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公正証書遺言とは?自分で進める流れや司法書士への依頼方法を解説!


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2026年2月20日
 
【目次】
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公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、法律の専門家であり国家公務員に準ずる立場にある公証人が、遺言者本人の口述(口頭での説明)に基づいて作成する公的な遺言書です。

遺言者が公証人の面前で遺言の内容を口頭で伝え、それを聞いた公証人が法的に正確な文章として遺言書を作成します。作成された遺言書の原本は公証役場という公的機関で厳重に保管されるため、偽造・変造・紛失のリスクが事実上ありません。

超高齢社会を迎えた現代の日本では、遺産相続を巡る親族間の紛争、いわゆる「争族(そうぞく)」が年々増加しています。かつては一部の富裕層だけの問題と思われがちでしたが、現在ではごく一般的な家庭でも頻発しています。こうした背景から、将来の紛争を未然に防ぎ、大切な家族に財産を確実に引き継ぐための手段として、公正証書遺言の重要性は非常に高まっています。

遺言公正証書のサンプル

※遺言公正証書のサンプル画像です。各公証役場によって表紙のデザインは異なります。表紙がなく封筒のみの場合もあります。

公正証書遺言の4つのメリット

公正証書遺言には、主に以下のような大きなメリットがあります。

1. 高い専門性で無効リスクが極めて低い

法務経験を持つ公証人が内容をチェックし、さらに利害関係のない2名以上の証人が立ち会うという厳格な手続きを経て作成されます。そのため、形式不備で無効になるリスクが極めて低く、遺言書としての信頼性が非常に高いものとなります。

2. 紛失や改ざんのリスクがない

原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がありません。万が一、手元の正本や謄本を紛失した場合でも、公証役場に請求すれば再発行を受けることができます。

3. 家庭裁判所の検認手続きが不要

自筆証書遺言の場合、相続が発生した後に家庭裁判所での「検認」手続きが必要となり、1か月から数か月の期間を要します。公正証書遺言であればこの検認手続きが一切不要で、相続発生後すぐに手続きを進めることができます。

4. 作成時に判断能力が確認される

作成時に公証人が遺言者の意思能力を確認するため、後日「遺言を書いた当時、本人は認知症で意思能力がなかったはずだ」といった相続人からの無効主張を退ける強力な証拠力を持ちます。

さらに、遺言執行者の指定や、相続人への遺留分侵害額請求への配慮など、より詳細な内容を盛り込むことも可能です。このように、自筆証書遺言に比べて安全性が高く確実な遺言方法であり、遺言者とその家族にとって安心できる選択肢と言えるでしょう。

そもそも遺言書とは

遺言とは、人が生前に残した意思表示を、その人の死後に法的な効力を持たせるための手段です。遺言者の死亡後は、原則として遺言書の内容にしたがった効力が発生します。

生前には周囲への気遣いからできなかったことでも、遺言書に記すことで実現できることがあります。故人の希望にしたがった財産分配ができるのも遺言書の大きなメリットです。そして、故人の死後に無用な相続争いが起こることを事前に予防する手段としても、遺言書の存在は非常に大きいと言えるでしょう。

ポイント 遺言書は、生前の本人の意思表示に法的効力を持たせるという大きな力を持っています。その力を活用するためにも、遺言についての基本的な知識を押さえた上で、より充実した遺言書を作成することが重要です。

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い

遺言書を作成するにあたり、一般的に比較検討されるのが「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の二つの方式です。主な違いは、作成に関わる専門家の有無保管場所検認手続きの要否にあります。

自筆証書遺言の特徴とリスク

自筆証書遺言は、遺言者が自らの手で遺言の全文・日付・氏名を書き、押印することで成立する最も簡便な遺言方式です。費用がかからず、他人に内容を知られることなく、自分のペースで作成できるという手軽さがあります。

しかし、この方式には以下のような重大なリスクが伴います。

形式不備による無効リスク

法律の専門知識を持たない遺言者が作成するため、日付の記載が「吉日」となっていたり、加除訂正の方式が民法の規定に沿っていなかったり、署名や押印が欠けていたりするだけで、法的に無効となるケースが後を絶ちません。また、「全財産を妻に任せる」といった曖昧な表現を使った結果、不動産の登記手続きや預貯金の解約を金融機関から拒否されることもあります。

