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親族間以外の知人間、友人間での名義変更の手続き・費用


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2026年1月23日
 

親族以外(知人・友人)からの不動産名義変更 - 手続き・費用・注意点

「親族でもない相手から不動産を譲り受けて名義変更できるの?」と不安に思う方は多いですが、親族関係がなくても名義変更(所有権移転登記)は可能です。不動産の名義変更は「誰から誰へ」よりも、どのような原因(売買・贈与・遺贈など)で所有者が変わるかが重要になります。

親族以外で多い名義変更のパターン

親族以外(知人・友人・第三者)から不動産を取得する場面として、主に次のようなケースがあります。

1. 売買(もっとも一般的)

他人から不動産を取得するケースで最も多いのは売買です。土地・建物・マンションの購入は、相手が個人でも法人でも「第三者」ということが一般的です。不動産業者からの購入はもちろん、個人間での直接売買も法律上は可能です。

2. 贈与(無償で譲り受ける)

「友人から無償で譲ってもらう」などの贈与も可能です。ただし、贈与税・不動産取得税など税負担が大きくなりやすい点に注意が必要です。親族間の贈与と比べて、税制上の優遇措置が少ない場合があります。

3. 遺贈(遺言で譲り受ける)

亡くなった方が遺言書で「友人に不動産を渡す」と指定するケースです。親族以外への遺贈は珍しくありませんが、相続人が関与する場面も多く、実務的に難易度が上がりがちです。税金面でも相続税の2割加算など、特有の注意点があります。

4. 死因贈与(亡くなったら渡す契約)

生前に「死亡したらこの不動産を渡す」と契約しておく方法です。遺贈との違いや登記実務・税務の論点が絡むため、早めに専門家へ相談するのが安全です。

知人・友人間の名義変更で特に注意したい点

親族間と比べて、第三者間では次のリスクが現実的に起こりやすくなります。

1. 書類のやり直しが難航しやすい

親子間や夫婦間の親密な親族関係と異なり、知人間となれば相手は他人です。手続きに不備があった場合、書類の修正や再取得が必要になっても、連絡がつかない、協力が得られないといった問題が生じやすくなります。

2. 価格の妥当性(低額譲渡→みなし贈与のリスク)

知人だからといって、相場より極端に安い価格(備忘価格など)で売買すると、「差額分をプレゼントされた」とみなされ、受け取った側に高額な贈与税が課せられる場合があります。これを「みなし贈与」と呼びます。適正な時価を把握しておくことが重要です。

3. 抵当権(住宅ローン)が残っている場合

譲る側の不動産に抵当権が設定されている場合、抵当権の抹消や金融機関との調整が必要になることが多くあります。抵当権が残ったままでは、後々トラブルになる可能性があります。

4. 農地・借地・賃貸中など権利関係が複雑な場合

登記だけでは解決しない問題が残る場合があります。農地の場合は農業委員会の許可が必要ですし、借地の場合は地主の承諾、賃貸中の物件では賃借人との関係など、様々な法的手続きが必要になります。

5. 共有持分の移転(一部だけ譲る場合)

不動産の一部持分だけを譲る場合、将来的にトラブルになりやすいため、出口(最終的な所有形態)まで設計しておくのが安全です。

契約書の作成は必須

「仲が良いから」と口約束で進めるのは大変危険です。以下の点を明確にした売買契約書(または贈与契約書)を必ず作成しましょう。

  • 境界線の確定
  • 建物に欠陥が見つかった場合の責任(契約不適合責任)
  • 固定資産税の日割り精算
  • 引渡し時期と引渡し条件

親族以外の名義変更:手続きの流れ

原因が売買でも贈与でも、登記の基本的な流れは共通します。

  1. 取引方法の確定
    売買・贈与・遺贈・死因贈与のいずれかを明確にします。
  2. 物件の調査
    登記事項証明書を取得し、現在の所有者や抵当権の有無を確認します。
  3. 契約書の作成
    売買契約書または贈与契約書を作成し、双方が署名・捺印します。
  4. 必要書類の収集
    下記の必要書類を準備します。
  5. 費用・税金の概算
    登録免許税、印紙税、不動産取得税などを計算します。
  6. 決済・引渡し(売買の場合)
    代金支払い、鍵の引渡しなどを行います。
  7. 法務局へ所有権移転登記の申請
    司法書士が代理するのが一般的です。
  8. 登記完了
    約1〜2週間で登記が完了し、登記事項証明書で名義が変わったことを確認できます。

必要書類の目安

物件や状況によって増減しますが、典型的な必要書類は次のとおりです。

譲る人(売主・贈与者)が用意する書類

  • 登記識別情報(いわゆる権利証)
  • 印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
  • 実印
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 固定資産税評価証明書または課税明細書

もらう人(買主・受贈者)が用意する書類

  • 住民票(発行から3か月以内のもの)
  • 本人確認書類(運転免許証など)

※登記申請を司法書士が代理する場合は、委任状等も用意します。

費用はいくら?内訳の全体像

親族以外の名義変更では、「登記費用」+「契約費用」+「税金」で考えると分かりやすいです。

費用項目内容目安・計算方法
登録免許税法務局に支払う登記の税金固定資産税評価額×税率
売買:原則2%(土地は一定期間1.5%の軽減あり)
贈与:2%
遺贈:2%
印紙税契約書に貼る印紙代売買契約書は契約金額に応じて変動
贈与契約書は200円
不動産取得税不動産を取得した際に都道府県から課税される税金固定資産税評価額×税率
本則4%→住宅は3%に軽減(適用期限あり)
取得日から30日以内に申告
譲渡所得税売主側に譲渡益が出た場合に課税される税金短期譲渡所得・長期譲渡所得で税率が異なる
贈与税贈与で取得した場合に課税される税金基礎控除110万円を超える部分に課税
低額譲渡の場合は「みなし贈与」に注意
相続税(遺贈の場合)遺贈で取得した場合に課税される税金親族以外は相続税の2割加算あり
司法書士報酬登記手続きの代行費用5万円〜10万円程度が一般的

重要:親族以外(第三者)への遺贈について

親族以外への遺贈は、相続と同じ扱いにならず登録免許税の税率が上がるケースがあります。遺言の内容や受け取る人の立場によって変わるため、事前に専門家への確認が重要です。

司法書士へ依頼するメリット

第三者間の名義変更は「登記自体」は同じでも、税金・契約・当事者間調整が絡んだ瞬間に難易度が上がります。

  • 必要書類の不足・期限切れを防げる
    専門家が事前にチェックすることで、手続きの遅延を防ぎます。
  • 抵当権や前提登記(住所変更など)の漏れを防げる
    登記の専門家として、必要な前提手続きを見落としません。
  • 税理士等と連携して、税金面の事故を避けやすい
    適正価格の設定やみなし贈与の回避など、税務面のアドバイスも可能です。
  • 正確な契約書の作成(将来の紛争防止)
    法的に有効で、後々トラブルにならない契約書を作成します。
  • 迅速な登記申請(権利の保全)
    スムーズな手続きで、早期に権利を確定させます。

いざ名義変更手続きを進める際に、ご自身での手続きに不安があるようでしたら、司法書士への依頼をご検討ください。当センターも司法書士事務所が運営しておりますので、知人・友人間のデリケートな不動産取引もしっかりサポートいたします。お気軽にご相談ください。

監修者プロフィール - 板垣隼
司法書士 板垣隼
この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Planやビジネスメディアへの寄稿実績多数。
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