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遺留分を侵害された!遺留分侵害額請求の基礎知識と相続トラブル回避方法 


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2026年1月29日
 

遺留分侵害額請求の完全ガイド

遺産相続において、「全財産を特定の人に譲る」という遺言があった場合でも、一定の相続人には最低限の取り分が法律で保障されています。これが「遺留分」という制度です。この記事では、遺留分を侵害された場合の対処法や、2019年の民法改正による重要な変更点、実務上の注意点について、司法書士の視点から分かりやすく解説します。

遺留分とは?法律で守られる最低限の相続分

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に法律上保障された、最低限の相続割合のことです。

本来、自己の財産は贈与や遺言等により自由に処分できるのが原則です。しかし、この原則を貫くと、被相続人(亡くなった人)が、贈与や遺言により全財産を特定の相続人だけに取得させていた場合、他の相続人は一切相続財産を取得することができなくなってしまいます。

そこで、民法は、相続人の生活保障や相続財産の公平な分配の観点から、被相続人の財産処分の自由に一定の制限を加える「遺留分制度」を設けています(民法1042条以下)。

遺留分が認められる人、認められない人

遺留分を有するのは、以下の相続人に限られます。

相続人の種類続柄遺留分の有無備考
常に相続人配偶者あり-
第1順位子・孫(直系卑属)あり代襲相続を含む
第2順位親・祖父母(直系尊属)あり子がいない場合のみ
第3順位兄弟姉妹・甥姪なし-
重要ポイント

兄弟姉妹には遺留分がありません。これは非常に重要な点です。たとえば、子供のいない夫婦において、夫が「全財産を妻に相続させる」という遺言を書けば、夫の兄弟姉妹からの介入を完全に遮断できます。遺言がない場合は兄弟姉妹にも法定相続分が発生するため、遺産分割協議が必要となり、トラブルの温床となることもあります。

遺留分の侵害とは

遺留分の侵害とは、亡くなった方の遺言や生前の贈与によって、本来相続人が受け取れるはずの最低限保障された相続割合(遺留分)を下回ってしまう状況のことです。

具体的には、以下のような場合に遺留分の侵害が発生します。

  • 遺言による侵害: 「特定の相続人に全財産を譲る」「愛人に遺産の大部分を渡す」などの遺言がある場合
  • 生前贈与による侵害: 特定の相続人や第三者に多額の財産を贈与していた場合

遺留分が侵害された場合、その相続人は、遺言や贈与によって多くの財産を受け取った人に対して、侵害された遺留分に相当する金銭を支払うよう請求することができます。これが「遺留分侵害額請求」です。

2019年民法改正の重要なポイント

2019年7月1日に施行された相続法改正により、遺留分制度は大きく変わりました。この改正を理解することは、遺留分問題を考える上で非常に重要です。

「遺留分減殺請求」から「遺留分侵害額請求」へ

改正前は「遺留分減殺請求」という名称で、権利行使によって財産そのもの(不動産や株式など)の所有権が当然に移転するという仕組みでした。これにより、不動産は自動的に共有状態となり、複雑な権利関係が生じていました。

改正後の「遺留分侵害額請求」では、金銭の支払いを請求する権利に変更されました。

改正による変化
  • 請求される側(受遺者): 不動産や株式そのものを返す必要はなくなり、所有権を維持できます。その代わり、侵害額に見合う現金を用意する必要があります。
  • 請求する側: 共有持分という扱いにくい権利ではなく、明確な金銭を受け取ることができます。ただし、相手に資力がなければ回収不能となるリスクがあります。

いつの相続に適用されるか

経過措置に注意
  • 2019年6月30日以前に開始した相続: 旧法(遺留分減殺請求)が適用
  • 2019年7月1日以降に開始した相続: 新法(遺留分侵害額請求)が適用

相続開始の日(被相続人の死亡日)が基準となりますので、ご自身のケースがどちらに該当するか確認が必要です。

遺留分侵害額請求の要件

遺留分侵害額請求を行うためには、以下の要件を満たす必要があります。

【要件①】遺留分権利者である

請求できるのは、前述の通り、配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属に限られます。兄弟姉妹は請求できません。

また、相続放棄をした人は遺留分侵害額請求を行うことはできません。相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったものとみなされるためです。

【要件②】遺留分が侵害されている

遺言や生前贈与によって、自分の遺留分を下回る財産しか取得できない状態であることが必要です。

【要件③】時効期間内である

1年という短い期限

遺留分侵害額請求権には、非常に短い時効があります。

  • 消滅時効: 相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年間
  • 除斥期間: 相続開始の時から10年間(知らなくても権利消滅)

「知った時から1年」というのは、葬儀や四十九日、悲しみの中での生活再建を考えると、極めて短い期間です。迷っている時間はありません。まずは意思表示だけでも行う必要があります。

