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代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら)
準確定申告とは、亡くなった方(被相続人)の所得税の確定申告を相続人が代わりに行う特別な手続きです。通常、所得税の確定申告は毎年1月1日から12月31日までの所得を計算し、翌年2月16日から3月15日までの間に本人が申告・納税を行います。しかし、年の途中で納税者が亡くなった場合は、1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わりに申告しなければなりません。
準確定申告が通常の確定申告と大きく異なる点は、申告期限と申告者です。通常の確定申告は翌年3月15日までが期限ですが、準確定申告では「相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内」と定められています。一般的には死亡日が相続開始日となるため、死亡日の翌日から4ヶ月後が期限になります。例えば、6月10日に亡くなった場合、その年の準確定申告期限は10月10日となります(休日の場合は翌開庁日)。
また、申告者についても違いがあります。通常の確定申告は本人が行いますが、準確定申告では相続人全員が連署で申告書を提出するのが原則です。これにより故人の税務手続きを完了させることになります。
準確定申告が必要かどうかは、被相続人の生前の収入状況によって決まります。基本的には、被相続人が生前に確定申告を要する立場だった場合は、死亡後に準確定申告が必要となる可能性が高いです。
以下のようなケースに該当する場合は、準確定申告が必要となります。
※生命保険金は非課税枠内なら相続税の対象ですが、課税対象になる契約形態の場合には所得税申告が必要になるケースがあります。
逆に、以下のようなケースでは法的には準確定申告は不要となります。
ただし、「申告不要」=「申告してはいけない」ではありません。法律上の義務がない場合でも、以下のような場合には準確定申告を行うことで税金が還付される可能性があります。
まとまった還付金が見込まれるなら、義務がなくても準確定申告を検討すべきでしょう。
準確定申告は、被相続人の所得に関する申告を相続人が行う手続きです。申告義務者は相続人となり、原則として相続人全員が連名で準確定申告書を提出します。
相続人が複数いる場合、一つの申告書に全員が署名(連署)して提出する形が一般的です。こうすることで、故人の所得税について相続人全員が共同で納税の責任を果たすことになります。
相続人が多数いて全員の署名をもらうのが難しい場合などには、各相続人がそれぞれ申告書を提出する方法も認められています。ただし、この場合でも申告書に他の相続人全員の氏名を付記し、提出した相続人は他の相続人にその内容を通知する義務があります。つまり、形式上は別々に提出できますが、全員が内容を共有する必要があるということです。
実務上は、相続人のうち誰が書類を作成するかを決めて代表して作業することが多いです。一人が代表で準確定申告書を作成し、他の相続人に内容を確認してもらったうえで連名提出する流れです。代表者が還付金を受け取る場合には、他の相続人から代表者への委任状が必要となります。
いずれの場合も、相続人間で十分に連絡を取り合い、申告漏れや重複がないようにすることが大切です。
準確定申告の申告期限は、通常の確定申告と異なり「相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内」と法律で定められています。多くの場合、被相続人が亡くなったことを相続人はすぐに知りますから、「死亡日の翌日から4ヶ月以内」と覚えておくとよいでしょう。
(※大半のケースでは、相続の開始があったことを知った日≒死亡を知った日なので、タイトルは分かりやすく死亡を知った日としております。)
例えば、6月10日に亡くなった場合は10月10日まで、10月1日に亡くなった場合は翌年2月1日までが申告期限となります(休日の場合は翌開庁日)。
注意すべき特別なケースとして、被相続人が年明けから確定申告期限(翌年3月15日)前の間に亡くなった場合があります。例えば1月から3月に亡くなった場合、その年の準確定申告だけでなく、前年(亡くなる前年分)の確定申告もまだ提出していなければ、2年分の申告が必要です。
この場合でも申告期限は相続の開始があったことを知った日から4ヶ月以内と定められており、前年分・当年分の両方をその期限内に行わねばなりません。短期間で2年分の申告書を用意する必要があるため、早めに準備を進めましょう。
※死亡日が1月から3月の場合、その年の所得は1月から3月分のみで少額であった場合など、実務上は申告不要となるケースもあります。
申告期限を過ぎてしまうと延滞税や無申告加算税といったペナルティが課される可能性があります。余計な税負担を避けるためにも、期限内の申告・納税を徹底しましょう。
どうしても期限内に正確な申告が間に合わない場合は、概算でも良いのでひとまず申告書を提出し、その後早期に修正申告する方法も検討すべきです。
提出先は、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署になります。準確定申告書は管轄の税務署へ、直接持参するか郵送で提出します。
