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会社・法人の登記簿謄本の取り方


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2026年3月22日
 

会社・法人の登記簿謄本(登記事項証明書)とは?

日本の会社やその他の法人は、登記することにより設立されます。登記された基本事項(商号、本店所在地、役員の氏名等)は法務局に備えてある登記簿に記載され、一般に公開されています。

この登記簿の内容を紙の証明書にしたものが登記事項証明書です。一般的には古い呼び名のまま「登記簿謄本」と呼ばれることが多く、実務上は同じものと考えて差し支えありません。

登記事項証明書と登記簿謄本の違い

厳密には、コンピュータ化以前に登記簿を複写したものが「登記簿謄本」、コンピュータ化後にデータから出力される証明書が「登記事項証明書」です。現在はほぼ全ての登記所でコンピュータ化が完了しているため、正式名称は「登記事項証明書」ですが、日常的には「登記簿謄本」「会社謄本」と呼ばれています。

どちらの名前で請求しても法務局では問題なく対応してもらえます。

登記簿謄本でわかること(記載される主な項目)

会社・法人の登記簿謄本には、以下のような情報が記載されています。

記載項目内容
商号会社の正式名称
本店所在地会社の本店の住所
会社成立の年月日設立登記が完了した日付
目的会社の事業内容
資本金の額株式会社の場合に記載
役員に関する事項取締役・代表取締役・監査役等の氏名・住所
発行済株式の総数株式会社の場合に記載
株式の譲渡制限譲渡制限の有無と内容

このように、登記簿謄本を見れば会社の基本的な情報を確認できます。取引先の調査や与信管理にも活用されています。

登記簿謄本の種類(4種類)と選び方

会社・法人の登記事項証明書には4つの種類があります。目的に応じて取得する種類が異なりますので、それぞれの特徴を把握しておきましょう。

種類内容主な用途
履歴事項全部証明書現在有効な事項に加え、過去3年間に抹消・変更された事項も記載口座開設、融資申込、許認可申請など最も幅広く利用される
現在事項証明書現在効力のある事項のみ記載現在の会社情報だけ確認したい場合
閉鎖事項証明書閉鎖された登記記録の証明書解散・清算済み会社の過去の登記情報の確認
代表者事項証明書代表者の氏名・住所のみ記載代表者の資格を確認するとき

履歴事項全部証明書(最も一般的)

実務上最もよく取得されるのが履歴事項全部証明書です。現在有効な情報だけでなく、過去3年分※の変更・抹消された情報も含まれるため、会社の変遷を把握できます。

金融機関での法人口座開設、融資の申込み、各種許認可の申請など、提出先から「登記簿謄本」を求められた場合は、基本的にこの履歴事項全部証明書を提出すれば問題ありません。

※厳密には「請求日の属する年の3年前の1月1日以降」に変更・抹消された事項が記載されます。例えば2026年12月に取得する場合、2023年1月1日まで遡ります。

現在事項証明書

現在有効な登記事項のみが記載された証明書です。過去の変更履歴が不要で、現在の会社情報だけを確認したい場合に使われます。履歴事項全部証明書よりも記載内容が少ないため、枚数が少なくなる場合があります。

閉鎖事項証明書

会社が解散・清算などによって登記記録が閉鎖された場合に、その閉鎖された登記情報を確認するための証明書です。既に清算が完了した会社の過去の情報を調べる際などに使用します。

代表者事項証明書

会社の代表者(代表取締役等)に関する情報に特化した証明書です。会社法人等番号・商号・本店所在地に加え、代表者の資格・氏名・住所が記載されます。訴訟手続きなどで代表者の資格証明が必要な場合に利用されます。

どの種類を取得すればいい?

