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生命保険契約照会制度(要点まとめ)
● 制度の概要:生命保険協会が、加盟する生命保険会社に対し「契約の有無」を一括照会してくれる制度。2021年7月から平時でも利用できるようになりました。
● わかるのは「契約の有無」だけ:保険金額・受取人・保障内容まではわかりません。契約があった保険会社へ別途、個別に請求手続きが必要です。
● 利用料:WEB申請6,000円/書面申請7,000円(2026年4月改定・調査対象者1名につき・税込)。災害救助法適用時は無料措置があります。
● 請求できる人:亡くなった方の法定相続人・遺言執行者・任意後見人などです(請求者の範囲は生命保険協会の案内でご確認ください)。
● 必要書類:照会者の本人確認書類・対象者の死亡を証する書類・関係性を証する書類などです(詳細は生命保険協会の案内でご確認ください)。
● 結果が届くまで:申請からおおむね2週間程度が目安です。相続手続きには時間的な余裕をもってご利用ください。
● 当センターの役割:相続登記・名義変更が中心です。保険金の請求代行や相続税申告は行いません。判明した保険は各保険会社へ、税務は税理士へご相談ください。
「親が生命保険に入っていたはずだけど、どこの会社か分からない」「保険証券が見つからない」——相続手続きで意外と多いお悩みです。こんなときに役立つのが、生命保険協会の生命保険契約照会制度です。協会に加盟する生命保険会社へ、契約の有無をまとめて照会できます。
この記事では、生命保険契約照会制度のしくみ、誰が請求できるか、利用料・必要書類、申請の流れと所要日数、利用するうえでの3つの注意点、そして相続税申告での重要性まで、司法書士がわかりやすく解説します。なお当センターは不動産の相続登記(名義変更)が中心で、保険金の請求代行や相続税の申告は行っておりません。判明した保険は各保険会社へ、税務は税理士へご相談ください。
生命保険契約照会制度とは、亡くなった方や認知判断能力が低下した方について、生命保険協会が、加盟する生命保険会社に対して「生命保険契約の有無」をまとめて照会してくれる制度です。一般社団法人生命保険協会が窓口となり、相続人などからの依頼を受けて、加盟各社に契約の有無を確認します。
従来は、心当たりのある保険会社へ遺族が1社ずつ問い合わせる必要があり、大変な手間がかかるうえ、把握していない会社の契約を見落とすおそれもありました。この制度を使えば、保険証券が見つからなくても、協会加盟の生命保険会社へ一括で契約の有無を照会できます。
もともとは、大規模災害で保険証券を失った方のための制度でしたが、2021年(令和3年)7月から、平時(災害時以外)でも利用できるようになりました。これにより、相続手続きで故人の保険契約を調べる手段として広く使えるようになっています。
照会の対象となるのは、次のような場合です。
このうち相続で多く使われるのは、亡くなった方の保険契約を調べるケースです。会社の経営者・役員だった方の場合、「会社が契約者・故人が被保険者」となっている法人契約が見つかることもあります。
なお、認知判断能力が低下した方の契約を調べる場合は、利用要件が相続発生後とは異なります。協会所定の診断書の提出が求められるほか、緊急の資金の必要性や、成年後見人・任意後見人など代理権を持つ人の有無によって照会できる人が変わります。該当する場合は、生命保険協会の最新案内を個別にご確認ください。
この制度で最も誤解されやすいのが「何が分かるのか」という点です。照会で分かるのは、協会加盟の生命保険会社に、その方を契約者または被保険者とする生命保険契約があるかどうか(契約の有無)が中心です。照会対象の方が死亡保険金の受取人になっている契約があれば、その旨も回答されます。
一方で、保険金額・保障内容・受取人の詳細といった契約の中身までは、この照会では分かりません。契約があると判明した場合は、その保険会社へあらためて連絡し、保険金の請求手続きや契約内容の確認を個別に行う必要があります。「制度を使えば保険金がいくらもらえるか分かる」というものではない点に注意しましょう。
