人が亡くなったときの給付制度とは?
人が亡くなった際には、公的な保険・年金に基づくものから、勤務中の事故補償、民間の生命保険金、自治体の支援制度まで多岐にわたる給付制度を利用できます。
主な給付制度の種類
健康保険からの給付金
公的年金からの給付金
労災保険からの給付金
民間の保険・共済からの給付金
自治体や公的扶助の制度
注意点
亡くなった方の加入状況や死亡原因に応じて様々な給付金制度があります。それぞれ支給条件や申請先、申請期限が異なるため、該当する制度を確認し、期限内に手続きを行うことが重要です。
人が亡くなった際にもらえる給付金(要点まとめ)
① 給付金は大きく3系統+還付・助成:健康保険系(葬祭費・埋葬料・高額療養費)、公的年金系(遺族基礎年金・遺族厚生年金・未支給年金・死亡一時金)、労災保険系(労災時の遺族補償給付・葬祭料)の3系統に加えて、介護保険料・後期高齢者医療保険料の還付、自治体助成、民間生命保険・共済も同時に発生することが多い分野です。
② 葬祭費は3〜7万円:国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合、喪主が住所地の市区町村役場に申請します。金額は自治体ごとに異なり、東京23区は7万円、多くの自治体で5万円が一般的です。
③ 埋葬料は定額5万円:協会けんぽ・健保組合の被保険者が亡くなった場合、被保険者により生計を維持されていた方(被扶養者に限らず事実婚の方なども含む)に5万円が支給されます。該当者がいない場合は実際に埋葬を行った方に「埋葬費(実費上限5万円)」が支給され、被扶養者が亡くなった場合は被保険者に「家族埋葬料5万円」が支給されます。
④ 未支給年金は通常1〜2か月分(偶数月の支給日前死亡なら3か月分のケースも):故人が受給していた年金のうち、死亡月までで支給されていなかった分を、生計を同じくしていた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹、その他3親等内の親族の優先順位で受け取れます。請求は年金事務所へ。
⑤ 遺族年金は2種類+制限あり:遺族基礎年金は18歳年度末までの子のある配偶者または子が対象(国民年金)、遺族厚生年金は厚生年金加入者の妻・子・55歳以上の夫・父母などが対象(厚生年金)。子のない30歳未満の妻は5年有期など実務上の制限があり、加入歴・生計維持関係・年齢・子の有無で結論が変わります。
⑥ 申請期限は原則2〜5年で時効:葬祭費・埋葬料は2年、遺族年金・未支給年金は5年、高額療養費は2年(診療月の翌月1日から)が目安ですが、起算点や遡及の可否は手続きごとに異なります。期限を過ぎると受け取れなくなる可能性があるため、早めに年金事務所・市区町村などで確認してください。
⑦ 自動振込はされない:死亡届を出しただけでは給付金は1円も振り込まれません。それぞれ別の窓口(市区町村・健保・年金事務所など)に喪主や遺族から請求する必要があり、漏れがちな手続きです。
| 給付金名 | 対象者 | 金額の目安 | 申請期限 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|
| 葬祭費 (国民健康保険) | 国民健康保険加入者の喪主 | 1万円~7万円 (自治体により異なる) | 葬儀の翌日から2年以内 | 市区町村役場 |
| 埋葬料 (会社の健康保険) | 被保険者と生計維持関係の遺族 | 一律5万円 (組合により付加給付あり) | 死亡の翌日から2年以内 | 協会けんぽ・健康保険組合 |
| 遺族基礎年金 | 子のある配偶者または子 | 年額約83万円(令和7年度基準)+子の加算 | 死亡の翌日から5年以内 | 年金事務所・市区町村 |
| 遺族厚生年金 | 生計維持されていた配偶者・子等 | 年額数十万円~ (故人の年金記録による) | 死亡の翌日から5年以内 | 年金事務所 |
| 未支給年金 | 生計を共にしていた遺族 | 未支給分の年金額 | 死亡の翌日から5年以内 | 年金事務所・市区町村 |
| 死亡一時金 | 遺族年金を受けない遺族 | 12万円~32万円 | 死亡の翌日から2年以内 | 市区町村・年金事務所 |
| 遺族補償年金 (労災) | 業務上死亡の労働者の遺族 | 給付基礎日額×日数 (遺族数により変動) | 死亡の翌日から5年以内 | 労働基準監督署 |
| 葬祭料 (労災) | 業務上死亡の葬儀を行った人 | 315,000円+給付基礎日額の30日分(または給付基礎日額の60日分のいずれか高い額) | 死亡の翌日から2年以内 | 労働基準監督署 |
| 生命保険金 | 保険契約の受取人 | 契約による | 死亡の翌日から3年以内 | 各保険会社 |
| 共済金 | 共済契約の受取人 | 契約による | 死亡の翌日から3年程度 | 各共済組合 |
関連:死後手続きの全体像もあわせてご確認ください
給付金を請求する前提として死亡届の提出が必要です。また、故人の本人確認書類の扱いも給付金申請時の本人確認資料として関係します。
健康保険からもらえる給付金
葬祭費(国民健康保険)
国民健康保険の葬祭費とは、故人が国民健康保険に加入していた場合に、喪主(葬儀を行った人)へ支給される給付金です。自治体の窓口(市区町村役場)で申請することで受け取ることができます。
葬祭費の給付条件は?
