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《この記事の作成者兼監修者》
司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら)
最終更新日:2026年6月20日
不動産取得税とは(要点まとめ)
● どんな税金か:土地・家屋を取得したとき、その不動産がある都道府県が一度だけ課す税金(流通税・都道府県税)。毎年かかる固定資産税とは別物。
● 相続は非課税:相続による取得は非課税。贈与・売買・新築・増改築は課税。
● 税額:固定資産税評価額×税率。本則4%だが、令和9年3月31日までに取得する土地・住宅は3%。宅地は課税標準が評価額の1/2。
● 軽減が大きい:新築住宅は評価額から1,200万円控除(認定長期優良住宅1,300万円)。要件を満たす自己居住用の住宅・土地は0円になることも珍しくない。
● 納付:取得後おおむね半年〜1年半で都道府県税事務所から納税通知書が届く(自分で申告しなくても課税される)。
不動産を購入・新築・贈与などで取得すると、不動産取得税という税金がかかります。一方で相続による取得は非課税です。本記事では、不動産取得税のしくみ・税率・課税標準・軽減措置の要件・非課税と免税点・納税通知書が届く時期・申告と還付まで、司法書士がわかりやすく解説します。
不動産取得税は、土地や家屋を取得したときに、その不動産が所在する都道府県が課す地方税です。売買・新築・贈与など取得の事実そのものに着目して一度だけ課税される「流通税」で、有償・無償や登記の有無を問わず課税対象になります。お金を払って買った場合だけでなく、贈与で無償でもらった場合も対象です。
よく混同されますが、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に対して市区町村が毎年課税する「保有税」です。これに対し不動産取得税は、取得したときに都道府県が一度だけ課税する税金です。課税する役所も、課税のタイミングも異なります。
当センターのような名義変更(不動産登記)の場面では、相続による取得は不動産取得税が非課税、贈与・売買による取得は課税という違いを押さえておくことが大切です(離婚にともなう財産分与は内容により扱いが分かれます)。詳しくは後述の「名義変更と不動産取得税」で解説します。
次のような取得は不動産取得税の課税対象です。
これらは有償・無償や登記の有無を問わず課税されます。なお、贈与者の死亡によって効力が生じる死因贈与は、受贈者が相続人であっても(相続ではなく贈与契約にもとづく取得のため)課税対象です。相続と混同しやすいため注意しましょう。
一方、次のような取得は不動産取得税が非課税です。
一度成立した遺産分割協議を相続人全員の合意で解除し、改めて分け直す「遺産分割のやり直し」をした場合、不動産取得税がかかるかどうかは取得の実態によって分かれます。
相続人全員の合意による解除・再分割であれば、自治体の取扱い上「相続による取得」として不動産取得税は非課税とされることが多いです。一方、実態が和解による持分の取得、遺留分への代償(代物弁済)、権利の譲渡などとみられる場合は、「相続による取得」にあたらず不動産取得税が課税されます。
また、不動産取得税が非課税となる場合でも、国税(贈与税・所得税)の側では再分割が課税の対象となるリスクがあり、都道府県によって取扱いが異なることもあります。
不動産取得税の計算のもとになる「課税標準」は、実際の購入価格や建築費ではなく、固定資産税評価額(固定資産課税台帳に登録された価格)です。一般に土地は時価の約7割、新築建物は建築費の約5〜6割が目安とされ、購入価格より低くなることが多いです。
評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書に同封される「課税明細書」の評価額欄で確認できます。手元にない場合は、不動産がある市区町村役場で「固定資産評価証明書」を取得すれば分かります。なお、新築直後の家屋や未登記の家屋など、まだ評価額が決まっていない場合は、都道府県や市区町村による評価のあとに価格が決まります。
住宅地などの宅地(宅地比準土地を含む)を令和9年(2027年)3月31日までに取得した場合、その土地の課税標準額は固定資産税評価額の1/2になります。土地の税負担を大きく抑える特例です。
不動産取得税の税額は「課税標準額 × 税率」で計算します。税率は次のとおりです。