生命保険契約照会制度は、誰でも自由に他人の契約を調べられる制度ではありません。亡くなった方(または判断能力が低下した方)と一定の関係にある人だけが請求できます。「亡くなった方を調べる場合」と「判断能力が低下した方を調べる場合」とで、照会できる人の範囲は異なります。混同しないよう、2つの場面に分けて見ていきましょう。
相続で利用するのは、こちらの場面です。亡くなった方の保険契約を照会できるのは、おおむね次のような立場の人です(くわしい要件・範囲は生命保険協会の案内でご確認ください)。
本人が認知症などで判断能力を低下させており、本人に代わって契約を調べる場合は、成年後見人・任意後見人など、別の要件で判断されます。①の死亡時の照会とは要件が異なるため、該当する場合は生命保険協会の案内で個別にご確認ください。
請求者の範囲や、それぞれの場合に必要となる書類は更新されることがあります。実際に申請する前に、生命保険協会の公式案内で最新の要件を必ずご確認ください。
生命保険契約照会制度は無料ではなく、利用料がかかります(災害時利用を除く)。費用と必要書類を整理しておきましょう。
平時利用の利用料は、2026年(令和8年)4月1日の改定により、WEB申請が6,000円、書面申請が7,000円(いずれも税込・調査対象となるご親族等1名につき)となっています。以前より値上げされているため、古い情報の金額ではなく、最新の金額をご確認ください。
料金は「調査対象者1名につき」かかります。たとえば父と母、それぞれの契約を調べたい場合は、2名分の利用料が必要になります。なお、利用料は今後も改定される可能性があります。申請前に生命保険協会の公式案内で最新の金額をご確認ください。
災害救助法が適用された災害により、保険証券などを失った方が照会するケース(災害時利用)では、利用料は無料です。災害時利用は電話で受け付けられるなど、平時利用とは申請の方法・窓口が異なります。該当する場合は、生命保険協会の案内にしたがってください。
必要書類は、請求する人の立場(相続人か、後見人か など)や申請方法によって変わります。亡くなった方の契約を相続人が照会する場合は、おおむね次のような書類が必要になります(あくまで目安です。正確な必要書類は生命保険協会の公式案内で必ずご確認ください)。
注意したいのは、戸籍をそろえるのに時間がかかる点です。亡くなった方が何度も本籍地を移していると、過去の本籍地すべてから古い戸籍(除籍・改製原戸籍)を取り寄せる必要があり、すべてそろうまでに1か月以上かかることもあります。相続登記でも同じ戸籍一式が必要になるため、早めに着手しておくと、照会と登記の両方をスムーズに進められます。
このほか、遺言執行者・後見人などが照会する場合は、その立場を証する書類(選任を証する書面など)が追加で必要になります。書類の様式や有効期限などの細目も含め、申請前に公式案内で確認しておくと手戻りがありません。
ここでは、相続で亡くなった方の保険契約を照会する場合を例に、申請から結果が届くまでの流れを5つのステップで整理します。
申請してから結果が届くまでは、おおむね2週間程度が目安とされていますが、申請の混雑状況や申請方法によって前後することがあります。相続手続きには期限のあるものも多いため、時間に余裕をもって早めに利用することをおすすめします。最新の所要日数は生命保険協会の案内でご確認ください。
便利な制度ですが、過度な期待をして失敗しないために、次の3つの点を理解しておきましょう。
前述のとおり、照会で分かるのは契約の有無が中心で、保険金額・保障内容まではこの制度では分かりません。契約があると判明したら、その保険会社へ個別に連絡し、保険金の請求手続きを行う必要があります。「照会すれば受け取れる金額がすぐ分かる」わけではない点に注意してください。
照会で確認できるのは、生命保険協会の会員会社が取り扱う、原則として有効に継続している個人保険契約です。すでに保障が終わっている契約や、もともと協会の対象外とされている契約は確認できません。具体的には、次のような契約は対象外です。
また、照会できるのは協会に加盟している生命保険会社の契約に限られるため、協会に加盟していない団体の商品は対象外です。たとえば次のようなものは、別の窓口での確認が必要になります(取り扱いは変わることがあるため要確認です)。