保管上のリスク

自宅の金庫や仏壇などで保管されることが多く、災害による滅失や、本人の死亡後に相続人が遺言書の存在自体を知らないという事態が起こり得ます。さらに深刻なのは、遺言内容に不満を持つ一部の相続人による意図的な隠匿・破棄・改ざんのリスクです。

検認手続きの負担

自筆証書遺言を発見した相続人は、家庭裁判所での検認手続きを経なければなりません。この手続きには膨大な書類の収集が必要で、申し立てから実施まで1か月から数か月かかることもあり、その間は遺産分割・預貯金の解約・不動産の売却といった一切の手続きが凍結されます。

また、病気などで手が不自由になり自筆で書けなくなった場合には、そもそも自筆証書遺言を利用することができません。

自筆証書遺言の作り方について詳しくはこちら

自筆証書遺言書保管制度(法務局保管)

自筆証書遺言の弱点を補完する目的で、2020年(令和2年)7月より「自筆証書遺言書保管制度」がスタートしました。法務局(遺言書保管所)が公的に遺言書を保管する仕組みです。

法務局の担当官が形式的な要件(全文の自書・日付・氏名・押印の有無など)を確認するため、最低限の形式不備は防止できます。また、原本は法務局で厳重に保管されるため紛失・改ざんの心配がなく、検認手続きも免除されます。保管手数料は1件につき3,900円と低額です。

⚠ 法務局保管制度の注意点 法務局が行うのはあくまで外形的な「形式要件」のチェックのみです。遺言内容の法的な有効性(遺留分への配慮、財産の特定が正確か、法的解釈で揉める余地がないか等)についてのアドバイスは一切ありません。内容の不備による執行不能のリスクは残ります。

自筆証書遺言書保管制度の使い方について詳しくはこちら

各遺言方式の比較表

比較項目 自筆証書遺言
(自宅等保管)
自筆証書遺言
(法務局保管)
公正証書遺言
作成方法 全文(目録除く)、日付、氏名を自書し押印 全文(目録除く)、日付、氏名を自書し押印 遺言者の口述に基づき公証人が作成
費用の目安 実質無料 3,900円(保管手数料) 数万円〜十数万円以上(財産額に応じる)
証人の立ち会い 不要 不要 2名以上必要
保管場所 任意(自宅・貸金庫など) 法務局(遺言書保管所) 公証役場
紛失・改ざんリスク 極めて高い ない ない
無効になるリスク 高い(形式・実質双方) 低い(実質的要件の不備リスクは残る) 極めて低い
家庭裁判所の検認 必要 不要 不要
自書できない場合 作成不可 作成不可 公証人の筆記により作成可能

自筆証書遺言のルールに不安がある場合や、複雑な家族関係(前妻との子がいる、特定の子に多く残したい等)があり将来の紛争を確実に防ぎたい場合には、専門家の関与のもとで作成される公正証書遺言が強く推奨されます。一方、財産構成がシンプルで費用を最小限に抑えたい場合には、法務局保管制度を活用した自筆証書遺言も有力な選択肢です。

公正証書遺言の作成手順

公正証書遺言は、自分で直接公証役場へ行く方法と、司法書士などの専門家に依頼する方法があります。ここでは自分で直接公証役場へ行く方法の流れを解説します。

第一段階:財産目録の作成と相続人・遺留分の確認

最初に、現在保有する財産を網羅的に洗い出し、「誰に」「どの財産を」「どのような割合で」承継させるかの原案を策定します。不動産・預貯金・有価証券・負債(借入金)も含めて正確に把握する必要があります。同時に、法定相続人を確定させます。

遺留分(いりゅうぶん)について

この段階で極めて重要となるのが「遺留分」という概念です。遺留分とは、一定の法定相続人に対して、遺言の内容にかかわらず法律上最低限保障されている遺産の取得割合を指します。特定の相続人や第三者に「全財産を譲る」と遺言しても、遺留分権利者は侵害された遺留分相当額の金銭を請求(遺留分侵害額請求)できます。