以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 故人が国民健康保険の被保険者であったこと
- 葬儀を執行した喪主が申請者となること(故人と生計を同じくしていた親族でなくても可)
- 他の健康保険から同種の給付金を受けていないこと(例えば勤務先の健康保険から埋葬料が出る場合などは葬祭費は支給されません)
注意点: 葬祭費は葬儀を行わなければ支給されません。火葬のみで葬儀を省略した場合(直葬)には支給対象外となる自治体もあります。
葬祭費の申請期限はいつまで?
葬祭費の申請期限は「葬祭(葬儀)を行った日の翌日から2年間」です。この期間を過ぎると時効で請求できなくなるため注意しましょう。
例えば、令和○年1月10日に葬儀を執り行った場合、令和○年1月11日から起算して2年以内が申請期間です。早めに手続きを済ませることをおすすめします。
葬祭費の受給方法は?
申請場所: 故人の住所地の市区町村役場(国民健康保険担当課)
必要書類:
- 国民健康保険証(故人の保険証)
- 死亡を証明する書類
- 葬儀を行ったことが分かる書類(会葬御礼状や葬儀社の領収書など)
- 申請者の本人確認書類・印鑑
- 振込先口座情報
申請が受理されると、指定した口座に給付金が振り込まれます(自治体にもよりますが、概ね申請後1~2か月程度で振込まれることが多いです)。
葬祭費の支給額はいくら?
葬祭費の支給額は自治体により異なりますが、おおむね1万円~7万円程度です。
- 東京都23区:7万円
- 地方自治体:3~5万円前後
など地域差があります。
会社員や公務員が加入する健康保険(協会けんぽ、健康保険組合など)では、被保険者が死亡した際に「埋葬料」が支給されます。埋葬料は故人と生計維持関係にあった遺族に支給される給付金で、葬儀費用というより埋葬(火葬や遺体の搬送等)に必要な費用を補助する制度です。
なお、故人と生計を共にする遺族がいない場合には、葬儀を行った人に対して「埋葬費」が支給されます。呼称は異なりますが支給内容は埋葬料と同じで、埋葬にかかった費用を補助するものです。
埋葬料・埋葬費の給付条件は?
以下の条件を満たす必要があります。
- 故人が協会けんぽまたは健康保険組合の被保険者であったこと(退職後でも資格喪失後3か月以内の死亡なら対象)
- 埋葬料の場合: 故人により生計を維持されていた遺族がいること(配偶者や同居の子など)
- 埋葬費の場合: 上記のような遺族がおらず、実際に葬儀を行った人がいること
- 死亡原因が業務外の事由であること(労災事故による死亡の場合、本給付は対象外)
埋葬料・埋葬費の申請期限はいつまで?
埋葬料(埋葬費)の申請期限は「被保険者が亡くなった日の翌日から2年以内」です。時効により2年を過ぎると申請できなくなりますので注意してください。
なお、葬儀の前であっても申請自体は可能です。早めに関係書類を準備し、会社経由または保険者に直接申請しましょう。
埋葬料・埋葬費の受給方法は?
申請先: 加入していた健康保険の保険者(協会けんぽ支部や健康保険組合) ※会社員の場合、勤務先の人事・総務経由で行うこともできます。
必要書類:
- 健康保険埋葬料(費)支給申請書
- 死亡診断書の写し
- 埋葬に要した費用の領収書(埋葬費を申請する場合)など
申請後、指定口座へ振り込まれます。
埋葬料・埋葬費の支給額はいくら?
埋葬料は一律5万円が支給され、生計維持関係者がいない場合に支給される埋葬費は5万円の範囲内で実際に埋葬にかかった費用が支給されます。
故人が生前に支払った医療費について、高額療養費制度に該当する分があれば、遺族(相続人)が代わりに請求して払い戻しを受けることができます。
高額療養費制度とは、1か月の医療費自己負担額が一定の上限額を超えた場合に、超過分が健康保険から払い戻される制度です。本人が亡くなった後でも未請求であればさかのぼって請求可能です。
高額療養費の支給条件は?
以下の条件を満たす必要があります。
- 故人が加入していた健康保険(国保・社保)で高額療養費の支給対象となる医療費を支払っていたこと(最終的な自己負担額が所得区分ごとの限度額を超えていた場合)
- 医療費の支払いについて高額療養費の未支給分があること(生前に限度額適用認定証を使って減額されていた場合などは対象額が残らないこともあります)
- 請求者が故人の相続人であること(配偶者や子など法定相続人が請求可能)
高額療養費の申請期限はいつまで?
高額療養費の請求期限は「診療を受けた月の翌月1日から2年以内」と定められています。これは通常の健康保険給付の時効と同様です。
亡くなった方の分も例外ではないため、対象となる医療費が発生した月の2年以内に請求手続きを行いましょう。例えば、故人が令和○年5月中に入院治療を受けて多額の自己負担を支払っていた場合、令和○年7月1日までに申請すれば高額療養費の払い戻しを受けられます(2年以内なら死亡後でも申請可能です)。
高額療養費の受給方法は?
