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名寄帳とは?取得方法・見方・必要書類


《この記事の作成者兼監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (
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​最終更新日:2026年5月15日

名寄帳(要点まとめ)

● 名寄帳とは:読み方「なよせちょう」。市区町村が管理する、ある人が所有する全ての固定資産(土地・建物)を一覧化した内部資料です。固定資産税の課税対象を集約した書類で、相続時に被相続人の所有不動産を漏れなく把握するために重要な役割を果たします

● 必要になるケース:①相続発生時の遺産調査(被相続人の不動産を漏れなく特定)/②相続登記の対象不動産の確認/③相続税申告の評価額算定/④共有持分の不動産確認/⑤未登記建物の発見。固定資産税納税通知書ではわからない物件も把握できます

● 取得方法:被相続人の最後の住所地ではなく、不動産の所在する市区町村役場の資産税課・税務課で取得。窓口・郵送のいずれも可能。1件300円程度(市区町村により異なる)。相続人請求の場合は被相続人と相続人の関係を示す戸籍が必要

● 名寄帳と固定資産評価証明書の違い:名寄帳は「一覧」(全不動産を網羅)、評価証明書は「個別」(指定物件のみ)。相続登記の登録免許税計算には評価証明書、不動産漏れ防止には名寄帳が必要で、両方取得するのが実務的

● 司法書士活用のメリット:①不動産が複数市区町村にある場合の一括取得代行/②被相続人の本籍地・住民票の不一致による混乱回避/③共有持分・未登記建物の発見と相続登記への反映/④相続登記との並行進行で時間短縮。当センターはライトプラン66,000円〜・全国対応

名寄帳(なよせちょう)
速わかり解説
相続登記の「登記漏れ」を防ぐ必須資料
市区町村が管理する固定資産課税台帳の内容を所有者ごとに一覧化した書類。
その自治体内である人名義の不動産をすべて確認できる。
全不動産を網羅
非課税の私道なども記載
手数料 200〜400円
1名義あたりの費用
比較
納税通知書
名寄帳
登記事項証明書
網羅性
低い(課税対象のみ)
高い(非課税も含む)
特定物件のみ
非課税物件
省略されがち
原則すべて記載
検索不可
取得コスト
無料(自動送付)
200〜400円
600円/通
相続発生後の
不動産把握
全不動産を洗い出す
私道・非課税
不動産あり
通知書に載らない
複数不動産の所有
1通で同市町村内を全確認
共有名義あり
申請時に「共有分含む」と明記

相続が発生すると、被相続人がどのような不動産を持っていたかを正確に調べる必要があります。ところが、固定資産税の納税通知書だけを見ていると、非課税の私道や小規模な土地を見落とし、相続登記の対象から漏れてしまうことがあります。こうした「登記漏れ」を防ぐうえで欠かせないのが名寄帳(なよせちょう)です。

本稿では、名寄帳の取得方法、申請書の書き方、記載内容の見方を、相続手続きの現場で問題になりやすい点を交えながら整理します。

【目次】
~目次詳細を開くにはこちらをクリック~
▼

名寄帳とは(読み方:なよせちょう)

名寄帳(なよせちょう)とは、市区町村(東京23区では都税事務所)が固定資産課税台帳の内容を所有者ごとにまとめた書類です。

その自治体内で、ある人名義になっている不動産をすべて一覧で確認できるのが名寄帳の大きな利点です。「名寄せ」という言葉は、散らばっている資産情報を氏名に基づいて寄せ集める(集約する)という意味から来ています。

名寄帳の重要ポイント
・ 氏名で検索できるため、被相続人が所有していた不動産を網羅的に把握できる
・ 非課税の不動産も含まれる(納税通知書には載らない私道なども記載)
・ 手数料は200円〜400円程度と安価
・ 相続登記の「登記漏れ」を防ぐ最も効果的な方法

名寄帳と固定資産税納税通知書・登記簿謄本との違い

相続手続きで不動産を調べる際、さまざまな書類がありますが、それぞれ役割が異なります。以下の比較表で確認しましょう。

比較項目 固定資産税
納税通知書
名寄帳 登記事項証明書
(登記簿謄本)
作成主体 市区町村(徴税部門) 市区町村(徴税部門) 法務局(法務省)
入手方法 毎年自動的に送付される 申請に基づき発行 申請に基づき発行
網羅性 中〜低
(課税対象のみの傾向)
高
(非課税・免税点未満も含む)
特定の物件のみ
(地番が分からないと取得不可)
非課税物件の記載 省略される場合が多い 原則として全て記載 そもそも検索できない
取得コスト 無料(通知) 200円〜400円程度 600円(1通あたり)
主な用途 税額確認、簡易調査 財産の網羅的調査 権利関係の確定
ご注意:納税通知書だけでは、非課税の私道や評価額の低い土地などが見落とされる可能性があります。名寄帳は「氏名」で検索して「非課税物件を含む全資産」を抽出できる数少ない行政資料のひとつです(全国一括で調べたい場合は、所有不動産記録証明制度も併用できます)。

