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相続手続きの期限一覧
3か月・4か月・10か月・3年


《この記事の作成者兼監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (
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最終更新日:2026年6月17日

相続手続きの期限 早見表(死亡後7日〜3年)

● 7日以内:死亡届(ご家族が市区町村役場へ/戸籍法第86条)。

● 10〜14日以内:年金受給停止(厚生年金10日・国民年金14日)・健康保険/介護保険の資格喪失届・世帯主変更届(ご家族が役所へ)。

● 3か月以内:相続放棄・限定承認の申述(家庭裁判所)。過ぎると原則として単純承認となり、借金も承継します。

● 4か月以内:準確定申告(故人の所得税・税務署)。● 10か月以内:相続税の申告・納税(基礎控除超のとき・税務署)。

● 1年以内:遺留分侵害額請求。● 3年以内:生命保険金の請求(時効)。

● 3年以内:相続登記の申請義務(2024年4月施行・正当な理由なく怠ると10万円以下の過料)。当センターが代理します。

当センターの担当範囲は相続登記・名義変更と、遺産整理業務による期限管理の窓口一本化です。税務は税理士、紛争性のある事案は弁護士にご相談ください。

相続は、期限のある手続きが複数同時に走ります。死亡後7日の死亡届に始まり、相続放棄は3か月、準確定申告は4か月、相続税は10か月、そして相続登記は3年以内の申請が義務です。本記事では、死亡後7日〜3年までの相続手続きの期限を早見表で一覧化し、起算点・間に合わないときの対処・期限を過ぎた場合のペナルティと救済策まで、司法書士が整理します。期限管理に不安があるなら、遺産整理業務で進行を整理し、窓口を一本化する方法もあります。

死亡後の相続手続き 期限カレンダー(7日〜3年の一覧)

相続手続きの期限は「税金」だけでなく「家庭裁判所」「法務局」「役所」「保険会社」まで跨ぎ、それぞれ別の窓口・別の起算点で設定されています。まずは全体像を、期限の短い順に一覧で確認しましょう。役所手続き(死亡届・年金・保険など)はご家族や各窓口が行うもので、当センターでは相続登記・名義変更と、遺産整理業務による期限管理の窓口一本化に対応します。

期限の目安主な手続き起算点提出先当センターの対応
7日以内死亡届(火葬許可申請)死亡を知った日から市区町村役場ご家族が対応(情報提供)
10〜14日年金受給停止(厚生年金10日・国民年金14日)/健康保険・介護保険の資格喪失届/世帯主変更届死亡日から年金事務所・市区町村役場ご家族が対応(情報提供)
速やかに遺言書の有無確認・検認/相続人の確定(戸籍収集)/財産調査家庭裁判所・市区町村等戸籍収集・財産調査を代行(遺産整理)
3か月以内相続放棄・限定承認の申述自己のために相続開始を知った時から家庭裁判所申述書類の作成に対応
4か月以内準確定申告(故人の所得税)相続の開始を知った日の翌日から税務署税理士にご相談(業務範囲外)
10か月以内相続税の申告・納税(基礎控除超のとき)相続の開始を知った日の翌日から税務署税理士にご相談(業務範囲外)
1年以内遺留分侵害額請求相続開始と侵害を知った時から侵害者へ意思表示弁護士にご相談(紛争性)
2年以内葬祭費・埋葬料・高額療養費の請求制度により異なる市区町村・健康保険ご家族が対応(情報提供)
3年以内生命保険金(死亡保険金)の請求死亡の翌日から(時効・約款による)保険会社受取人が対応(情報提供)
3年以内相続登記の申請義務(2024年4月施行)不動産の取得を知った日から法務局当センターが代理 ◎
5年遺族年金・未支給年金の請求年金事務所等ご家族が対応(情報提供)
期限なし遺産分割協議・協議書作成相続開始から10年経過後は、原則として特別受益・寄与分を反映した分割ができなくなります(民法904条の3)