法定相続人の組み合わせ 全体の遺留分割合 各相続人の遺留分(例)
配偶者のみ 2分の1 配偶者:2分の1
配偶者と子 2分の1 配偶者:4分の1、子全員で:4分の1
子のみ 2分の1 子全員で:2分の1
直系尊属(父母等)のみ 3分の1 直系尊属全員で:3分の1
兄弟姉妹のみ なし なし
兄弟姉妹には遺留分がない 兄弟姉妹には遺留分が存在しないため、たとえば「長年介護をしてくれた妻に全財産を相続させる」という遺言を作成した場合、亡夫の兄弟姉妹から財産の分配を要求されることはありません。遺言作成時は、遺留分を事前に計算し、侵害しない範囲で分配するか、侵害額請求に備えて代償金となる生命保険を手配するなどの対策が、死後の紛争を防ぐ鍵となります。

第二段階:必要書類の収集

公正証書遺言を作成するためには、遺言者の身元や財産の裏付けとなる公的な証明書類を収集し、公証役場へ提出する必要があります。

必要書類 対象 取得先・費用目安 備考
印鑑登録証明書
(発行3ヶ月以内)
遺言者本人 市区町村役場(約300円) 顔写真付き身分証で代用可能な場合あり。当日は実印が必要
戸籍謄本
(発行3ヶ月以内)
遺言者本人 本籍地の市区町村(450円)
戸籍謄本等 相続人(財産を受け取る親族) 本籍地の市区町村(450円) 遺言者との続柄を証明するために必要
住民票 受遺者(法定相続人以外の人) 市区町村役場(約300円) 友人や内縁の妻などへ遺贈する場合に必要
登記事項証明書
(登記簿謄本)
不動産(土地・建物) 法務局(約600円) 正確な地番や家屋番号の特定に必須
固定資産税評価証明書
または納税通知書
不動産(土地・建物) 市区町村の税務課(約300円) 公証人手数料算定の基準額となる
通帳のコピー等 預貯金・有価証券等 各金融機関 金融機関名、支店名、口座番号が特定できる資料
戸籍の取り寄せについて 本籍地が遠方にある場合は郵送請求が必要で、取得まで1〜2週間程度かかることがあります。相続関係が複雑な場合には、改製原戸籍(750円)や除籍謄本(750円)の取得が必要になるケースもありますので、計画的に収集を進めましょう。

第三段階:公証役場への相談と面談

資料が揃ったら、最寄りの公証役場に連絡し、公証人との事前面談を予約します。面談では関係書類を持参し、「誰に何を相続させたいか」という希望を伝えます。公証人がその希望を法的に問題のない正確な文章(遺言原案)に仕上げていきます。

不動産の表記方法や、指定した相続人が遺言者より先に亡くなった場合に備えた「予備的遺言」の条項なども専門的見地から調整されます。通常、内容が確定するまでにメール・FAX・電話等で複数回のやり取りが発生します。

⚠ 公証役場はアドバイスをしてくれない 公証役場では遺言者の意思に基づく遺言書の作成はしてくれますが、「どのような内容にした方が良いか」等のアドバイスや、遺言の指定方法の違いによるメリット・デメリットの説明は基本的に行われません。そのため、事前に専門家へ相談しておくことが重要です。

第四段階:証人の選定と手配

公正証書遺言の作成には、法律で2名以上の証人の立ち会いが義務付けられています。証人は作成当日に同席し、公証人が正確に遺言を筆記しているかを確認する重要な役割を担います。

ただし、民法第974条の規定により、以下の者は証人になることができません。

  • 未成年者
  • 推定相続人(配偶者や子など)
  • 受遺者(遺言で財産を受け取る第三者)
  • 上記の配偶者および直系血族(親や子)
  • 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人

親族の多くが排除されるため、利害関係のない友人や知人に依頼することも考えられますが、遺言の内容というプライバシーを知られることへの抵抗から、依頼をためらうケースがほとんどです。

適当な証人が見つからない場合は、公証役場に相談して紹介してもらうことも可能です(証人1名につき10,000円前後の日当が必要)。司法書士等の専門家に依頼した場合は、基本的に証人も用意してくれるので心配ありません。