申請先: 故人が加入していた健康保険の保険者
- 協会けんぽ → 協会けんぽ支部
- 市区町村国保 → 役所の国保課
- 健康保険組合 → その事務所
必要書類:
- 高額療養費支給申請書(被保険者が死亡している場合の様式)
- 故人との続柄が分かる戸籍
- 医療費の領収書
- 相続人の本人確認書類
- 故人の保険証など
請求が認められると、自己負担限度額を超えた分の金額が指定口座に払い戻されます。
高額療養費の重要な注意点
生命保険金や共済金は「受取人固有の財産」とされるため、相続放棄をしていても受け取ることが可能です。指定受取人として保険金を受け取る行為自体が「相続を承認した」とみなされることはありませんが、被相続人名義の預金を引き出して使用するなど、他の相続財産に手をつけてしまった場合は相続財産の処分とみなされるリスクがあるため、負債が多い場合は専門家に相談することが推奨されます。
公的年金からもらえる給付金
遺族基礎年金(国民年金)
遺族基礎年金は、国民年金加入者等が亡くなった場合に、その方によって生計を維持されていた子のある配偶者または子に支給される年金です。
ここでいう「子」とは、18歳年度末まで(もしくは障害等級1・2級で20歳未満)の未婚の子です。例えば、小さな子どもを残して夫が亡くなった場合、妻(母)に遺族基礎年金が支給されます。
遺族基礎年金の受給条件は?
遺族基礎年金を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。
亡くなった方の保険料納付要件
- 死亡日の前々月までの納付可能期間のうち3分の2以上の期間について保険料を納付(免除含む)していること等の条件があります
受給対象となる遺族
- 亡くなった方に生計を維持されていた配偶者(子のある妻)または子であること
- 子どものみが受給する場合、2人以上いるときはまとめて最年長の子に支給され、各子に加算が付きます
重要な注意点:
- 妻が受給する場合でも必ず子どもがいることが条件であり、子のいない配偶者には遺族基礎年金は支給されません
遺族基礎年金の申請期限はいつまで?
遺族基礎年金の請求期限は「亡くなった日の翌日から5年以内」です。これは年金給付の時効期間ですが、実際には請求が遅れるとその遅れた期間分の年金は受け取れなくなってしまう恐れがあります(時効により5年を超えた分は消滅)。
重要: 遺族基礎年金は請求した月の分から支給開始となるため、例えば死亡から3年後に請求した場合、死亡当時からの3年間の年金は遡及しては支給されません(未支給年金とは異なる点に注意)。
したがって、遺族年金の請求は早ければ早いほど有利です。なるべく早めに請求手続きを行うことが大切です。
遺族基礎年金の受給方法は?
申請先:
- 故人が国民年金第1号被保険者:市区町村役場
- それ以外:年金事務所
必要書類:
- 遺族基礎年金裁定請求書
- 戸籍謄本(亡くなった方と受給権者の身分関係や子の年齢を証明)
- 住民票
- 死亡診断書(死亡届)
- 故人の年金手帳
- 受給権者の預金通帳
- 本人確認書類など
審査を経て支給が決定すると、年金証書が交付され指定口座へ年金が支給されます。
遺族基礎年金の年金額は?(令和7年度)
- 配偶者が受給する場合(子1人): 1,071,000円/年
- 子のみが受給する場合(子1人): 831,700円/年
※毎年度見直しがあります
注意点: 受給者(妻)の収入が一定以上になると支給停止になる場合もありますので注意してください。
遺族厚生年金は、故人が厚生年金保険の被保険者であった場合や厚生年金受給者であった場合に、その遺族に支給される年金です。
遺族厚生年金は遺族基礎年金と異なり、子どもの有無にかかわらず配偶者に支給されるケースが多いのが特徴です。主な受給対象者は、亡くなった方によって生計を維持されていた配偶者(妻)または子ですが、妻に子どもがいなくても支給されます(ただし30歳未満で子のない妻の場合は5年間の有期支給となります)。
夫が受給者になるケース(妻が亡くなり生計維持されていた60歳以上の夫など)や、子ども・父母・孫・祖父母が受給者になる場合もあります。受給順位は法律で定められており、先順位者がいれば後順位者は受給できません。
遺族厚生年金の受給条件は?
遺族厚生年金の受給要件も、基本的には故人の保険料納付要件(遺族基礎年金と同様の納付状況要件)を満たしていることが前提です。
対象となる遺族:
- 亡くなった方に生計維持されていた配偶者
- 子
- 55歳以上の父母・孫(受給開始は60歳から)
- 55歳以上の祖父母(受給開始は60歳から)
重要な注意点:
30歳未満で子のない妻の場合
- 5年間のみ遺族厚生年金が支給され、その後は打ち切られます
遺族基礎年金との併給
- 遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方の条件を満たす場合(故人が厚生年金加入者で子のある妻がいる場合)は、両方の年金を受給できます
特別な加算制度
- 中高齢寡婦加算:子どもがいない40~64歳の妻への加算年金
- 経過的寡婦加算
個々の条件により受給額が異なりますので、詳細は年金事務所等で確認しましょう。
遺族厚生年金の申請期限はいつまで?
遺族厚生年金の請求期限は「亡くなった日の翌日から5年以内」ですが、遺族基礎年金と同様、請求が遅れるとその期間の年金は遡ってはもらえなくなります。
したがって、遺族厚生年金もできるだけ早く請求することが大切です。特に遺族基礎年金の対象とならない配偶者(子のない妻など)にとっては、生活の柱となる給付ですので、速やかに手続きを行いましょう。
遺族厚生年金の受給方法は?
申請先: 年金事務所(会社員や公務員だった方の遺族年金)
必要書類:
- 遺族厚生年金裁定請求書
- 戸籍謄本
- 住民票
- 死亡診断書(死亡事実が分かる書類)
- 所得証明
- 故人の年金手帳(基礎年金番号通知書)
- 受給権者の通帳など
追加書類: 配偶者以外(子や父母など)が請求する場合は、故人との生計維持関係や年齢要件などを証明する追加書類が必要です。
遺族厚生年金の支給額は?