役割の整理:死亡届・年金・保険・世帯主変更などの役所手続きは、主にご家族が市区町村役場や年金事務所で行います。当センターが代理するのは相続登記・名義変更・相続人申告登記です。準確定申告・相続税は税理士、紛争性のある遺産分割・遺留分は弁護士にご相談ください。遺産整理業務をご利用いただくと、戸籍収集・財産調査・相続登記など司法書士が受任できる範囲の手続きを、当センターが窓口を一本化して並走管理します(税務は税理士、紛争がある場合は弁護士にご相談ください。関東対応エリアでは提携先のご紹介も可能です)。なお、年金受給権者死亡届はマイナンバーが収録済みなら原則省略でき、健康保険・世帯主変更などの要否・期限は加入制度や世帯の状況によって異なります。

期限管理に不安があるなら"遺産整理"で進行を整理する

期限に追われる相続ほど「調査→合意→書類→提出」を逆算で管理することが大切です。ご自身での管理が難しい場合は、遺産整理業務で進行を整理する方法があります。

よくある失敗パターン

  • 財産調査が遅れて3か月に間に合わない……相続放棄・限定承認の判断期限を逃す
  • 準確定申告の存在を知らず4か月を超える……所得税の申告義務を見落とす
  • 相続税の判断が遅れて10か月直前に慌てる……評価や分割協議が間に合わない
  • 遺産分割が長引き、登記が後回し……3年の義務化で過料リスクが発生

相続手続きをまとめて任せたい方は遺産整理業務へ。

3か月(相続放棄/限定承認の検討)

相続放棄・限定承認は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所へ申述が必要です(民法第915条第1項)。過ぎると原則として単純承認とみなされ、借金などのマイナスの財産も承継します。

起算点の誤解を正す

多くの方が「死亡日から3か月」と理解していますが、法律上の正確な起算点は「自己のために相続の開始があったことを知った時」です。同居・近親者であれば通常は死亡日が起算点になりますが、疎遠な親族や代襲相続のケースでは、後から相続人であることを知った時点が起算点となります。

3か月でやるべき実務

この期間に必要なのは、マイナス財産の確認です。具体的には以下を調査します。

  • 借金・ローンの残高
  • 保証債務の有無
  • 未払税金(所得税・住民税・固定資産税等)
  • 不動産の管理費・修繕積立金の滞納
  • 口座凍結や督促状など、リスクの兆候

間に合わない時の対処法

財産状況の調査が間に合わない場合、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申し立てることができます。ただし、期限内に申し立てる必要があるため、早めの情報収集と専門家相談が重要です。なお、家庭裁判所での代理(出頭・主張)は弁護士の業務です。当センターでは相続放棄・限定承認の申述書類の作成に対応します。

4か月(準確定申告が絡む場合)

準確定申告は「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」が期限です(所得税法第124条・第125条)。亡くなった方の1月1日から死亡日までの所得税を、相続人が申告・納税します。

準確定申告が必要になりやすい人チェック

以下に該当する場合は、準確定申告が必要になる可能性が高いです。

状況詳細
事業所得・不動産所得がある自営業者、不動産賃貸業を営んでいた場合
医療費控除・還付が見込める高額な医療費を支払っていた場合、還付を受けられる可能性
年末調整されていない収入退職後の収入、複数の給与所得がある場合

誰が申告する?提出先は?

準確定申告は相続人全員が関係します。相続人が複数いる場合は、各相続人が連署して提出するのが原則ですが、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出することもできます。提出先は、相続人の住所地ではなく被相続人(故人)の死亡当時の納税地を所轄する税務署です。

税理士業務である点に注意:準確定申告(4か月)と相続税申告(10か月)は所得税・相続税の申告で、税理士の業務範囲です。当センターの登記業務とは別のため、申告が必要な場合は税理士にご相談ください(関東対応エリアでは提携税理士のご紹介も可能です)。

10か月(相続税が絡む場合)

相続税の申告・納税は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」です(相続税法第27条)。提出先は被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署です。

まず「相続税が必要か」一次判断

相続税は全ての相続で必要なわけではありません。相続財産が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に申告が必要です(特例の適用で納税額が0円になることもありますが、その場合も申告が必要です)。相続財産の概算を早めに把握しましょう。

  • 不動産の評価額(土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額が基準。固定資産税評価額×1.1〜1.2倍はあくまで概算の目安)
  • 預貯金・現金
  • 生命保険金(みなし相続財産)
  • 有価証券(株式・投資信託等)

10か月に間に合わせる工程

相続税申告は以下の工程を並走で進める必要があります。

1

戸籍収集・相続人確定

2

遺産分割協議の合意形成

3

財産評価(路線価・固定資産税評価額等)