名寄帳が必要になる5つのケース

名寄帳は相続手続き全般で役立ちますが、とりわけ以下のようなケースでは取得が不可欠といえます。

ケース1:相続発生後、被相続人の不動産を把握したいとき

相続が始まった段階では、最初に被相続人名義の不動産を洗い出す作業が欠かせません。遺言書に記載がない不動産や、相続人が存在すら知らなかった土地が後から見つかることも珍しくありません。名寄帳を取得すれば、その自治体内のすべての不動産を一覧で確認できます。

ケース2:固定資産税の課税明細書を紛失したとき

固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書は、不動産の一覧を確認する最も手軽な方法です。しかし、実際には、亡くなった後にこの書類を探しても見当たらないことがよくあります。名寄帳はいつでも申請して取得できるため、課税明細書の代わりとして活用できます。

ケース3:私道や公衆用道路など非課税の不動産がありそうなとき

昭和期に開発された分譲地では、通路部分が「私道」として分筆され、近隣住民の共有名義になっている例が多く見られます。こうした私道は公衆用道路として非課税になると納税通知書に載らなくなるため、名寄帳で確認しないと存在に気づけません。

ケース4:被相続人が複数の不動産を所有していたとき

被相続人が自宅のほかに投資用マンションや実家の土地など、複数の不動産を所有していた場合は特に注意が必要です。同一市町村内であれば名寄帳1通で全物件を確認できますが、複数の市町村に不動産がある場合はそれぞれの市町村で名寄帳を取得することになります。

ケース5:共有名義の不動産があるとき

被相続人が誰かと不動産を共有していた場合、単独所有分と共有分は名寄帳上で別枠に記載されることがあります。申請時に「共有分も含む」と明示しないと、共有の不動産が漏れてしまうリスクがあるため、申請時に確認しておくと安心です。

相続登記で最も多い失敗:私道の「登記漏れ」リスク

相続登記の相談を受けていて繰り返し目にするのが「登記漏れ」の問題です。特に「私道(しどう)」は見落とされやすく、後々大きなトラブルの原因となります。

私道が見落とされる理由

前述のとおり、分譲地の通路部分が私道として分筆・共有されているケースは非常に多く存在します。

問題は、こうした私道が公衆用道路に認定されて非課税になると、納税通知書に一切載らなくなる点です。手元の書類に記載がないため、相続人がその不動産の存在自体を把握できていないまま登記手続きを進めてしまうことになります。

また、私道・公衆用道路の相続登記で解説しているとおり、私道の持分が移転されていないと、将来その道路に接する土地を売却する際に問題が生じるおそれがあります。

名寄帳でリスクを回避する方法

名寄帳を取得することで、このようなリスクは大幅に低減されます。名寄帳には、課税・非課税を問わず、その自治体内で被相続人が所有者として登録されている全ての土地・家屋が網羅されているからです。

実務上のチェックポイント
・ 名寄帳の「地目」欄を確認し、「公衆用道路」がないかチェック
・ 極端に面積の小さい土地(数平方メートル程度。ゴミ集積所やセットバック部分の可能性)がないか確認
・ 自宅の敷地以外の地番が記載されていれば、それが私道の持分である可能性が高い
・ これらを遺産分割の対象に含めることで、将来の紛争を回避できる

名寄帳の取得方法【窓口・郵送】

名寄帳には資産に関する情報が載っているため、誰でも取得できるわけではなく、請求できる人は本人や相続人などに限られています。

名寄帳を申請できる人

申請権者 説明
納税義務者本人 原則として本人のみ
相続人 納税義務者が死亡している場合、その包括承継人である相続人
代理人 委任状を持参した司法書士、弁護士、親族など
管財人等 破産管財人や成年後見人など、法令に基づき財産管理権を有する者

