まず最初に確認すべきは、「被相続人(亡くなった方)の死亡日」と「裁判所による破産手続開始決定の日」のどちらが先か、という点です。
この順序によって、遺産の扱いは天と地ほど変わります。
ご自身の状況がどちらに当てはまるかを確認した上で、以下の解説を読み進めてください。
| ケース | 順番 | 遺産の扱い | 難易度 |
|---|---|---|---|
| ケースA | 死亡 → 破産開始 | 債権者への配当に回る | ★★★(高) |
| ケースB | 破産開始 → 死亡 | 破産者本人の自由財産 | ★(低) |
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《この記事の監修者》
司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら)
最終更新日:2025年11月25日
「親が亡くなったが、兄弟の一人が自己破産手続き中だ。この場合、遺産はどうなるのか?」
「実家が債権者に取られてしまうのではないか?」
相続手続きにおいて、相続人の一人に破産者がいるというケースは、非常にデリケートで複雑な問題をはらんでいます。
対応を誤ると、遺産分割協議が白紙に戻ったり、破産者自身が免責(借金の帳消し)を受けられなくなったりするリスクがあります。
この記事では、相続人に破産者がいる場合の遺産分割の流れや、他の相続人が注意すべきポイントについて、「破産のタイミング」を軸にわかりやすく解説します。
まず最初に確認すべきは、「被相続人(亡くなった方)の死亡日」と「裁判所による破産手続開始決定の日」のどちらが先か、という点です。
この順序によって、遺産の扱いは天と地ほど変わります。
ご自身の状況がどちらに当てはまるかを確認した上で、以下の解説を読み進めてください。
| ケース | 順番 | 遺産の扱い | 難易度 |
|---|---|---|---|
| ケースA | 死亡 → 破産開始 | 債権者への配当に回る | ★★★(高) |
| ケースB | 破産開始 → 死亡 | 破産者本人の自由財産 | ★(低) |
親が亡くなった後(あるいは遺産分割協議中)に、相続人の一人が自己破産の開始決定を受けたケースです。
ここが最もトラブルになりやすいパターンです。
破産手続き開始決定前に発生した相続権は、破産者の財産(没収対象)とみなされます。
この財産の管理処分権は、破産者本人から「破産管財人」に移ります。
裁判所から選任された弁護士のことです。破産者の財産を調査・換金し、債権者に公平に配分するのが仕事です。
そのため、遺産分割協議には破産者本人の代わりに、破産管財人が参加します。
破産者本人が勝手に実印を押して遺産分割協議書を作っても、それは無効となります。
破産管財人の役割は「債権者のために、少しでも多くのお金を回収すること」です。
そのため、家族の事情(「長男が親の面倒を見ていたから」など)は考慮されません。
管財人は、法律で定められた「法定相続分」に相当する金額をきっちりと要求します。
例えば、遺産が「実家(不動産)」だけの場合でも、管財人は破産者の持ち分にあたる「現金」を要求します。
もし他の相続人が代償金(管財人に渡す現金)を用意できなければ、実家を売却して現金化せざるを得なくなる可能性があります。
すでに破産手続きが開始された後に、親などが亡くなって相続が発生したケースです。
破産手続開始決定「後」に取得した財産は、「新得財産(しんとくざいさん)」と呼ばれ、破産者が自由に使える財産となります(破産法34条3項)。
原則として、この遺産は借金の返済に充てる必要はなく、破産管財人も遺産分割協議には介入しません。
通常通り、相続人全員(破産者本人を含む)で協議を行い、遺産を受け取ることができます。
※ただし、破産手続きの進行状況によっては制限がかかる場合もあるため、念のため管財人への報告は必要です。
「自分のせいで家族に迷惑をかけたくない。相続放棄をして、最初から相続人じゃなかったことにしたい」と考える方は多いです。
しかし、これには大きな落とし穴があります。
家庭裁判所で正式に行う「相続放棄」は、身分行為(個人の意思を尊重すべき行為)とされており、破産管財人の同意がなくても単独で行うことが可能ですが、「相続の開始を知った時から3ヶ月以内」という期限がある点に注意が必要です。
ケースAの場合(破産手続開始決定前に相続発生):
破産者が破産手続開始決定後に相続放棄をしても、破産財団に対しては、限定承認の効力を有するものとされます(破産法238条1項後段)。
つまり、家庭裁判所で相続放棄の手続きをしても、破産管財人が認めない限り、破産手続き上は「限定承認をした」ものとして扱われ、相続によって得た財産の範囲で債権者への配当に回ることになります。
破産管財人が相続放棄の効力を認めるかどうかは、管財人の裁量によります(同条2項)。
ここが最大の注意点です。
家庭裁判所での手続きを経ずに、遺産分割協議書の中で「私は遺産はいりません(遺産分割による放棄)」として、他の兄弟に全財産を譲る行為は認められません。
これは「本来もらえるはずの財産を勝手に譲渡した」とみなされ、否認権の行使(取り消し)の対象となります。
管財人によってその協議は無効とされ、結局遺産を持っていかれることになります。
もし相続人の中に破産者がいる(あるいは破産しそうな)場合、他のご家族はどう動くべきでしょうか。
「バレないだろう」と破産者の相続分を隠したり、勝手に分けたりすることは絶対にしてはいけません。
破産者本人の免責が不許可になるだけでなく、管財人から訴訟を起こされるリスクがあります。
管財人が選任された場合、不動産の査定額や解決金の金額について交渉することになります。
管財人は法律のプロ(弁護士)ですので、こちらも対等に話せるよう、相続に強い弁護士を立てて交渉するのが得策です。
適正な不動産評価額を主張することで、支払う現金を抑えられる可能性があります。
もし被相続人が「破産者以外の相続人に相続させる」という有効な遺言書を残していれば、遺産分割協議自体が不要となり、管財人の介入を防げる場合があります。
※遺留分の請求を受ける可能性は残ります。
相続人の中に破産者がいる場合の手続きは、「死亡日と破産開始決定日の前後関係」ですべてが決まります。
特にケースAの場合、対応を間違えると実家を失うなどの大きな不利益を被る可能性があります。
ご自身たちだけで解決しようとせず、早めに専門家のアドバイスを受けることを強く推奨します。
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