迷ったら「履歴事項全部証明書」を取得しておけば間違いありません。ほとんどの提出先で受け付けてもらえますし、過去の変更履歴も含まれるため情報量が最も多い証明書です。提出先から種類を指定された場合は、指定どおりの種類を取得してください。

登記簿謄本が必要になるケース

会社・法人の登記簿謄本が必要になる代表的な場面は以下のとおりです。

法人口座の開設・融資の申込み

銀行で法人口座を開設する際には、ほぼ必ず登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出が求められます。融資を申し込む場合も同様です。金融機関が会社の実在性や基本情報を確認するために必要となります。

許認可の申請

建設業許可、宅建業免許、飲食店営業許可など、各種許認可を申請する際に登記簿謄本の添付が必要になる場合があります。申請先の行政機関によって必要な種類が異なることがありますので、事前に確認するとよいでしょう。

取引先・競合他社の調査

新規の取引先や競合他社の基本情報を確認したい場合にも、登記簿謄本は有効です。登記簿謄本は誰でも取得可能ですので、相手会社の承諾がなくても、商号・本店所在地・役員構成・資本金などの情報を把握できます。

変更登記の申請

役員の変更、本店の移転、目的の変更など、登記されている内容に変更があった場合は、法務局に変更登記を申請する必要があります。その際、現在の登記内容を確認するために登記簿謄本を取得しておくと手続きがスムーズです。

登記簿謄本の取得方法(3通り)

会社・法人の登記簿謄本を取得する方法は、法務局の窓口、郵送、オンラインの3通りです。

法務局の窓口で取得する

法務局(登記所)の窓口に行き、登記事項証明書交付申請書に必要事項を記入して提出します。申請書は窓口に備え付けてありますので、事前に用意する必要はありません。

申請書に会社の商号と本店所在地を記入し、手数料分(1通600円)の収入印紙を貼って窓口に提出すると、通常10分程度で受け取れます。

窓口取得のポイント:

  • 身分証明書や委任状は不要です。誰でも取得できます
  • 対象会社の所在地を管轄する法務局でなくても、全国どの法務局でも取得可能です
  • 収入印紙は法務局内の印紙売り場で購入できます
  • 取扱時間は平日の午前8時30分から午後5時15分まで

お近くの法務局、管轄は以下にてご確認ください。

各都道府県の法務局(管轄一覧)

郵送で請求する

法務局の窓口に行けない場合は、郵送でも請求できます。

郵送請求の手順:

  • 登記事項証明書交付申請書に必要事項を記入する(法務局HPからダウンロード可能
  • 手数料分(1通600円)の収入印紙を申請書に貼付する
  • 返信用封筒(切手貼付・送付先記載)を同封する
  • 管轄法務局宛に郵送する
注意:郵送の場合は往復の日数に加え、法務局での処理日数がかかります。余裕をもって請求してください。

オンラインで請求する(かんたん証明書請求)

法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を利用して、インターネットから請求することも可能です。手数料が最も安いのがオンライン請求の大きなメリットです。

オンライン請求の手順:

  • 登記・供託オンライン申請システムで申請者情報を登録する(初回のみ)
  • 「かんたん証明書請求」にログインする
  • 会社の商号・本店所在地を入力して証明書を請求する
  • 手数料を電子納付する(インターネットバンキングまたはPay-easy対応ATM)
  • 法務局の窓口で受け取る(490円)、または郵送で受け取る(520円)

法務局「かんたん証明書請求」リーフレット【PDF】

補足:法務局のHPでは「Webブラウザでかんたん!」と紹介されていますが、初回のアカウント登録に多少手間がかかります。継続的に取得する場合はオンラインが便利ですが、1回だけの取得であれば窓口の方がスムーズかもしれません。

登記簿謄本の手数料【比較表】

取得方法別の手数料一覧

取得方法手数料(1通)受取方法
窓口申請600円その場で受取
郵送請求600円 + 返信用切手代郵送で受取
オンライン請求(窓口受取)490円最寄りの法務局で受取
オンライン請求(郵送受取)520円指定住所へ郵送
費用を抑えたいなら → オンライン請求が最安(490円〜)

手数料の支払い方法

窓口・郵送の場合は、手数料分の収入印紙を申請書に貼って納めます。収入印紙は法務局内の印紙売り場で購入可能です。

オンライン請求の場合は電子納付です。インターネットバンキングまたはPay-easy対応のATMで支払います。

2025年4月1日から登記事項証明書の手数料が改定されました

オンライン請求の発行手数料が旧500円→520円(郵送受取)、旧480円→490円(窓口受取)に改定されています。窓口申請の600円は変更ありません。

法務省からのお知らせ(各種証明書等の手数料が変わります)

取得時の注意点

有効期限は?