遺留分の計算方法

遺留分の計算は複雑ですが、基本的なステップを理解しておくことが重要です。

計算の4つのステップ

1遺留分の基礎となる財産を計算

基礎財産 = 相続開始時の財産 + 生前贈与の価額 - 相続債務

ここで重要なのが「生前贈与の持ち戻し」です。2019年の改正により、持ち戻し期間に明確な制限が設けられました。

贈与の相手持ち戻し期間条件
相続人相続開始前10年間婚姻、養子縁組、生計の資本としての贈与(特別受益)に限る
第三者相続開始前1年間原則として全ての贈与
悪意の当事者期間制限なし贈与者と受贈者の双方が、遺留分権利者に損害を加えることを知って行った場合
10年ルールの活用

相続人への生前贈与が相続開始前10年以内のものしか対象にならないという「10年ルール」は、事業承継や相続対策において重要な意味を持ちます。たとえば、後継者に自社株を贈与する場合、贈与から10年経過すれば、その株式は原則として遺留分計算の基礎財産から外れることになります。

2全体の遺留分割合を確認

相続人の構成全体の遺留分割合
直系尊属のみ遺産の3分の1
それ以外(配偶者や子がいる場合)遺産の2分の1

3各相続人の遺留分額を計算

個人の遺留分額 = 基礎財産 × 全体の遺留分割合 × 各相続人の法定相続分
具体例:配偶者と子2人のケース

相続人: 母(配偶者)、長男、長女
遺産総額: 1億円

  • 母の遺留分:1億円 × 1/2(全体の遺留分)× 1/2(法定相続分)= 2,500万円
  • 長男の遺留分:1億円 × 1/2 × 1/4 = 1,250万円
  • 長女の遺留分:1億円 × 1/2 × 1/4 = 1,250万円

4遺留分侵害額を計算

遺留分侵害額 = 各相続人の遺留分額 - 実際に取得した財産の価額

この計算結果がプラスになった場合、その金額が請求できる遺留分侵害額となります。

不動産評価の問題

遺留分計算において、現金や上場株式は評価が容易ですが、不動産は評価額が一義的に決まらないため、最も激しい対立点となります。

評価方法特徴実勢価格との関係
時価(実勢価格)実際に市場で売買される価格100%
公示価格・基準地価国や都道府県が公表実勢価格に近い
相続税路線価相続税申告に使用約80%
固定資産税評価額毎年の固定資産税通知書記載約70%
評価額の対立
  • 請求する側: 遺産総額を高く見せたい → 時価や不動産鑑定評価額を主張
  • 請求される側: 遺産総額を低く見せたい → 固定資産税評価額や路線価を主張

この評価額の差は、都市部の不動産では数千万円に達することもあります。まずは公的評価額をベースに交渉を開始し、合意に至らなければ不動産鑑定士による鑑定に進むという段階的なアプローチが現実的です。

遺留分侵害額請求の手続きと流れ

内容証明郵便による請求

時効を止めるための確実な方法は、配達証明付き内容証明郵便を送付することです。

内容証明郵便に記載すべき要素:

  • 被相続人の氏名と死亡日
  • 請求者が遺留分権利者であること
  • 被通知者への遺贈や贈与が遺留分を侵害していること
  • 遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求する旨の意思表示
金額が確定していなくても大丈夫

詳細な金額計算が完了していなくても、「遺留分を請求する」という意思さえ明確に伝えれば、時効はストップします。したがって、まずは通知を送り、その後にじっくりと財産調査や交渉を行うのが定石です。

解決までの流れ

  1. 協議(交渉): 当事者間での話し合い
  2. 遺留分侵害額請求調停: 家庭裁判所での話し合い。調停委員が仲介
  3. 遺留分侵害額請求訴訟: 地方裁判所での裁判。厳密な証拠調べ

訴訟は時間も費用もかかるため、できる限り協議や調停での解決が望ましいとされています。

請求された側が支払えない場合の対処法

改正民法により遺留分が金銭債権化されたことで、「資産はあるが現金がない」という受遺者(不動産を相続した人など)は深刻な問題に直面することになりました。このような場合、以下の対処法があります。

裁判所による「期限の許与」

受遺者が直ちに金銭を準備できない場合、裁判所に対して支払期限の猶予を求めることができます(民法1047条5項)。

期限の許与の要件と効果

要件: 金銭を直ちに準備することができない特段の事情(居住用不動産のみである、事業用資産であり売却が困難など)

効果: 裁判所が定めた期間(例えば1年など)、支払いを猶予される。この期間内は履行遅滞に陥らず、強制執行を受けることもない。

この制度は、受遺者が住んでいる家を即座に競売にかけられるような事態を防ぐためのセーフティネットです。すぐに払えない場合でも、法的な猶予を求める手段があることを知っておくことが重要です。