必要書類一覧

相続人が被相続人の名寄帳を取得する場合、以下の書類が必要です。

必要書類 取得理由
被相続人の死亡が確認できる書類
(除籍謄本・死亡診断書の写し等)
申請権者が不在であり、相続が開始したことを証明するため
申請者が相続人であることを証する書類
(戸籍謄本等)
申請者が配偶者や子、代襲相続人であることを系譜的に証明するため
申請者の本人確認書類
(マイナンバーカード・運転免許証等)
本人確認のため

交付申請書の書き方・記入例

名寄帳の交付申請書は自治体ごとに様式が異なりますが、記入する項目はおおむね共通しています。以下のポイントを押さえておけば、スムーズに申請できます。

記入欄 記入内容・ポイント
申請者の住所・氏名 相続人本人の現住所と氏名を記入。押印が必要な自治体もある
被相続人との関係 「長男」「配偶者」など相続関係を記入
所有者(被相続人)の情報 被相続人の氏名・生年月日・死亡日・最後の住所を記入
必要な証明の種類 「名寄帳(固定資産課税台帳の写し)」を選択
資産の種類 「土地・家屋の両方」を必ず選択。土地だけにすると建物が漏れる
共有分の要否 「共有名義を含む全ての資産」と必ず明記。これを忘れると共有の私道が漏れる
使用目的 「相続手続きのため」と記入
ご注意:申請書に「共有分を含む」と記載しないと、単独所有分のみが出力され、共有名義の私道部分が漏れるリスクがあります。申請書には必ず「共有名義を含む全ての資産」と記載しましょう。

窓口で請求する場合

不動産が所在する市区町村の役場(資産税課や課税課など)の窓口に直接出向いて申請する方法です。

その場で不明点を職員に確認でき、即日交付されるのがメリットです。相続関係説明図や戸籍の束を持参すれば、職員がその場で相続関係を確認し、スムーズに発行されます。

郵送で請求する場合

遠方の不動産でも自宅から請求できるのが郵送申請のメリットです。申請書のほか、定額小為替(手数料分)、返信用封筒(切手貼付)、必要書類のコピーを同封して郵送します。

ただし、書類に不足や不備があると返送・再提出が必要になり、時間がかかります。不明点は事前に電話で確認しておくとよいでしょう。

代理人が申請する場合(委任状)

相続人本人が窓口に行けない場合や、司法書士に手続きを依頼している場合は、委任状を作成して代理人が申請できます。

委任状に記載する主な項目は以下のとおりです。

記載項目 内容
委任者(依頼する側) 相続人の住所・氏名・押印
受任者(代理で申請する側) 代理人の住所・氏名
委任事項 「被相続人○○の名寄帳(共有分を含む)の交付申請および受領に関する一切の権限」
対象者(被相続人) 被相続人の氏名・最後の住所・生年月日
作成日 委任状を作成した日付

東京23区と他市町村の違い

名寄帳の管理主体は「固定資産税の課税主体」と一致するため、地域によって申請先が異なります。

東京23区の場合

東京23区では、固定資産税は「都税」として東京都が徴収しているため、名寄帳の管理も東京都主税局(都税事務所)が行っています。固定資産の所在する区の都税事務所で請求でき、手数料は区ごと・所有者ごとに300円です。

なお、共有名義と単独名義は別の納税義務者として扱われるため、それぞれ300円の手数料がかかる点にご注意ください。

一般市町村(政令指定都市含む)の場合

東京23区以外では、各市町村が課税主体です。A市とB市に不動産がある場合、それぞれの市役所に対して個別に請求することになります。A市でB市の名寄帳を取得することはできません。手数料は多くの自治体で1名義につき200円〜400円程度です。

名寄帳の手数料

名寄帳の取得にかかるコストは、そのリスク予防効果と比較して極めて低廉です。

書類 手数料 備考
名寄帳 200円〜400円
(1名義あたり)
被相続人がその市内に10筆の土地と3棟の建物を所有していても、手数料は200円〜400円で済む
登記事項証明書(参考) 600円
(1通につき)
物件ごとに1通必要。物件数が多いとコストがかさむ

数百円の出費を惜しんで名寄帳調査を省略し、後になって「私道の登記漏れ」が発覚した場合、追加の登記申請費用(登録免許税+司法書士報酬)で数万円から十数万円のコストが新たに発生します。名寄帳の取得は、将来のトラブルを未然に防ぐための「保険料」のようなものです。

名寄帳の見方・読み方【チェックポイント】

名寄帳を入手したら、どの不動産が登記対象なのかを読み取る必要があります。見慣れない書式ですが、以下のポイントを押さえれば難しくありません。

名寄帳の記載例(サンプル)