4

申告書作成

5

納税

⚠️ 遺産分割がまとまらないときの注意点

10か月の期限までに遺産分割協議が成立しない場合でも、相続税の申告・納税は必要です。この場合、法定相続分で取得したものとして期限内に未分割申告を行い、後日分割が成立した際に修正申告または更正の請求を行います。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、未分割のままでは適用できないのが原則ですが、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して期限内申告をしておけば、後日の適用の余地を残せます(税理士にご確認ください)。

3年(相続登記の義務)+過料リスク

相続登記は、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内の申請が義務です(不動産登記法第76条の2)。正当な理由なく怠ると、不動産登記法第164条第1項により10万円以下の過料が科される可能性があります。

期限の基本形と経過措置

2024年(令和6年)4月1日から、相続登記が義務化されました。相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請が必要です。施行日より前に発生していた相続も義務の対象で、最も古いケースでも令和9年(2027年)3月31日が期限となります。また、3年以内に遺産分割が成立して不動産を取得した場合は、その分割が成立した日から3年以内に、分割内容に沿った相続登記を申請する義務もあります(不動産登記法第76条の2第2項)。

⚠️ 申請義務違反の過料リスク

正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。ただし、いきなり科されるわけではなく、法務局がまず催告を行います。「相続人が極めて多数で戸籍収集に時間がかかる」「遺言の有効性や遺産の範囲を争っている」「申請義務者が重病」などの事情は正当な理由として考慮されますが、「忙しかった」「面倒だった」は正当な理由として認められません。

放置のコスト

相続登記を放置すると、過料リスクだけでなく、以下のような実務的な問題が発生します。

  • 不動産の売却ができない
  • 担保設定(融資)ができない
  • 賃貸借契約の更新に支障が出る
  • 次の相続(二次相続)が発生すると、さらに複雑化

その他の見落としやすい期限(1年・2年・3年・5年)

主要な4つの期限(相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税10か月・相続登記3年)以外にも、見落とすと権利を失う期限があります。

遺留分侵害額請求(1年)

遺言などで遺留分(兄弟姉妹以外の相続人に保障された最低限の取り分)を侵害された場合、「相続の開始」と「遺留分の侵害」を知った時から1年以内に金銭の請求ができます(民法第1048条)。知らなくても相続開始から10年で時効消滅します。請求は侵害した受遺者・受贈者への意思表示(通常は内容証明郵便)で行い、紛争性のある交渉・訴訟は弁護士の業務です。

生命保険金(死亡保険金)の請求(3年)

死亡保険金の請求権は、保険法第95条により3年で時効消滅します。死亡保険金は受取人固有の財産で原則として遺産分割の対象外ですが、相続税の課税対象にはなります。受取人ご本人が保険会社に請求します(かんぽ生命・各種共済は別の期限が定められている場合があります)。

葬祭費・埋葬料・高額療養費(2年)

国民健康保険・後期高齢者医療の葬祭費(自治体により概ね1〜7万円)、被用者保険の埋葬料(一律5万円)、生前の高額な医療費の高額療養費の払い戻しは、いずれも2年の時効があります。喪主・ご家族が市区町村役場や健康保険の窓口で請求します。

遺族年金・未支給年金の請求(5年)など、役所での請求手続きにも期限があります。これらはご家族が年金事務所等で行う手続きですが、相続の全体管理として早めに確認しておくと安心です。

期限を過ぎたらどうなる?手続き別のペナルティと救済策

「うっかり期限を過ぎてしまった」場合でも、手続きによって結果は大きく異なります。まず「どの期限を過ぎたのか」「督促・催告が来ているか」「相続人間で争いがあるか」を確認し、相続放棄は家庭裁判所、税務は税理士、登記は司法書士と、相談先を分けて動きましょう。

手続き(期限)過ぎた場合のリスク主な救済策
相続放棄(3か月)原則は単純承認とみなされ、借金も承継個別事情により申述できる余地(事情説明書を添付)/期限内なら熟慮期間の伸長
準確定申告(4か月)無申告加算税・延滞税速やかに期限後申告(税理士に相談)
相続税(10か月)無申告加算税・延滞税/配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例をすぐに適用できない場合がある速やかに期限後申告/仮申告+後日の更正の請求(税理士に相談)
相続登記(3年)10万円以下の過料(不動産登記法164条1項)催告後に正当な理由なく放置でなければ対象外/相続人申告登記で義務を履行
遺留分侵害額請求(1年)請求権が時効消滅時効前に内容証明で意思表示(弁護士に相談)
生命保険金(3年)請求権が時効消滅保険会社へ速やかに請求(時効後も支払う会社あり)