第五段階:作成当日の手続き

原案が確定し、作成日時の予約が完了したら、遺言者本人と証人2名が公証役場に出向きます。病気などで外出が困難な場合は、公証人が自宅・病院・介護施設へ出張して作成することも可能です。

1
本人確認と意思確認 遺言者が氏名と生年月日を伝え、公証人が運転免許証や印鑑証明書で本人確認を行います。同時に家族関係や遺言の意図について確認され、遺言能力の有無が判断されます。
2
遺言の口授(こうじゅ) 遺言者が証人2名の前で、遺言の内容を公証人に口頭で伝えます。病気等で発話が困難な場合は、筆談や通訳を介した手続きも法律で認められています。
3
読み聞かせと確認 公証人が公正証書の原本を読み上げ、遺言者と証人が、口授した内容と筆記された内容が一致しているか確認します。
4
署名と押印 遺言者が署名・実印で押印し、続いて証人2名が署名・認印で押印。最後に公証人が法定の方式に従って署名・職印を押すことで公正証書遺言が成立します。
※2025年10月1日以降は、公正証書の電子化に伴い、印鑑による押印に代わり「電子サイン」での手続きが原則となります。詳しくは「【2025年10月〜】公正証書がデジタル化へ」をご確認ください。
5
書類の交付と手数料の支払い 原本は公証役場で保管され、遺言者には「正本」と「謄本」が交付されます。公証人手数料を窓口で現金にて支払い、全手続きが完了します。

公正証書遺言の作成費用(公証人手数料)

公正証書遺言の作成にかかる「公証人手数料」は、公証人手数料令によって全国一律に定められています。どの公証役場で作成しても基準は同じです。

手数料の算定方式は独特で、遺産の全体額に対して一括で計算するのではなく、「各相続人・受遺者がそれぞれ受け取る財産の価額」ごとに個別に手数料を算出し、全員分を合算する方式です。

公証人手数料の算定テーブル

以下は、令和7年(2025年)10月1日施行の改正公証人手数料令に基づく手数料額です。

目的の価額(受け取る財産額) 手数料額
50万円以下 3,000円
50万円を超え100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 13,000円
500万円を超え1,000万円以下 20,000円
1,000万円を超え3,000万円以下 26,000円
3,000万円を超え5,000万円以下 33,000円
5,000万円を超え1億円以下 49,000円

財産額が1億円を超える場合は、超過額に応じて段階的に加算されます(1億〜3億円の部分は5,000万円ごとに15,000円、3億〜10億円は同13,000円、10億円超は同9,000円が加算)。

各種加算費用

加算項目 内容
遺言加算 財産総額が1億円以下の場合、基本手数料に13,000円が一律加算
出張加算
(病床執務)
公証人が病院・自宅等へ出張する場合、基本手数料が50%加算(1.5倍)。さらに日当(20,000円、4時間以内10,000円)と交通費実費が別途必要
正本・謄本の
交付手数料
【書面の場合】1枚につき300円
【電子データの場合】1件につき2,500円

手数料のシミュレーション例

計算例:財産総額1億7,000万円の場合 妻に1億円、長男に4,000万円、次男に3,000万円を相続させる場合

・妻の受取分(1億円)→ 49,000円
・長男の受取分(4,000万円)→ 33,000円
・次男の受取分(3,000万円)→ 26,000円
・合計:108,000円

※財産総額が1億円を超えているため遺言加算(13,000円)は不適用。これに正本・謄本の交付費用等を加えた金額が最終的な支払い総額となります。

※実際の手数料については公証役場の正確な計算となりますので、上記とは異なる場合があります。詳しくは公証役場への確認が必要となります。

【2025年10月〜】公正証書がデジタル化へ

これまで紙で作成されるのが当たり前だった公正証書ですが、2025年(令和7年)10月1日以降は、原則として電子データで作成・保存されることになります。公正証書遺言も例外ではなく、作成方法や受け取り方が大きく変わります。

補足 保証意思宣明公正証書など、法律上紙での作成が必要な一部の手続きは引き続き紙で作成されます。また、デジタル環境に不慣れな方など、電子データでの作成が困難な場合にも対応が可能です。