名寄帳の様式は自治体によって異なりますが、一般的な記載項目は以下のとおりです。

所在地番 地目/種類 地積・床面積 評価額(円) 課税標準額(円) 備考
○○市△△町一丁目100番1 宅地 165.00㎡ 15,000,000 15,000,000
○○市△△町一丁目100番1
(家屋)
居宅 98.50㎡ 5,500,000 5,500,000
○○市△△町一丁目200番5 公衆用道路 12.50㎡ 非課税 — 共有持分 1/8

上記の例では、3行目に「公衆用道路」で「非課税」の私道が記載されています。この物件は納税通知書には記載されないため、名寄帳を取得しなければ見落とす可能性が高いものです。

チェックすべき5つの記載項目

①所在地番

名寄帳には住所(住居表示)ではなく「地番」で記載されています。普段使用している住所と登記上の地番は異なる場合が多いため、名寄帳で正確な地番を把握することが、登記事項証明書の取得における第一歩となります。

②地目(ちもく)

「宅地」であれば問題ありませんが、「公衆用道路」「用悪水路」「山林」などの記載がある場合、権利関係や処分の制限に注意が必要です。特に「公衆用道路」かつ「非課税」となっている物件こそが、登記漏れの主要な原因です。

③地積・床面積

土地の広さや建物の大きさが記載されています。登記簿の記載と異なる場合、未登記の増築部分が存在する可能性があります。

④固定資産税評価額

固定資産税評価額は、相続登記の際の登録免許税(原則として評価額の0.4%)を計算する基礎となる重要な数値です。なお、固定資産評価証明書は評価額を公的に証明する書類であり、名寄帳とは別に取得することになります。

⑤課税標準額

固定資産税を計算するための基準となる金額です。住宅用地の場合は評価額の6分の1(小規模住宅用地の特例)となっている場合があります。非課税物件は「—」や「非課税」と表示されます。

共有名義の記載の読み方

名寄帳を読む際の最大の注意点は「共有(きょうゆう)」の記載方法です。

多くの自治体では、単独所有分は「甲野 太郎」名義のリストとして、共有分は「甲野 太郎 外2名」といった見出しで別ページまたは別枠に記載されます。

ご注意:共有分は別枠で記載されるため、名寄帳を受け取ったら「単独所有分」と「共有分」の両方が含まれているか確認してください。共有分の記載がない場合は、窓口で再度請求すると発行してもらえます。

非課税物件の記載を見落とさないコツ

非課税物件は名寄帳の末尾にまとめて記載される場合や、課税物件の一覧に混在して記載される場合があります。確認の際は以下の点に注意してください。

・ 評価額欄が「非課税」「0」「—」となっている行を探す
・ 地目が「公衆用道路」「用悪水路」などとなっている行に注目する
・ 名寄帳の枚数が複数ある場合、最終ページまで必ず確認する

名寄帳を取得する際の注意点

1月1日時点の情報であること

名寄帳の情報はリアルタイムで更新されるものではなく、固定資産税が課税される毎年1月1日時点の情報に基づいて作成されています。

たとえば、被相続人が10月に亡くなり、その年の2月に不動産を売却していた場合、1月1日時点ではまだ所有者であったため、名寄帳には売却済みの不動産が記載されたままとなります。逆に、2月に購入した不動産はその年の名寄帳には反映されません。

名寄帳はあくまで「1月1日時点のスナップショット」であることを理解し、死亡日前後の権利変動については、被相続人の遺品(売買契約書や権利証)や預金通帳の出金記録などを補完的に調査することをおすすめします。

市区町村ごとに取得が必要

名寄帳は不動産が所在する市区町村ごとに管理されているため、A市の名寄帳にはA市内の不動産しか記載されません。被相続人が複数の自治体に不動産を所有していた場合は、それぞれの自治体で個別に請求してください。

被相続人がどの自治体に不動産を持っていたか分からない場合は、納税通知書の差出人を確認したり、通帳の固定資産税引き落とし記録を調べたりすると手がかりが見つかることがあります。

名寄帳を作成していない自治体もある

自治体によっては名寄帳そのものを交付していないところもあります。その場合は「固定資産課税台帳の閲覧」や「固定資産公課証明書」で代用できるケースがあるので、事前に電話で問い合わせてみてください。

法人名義の不動産は記載されない

名寄帳は個人単位で作成される書類です。被相続人が代表を務めていた法人が所有する不動産は、被相続人個人の名寄帳には記載されません。法人名義の不動産がある場合は、別途法人として名寄帳を請求するなどが必要になります。