相続登記の期限に間に合わないときは、相続人申告登記(不動産登記法第76条の3)という暫定的な救済措置があります。「自分が相続人である」旨を法務局に申し出れば申請義務を果たしたものとみなされます。ただし権利を確定させる本登記ではないため、最終的には遺産分割の成立後に正式な相続登記が必要です。当センターでは申出の代理に対応します。

期限を守るための"逆算チェックリスト"

死亡日(または相続開始を知った日)をDay0として、期限から逆算して手続きを進めます。以下のチェックリストを参考に、計画的に対応しましょう。

期間やるべきこと関連する期限
Day0〜14日相続人の窓口を決める/重要書類(遺言・権利証・通帳・保険証券)を確保/死亡届・年金・保険・世帯主変更死亡届7日・各種届出14日
〜1か月戸籍収集の着手/財産の棚卸し(不動産・預金・借入金・保険等)相続人・財産の確定
〜2か月マイナス財産の有無を一次判断(借金・保証債務・滞納等)3か月対策
〜3か月相続放棄/限定承認を検討・必要なら申述家庭裁判所への申述期限
〜4か月準確定申告の要否判断・必要なら提出故人の所得税申告期限
〜6〜8か月遺産分割協議の合意形成/相続税申告に向けた準備10か月の相続税に備える
〜10か月相続税の申告・納税(必要な場合)税務署への申告・納税期限
〜3年相続登記(義務化・過料リスク)不動産の名義変更申請期限

重要な注意点:各期限の起算点はケースによって異なります。「死亡日」が起算点になるもの、「知った日」「知った日の翌日」が起算点になるものがあるため、不安な場合は専門家に確認することをおすすめします。

遺産整理業務で期限管理を一本化

期限管理・書類集め・各所手続きをまとめたいなら、遺産整理業務(相続手続き丸ごと)で"工程ごと委任"するのが合理的です。

期限管理の一本化

3か月/4か月/10か月/3年の期限を専門家が一元管理。抜け漏れのリスクを軽減できます。

登記・金融機関の手続き並走管理

法務局への登記申請、銀行・証券会社など司法書士が受任できる範囲の相続手続きを並行して進めます。税務署への申告が必要な場合は税理士にご相談ください(関東対応エリアでは提携税理士のご紹介も可能です)。

専門家との連携窓口の一本化

相続税が必要な場合は税理士にご相談いただく形でご案内します(関東対応エリアでは提携税理士のご紹介も可能です)。情報の二重管理を防ぎます。

平日の負担を軽減

登記や一部の相続手続きは郵送・代理で進められる場合があり、平日に動く負担を軽減できます(年金・健康保険・金融機関の本人確認などご家族の対応が必要な手続きもあります)。

よくある質問(FAQ)

Q1. 相続手続きの期限で一番短いものは何ですか?

最も短いのは死亡届で、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村役場へ提出します(戸籍法第86条)。次いで、年金受給を止める手続き(厚生年金は10日以内・国民年金は14日以内)、健康保険・介護保険の資格喪失届や世帯主変更届(14日以内)が続きます。これらは主にご家族が役所で行う手続きです。相続放棄・限定承認の3か月、準確定申告の4か月、相続税の10か月、相続登記の3年と、期限の短い順に逆算して進めるのが鉄則です。

Q2. 相続放棄の3か月の期限を過ぎたら、もう放棄はできませんか?

原則は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」ですが、絶対に不可能とは限りません。財産調査が終わらない場合は、期限内であれば家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申し立てられます。また、被相続人と疎遠で借金の存在を後から知ったようなケースでは、起算点を「借金の存在を知った時」と主張できる余地があり、3か月経過後の申述が認められることもあります。判断が分かれる領域のため、過ぎてしまった場合は早急に専門家へご相談ください。

Q3. 相続税の申告期限(10か月)を過ぎるとどうなりますか?