共済や少額短期保険は、それぞれの団体・事業者へ直接問い合わせて確認する必要があります。この制度だけで保険関係の調査がすべて完結するわけではない点に留意しましょう。対象範囲は、生命保険協会の公式案内でご確認ください。
照会の結果が届くまでには、ある程度の日数がかかります(目安はおおむね2週間程度・要確認)。相続税の申告期限(後述)など、相続には期限のある手続きが多くあります。保険契約の有無が分からないと、財産の全体像が固まらず、その後の手続きが進めにくくなります。相続が発生したら、早めに照会を申請しておくことが大切です。
生命保険金は、相続税を考えるうえで重要な財産です。照会で契約が判明した場合、その保険金が相続税にどう関わるかを押さえておきましょう。なお、相続税の試算・申告は税理士の業務です。当センターでは行っておりませんので、くわしくは税理士にご相談ください。
亡くなった方が保険料を負担していた生命保険の死亡保険金を、相続人が受け取った場合、その保険金は相続税の課税対象になります。ただし、「500万円×法定相続人の数」までは非課税とされる枠があります。たとえば法定相続人が3人なら、500万円×3人=1,500万円までの死亡保険金には相続税がかからないのが原則です。
ただし、この非課税枠には注意点があります。非課税枠を使えるのは、死亡保険金を受け取った人が相続人である場合に限られます。相続放棄をした人や、相続人以外で受取人になっている人には、この非課税枠は適用されません。また、「法定相続人の数」を計算する際は、相続放棄があった場合の扱いや、養子の人数の制限にも注意が必要です(くわしくは税理士にご確認ください)。
この非課税枠があるため、生命保険金は相続税の対策としても活用されます。逆にいえば、照会で判明した保険金は、相続税の課税価格や相続税額に影響します。保険契約の有無を早めに確認しておくことが、正確な相続税の判断にもつながります。
相続税の申告と納付には、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内という期限があります。生命保険金を含めて遺産の全体像が固まらないと、相続税がかかるかどうか、いくらかかるかの判断ができません。照会の結果が届くまでに時間がかかることも踏まえ、申告期限から逆算して早めに照会することが重要です。
当センターは、不動産の相続登記(名義変更)を中心とした登記実務を全国対応で承っています。一方で、次の業務は当センターでは行っておりません。
相続では、不動産の名義変更・保険金の請求・相続税の申告など、いくつもの手続きが並行して発生します。このうち不動産の相続登記については、当センターが年間2,000件超のご相談実績をもとに全国対応でサポートします。
生命保険契約照会制度について、よくいただくご質問をまとめました。費用・請求できる人・必要書類・対象外の保険など、迷いやすいポイントを確認しておきましょう。
Q1. 生命保険契約照会制度とは何ですか?
生命保険協会が、加盟する生命保険会社に対して、亡くなった方などの生命保険契約の有無をまとめて照会してくれる制度です。2021年7月から、災害時だけでなく平時でも利用できるようになりました。保険証券が見つからないときの確認手段として相続手続きで使われます。
Q2. 親の生命保険に入っていたか分かりません。調べられますか?
この制度を使えば、保険証券が見つからなくても、協会加盟の生命保険会社へまとめて契約の有無を照会できます。心当たりがある場合はもちろん、「あったかどうか分からない」という場合の確認にも役立ちます。ただし、共済や少額短期保険など協会に加盟していない団体の商品は対象外となる場合があります。
Q3. 生命保険契約照会制度の費用はいくらですか?
2026年4月の改定により、WEB申請は6,000円、書面申請は7,000円(いずれも税込・調査対象となるご親族等1名につき)です。災害救助法が適用された災害時の利用は無料です。利用料は今後も改定される可能性があるため、最新の金額は生命保険協会の公式案内でご確認ください。
Q4. 誰が照会を請求できますか?