支給額は故人の厚生年金記録に基づいて算定されます。
目安: 故人が在職中に亡くなった場合、報酬比例部分の年金額の4分の3が遺族厚生年金の年額となります。
具体的金額は個々で異なりますが、例えば平均的収入の会社員が亡くなったケースでは年額数十万円~百数十万円程度になることが多いです。
遺族基礎年金との併給: 遺族基礎年金と両方受給する場合は合算されて支給されます。
年金額の見直し: 年金は毎年見直しや物価スライドがありますので、定期的に送付される「年金額改定通知書」で確認しましょう。
未支給年金とは、故人が年金受給者だった場合に、死亡月まで支給対象だった年金で、まだ支払われていない分の年金を指します。
年金は偶数月に2か月分ずつ後払いされる仕組みのため、亡くなった時点で受給権があった年金が未支給になることがあります。未支給年金は、故人と生計を共にしていた遺族が請求することによって受け取れます。
例えば、偶数月15日より前に亡くなった場合、その支給予定だった年金は未支給扱いとなり遺族が請求可能です。
未支給年金の受給条件は?
以下の条件を満たす必要があります。
- 故人が年金受給権者であり、死亡時点で受け取っていない年金があること
- 故人と生計を同じくしていた遺族であること
受給権の優先順位: 配偶者 → 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹 → その他三親等内の親族
重要な注意点:
- 遺族基礎年金や遺族厚生年金の受給権者であっても、未支給年金は別途請求可能です
- 未支給年金は相続財産ではなく受給権者個人の財産となります
未支給年金の申請期限はいつまで?
未支給年金の請求期限は「死亡日の翌日から起算して5年以内」です。公的年金の権利は5年で時効消滅するため、亡くなられた日から5年を経過すると未支給年金も受け取れなくなります。
ただし、できるだけ早く手続きを行えば、通常は亡くなった月までの年金額を全て遺族が受け取れます。忘れずに手続きを行いましょう。
未支給年金の受給方法は?
申請先: 故人が受給していた年金の種類によって異なります
- 国民年金のみ受給の場合:市区町村役場の国民年金担当窓口
- 厚生年金を受給していた場合:管轄の年金事務所
必要書類:
- 未支給年金・未支給給付請求書
- 故人の年金証書
- 死亡を証明する書類(死亡診断書や死亡届受理証明等)
- 請求者と故人の関係がわかる戸籍
- 請求者の本人確認書類
- 振込先金融機関情報など
申請が認められると、故人が最後に受給権を持っていた分の年金額が請求者の口座に支払われます。支給までの期間は請求後概ね3か月程度です。
死亡一時金とは、故人が公的年金の国民年金(第1号被保険者)に一定期間加入していたにもかかわらず、遺族基礎年金などの遺族年金を受け取る遺族がいない場合に、一回限り支給される給付金です。
たとえば、故人が生前に国民年金保険料を合計36月(3年以上)納めていたが、18歳以下の子どもがおらず遺族基礎年金の受給対象となる遺族がいないようなケースで支給されます。この制度は、遺族年金を受け取れない遺族への補填として位置づけられています。
死亡一時金の受給条件は?
以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 故人が国民年金第1号被保険者として保険料納付月数が36月以上あったこと
- 故人が老齢基礎年金または障害基礎年金を一度も受給せずに亡くなったこと
- 故人と生計を同じくしていた遺族で、遺族基礎年金の受給資格者がいないこと(18歳以下の子どもやその母親などがいないこと)
死亡一時金の重要な注意点
寡婦年金との選択適用
- 故人の妻が10年以上婚姻関係にあり60~65歳の場合は寡婦年金の受給資格が発生しますが、死亡一時金と寡婦年金の両方は受け取れません
- どちらか有利な方を選択する必要があります(一般的には受給額の大きい寡婦年金を選ぶケースが多いです)
遺族基礎年金との関係
- 故人に子どもがいて配偶者が遺族基礎年金を受給できる場合は、死亡一時金は支給されません
死亡一時金の申請期限はいつまで?
死亡一時金の申請期限は「故人が亡くなった日の翌日から2年以内」です。期限を過ぎると支給を受けられませんので注意してください。
寡婦年金との選択適用になる場合も、いずれかを受け取るために期限内の請求が必要です。もし相続手続きなどで忙しくても、この期間内に年金事務所で請求手続きを済ませましょう。
死亡一時金の受給方法は?
申請先: 市区町村役場または年金事務所
必要書類:
- 国民年金死亡一時金請求書(年金事務所か役所に備え付け)
- 故人との続柄が確認できる戸籍謄本
- 住民票
- 故人の年金手帳や基礎年金番号のわかる書類
- 請求者名義の通帳
- 請求者の本人確認書類など
死亡一時金の支給金額はいくら?
故人の保険料納付月数に応じて12万円~32万円程度の範囲で定められています。
- 納付月数36~119月:12万円
- 以降3万円刻みで増額
- 最大240月以上:32万円
死亡一時金の支給対象者は?
故人と生計を同じくしていた遺族のうち、以下の順位で先順位の方が受給します。
優先順位: 配偶者 → 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹
申請が認められれば、指定口座に一時金が振り込まれます。
労災保険からもらえる給付金
遺族補償給付(年金または一時金)
遺族補償給付とは、労働者が業務上(または通勤途中)の事故で死亡した場合に、その遺族に支給される補償給付の総称です。遺族の状況によって年金として支給される場合と、一定の場合に一時金で支給される場合があります。
原則として遺族補償年金が支給され、遺族年金を受け取る遺族がいない場合に遺族補償一時金が支払われます。
例えば亡くなった労働者に配偶者や子などがいれば年金が、遺族が配偶者も子もいないが扶養していた父母がいる場合は一時金が支給されるケースがあります。
遺族補償給付の支給額の仕組みは?
