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《この記事の監修者》
司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら)
最終更新日:2026年2月16日
全てのケースで必要なわけではありませんが、一部の手続きでは譲渡所得の申告が必要です。
土地や建物などの不動産を譲渡(売却等)したことによって生じた所得を譲渡所得といい、他の所得と分離して所得税・住民税が課税されます。
譲渡所得が生じない(損失となる)場合は原則として課税されませんので申告も不要です。ただし、居住用財産の譲渡損失の特例(損益通算・繰越控除)や、3,000万円特別控除・空き家の特例などの適用を受けるためには、税額が0でも確定申告が必要です。
「譲渡」には、売買のほか交換・競売・公売・代物弁済・財産分与・収用・法人に対する現物出資なども含まれます。
相続や贈与による名義変更では基本的に譲渡所得は発生しませんので、所得税の確定申告は不要です(法人への贈与や負担付贈与などの場合は、譲渡とみなされ申告が必要になることがあります。)。なお、譲渡所得の申告とは別に相続税・贈与税の申告が必要な場合があります。
譲渡所得の詳細はこちら
譲渡所得について詳しく見る
不動産を売却した際の譲渡所得は、次の計算式で求められます。
名義変更にかかった費用は「取得費」または「譲渡費用」として差し引くことができるため、将来の売却時に税負担を軽減できます。
| 費用の種類 | 算入区分 | 具体例 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 取得費 | 購入時・相続時・贈与時の登記にかかる税金 |
| 司法書士報酬(取得時) | 取得費 | 所有権移転登記の代理費用 |
| 売却時 | 譲渡費用 | 仲介手数料、測量費、契約書印紙、立退料、解体費など |
| 不動産取得税 | 取得費 | 取得時に都道府県に納めた税金 |
| 印紙税 | 取得費 | 売買契約書等に貼付した印紙代 |
特に相続で取得した不動産を売却する場合は、被相続人が支払った取得費を引き継げるだけでなく、相続登記の際に相続人が支払った登録免許税や司法書士報酬も「取得費」に加算できます。見落としやすい節税ポイントですので、領収書は必ず保管しておきましょう。
マイホーム(居住用財産)を売却した場合、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。正式には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 対象となる資産 | 現に自分が住んでいる家屋とその敷地、または以前住んでいた家屋(住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る場合) |
| 売却の相手方 | 親子や夫婦など「特別の関係がある人」への売却でないこと |
| 他の特例との関係 | 売った年の前年・前々年にこの特例やマイホームの買換え・交換の特例を受けていないこと |
| 住宅ローン控除との関係 | この特例を受けると、入居年を含む前後一定期間は住宅ローン控除が使えなくなる |
| 確定申告 | 譲渡所得の内訳書等を添えて確定申告が必要 |
以下のような場合には、この特例は適用されません。
売却にあたって住所変更登記や抵当権抹消登記が必要な場合、これらの費用は譲渡費用として譲渡所得の計算で差し引くことができます。また、相続で取得した自宅を売却する場合は、先に相続登記を完了させる必要があります。
詳しくは国税庁のページをご参照ください。
No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁)
相続によって取得した空き家を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除)があります。この特例を適用できれば、多くのケースで譲渡所得税をゼロまたは大幅に軽減できます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 建物の構造 | 昭和56年5月31日以前に建築(旧耐震基準) |
| 登記の形態 | 区分所有建物(マンション等)でないこと |
| 居住実態 | 相続直前まで被相続人が一人で居住(老人ホーム入所等の例外あり) |
| 管理状況 | 相続から売却まで事業・貸付・居住に使われていないこと |
| 売却価額 | 1億円以下(共同相続人の売却額合計で判定) |
| 売却期限 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで |
この特例を利用するには、売却前に相続登記が完了している必要があります。相続登記が済んでいないと売却手続き自体が進まず、期限内に確定申告を行えなくなるおそれがあります。特例の適用を受けるためにも、早めの名義変更が不可欠です。
空き家を複数の相続人で共有して売却した場合、各相続人がそれぞれ控除を受けられます。2人で相続した場合は各3,000万円(合計最大6,000万円)、3人以上の場合は各2,000万円の控除が可能です。遺産分割協議の段階から売却を見据えた設計が重要になります。
なお、2024年1月1日以降の譲渡については、買主が譲渡の翌年2月15日までに建物の解体または耐震改修を行った場合にも適用可能となるよう、要件が緩和されています。
詳しくは国税庁のページをご参照ください。
No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁)
離婚によって自宅不動産を相手方に譲渡(名義変更)する場合にも、譲渡所得税の問題が発生します。ここで特に重要なのが名義変更のタイミングです。
居住用不動産を譲渡する際に使える「3,000万円特別控除」は、夫婦など特別な関係にある者への譲渡には適用されません。つまり、離婚届の提出前に売買や贈与等の方法で名義変更してしまうと、まだ夫婦関係にあるため3,000万円控除が使えず、値上がり分に対して多額の譲渡所得税がかかるおそれがあります。
財産分与として不動産を渡す側は、離婚届が受理された後に名義変更登記を行い、翌年の確定申告で3,000万円特別控除の適用を申請してください。離婚前の名義変更では特例が使えません。
なお、財産分与を受ける側には原則として贈与税はかかりません。ただし、分与額が婚姻中の協力で得た財産の範囲を著しく超える場合には、超過部分に贈与税が課される可能性があります。
はい、以下のようなケースでは所得税以外の税務申告が必要になります。
基礎控除額を超える贈与(110万円超)により名義変更した場合は、翌年に贈与税の申告が必要です。申告期間は2月1日から3月15日までです。
相続時精算課税や配偶者控除を利用して納税額がゼロになる場合でも申告は必要です。年間110万円以下の贈与であれば申告は不要です。
不動産名義変更とは直接関係ありませんが、相続税が発生する場合は、被相続人が亡くなってから10ヶ月以内(厳密には相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内)に相続税の申告が必要です。名義変更の有無にかかわらず、一定の財産以上をお持ちの場合は申告が必要になります。
名義を変えただけで贈与税の申告を怠った場合、税務署から指摘を受けて無申告加算税が課されるリスクがあります。生前贈与で名義変更を行った場合は、翌年必ず申告しましょう。
不動産取得税は都道府県が課税する地方税です。税務署ではなく都道府県税事務所に申告・申請します。
不動産取得税は、売買や贈与などの場合は取得の際に1度だけ課税されます(相続による取得の場合はかかりません)。
取得後の申告期限は各都道府県で異なります。都道府県によって取扱いに若干の違いがありますので、管轄の都道府県税事務所にご確認ください。実際には申告が不要となるケースも多いようです。
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不動産取得税について詳しく見る

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