登記簿謄本そのものに法律上の有効期限はありません。ただし、提出先によっては「発行後3か月以内のもの」「発行後6か月以内のもの」など期限を指定される場合があります。

提出先の指定がある場合は、指定された期限内に取得した証明書を提出する必要があります。指定がない場合でも、情報の鮮度を考慮して、なるべく直近に取得したものを提出するのが望ましいでしょう。

全国どの法務局でも取得可能

現在はほぼ全ての登記所でコンピュータ化が完了しているため、対象会社の本店所在地を管轄する法務局でなくても、全国どの法務局でも取得できます。最寄りの法務局に行けば問題ありません。

申請書のひな型・記入例

申請書ひな型:

登記事項証明書交付申請書ひな型(会社・法人用)

申請書記入例:

登記事項証明書交付申請書記入例(会社・法人用)

法務局HP(各種証明書請求手続)

登記内容に変更があったら?(変更登記)

登記簿謄本に記載されている内容(商号、本店所在地、役員、目的など)に変更が生じた場合は、法務局へ変更登記の申請が必要です。

変更登記には法定の期限があり、一般的には変更があった日から2週間以内に申請しなければなりません。期限を過ぎると過料(罰金)の対象になる場合がありますのでご注意ください。

変更登記の手続きは専門的な知識が必要ですので、ご自身での手続きが難しい場合は司法書士にご相談ください。

当センターでも会社・法人の変更登記に対応しております。書類の作成から法務局への申請まで一括でお任せいただけます。

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よくある質問(FAQ)

会社の登記簿謄本は誰でも取得できますか?

はい。会社の関係者でなくても誰でも取得できます。

会社・法人の登記情報は広く公開されている公的な情報です。取引先や競合他社の登記簿謄本であっても、理由を問わず誰でも取得可能です。会社の許可や委任状も必要ありません。

法務局の窓口・郵送・オンライン(登記・供託オンライン申請システム)のいずれの方法でも、会社名(商号)と本店所在地がわかれば請求できます。会社法人等番号がわかるとさらにスムーズです。

閉鎖した会社の登記簿謄本も取得できますか?

はい。閉鎖登記簿謄本として取得できます。

解散・清算結了した会社や、合併により消滅した会社の登記情報は「閉鎖事項全部証明書」として取得できます。手数料は通常の登記事項証明書と同じです(窓口600円、オンライン請求490〜520円)。

ただし、閉鎖登記簿には保存期間があり、清算結了や合併による閉鎖から20年を経過すると廃棄される可能性があります。古い会社の情報が必要な場合は早めに請求することをおすすめします。

閉鎖登記簿の取得先や対応可否は法務局により異なる場合がありますので、事前に最寄りの法務局に確認すると確実です。

会社の登記簿謄本はコンビニで取得できますか?

いいえ。コンビニでは取得できません。

コンビニのマルチコピー機で取得できるのは住民票や印鑑証明書などの市区町村の証明書であり、法務局が発行する登記事項証明書はコンビニ交付の対象外です。

会社の登記簿謄本を取得するには、法務局の窓口・郵送・オンライン請求のいずれかを利用する必要があります。最も手軽なのはオンライン請求で、自宅やオフィスから申請でき(平日8:30〜21:00)、手数料も窓口より安くなります(窓口受取490円・郵送受取520円)。

登記情報提供サービスとの違いは何ですか?

最大の違いは「証明力の有無」です。

登記情報提供サービスは登記内容をオンラインで「閲覧」するサービスで、取得できるのはPDFデータです。法務局の認証印がないため公的な証明書としては使えません。料金は1件331円と安く、内容を確認するだけなら便利です。

一方、登記事項証明書(登記簿謄本)は法務局が発行する正式な証明書で、金融機関への提出・許認可申請・裁判手続きなど公的な場面で使用できます。銀行口座の開設や融資の申込みなどには必ず登記事項証明書が必要です。

まず登記情報提供サービスで内容を確認し、公的書類が必要な場合に登記事項証明書を取得する、という使い分けがおすすめです。

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この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Planやビジネスメディアへの寄稿実績多数。
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