印鑑不要!「電子サイン」の導入

ペーパーレス化に伴い、これまでの印鑑による署名・押印は不要となります。代わりに、タッチパネルやペンタブレット上でタッチペンを使って手書きする「電子サイン」を行うだけで手続きが完了するようになります。いわゆる「脱ハンコ」の流れが公正証書にも及ぶことになります。

証書の受け取り方法は3パターン

完成した電子データの公正証書(正本など)は、ご自身の環境に合わせて以下の3つの方法から受け取り方を選ぶことができます。

受取方法 内容 注意点
ダウンロード メールで届くクラウドURLからデータを直接ダウンロード セキュリティ上、アクセスできる回数は2回まで。ダウンロード後は必ず端末に保存してください
USBメモリ 自前のUSBメモリ等にデータを入れて受け取り USBメモリ等の記録媒体はご自身でご用意ください
紙(従来通り) 電子データを印刷した書面として受け取り これまで通りの方法で受け取ることも可能です

発行・交付の手数料

デジタル化に伴い、証書データの発行・交付にかかる手数料も新たに定められました。

交付形式 手数料
電子データでの発行・交付 1通につき2,500円
紙の書面での発行・交付 用紙1枚あたり300円

Web会議によるリモート作成が可能に

電子データでの作成を前提として、公証役場へ直接出向かなくても手続きができる「ウェブ会議(リモート方式)」も利用可能になります。

パソコン(Microsoft Teams)とWebカメラ、タッチペン等の必要機器が揃っており、公証人がリモートでの本人確認・意思確認が可能と認めれば、自宅やオフィスからでも公正証書の作成手続きを行うことができます。

電子化のメリットまとめ 公正証書の電子化により、「脱ハンコ」「公証役場への訪問不要(リモート化)」「データでの受け取り」といったメリットが生まれ、よりスムーズで現代的な手続きへと変わります。ただし、遺言の内容を法的に万全なものにするためには、引き続き司法書士等の専門家のサポートが重要です。

公正証書遺言を司法書士に依頼する意義

公正証書遺言の作成は自分で行うことも可能ですが、必要書類の収集にかかる労力、公証人との専門的な文案調整、証人の手配といったハードルの高さから、司法書士など法律の専門家にサポートを依頼するのが一般的です。

司法書士が関与するメリット

確実な法的効力と紛争予防

司法書士は、単に希望を文章化するだけでなく、将来の遺産分割協議の難航や遺留分侵害額請求トラブルのリスクを多角的に予測します。付言事項(法的効力はないが家族への思いを記すメッセージ)の活用や予備的条項の組み込みなど、紛争を防ぐための高度なアドバイスを提供します。

煩雑な手続きの全面代行

遠方の役所からの戸籍謄本の取り寄せ、登記事項証明書・固定資産税評価証明書の取得など、平日日中に役所へ出向く必要がある書類収集を包括的に代行します。遺言者の時間的・身体的負担は劇的に軽減されます。

証人の手配と守秘義務の遵守

必須となる証人2名について、司法書士自身やその事務所スタッフが守秘義務を厳格に遵守した上で務めるのが一般的です。遺言内容が外部に漏洩する心配がなく、証人探しのストレスから解放されます。

遺言執行者への就任

遺言者の死亡後に、預貯金の解約・払い戻しや不動産の名義変更など、遺言内容を具体的に実現する手続きを行う権限を持つのが「遺言執行者」です。遺言書の中で司法書士を遺言執行者に指定しておけば、残された家族は煩雑な手続きから解放され、第三者である専門家が中立的かつ迅速に遺産を分配することが可能です。

遺言執行者がいると安心な理由 遺言執行者なしに相続人全員で遺言を執行しようとした場合、一人でも非協力的な相続人がいると手続きがストップしてしまいます。遺言執行者がいれば、執行に関する全権限を持っているため、遺言書の内容を確実に実現できます。