遺族補償年金の計算(遺族の人数に応じて):
- 遺族1人(配偶者のみ):給付基礎日額×153日分/年
- 遺族2人:給付基礎日額×175日分/年
- 最大7人:給付基礎日額×245日分/年
追加の給付:
- 遺族特別支給金:一律300万円
- 遺族特別年金:遺族数に応じて153~245日分/年
これらは遺族補償年金の初回支給時に一時金として受け取れます。このように労災の補償は公的年金より高額になる傾向があります。
遺族補償給付の受給条件は?
以下の条件を満たす必要があります。
- 労働者が業務上の災害または通勤災害により死亡したこと(労働基準監督署により労災認定を受ける必要があります)
- 受給資格のある遺族がいること
遺族補償年金の優先順位: 配偶者 → 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹
重要な注意点:
- 配偶者については事実上の婚姻(内縁)でも認められる場合があります
- 子・孫は18歳年度末まで(または一定の障害状態)
- 父母・祖父母は60歳以上等の条件があります
- 受給順位の高い遺族が年金を受け取ります
- 受給資格者が誰もいない場合のみ、その他の遺族(上記以外で生計維持関係にあった親族等)に対して遺族補償一時金が支給されます
遺族補償給付の申請期限はいつまで?
労災の遺族補償年金・一時金の請求期限は「死亡した日の翌日から5年以内」です。他の年金と同様、5年を過ぎると時効消滅しますので注意しましょう。
遺族補償年金は権利発生が認められれば申請日以降定期的に支給されますが、遺族補償一時金は請求があって初めて支給されるものですので、対象となる遺族の方は忘れず請求してください。
遺族補償給付の受給方法は?
申請先: 所轄の労働基準監督署 ※会社を通じて労災申請の手続きを行うか、遺族自身で請求します
必要書類:
- 遺族(補償)年金支給請求書または遺族(補償)一時金支給請求書
- 死亡診断書
- 労働者と請求遺族の続柄証明(戸籍)
- 収入・生計維持関係を証明する書類など
労災の場合、会社から労基署への事故報告等も必要となります。
支給方法:
- 年金の場合:毎月指定口座に振り込まれます
- 一時金の場合:一括振込
遺族補償給付の支給額の例
例えば給付基礎日額(亡くなった労働者の1日あたり賃金)が1万円で遺族が妻1人の場合:
- 遺族補償年金:年額約153万円
- 遺族特別支給金:300万円
遺族補償給付と公的年金は併給できる?
重要: 労災の遺族補償年金を受給していても、公的年金(遺族厚生年金など)は減額調整されず併給可能です。
葬祭料(葬祭給付)とは、労災事故で死亡した労働者の葬儀を行う遺族に支給される給付金です。葬儀費用の補填として労災保険から支払われるもので、健康保険の埋葬料に相当する制度です。
労災の葬祭料の支給額はいくら?
支給金額は法律で定められており、以下のいずれか高い方が支給されます。
- 31万5,000円 + 給付基礎日額×30日分
- 給付基礎日額×60日分
計算例: 給付基礎日額が1万円の場合
- (31万5千円 + 30万円) = 61万5千円
- 60万円(給付基礎日額1万円×60日)
→ 高い方の61万5千円が支給されます
実質的に約60日分の賃金相当額が葬儀費用として給付されるイメージです。
労災の葬祭料の支給条件は?
以下の条件を満たす必要があります。
- 労災認定された労働者の死亡について葬祭を行う遺族がいること(通常は葬儀を執行した配偶者や親族)
- 葬儀を行った事実を証明する書類(会葬礼状、葬儀費用の領収書等)を提出できること
- 葬祭料は労災の死亡原因1件につき1回のみ支給されます(複数の遺族が別々に葬儀を行った場合でも支給は一度きりです)
労災の葬祭料の申請期限はいつまで?
葬祭料の請求期限は「死亡日の翌日から2年以内」です。
注意: 遺族補償年金の5年と異なり、葬祭料は2年で時効となるのでご注意ください。葬儀後、比較的早めに手続きを行う遺族が多いですが、万一申請を忘れていても2年以内であれば請求可能です。
労災の葬祭料の受給方法は?
申請先: 所轄労働基準監督署
必要書類:
- 葬祭料請求書(様式第10号)
- 死亡診断書または死体検案書のコピー
- 会葬礼状や葬儀費の領収書など葬儀を行ったことが分かる書類
- 請求者(喪主)の戸籍など
請求が認められると、指定した口座に葬祭料(数十万円規模)が一括振り込まれます。
労災の葬祭料と健康保険の違い・重複受給は?
金額の違い: 労災の葬祭料の方が健康保険の葬祭費・埋葬料より金額が大きい点が特徴です。
重複受給: 労災の葬祭料と健康保険の葬祭費(埋葬料)は重複して受け取ることはできません。
- 労災適用時には健康保険からは支給されません
- 万一双方に該当すると判断された場合はどちらか一方のみとなります
- 一般的には労災が優先されます
民間保険・共済からもらえる給付金
死亡保険金(生命保険)
故人が生命保険に加入していた場合、契約で定められた死亡保険金が受取人に支払われます。生命保険は公的給付ではないため自動では支払われず、受取人からの請求が必要です。
例えば夫が1,000万円の生命保険に加入し妻を受取人としていた場合、妻が保険会社に死亡保険金請求の手続きを行って初めて支払いが行われます。
死亡保険金の受給条件は?