固定資産評価証明書との使い分け

名寄帳と固定資産評価証明書は似ていますが、用途が異なります。

項目 名寄帳 固定資産評価証明書
主な用途 不動産の一覧把握(財産調査) 評価額の公的証明
相続登記での必要性 任意(ただし強く推奨) 原則として必要
相続税申告での必要性 参考資料として有用 添付書類として必要

状況によっては、まず名寄帳で被相続人の全不動産を把握し、その後に固定資産評価証明書を取得して登記申請に使うという場合もありますが、同時に取得するのが実務上の基本です。

所有不動産記録証明制度との違い

令和8年(2026年)2月2日に「所有不動産記録証明制度」がスタートしました。この制度は、法務局に対して「ある人が所有している不動産の一覧」を証明してもらう仕組みです。

項目 名寄帳 所有不動産記録証明書
管理主体 市区町村(課税台帳ベース) 法務局(登記ベース)
対象範囲 その自治体内の不動産のみ 全国の不動産
非課税物件 記載される 記載される(登記されている物件)
情報の基準 課税台帳(1月1日時点) 登記簿(リアルタイムに近い)
注意点 自治体ごとに取得が必要 氏名・住所変更の登記がされていないと漏れる可能性

所有不動産記録証明制度は全国一括で検索できるメリットがありますが、登記簿上の氏名・住所が変更されていない不動産は検索から漏れる可能性があります。名寄帳と組み合わせて使うことで、より確実な財産調査が可能です。

制度の詳しい内容は「所有不動産記録証明制度の詳細ガイド」で解説しています。

自分で手続きする場合の注意点

近年、法務局の相談窓口の充実により、司法書士に依頼せず相続人自身で登記申請を行うケースが増えています。しかし、専門家が関与しない「本人申請」において最も発生しやすいミスが「登記漏れ」です。

自分で手続きする場合は、以下のチェックリストを参考にしてください。

自分で手続きする場合のチェックリスト
・ 納税通知書だけで満足しない(通知書はあくまで「課税のお知らせ」であり「財産目録」ではない)
・ 名寄帳を必ず取得する(自宅がある市町村、および不動産があると思われる全ての市町村で取得)
・ 申請書には「共有分を含む全ての資産」と明記する
・ 私道・公衆用道路を見落とさない(名寄帳の「地目」欄を注意深く確認)
・ 名寄帳と所有不動産記録証明書を併用して、調査の精度を高める
・ 不明な点は法務局の相談窓口を活用する(予約制の場合が多い)

不動産の名義変更を自分で行う方法については、別の記事で詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

名寄帳は誰でも取得できますか?
いいえ。通常は所有者(納税義務者)本人、相続人、委任状を持った代理人、破産管財人・成年後見人などに限られており、第三者が自由に閲覧できるものではありません。
名寄帳の取得にかかる日数はどのくらいですか?
窓口請求なら当日交付されることがほとんどです。郵送の場合は往復の配達期間を含めて1〜2週間程度みておくと安心です。書類に不備があるとさらに日数がかかるため、事前の確認をおすすめします。
名寄帳に記載されていない不動産はありますか?
名寄帳はその自治体内の不動産のみを記載しているため、別の市区町村にある不動産は含まれません。また、年の途中で取得・売却した不動産は1月1日時点の状況で判定されるため、実際の所有状況と異なることがあります。法人名義の不動産も、個人の名寄帳には記載されません。
名寄帳と固定資産評価証明書は同じものですか?
同じではありません。名寄帳は所有不動産を一覧で確認するための書類で、評価証明書は各不動産の評価額を公的に証明する書類です。相続登記や相続税申告では評価証明書の提出が求められるため、名寄帳とは別に取得することになります。
遠方の市区町村の名寄帳を取り寄せるにはどうすればよいですか?
郵送で請求できます。各自治体のホームページから申請書をダウンロードし、定額小為替(手数料分)、返信用封筒(切手貼付)、必要書類のコピーを同封して郵送します。不明な点があれば、事前に電話で問い合わせると確実です。
この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士歴18年(2008年10月登録)。
「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Plan・manegyへの寄稿実績あり。

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ご用件が簡単な料金説明や手続きのご案内の場合のみ、事務所スタッフが応対することがありますが、司法書士へのご相談をご希望であればその場でお取り次ぎいたしますので、お気軽にお申し付けください。

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