遺言執行者について詳しくはこちら

専門家ごとの費用相場と特徴

専門家の種類 遺言書作成サポート
報酬相場
遺言執行報酬の相場 特徴
司法書士 10万円〜20万円程度 遺産総額の1〜3%程度 不動産登記の独占業務資格を持つ。遺言作成から死後の相続登記まで一貫して対応可能。費用対効果に優れる。
弁護士 20万円〜50万円以上 遺産総額の1〜3%+着手金等 既に深刻な対立がある場合や、訴訟・調停に発展しそうな事案に強みを持つ。
行政書士 5万円〜20万円程度 事務所により異なる 報酬は比較的安価だが、死後の不動産の相続登記などは対応が不慣れ。

専門家に依頼した場合、基本報酬に加えて、必要書類の取得実費(数千円~10,000円程度)などの実費も必要です。

当センターの遺言書作成サポートの費用案内はこちら

司法書士に依頼した場合の作成の流れ

司法書士に依頼した場合の公正証書遺言書作成の流れは、大きく3つの段階に分かれます。

1
事前準備 誰に何を相続させるかを具体的に考え、相続人や財産の情報を整理します。財産目録の作成、実印・印鑑証明書・本人確認書類の準備を行います。この段階から司法書士のサポートを受けることも可能です。
2
司法書士との打ち合わせ 遺言者の意向を丁寧にヒアリングし、法的な問題がないか、遺留分を侵害していないか等を確認。必要に応じて代替案やメリット・デメリットを提案し、納得できるまで修正を重ねます。必要書類の収集も司法書士が代行します。
3
公証役場で遺言書作成 司法書士が公証人と事前に内容を調整した上で、遺言者が公証役場に出頭。公証人の面前で遺言内容を確認し、署名・押印します。証人2名は司法書士や事務所スタッフが対応するのが一般的です。完成後、原本は公証役場に保管され、正本・謄本が交付されます。
公正証書遺言作成の流れイメージ

2024年相続登記義務化と公正証書遺言の関係

公正証書遺言の作成において特に司法書士が選ばれる最大の理由は、不動産登記に関する高度かつ独占的な専門性を有している点にあります。

相続登記の義務化とは

2024年(令和6年)4月1日より、これまで任意だった不動産の「相続登記(名義変更)」が法律によって完全に義務化されました。この改正の背景には、所有者が亡くなった後も登記が放置され、真の所有者が不明になる「所有者不明土地問題」があります。

改正法により、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記の申請が必要で、正当な理由なく怠った場合には10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記を放置するリスク

過料以上に深刻なのが、登記放置による実務上のリスクです。

  • 名義変更をしなければ、その不動産を売却も担保に入れることも一切できない
  • 「数次相続」が発生し、法定相続人が数十人にまで膨れ上がる可能性がある
  • 全相続人を探し出し、全員の実印・印鑑証明書が必要になる
  • 一人でも認知症・行方不明・協力拒否の場合、手続きが完全に停止する
  • 最終的に家庭裁判所での調停が必要になり、解決まで数年・莫大な費用がかかる

公正証書遺言があれば相続登記が劇的に簡単に

こうした事態を防ぎ、義務化された相続登記をスムーズに完了させる最善策が、公正証書遺言の作成です。

司法書士は、法務局での登記申請が一発で受理されるよう正確な文言を遺言書に反映させます。たとえば、法定相続人に不動産を承継させる場合は「遺贈する」ではなく「相続させる」という文言を用いる必要があります。「遺贈する」とした場合、登記手続きで他の相続人の協力が必要になるなどの不利益が生じ得ます。

公正証書遺言による相続登記のメリット 「この不動産は長男に相続させる」という法的に正確な公正証書遺言があれば、遺言者の死亡後、長男は他の相続人の実印や印鑑証明書を一切集めることなく、遺言書と最低限の戸籍謄本類だけで、単独かつ速やかに相続登記を完了できます。

司法書士に遺言の作成段階から関与を依頼することは、将来の「出口(不動産の名義変更)」を見据えた一貫したワンストップサポートを確保することを意味し、残される家族への最大の配慮となります。