不動産による「代物弁済」

金銭での支払いが最終的に不可能な場合、合意により不動産そのものを渡して債務を消滅させる「代物弁済」が選択肢となります。

代物弁済を行う場合は、所有権移転登記が必要です。

  • 登記の目的: 所有権移転
  • 登記原因: 「年月日代物弁済」または「年月日遺留分侵害額に関する合意」
  • 登録免許税: 固定資産税評価額の20/1000(2.0%)
注意点

通常の相続登記(登録免許税0.4%)と異なり、税率が通常の売買等と同じ2.0%と高くなる点に注意が必要です。

代物弁済における重大な税務リスク

多くの方が見落としがちですが、代物弁済には重大な税務リスクがあります。

「みなし譲渡」による譲渡所得税の課税

税務上、代物弁済は「資産を時価で売却し、その代金で債務を返済した」とみなされます。したがって、渡した不動産の時価が、被相続人が取得した当時の価格(取得費)を上回っている場合、その含み益に対して譲渡所得税が課税されます。

具体的な課税事例

状況:

  • 父が30年前に500万円で購入した土地を、長男が相続
  • 現在の時価は3,000万円
  • 長男が遺留分侵害額3,000万円の支払いとして、この土地を次男に代物弁済

課税関係:

  • 譲渡益:3,000万円(譲渡価格)- 500万円(取得費)= 2,500万円
  • 譲渡所得税(約20%):2,500万円 × 20% = 500万円

長男は、土地を失った上に、翌年の確定申告で500万円の現金を納税しなければならなくなります。これは受遺者にとって壊滅的な打撃となり得ます。

必ず事前に税理士に相談を

代物弁済を行う前に、必ず税理士によるシミュレーションを行い、手元資金で納税が可能か、あるいは別の解決策がないかを検討しなければなりません。「お金がないから土地で払う」という安易な判断は、後で取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

相続税の修正申告・更正の請求

遺留分の授受が行われた場合、当初の相続税申告の内容と実際の財産配分にズレが生じるため、税務手続きが必要です。

立場必要な手続き期限
支払った側(受遺者)更正の請求
(払いすぎた相続税を取り戻す)
遺留分額確定の翌日から4ヶ月以内
受け取った側(請求者)修正申告
(追加で相続税を払う)
速やかに

特に更正の請求は期限が非常に短いため、注意が必要です。

遺留分トラブルを未然に防ぐ対策

紛争になってからの対処も重要ですが、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」はより価値があります。

生命保険の活用

遺留分対策として最も有効なツールの一つが生命保険です。

死亡保険金は、受取人の固有財産とされ、原則として遺産分割の対象にも、遺留分算定の基礎財産にも含まれません。

生命保険を活用した対策例

対策前: 遺産が現金5,000万円 → 全額が遺留分計算の対象

対策後: 現金4,000万円を一時払い終身保険(受取人:長男)に変える → 遺留分対象財産は残り1,000万円のみ

「著しい不平等」の例外に注意

最高裁は、保険金額が遺産総額に比して過大であり、他の相続人との間に「到底是認できないほどの著しい不平等」が生じる場合には、例外的に特別受益として持ち戻しの対象となると判断しています。

実務的には、保険金が遺産総額の同額以上に及ぶような極端なケースではリスクが高いですが、常識的な範囲であれば、遺留分対策として極めて有効に機能します。

また、生命保険金を「遺留分支払いの原資」として用意しておく(代償分割資金としての活用)という方法も、不動産を守るための有効な手段です。

遺言書の作成と生前対策

遺留分対策として、以下のような方法も有効です。

  • 遺言書で財産配分の理由を明確に記載する(「付言事項」の活用)
  • 生前に相続人と話し合い、理解を得ておく
  • 10年ルールを活用した計画的な生前贈与
  • 遺留分の放棄(家庭裁判所の許可が必要)

まとめ

遺留分侵害額請求は、2019年の民法改正により金銭債権化され、複雑な計算式、厳格な時効、そして不動産や税務の問題が絡み合う高度な法律問題です。

特に重要なポイントを再確認します。

重要ポイントの再確認
  • 時効は1年: 相続開始と遺留分侵害を知った時から1年以内に意思表示が必要
  • 金銭債権化: 2019年7月1日以降の相続では、金銭での支払いが原則
  • 10年ルール: 相続人への生前贈与は、原則として相続開始前10年分が対象
  • 税務リスク: 代物弁済には譲渡所得税が課税される可能性がある
  • 予防が重要: 生命保険の活用や生前対策で、トラブルを未然に防ぐことが可能

遺留分の問題は、法律、税務、登記、そして家族関係が複雑に絡み合います。早めに専門家に相談し、適切な対応をとることが、円満な解決への第一歩です。

当事務所では、遺留分侵害額請求に関する書類作成支援や、合意後の登記手続き、相続全般のご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

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監修者プロフィール - 板垣隼
司法書士 板垣隼
この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Planやビジネスメディアへの寄稿実績多数。
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