近年では電子申告(e-Tax)にも対応しており、条件を満たせばオンラインで提出することも可能です。e-Taxで送信する場合、相続人等が複数いると個別に提出はできないため、代表相続人を定めて申告し、他の相続人がそれに同意したことを示す「準確定申告の確認書」という書類を添付する必要があります。紙で提出する場合でも、税務署提出書類への押印は原則不要です。
準確定申告には以下の書類が必要です。
被相続人の所得・控除・税額を計算した確定申告書本体です。様式は通常の確定申告書と同じですが、提出先などを被相続人の住所地の税務署長とするほか、相続人の連署欄があります。
相続人全員の氏名・住所・続柄・各人の取得した相続財産の割合などを記載する付表を添付します。国税庁から所定様式(「死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表」)が提供されています。
被相続人が給与所得者だった場合、勤務先が発行する源泉徴収票が必要です。年の途中で死亡した場合でも、会社が年末調整できなかった給与について源泉徴収票を発行します。また、公的年金受給者であれば、日本年金機構から年金の源泉徴収票が送られてきます。
生命保険料控除・地震保険料控除などの証明書や、社会保険料の控除証明書、配偶者控除・扶養控除のための続柄を証する書類(必要に応じて)等、被相続人が受けられる所得控除を証明する書類を用意します。たとえば生命保険料控除証明書(ハガキ)や地震保険料の控除証明ハガキなどです。亡くなった年の分について、遺品の中からこれら証明書類を探しておきましょう。
被相続人が死亡するまでに支払った医療費がある場合は、その領収書や医療費控除の明細書を用意します。医療費控除の判定は『10万円』又は『総所得金額等の5%』のいずれか少ない金額を超える部分が対象(上限200万円)です。準確定申告で対象となるのは死亡日までに故人が支払った医療費です。
被相続人本人のマイナンバー(個人番号)と相続人の本人確認書類(マイナンバーカード等)の写しも提出時に必要です(これは通常の確定申告と同様です)。
相続人以外の税理士等に申告業務を依頼する場合は税理士等への委任状が必要です。また、準確定申告によって還付金が発生し、それを相続人の代表者がまとめて受け取る場合には、他の相続人全員が署名した還付金受領に関する委任状を別途提出する必要があります。
上記書類を一式そろえ、相続人の連署を経て期限までに税務署へ提出します。提出後、申告内容に基づき計算された所得税を期限内に納付します。なお、提出書類の書き方について不明点がある場合は、国税庁の確定申告書記載例や税務署の相談窓口を活用すると良いでしょう。
準確定申告の第一歩は、被相続人の収入と支出を整理して、死亡日までの所得を正確に算出することです。具体的には、その年の1月1日から死亡日までに生じた各種所得(給与所得、事業所得、不動産所得、年金所得、譲渡所得など)の金額を把握し、それぞれ必要経費や控除額を差し引いて所得金額を計算します。
勤務先からの給与については、死亡時点までの給与支払額と源泉徴収された税額を確認します。会社から発行される源泉徴収票にこれらが記載されていますので、遺族は会社に申し出て受け取ります。
年の途中で退職(死亡)した場合、年末調整が行われていないため、源泉徴収票の「社会保険料等控除後の金額」に対して概算の所得税が源泉徴収されています。そのため、実際の所得税額との差額が生じていることが多く、これを清算するために準確定申告で再計算します。
自営業・フリーランスであった場合、死亡日までの売上と経費を集計し、暦年途中までの損益を確定させます。青色申告をしていた人であれば、帳簿や会計ソフトのデータを死亡日までで締める作業が必要です。減価償却費など年間通じて計上する経費は、死亡日までの期間按分で計算します。
なお、被相続人が消費税の課税事業者だった場合、消費税についても同様に死亡日までの期間で区切って消費税の準確定申告を行う必要があります(期限は所得税の準確定申告と同じく4ヶ月以内)。
賃貸物件を所有していた場合は、死亡日までの賃貸収入を集計し、その期間までの必要経費(減価償却費、管理費、固定資産税等)を計算します。途中で所有権が相続人に移った後の収入・費用は被相続人の所得には含めません(それ以降は相続人自身の所得となります)。
公的年金を受給していた場合、死亡日までに受け取った年金額を確認します。日本年金機構から年金支払額と源泉徴収税額が記載された通知(源泉徴収票)が発行されますので、それに基づき年金所得を計算します。
公的年金等控除額は年額ベースですが、死亡によって年金受給が途中で止まった場合でも、控除額は通常通り年間分を適用できます(特に月割で減額する必要はありません)。年金収入が400万円以下で他の所得が20万円以下の場合は申告不要となるケースもありますが、医療費控除などを受けるために申告することも考えられます。
亡くなった年に土地建物や株式等を売却していた場合、その譲渡所得も準確定申告で申告します。不動産や株式の売却益については、源泉徴収の有無や特例適用の有無を確認します。マイホームを売却した特別控除や株式の損益通算など、適用可能な制度があれば忘れず反映します。
生命保険金や満期保険金、懸賞当選金など一時所得に該当する収入があった場合も申告対象です。ただし、死亡により受け取った生命保険金は契約形態によっては所得税ではなく相続税の対象となる場合があります。所得税の対象となる一時所得がある場合は、50万円の特別控除を差し引いて計算します。