遺言書がある場合の相続登記の必要書類について、詳しくは以下のページをご覧ください。

遺言書がある場合の相続登記の必要書類

公正証書遺言に関するよくある質問

公正証書遺言は誰でも作れますか?
原則として15歳以上で意思能力を有する方であれば誰でも作成できます。ただし、認知症などで判断能力がない状態の場合は作成できません。成年被後見人の場合は、医師の診断を受け、意思能力が回復していることの確認が必要です。軽度の認知症等で判断能力に波がある場合でも、公証人が医師の診断書や事前面談を通じて「作成時点で遺言能力がある」と判断すれば作成可能です。
公正証書遺言に有効期限はありますか?
法的に有効に成立した遺言書に「有効期限」は存在しません。作成から10年・20年以上経過しても、遺言者が亡くなった時点から効力が発生します。また、公証役場での原本の保存期間は規則上「20年間」とされていますが、実務上は半永久的に保存されているケースがほとんどです。
遺言書の内容を変更・書き直しできますか?
いつでも自由に遺言を撤回し、新しい遺言書を作成して書き直すことができます。複数回作成した場合、内容が矛盾する部分は「新しい遺言書が古い遺言書を撤回した」ものとみなされ、常に最新の遺言書が優先されます。なお、公正証書遺言を撤回するために再度公正証書を作成する必要はなく、形式要件を満たした自筆証書遺言で撤回することも法的には可能です。
家族に内緒で作成できますか?
可能です。公正証書遺言を作成した事実や内容は、遺言者の生存中、公証人・証人・依頼した専門家以外に知られることはありません。これらの関係者には法律上・職務上の厳格な守秘義務があり、推定相続人等からの照会にも一切回答されません。
公正証書遺言はどこで作成できますか?
全国各地の公証役場で作成できます。事前に連絡して予約を取ると良いでしょう。高齢や病気で公証役場に出向くのが難しい場合は、出張サービスを受けることも可能です。公証役場の所在地は、日本公証人連合会のホームページで確認できます。
公証役場一覧|日本公証人連合会
公正証書遺言はどのように保管されますか?
原本が公証役場に保管され、さらに電磁的記録化されて二重保存されます。遺言者には作成時に「正本」と「謄本」が交付されます。遺言者の死亡後、相続人は公証役場に謄本等を請求することができます。
公正証書遺言は絶対に無効にならないのですか?
公証人が作成するため形式不備で無効になるリスクは非常に低いですが、絶対に無効にならないわけではありません。遺言者の意思能力が欠如していた場合や、遺言内容が法律に違反する場合などは無効となる可能性があります。リスクを最小限に抑えるためにも、専門家のサポートを受けて作成することが重要です。
遺言内容に異議を唱えられたらどうなりますか?
遺言内容に異議がある場合、相続人は家庭裁判所に遺言無効確認訴訟や遺留分侵害額請求訴訟を提起できます。遺言が無効と判断されればなかったものとして扱われ、遺留分侵害が認められれば侵害額の支払い義務が生じます。こうした場合は弁護士に相談し、適切な対応をとることが重要です。
証人は誰がなれますか?
未成年者、推定相続人、受遺者、およびこれらの配偶者や直系血族は証人になれません。司法書士等の専門家に依頼すれば、基本的に証人も用意してもらえます。証人が見つからない場合、公証役場で紹介を受けることも可能です。

まとめ

公正証書遺言は、遺言者にとって最も安全で確実な遺言方法です。専門家である公証人が作成に関わるため形式不備のリスクは極めて低く、原本は公証役場に保管されるため紛失や改ざんの心配もありません。家庭裁判所の検認手続きも不要で、相続発生後すぐに手続きを進めることができます。

作成には公証人手数料や証人の手配といった一定の費用が伴いますが、相続開始後の紛争予防効果、検認手続きの免除、そして2024年に義務化された相続登記への速やかな移行を考慮すれば、その事前投資の価値は計り知れません。

特に遺産に不動産が含まれている場合や、将来の家族関係に配慮が必要な場合には、遺言作成から死後の相続登記まで一貫して対応できる相続登記の専門家である司法書士への相談が合理的かつ有効です。

遺言書の作成は、単なる財産の分配手続きではなく、残される家族が余計な手続きや争いに巻き込まれることなく前を向いて歩んでいけるための道標です。ご自身の状況や財産背景を踏まえ、公正証書遺言の活用と専門家の支援を検討されることをおすすめいたします。

この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Plan・manegyへの寄稿実績あり。

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