令和9年(2027年)3月31日までに取得する土地・住宅は3%に軽減されています。店舗・事務所など住宅以外の家屋は軽減の対象外で、本則の4%が適用されます。
要件を満たす新築住宅は、1戸につき課税標準から1,200万円が控除されます(評価額が1,200万円未満の場合はその額まで)。つまり税額は「(評価額-1,200万円)×3%」で計算され、評価額が1,200万円以下なら建物の税額は0円になります。
認定長期優良住宅として新築された住宅は、控除額が1,300万円になります。1,300万円は認定長期優良住宅に限った金額で、一般の新築住宅は1,200万円です。
軽減を受けるには床面積が40㎡以上240㎡以下であることが必要です。
中古住宅の軽減は、個人が自分の居住用に取得した住宅が対象です。賃貸用に取得した中古住宅は対象外です。
控除額は新築された時期によって異なり、新しいほど控除額が大きくなります(代表的な区分)。
※控除額の区分は都道府県により細部が異なる場合があります。正確な額は取得する不動産がある都道府県のページでご確認ください。
住宅の敷地として取得した土地は、次の(A)・(B)の多い方の金額が税額から直接控除されます。
この控除は床面積の2倍(200㎡上限)に対応する土地分をカバーするため、戸建てやマンションの自己居住用では土地の税額も0円になることが多いのが特徴です。適用には、土地取得後3年以内に住宅を新築するなどの要件があります。
取得した不動産の課税標準額が次の免税点に満たない場合は、不動産取得税は課税されません。
令和8年(2026年)4月1日以降に取得した不動産については、免税点が引き上げられています。このほか、前述の軽減措置によって税額が0円になるケースも多くあります。
建物の評価額1,000万円・床面積100㎡、土地の評価額1,500万円・地積200㎡(宅地)の場合。
合計0円。要件を満たす新築は0円になることが珍しくありません。
自己居住用でない中古ワンルーム(床面積30㎡)など軽減要件を満たさない場合、軽減はありません。建物の評価額が500万円なら、500万円×3%=150,000円がそのままかかります。店舗・事務所など住宅以外の家屋は税率4%です。
※本ツールで計算できるのは概算の目安です。正確な税額・軽減の可否・還付の見込みは、都道府県税事務所または税理士にご確認ください。
不動産を取得すると、登記情報などをもとに、不動産がある都道府県の都道府県税事務所から納税通知書が送られてきます。届く時期は都道府県によって異なりますが、取得後おおむね半年〜1年半が目安です。なお、軽減を受けるための申告や、取得の申告が必要かどうか・その期限は都道府県によって異なります。未登記建物の取得や軽減を受けたい場合は、早めに都道府県税事務所へご確認ください。
納付期限は納税通知書に記載されています。納付方法は都道府県により異なり、金融機関・都道府県税事務所の窓口・コンビニ・地方税お支払サイト等でのクレジットカード・スマホ決済(PayPay等)・ペイジーなどに対応しています(不動産取得税は口座振替を利用できない都道府県もあります)。
納期限を過ぎると、納めるべき税額に延滞金が加算される場合があります。うっかり納め忘れないよう、通知書が届いたら納期限を確認しましょう。
住宅・住宅用土地の軽減を受けるには、原則として取得後一定期間内(東京都は30日以内、岐阜県など60日以内)に都道府県税事務所へ申告が必要です(期限は都道府県で異なります)。なお、登記が済んでいれば登記情報により職権で軽減が適用される自治体もあります。
軽減の申告には、一般に不動産取得税の軽減申告書のほか、登記事項証明書(登記簿謄本)・住民票・売買契約書や建築確認済証・検査済証など、住宅の取得・床面積・居住の事実を確認できる書類が必要です(必要書類は都道府県により異なるため、事前に都道府県税事務所のページでご確認ください)。
申告を忘れて軽減前の税額を納めてしまった場合でも、原則5年以内に申告すれば、軽減を適用して納め過ぎた分の還付を受けられます。「軽減できたのに気づかず満額払った」というときも、あきらめずに都道府県税事務所に相談しましょう。
相続による取得は不動産取得税が非課税です。相続で不動産を取得した場合は、不動産取得税の心配はいりません。ただし相続登記(名義変更)は2024年4月から義務化され、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります(遺産分割が成立した場合は、その成立日から3年以内)。手続きの流れや費用は名義変更にかかる費用のページをご覧ください。