以下の条件を満たす必要があります。
- 故人が生命保険契約の被保険者として死亡したこと(契約上の支払事由に該当すること)
- 保険金受取人に指定されている人が請求手続きを行うこと
契約内容による注意点:
- 死亡原因が特定の条件(災害死亡特約など)で保険金額が増額される場合があります
- 免責事由(自殺の一定期間内など)で支払われない場合があります
- 契約約款の条件に従います
死亡保険金の申請期限はいつまで?
生命保険金の請求には時効(請求期限)があります。通常は「保険事故発生日(死亡日)の翌日から3年間」と定められており、この期間を過ぎると保険金の請求権が消滅します(保険法第95条による)。
注意点:
- 保険会社によっては約款で5年と定める場合もあります(例:かんぽ生命は5年)
- 一般的には3年以内に請求すれば問題なく支払われます
- うっかり忘れて3年を経過すると保険会社は支払いを拒めるようになります
- 仮に期限を過ぎても保険会社が時効を主張しなければ支払われるケースもありますが、リスクを避けるためにも早めに請求手続きを行いましょう
死亡保険金の受給方法は?
手続きの流れ:
- 保険会社への連絡: 生命保険に加入していたことが判明したら、保険会社または担当保険代理店に連絡します
- 書類の準備: 保険会社から保険金請求書類一式が送られてきます
必要書類:
- 保険金請求書(所定の用紙に記入押印)
- 死亡診断書(保険会社所定の用紙に医師が記入)
- 住民票除票(死亡の記載があるもの)
- 受取人の本人確認書類
- 故人の保険証書など
- 審査・支払い: 保険会社での審査(死亡原因の確認など)を経て、問題なければ指定口座に保険金が振り込まれます
支払いまでの期間: 提出書類に不備がなければ概ね1~2週間程度が一般的です
死亡保険金の重要なポイント
複数契約の取り扱い
- 複数の生命保険に加入していれば契約ごとに請求が必要です
- 公的給付と異なり重複して全て受け取ることができます
税務上の取り扱い
- 生命保険金は受取人固有の財産とみなされます
- 相続税の非課税枠が設けられています:500万円×法定相続人数
- 金額が大きい場合は税務面も含めて手続きを進めましょう
故人が県民共済やCOOP共済などの共済に加入していた場合も、死亡時に共済金(死亡給付金)が支払われます。共済は保障内容によりますが、死亡時〇〇万円という保険金に相当する給付が受け取れるものがあります。
公的保険や生命保険と重複して加入している場合も多いので、見落とさず請求しましょう。
共済の死亡給付の受給条件は?
以下の条件を満たす必要があります。
- 故人が共済の加入者であり、契約の保障内容に死亡保障が含まれていること
- 契約で定められた受取人が請求を行うこと(共済によっては法定相続人が受取人となる場合もあります)
- 死亡原因によって支給額が変わる共済もあります(病気死亡と事故死亡で倍額など)
契約証書や共済約款を確認してください。
共済の死亡給付の申請期限はいつまで?
共済金の請求期限も、保険と同様に概ね3年間とされるケースが多いです(詳細は各共済の規約によります)。
例えば都民共済では保険法の規定に準じ3年の時効としています。したがって3年以内を目安に請求手続きを完了させましょう。民間保険と同じく、長期間請求しないままだと受け取り損ねる恐れがあります。
共済の死亡給付の受給方法は?
手続きの流れ:
- 共済組合への連絡: まず共済組合に連絡して請求書類を取り寄せます
必要書類: 共済によって異なりますが、一般的には以下が求められます
- 共済金請求書
- 死亡診断書または死体検案書
- 受取人の戸籍(身分証明)
- 故人の共済証書
- 受取人の本人確認書類など
- 審査・支払い: 書類を提出すると共済側で審査が行われ、問題なければ指定口座に共済金が振り込まれます
支払いまでの期間: 数日~数週間程度
共済の死亡給付の重要なポイント
相続との関係
- 共済金も生命保険金と同様に受取人固有の財産となります
- 相続放棄しても受け取れる場合があります
税務上の取り扱い
- 受け取った共済金の額によっては相続税の課税対象になることがあります
- 税金面の扱いは保険金と同様にご確認ください
自治体・公費の制度(該当する場合のみ)
葬祭扶助
葬祭扶助は、生活保護受給世帯や経済的に困窮している遺族に対して、自治体(福祉事務所)が葬儀費用を扶助(補助)する制度です。生活保護の一種で、故人が生活保護受給者だった場合や遺族に葬儀費用を負担できる人がいない場合に適用されます。
葬儀の形式は火葬のみの直葬(火葬式)が原則で、自治体が契約する葬儀社が最低限の葬送を行います。費用は自治体が葬儀社へ直接支払う形が一般的です(遺族の自己負担ゼロで実施されます)。
葬祭扶助の支給額はいくら?
葬祭扶助で賄われるのは直葬に必要な最低限の費用のみです。国が定める基準額があります。
目安:
- 成人の葬祭扶助:約20万~21万円以内
- 子ども(12歳未満):約16万~17万円以内
例:
- 故人が大人:上限20万6,000円
- 子ども:上限16万4,800円
東京都の場合は約20万円が支給されます。
公営火葬場の利用優遇
- 故人の住民票がある自治体の公営火葬場を利用すると火葬料が無料または割引になるケースがあります
- 例:東京都特別区などでは区民が都営火葬場を利用する際、基本的な火葬料が減額されています
自治体による埋葬料の助成とは?
