時の資料が残っておらず取得費が不明確になったりすることが多くあります。

もし取得費が不明確な場合、原則として売却代金の5パーセントを取得費とみなす概算取得費が適用されます。しかし、取得費が極端に低く見積もられると、見かけ上の譲渡所得が膨大となり、結果的に非常に高額な譲渡所得税が課税されてしまいます。この高額な税負担が、換価分割による公平な分配という目的を実質的に損なう可能性があります。

譲渡所得税の税率は不動産の保有期間によって異なります。税額を最小限に抑えるためには、不動産売却時に適用できる特例措置の有無を精査することが不可欠です。たとえば相続により取得した不動産を売却する場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる「相続税の取得費加算の特例」や、「居住用財産を売却した場合の特例」などがあり、これらの特例の適用には税理士による専門的な判断と手続きが必要となります。

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