生前贈与・売買で不動産を取得した場合は、不動産取得税の課税対象です。離婚にともなう財産分与は、内容により課税の扱いが分かれます(前述の「課税対象になる取得・非課税になるケース」を参照)。これらの名義変更(登記)については、当センターが手続きを代行します。
当センターは登記(名義変更)の手続きを担当します。不動産取得税の個別の税額判断・軽減申告書の作成代理・税務相談は税理士の業務のため当センターでは行っていません。関東対応エリア(主に東京・埼玉・千葉・神奈川)を中心に提携税理士をご紹介しています。それ以外の地域では、お住まいの都道府県税事務所や税理士へご相談ください。
税額は「固定資産税評価額×税率」で計算します。税率は本則4%ですが、令和9年3月31日までに取得する土地・住宅は3%です。宅地は課税標準が評価額の1/2になり、新築住宅は評価額から1,200万円を控除できるなど軽減が大きく、要件を満たす自己居住用の住宅・土地では0円になることも珍しくありません。おおよその目安は固定資産税評価額を入力できる自動計算ツールで確認できます(正確な税額は都道府県税事務所にご確認ください)。
不動産を取得してからおおむね半年〜1年半で、不動産が所在する都道府県の都道府県税事務所から納税通知書が届きます。自分で申告しなくても課税されます。納付期限は通知書に記載され、金融機関・コンビニ・クレジットカード・スマホ決済などで納付できます。
かかりません。相続(包括遺贈・相続人への遺贈を含む)による取得は不動産取得税が非課税です(地方税法第73条の7)。ただし相続登記(名義変更)は原則3年以内に行う義務があります。一方、生前贈与・売買などで取得した場合は課税対象です(離婚にともなう財産分与は内容により扱いが分かれます)。
受けられます。個人が自己の居住用に取得した中古住宅で、床面積40㎡以上240㎡以下、昭和57年1月1日以降の新築(またはそれ以前でも新耐震基準への適合が証明されたもの)などの要件を満たせば、新築年月日に応じた控除(最大1,200万円)が受けられます。賃貸用の中古住宅は対象外です。
原則として取得から5年以内に都道府県税事務所へ申告すれば、軽減を適用し納め過ぎた分の還付を受けられます。軽減を受けるための申告期限(取得後30〜60日など)は都道府県で異なりますが、期限を過ぎても5年以内なら還付請求が可能です。
課税標準額が免税点未満なら非課税です。令和8年4月1日以降に取得した場合、土地は16万円、家屋の新築・増改築は66万円、家屋の売買等は34万円が免税点です(令和8年3月31日までの取得は土地10万円・新築23万円・その他12万円)。
新築住宅の課税標準からの控除は通常1戸につき1,200万円ですが、認定長期優良住宅として新築された住宅は1,300万円が控除されます。1,300万円は認定長期優良住宅に限った金額で、一般の新築住宅は1,200万円、中古住宅は新築年月日に応じた最大1,200万円です。
当センターは登記(名義変更)の手続きを行います。不動産取得税の税額試算や軽減の申告は税理士の業務にあたるため、当センターでは関東対応エリア(主に東京・埼玉・千葉・神奈川)を中心に提携税理士をご紹介しています。それ以外の地域では、お住まいの都道府県税事務所や税理士へご相談ください。相続による取得は不動産取得税が非課税ですが、相続登記のほかに相続税の申告や固定資産税の手続きなどが必要になる場合があります。
多くの都道府県でクレジットカード・スマホ決済(PayPay等)・ペイジー・コンビニ納付に対応しています。利用できる方法や手数料の有無は都道府県によって異なるため、納税通知書や都道府県税事務所のページでご確認ください。
不動産取得税は不動産を取得したときに都道府県が課す地方税です。一方、登録免許税は名義変更の登記を申請するときに国へ納める国税で、税率は取得原因(相続0.4%、売買・贈与など2.0%等)によって異なります。名義変更では両方がかかる場合があります(相続による取得は不動産取得税が非課税)。登録免許税は登録免許税の自動計算ツールで試算できます。
不動産取得税は都道府県税のため、基本的な規定は全国共通ですが、申告期限や手続きの細部は都道府県によって若干異なります。詳細は不動産が所在する各都道府県のページをご確認ください。
ご依頼の際は、安心して手続きをしていただくよう各種アドバイスをさせていただきます。
事案によっては税理士と提携して対応させていただきます。
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