期限(相続の開始を知った日の翌日から10か月以内)を過ぎると、本来の相続税に加えて無申告加算税・延滞税が課されます。さらに、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は原則として期限内申告が適用要件のため、これらを使えず税額が大きく膨らむおそれがあります。相続税の試算・申告は税理士の業務範囲のため、必要な場合は税理士にご相談ください。

Q4. 相続登記の3年の期限を過ぎたら、過料はすぐに科されますか?正当な理由があれば免除されますか?

すぐに科されるわけではありません。法務局がまず催告を行い、それでも正当な理由なく申請しない場合に、不動産登記法第164条第1項により10万円以下の過料が科される可能性があります。相続人が極めて多数で戸籍収集に時間がかかる、遺言の有効性や遺産の範囲を争っている、申請義務者が重病、といった事情は「正当な理由」として考慮されます。なお2024年4月1日より前に発生した相続も義務の対象で、最も古いものでも令和9年(2027年)3月31日が期限です。

Q5. 相続登記に間に合わないときの「相続人申告登記」とは何ですか?

相続人申告登記は、3年以内に遺産分割がまとまらない場合などに、相続登記の申請義務を簡易に履行するための暫定的な救済措置です(不動産登記法第76条の3)。「自分が相続人である」旨を法務局に申し出ることで、申請義務を果たしたものとみなされます。ただし誰がその不動産を取得したかを確定する登記ではないため、不動産の売却や担保設定はできず、最終的には遺産分割の成立後に正式な相続登記が必要です。当センターでは申出の代理に対応します。

Q6. 死亡後すぐ(7日・14日以内)にやるべき役所の手続きには何がありますか?

死亡後7日以内に死亡届の提出(火葬許可申請を含む)、10〜14日以内に年金受給停止(厚生年金10日・国民年金14日)、健康保険・介護保険の資格喪失届、世帯主変更届などが必要です。いずれも主にご家族が市区町村役場や年金事務所で行う手続きで、当センターの登記業務とは別になります。これらと並行して、遺言書の有無の確認・相続人の確定(戸籍収集)・財産の調査を早めに始めると、その後の相続放棄や相続税の判断に間に合いやすくなります。

Q7. 相続手続きの期限の起算点は、すべて死亡日ですか?

手続きごとに異なります。相続放棄・限定承認(3か月)は「自己のために相続の開始があったことを知った時」、準確定申告(4か月)と相続税申告(10か月)は「相続の開始があったことを知った日の翌日」、相続登記(3年)は「相続で不動産を取得したことを知った日」が起算点です。一方、死亡届・年金・保険・世帯主変更などの行政手続きは死亡日を基準に数えるのが一般的です。迷ったときは「死亡日(を知った日)」を起点に逆算して動くのが安全です。

Q8. 相続税がかからなくても、準確定申告が必要なことはありますか?

あります。準確定申告は相続税ではなく「所得税」の申告で、亡くなった方の1月1日から死亡日までの所得を相続人が申告・納税する手続きです(相続の開始を知った日の翌日から4か月以内)。したがって相続税が基礎控除内でかからない場合でも、被相続人に事業所得・不動産所得などの所得税の申告義務があれば準確定申告が必要になります。相続税の要否とは別の軸で判断します。

Q9. 生命保険金(死亡保険金)の請求はいつまでにすればよいですか?

保険法第95条により、保険金の請求権は3年で時効消滅します。死亡保険金は受取人固有の財産で原則として遺産分割の対象外ですが、相続税の課税対象にはなります。請求は受取人ご本人が保険会社に対して行う手続きです。なお、かんぽ生命や各種共済は別の期限が定められている場合があるため、保険証券で確認してください。

Q10. 相続手続きの期限が重なって間に合いそうにない場合、どこに相談すればよいですか?

手続きごとに専門家の役割が分かれます。相続登記・名義変更・相続人申告登記は司法書士、相続税・準確定申告は税理士、紛争性のある遺産分割や遺留分侵害額請求は弁護士の業務です。当センターは登記実務(相続登記・贈与・財産分与・売買の名義変更)に対応し、遺産整理業務として戸籍収集・財産調査から各種手続きの窓口一本化まで代行します。期限管理に不安がある場合は、まず全体像を整理するところからご相談ください。

関連記事:相続登記を申請してからいつ完了するかの目安は登記完了予定日とは?全国の法務局リンク集で確認できます。

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この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Plan・manegyへの寄稿実績あり。

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