自治体によっては独自に埋葬料の補助金を交付している場合もあります。
- 例:墓地埋葬料の一部助成など
助成制度の特徴と確認方法は?
地域差が大きい
- これらの助成は地域差が大きく、全ての自治体で実施しているわけではありません
- 自分の自治体で制度があるかどうかは、市区町村役場の窓口や公式サイトで確認する必要があります
確認先:
- 火葬場の利用料減免:公営斎場の案内に記載
- 埋葬料助成:福祉課や環境課などが案内
助成の対象と申請方法は?
対象: その自治体の住民に限られます
申請方法: 役所への届出や領収書の提出など
助成額の例
助成額は自治体により様々ですが、以下のような例があります。
- 火葬料が数万円免除される
- 一定額の補助金が受け取れる
- 例:京都府京田辺市では火葬料の1/2を補助し約3.9万円支給
火葬・埋葬料助成のまとめ
お住まいの自治体に問い合わせ、利用できる制度があれば活用しましょう。
給付金制度を利用する際の注意点
申請期限の違い
給付金ごとに申請期限(時効)が異なる点に注意が必要です。健康保険の葬祭費・埋葬料は2年以内、公的年金の遺族年金や未支給年金は5年以内、労災の遺族年金は5年以内(葬祭料は2年)といった具合です。民間の保険金・共済金は一般に3年以内が多いです。
このように制度によって期限がバラバラなので、できるだけ早く手続きを開始するに越したことはありません。特に遺族年金は、請求が遅れるとその間の年金を受け取れなくなる可能性があるため注意しましょう。遺族年金は請求した月から支給開始となるため、時効前でも請求が遅れた期間分は受け取れません。
万一申請期限を過ぎてしまうと時効消滅で給付金が受け取れないケースもあります。各制度の章で述べた期限内に必ず請求するよう心がけてください。給付金の申請漏れを防ぐため、故人の加入状況を確認し、該当する制度については速やかに申請手続きを行いましょう。
窓口の違い
給付金の申請窓口や手続き先も制度によって異なります。たとえば、健康保険の葬祭費は市区町村役場、埋葬料は協会けんぽ支部や健康保険組合、公的年金の遺族年金は年金事務所、未支給年金は年金事務所または役場、労災の給付は労働基準監督署、生命保険・共済は各保険会社や共済組合という具合です。
それぞれ担当機関が違うため、一箇所でまとめて手続きできるわけではありません。役所の死亡届提出時に教えてもらえる場合もありますが、自分で動かないと手続きが進まないものも多いです。
どこに何を申請すべきか分からないときは、役所の市民課や年金課、会社の総務担当者、労働基準監督署、保険会社の窓口などに問い合わせて確認しましょう。一つずつにはなりますが、遺族自身が申請しなければ給付金は受け取れないものばかりです。大変な時期とは思いますが、後回しにせず迅速に対応することが重要です。
併給・重複ができないケース
給付金の中には、同時に二重でもらうことができない組み合わせがあります。
重複受給できない主な組み合わせは?
健康保険の葬祭費と埋葬料 健康保険の葬祭費と埋葬料は両方を受け取ることはできません。故人が国民健康保険と会社の健康保険両方に該当しうる場合(資格喪失後3か月以内の死亡など)はどちらか一方からしか給付されません。
公的年金の選択制 公的年金では遺族基礎年金と死亡一時金(寡婦年金)は同一の死亡について重複給付されず、選択制となります。
労災と健康保険の葬祭関連給付 労災の葬祭料と健康保険の葬祭費(埋葬料)は重複不可ですので、基本的に労災からのみ支給されます。
重複受給できる組み合わせは?
労災の遺族補償年金と公的遺族年金 労災の遺族補償年金と公的遺族年金は両方受給可能です。
民間の生命保険金や共済金 民間の生命保険金や共済金は契約ごとに受け取れます。
相続放棄との関係における重要な注意点
生命保険金や共済金は「受取人固有の財産」とされるため、相続放棄をしていても受け取ることが可能です。指定受取人として保険金を受け取る行為自体が「相続を承認した」とみなされることはありませんが、被相続人名義の預金を引き出して使用するなど、他の相続財産に手をつけてしまった場合は相続財産の処分とみなされるリスクがあるため、負債が多い場合は専門家に相談することが推奨されます。
よくあるご質問
Q1. 人が亡くなったときにもらえる給付金は全部でいくらくらいですか?
受け取れる金額は、加入していた医療保険、年金の受給状況、死亡月、遺族年金の受給可否によって大きく変わります。葬祭費は自治体ごとに3〜7万円、埋葬料は協会けんぽ等で定額5万円、未支給年金は死亡月までの未払い分(通常1〜2か月分、偶数月の支給日前死亡で3か月分のケースもあり)、遺族年金は要件を満たす場合に継続支給されます。労災死亡の場合は遺族補償給付で大幅に手厚くなります。
Q2. 葬祭費と埋葬料の違いは何ですか?
加入していた医療保険の種類によって名称と金額が異なります。葬祭費は国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合に喪主に支給され、金額は自治体ごとに3〜7万円。埋葬料は協会けんぽ・健保組合の被保険者が亡くなった場合、被保険者により生計を維持されていた方(被扶養者に限らず事実婚の方なども含む)に定額5万円が支給されます。同一の死亡で両方は受け取れません。
Q3. 申請期限はいつまでですか?過ぎてしまった場合はもらえませんか?