亡くなった方の契約を調べる場合は、法定相続人・その法定代理人・遺言執行者などが請求できます。これらの人から委任を受けた任意代理人として申請できるのは、弁護士・司法書士・行政書士に限られます。なお、判断能力が低下した方の契約を調べる場合は、成年後見人・任意後見人など別の要件で判断されます。誰でも自由に他人の契約を調べられる制度ではないため、請求できる人の範囲や必要書類は、申請前に生命保険協会の案内でご確認ください。
Q5. 照会で保険金額や受取人まで分かりますか?
分かるのは契約の有無が中心です。照会対象の方が死亡保険金の受取人になっている契約があればその旨も回答されますが、保険金額・保障内容といった契約の中身までは分かりません。契約があった場合は、その保険会社へあらためて連絡し、保険金の請求や内容の確認を個別に行う必要があります。
Q6. 必要書類は何ですか?
相続人が照会する場合は、照会する人の本人確認書類に加え、原則として法務局認証済みの「法定相続情報一覧図」が必要です。一覧図を用意できない場合は、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)と相続人の戸籍で代替します。戸籍は過去の本籍地すべてから取り寄せるため、そろうまでに1か月以上かかることもあるので早めに着手しましょう。立場や申請方法によって変わるため、正確な必要書類は生命保険協会の公式案内でご確認ください。
Q7. 結果が届くまでどのくらいかかりますか?
おおむね2週間程度が目安とされていますが、申請の混雑状況や申請方法によって前後することがあります。相続には期限のある手続きが多いため、相続が発生したら早めに申請しておくと安心です。最新の所要日数は生命保険協会の案内でご確認ください。
Q8. 対象外になる保険はありますか?
照会できるのは、生命保険協会の会員会社が取り扱う、原則として有効に継続している個人保険契約です。すでに死亡保険金が支払われた契約・解約された契約・失効した契約、財形保険・財形年金保険、支払開始後の年金保険、保険金などが据え置きとなっている契約は対象外です。また、かんぽ生命の一部の旧契約、共済(JA共済・県民共済など)、少額短期保険など、協会に加盟していない団体の商品も対象外で、別の窓口での確認が必要です。この制度だけで保険関係の調査がすべて完結するわけではない点にご注意ください。
Q9. 見つかった保険の請求や相続税の申告も依頼できますか?
当センターは不動産の相続登記・名義変更が中心で、保険金の請求代行や相続税の申告は行っておりません。判明した保険は各保険会社へ、相続税は税理士にご相談ください。当センターは、不動産の相続登記(名義変更)を全国対応でサポートします。
Q10. 不動産の相続登記・名義変更について相談できますか?
はい。当センターは年間2,000件超のご相談実績があり、不動産の相続登記・名義変更を全国対応でサポートしています。一方、生命保険の照会・請求、相続税の申告、預貯金の解約などは当センターの業務範囲外です。これらは生命保険協会・各保険会社・税理士などの専門窓口をご確認ください。不動産の名義変更でお困りの際は、お気軽に無料相談をご利用ください。
生命保険契約照会制度は、亡くなった方の生命保険契約の有無をまとめて確認できる便利な制度です。保険証券が見つからないときでも、協会加盟の生命保険会社へ一括で照会できます。ただし、分かるのは契約の有無が中心で、保険金額・保障内容は別途各社への請求が必要なこと、共済や少額短期保険などは対象外となる場合があること、結果が届くまで時間がかかることに注意しましょう。利用料はWEB申請6,000円・書面申請7,000円(税込・1名につき・2026年4月改定)で、最新の金額は生命保険協会の公式案内でご確認ください。
当センターは、不動産の相続登記(名義変更)を全国対応で承ります。年間2,000件超のご相談実績をもとに、遠方の不動産・複数の相続人がいるケースでも、郵送・オンラインで手続きを進めます。生命保険の照会・請求や相続税の申告は当センターの業務範囲外のため、生命保険協会・各保険会社・税理士等にご相談ください。不動産の名義変更でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
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