葬祭費・埋葬料・高額療養費は2年、遺族年金・未支給年金は原則5年、死亡一時金は2年、死亡保険金は3年が時効の目安です。過去分の一部または全部が時効で受け取れない可能性があります。やむを得ない事情がある場合に例外的な取扱いが検討されることもありますが、個別判断になるため、年金事務所や各窓口に早めに確認してください。
Q4. 未支給年金は誰がもらえますか?
故人と生計を同じくしていた遺族が、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹・その他3親等内の親族の優先順位で受け取れます。例えば妻と子がいる場合は妻が優先です。請求できるのは死亡月までの未払い分で、通常は1〜2か月分ですが、偶数月の支給日前に亡くなった場合などは3か月分になることがあります。年金事務所に未支給年金請求書を提出して請求します。
Q5. 遺族年金の受給要件を教えてください。
遺族基礎年金は国民年金加入者が亡くなり、18歳年度末まで(障害等級1〜2級の子は20歳未満)の子がいる配偶者または子が対象です。遺族厚生年金は厚生年金加入者(または受給者)が亡くなった場合、妻・子・55歳以上の夫・父母・孫・祖父母などが対象になり得ますが、子のない30歳未満の妻は5年有期、子のない夫・父母・祖父母は支給開始60歳など実務上重要な制限があります。いずれも保険料納付要件があり、死亡日の前々月までに保険料納付済期間と免除期間の合計が加入期間の3分の2以上必要です。
Q6. 高額療養費の還付申請とは何ですか?
生前に医療費が高額になっていた場合、自己負担限度額を超えた分が後から還付される制度です。死亡後に未請求分があれば相続人が請求できます。診療月の翌月1日から2年以内が期限で、加入していた健保(市区町村・協会けんぽ・健保組合)に請求します。1か月の医療費が一定額を超えた月が対象で、入院期間が長かった故人の場合は確認価値が高い手続きです。
Q7. 給付金は相続財産になりますか?相続税はかかりますか?
給付金の税務上の扱いは種類ごとに異なります。未支給年金と葬祭費・埋葬料は受取人固有の権利として支給されるため相続税の課税対象外です(未支給年金は受取人の一時所得として所得税の対象)。死亡保険金は相続税法上の「みなし相続財産」として課税対象で、被相続人が保険料を負担し相続人が受け取る場合は500万円×法定相続人数の非課税枠があります(受取人が相続人以外の場合は適用されません)。遺族年金は所得税・相続税ともに非課税です。一方、故人本人が受け取るべきだった高額療養費の還付金などは、相続財産として扱われることがあります。詳しくは税理士にご相談ください。
Q8. 死亡保険金(生命保険)は給付金とは別物ですか?
公的な給付金(葬祭費・埋葬料・遺族年金など)と民間の生命保険による死亡保険金は別物で、両方とも受け取れます。死亡保険金は契約していた生命保険会社に請求し、死亡診断書・保険証券・受取人の本人確認書類などを提出します。請求から1〜2週間程度で振り込まれるのが一般的です。共済(県民共済・JA共済など)も同様の流れです。
Q9. 必要書類はどこで取得しますか?
死亡診断書(または死体検案書)は医師から受け取り、死亡届を提出する前にコピーを残しておくのが実務上安全です(提出後に再取得できる範囲は限定的)。戸籍謄本は本籍地の市区町村役場、住民票除票は住所地の市区町村役場で取得します。2024年3月1日施行の戸籍広域交付制度を使えば、本人・配偶者・直系親族の戸籍を最寄りの市区町村窓口で取得できますが、代理人請求・郵送請求は不可、兄弟姉妹など傍系親族の戸籍は対象外のため、兄弟姉妹相続では本籍地への個別請求が必要な場面があります。
Q10. 給付金請求も司法書士に依頼できますか?
公的給付金(葬祭費・埋葬料・遺族年金・未支給年金など)の請求書作成は社会保険労務士の職域のため、司法書士の業務範囲外です。司法書士は、相続登記の申請代理や、相続放棄申述書など家庭裁判所提出書類の作成を扱います。ただし、給付金請求に不可欠な「戸籍謄本の収集」や「相続人の確定」は司法書士が相続登記の過程で行う業務と重複するため、当センターで相続登記をご依頼いただければ、収集した戸籍のセット(法定相続情報一覧図など)をそのまま年金手続き等に転用でき、ご自身や社労士による手続きの負担を軽減できます。なお相続税申告が必要な場合は、関東対応エリアを中心に税理士をご紹介可能です。
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相続手続きを一つずつ進めるのが大変な場合は、争いのない相続を前提に、戸籍収集から不動産の相続登記・預貯金の解約・株式や投資信託の名義変更までまとめてお引き受けする「相続手続フルサポートプラン」があります(司法書士の遺産整理業務)。
まとめ
大切なのは、「遺族が請求しないと支給されない」点です。せっかく受け取れるはずのお金をもらい損ねないよう、本記事を参考にぜひチェックリストを作り、順次手続きを進めてください。
各制度の詳細は自治体窓口や専門家にも相談しながら進めると安心です。適切な給付金を受け取り、少しでも経済的負担を軽減して、大切な方を送り出す一助としていただければと思います。
「うちの場合は対象になる?」と迷ったら
給付金の受け取りと並行して、相続登記・名義変更の期限(取得を知った日から3年)も進める必要があります。相続手続き全体の進め方は無料相談でご案内します。
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