以上のように、死亡した年の途中までのあらゆる所得を漏れなく洗い出し、集計することが重要です。同時に、忘れずに把握したいのが源泉徴収税額です。給与や年金、証券会社での株式売却時などに既に源泉徴収された所得税額があれば、最終的な税額計算の際に差し引かれます。
これらを整理できたら、所得税の計算式に当てはめて被相続人の確定申告書(準確定申告)を作成していきます。
被相続人が生前に支払っていた各種の支出について、所得控除の適用可否を検討します。医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税等)、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除など、通常の確定申告で適用できる控除は基本的に準確定申告でも適用可能です。ただし、大切なポイントは「死亡日までに被相続人本人が支払ったもの」が対象になるという点です。
被相続人がその年の1月1日から死亡日までに支払った医療費が10万円(または所得金額の5%)を超える場合、医療費控除を適用できます。
注意すべき点は、死亡後に相続人が支払った被相続人の入院費や治療費です。例えば、亡くなった後に遺族が立て替えて支払った入院費用などは、被相続人の準確定申告では医療費控除の対象に含められません。あくまで亡くなった日までに本人が支出した医療費のみが対象です。
いずれも、被相続人が死亡日までに支払った保険料等が控除の対象です。例えば亡くなった年の健康保険や年金の保険料、生命保険や地震保険の当年分の保険料を生前に支払っていれば、その金額を控除できます。死亡後に口座から引き落とされたものについては、原則として対象外となる点に留意してください。
被相続人が死亡するまでに支出した寄附金(ふるさと納税や認定NPOへの寄附など)があれば、その金額も寄附金控除(もしくは税額控除)の対象となります。これも死亡後に遺族が代理でした寄附は含められません。
被相続人の資産が災害や盗難などで損害を受けていた場合、雑損控除の適用を検討します。例えば亡くなった年に火災で自宅が被害を受けて修繕費を支出していた等のケースです。
一方、配偶者控除や扶養控除といった人的控除(家族に対する控除)については、被相続人が死亡した日の現況により適用判定を行います。具体的には、その死亡日時点で被相続人に控除対象配偶者がいたか、控除対象扶養親族がいたかで判断します。
例えば死亡時点で収入の少ない配偶者が存命なら配偶者控除を適用できますし、扶養していた子がいれば扶養控除を適用できます。その際、月割計算はしません。つまり、亡くなった時点で条件を満たしていれば年間通じて控除があるものとして満額適用します。これは、年の途中で亡くなったからといって控除額を按分しないという意味です。たとえば扶養控除38万円は死亡月に関わらず38万円全額を控除できます。
以上のように、被相続人が本来受けられる控除はできるだけ適用漏れのないようにしましょう。ただし、準確定申告で適用できるのは被相続人本人の控除だけであり、その控除を相続人が引き継ぐといった概念はありません。
例えば被相続人が医療費控除しきれなかった分を相続人の医療費控除に回す、といったことはできません。また、被相続人が控除対象配偶者としていた妻を、夫の死亡後に子が自分の扶養控除に入れる場合などは各人の年末時点の状況で判断することになります。同一年内であっても二重に控除は取れませんので注意してください。
準確定申告によって算出された所得税額は、原則として相続人が納付します。納税期限も申告期限と同じく、相続の開始があったことを知った日から4ヶ月以内です。具体的な納税方法は、銀行やコンビニからの現金納付、振替納税、電子納税(e-Tax経由)など通常の所得税の納付手段と同様です。
納税に充てる資金については、相続で取得した財産(現金や預貯金)を充てて支払うことが可能です。もともと被相続人に帰属する税金ですから、その支払いは被相続人の財産から行うのが筋とも言えます。例えば、故人名義の預金口座の資金を一旦相続人名義に変更してから支払ったり、相続人が立て替えて納付し後で遺産分割で調整する、といった方法が取られます。
法的には、各相続人が法定相続分に応じて税額を負担する建前になっています。そのため準確定申告書付表には、各相続人が負担すべき税額や受け取る還付金の割合を記載する欄があります。実務上は代表の相続人がまとめて全額を納付し、相続人間で清算することも多いです。
また、相続税の申告が別途ある場合には、準確定申告で確定した所得税額を相続税の債務控除として扱うことも可能です。つまり、被相続人の債務として相続税計算上マイナスできるため、相続財産から所得税を支払っても相続税の面では二重負担になりません。
一方、準確定申告の結果が還付(税金が戻ってくる)となった場合は、相続人が還付金を受け取る権利を持ちます。還付金はもともと被相続人が納め過ぎていたお金であり、その請求権も被相続人に属していたと考えられるため、還付金自体は相続財産となります。相続人が受け取った還付金は、一旦被相続人の遺産として相続税の課税対象にもなる点に注意してください(もっとも、多くの場合還付金額は小さく相続税への影響は限定的でしょう)。
なお、還付金に対して支給される還付加算金(利息に相当するもの)は被相続人死亡後に発生する相続人固有の所得とみなされるため、相続税ではなく相続人の雑所得として課税されます。
亡くなった人に関係する税金として、所得税の準確定申告と相続税の申告の二つがあります。これらは混同しやすいですが、税目も計算内容も全く別の手続きであることを理解しておきましょう。
まず準確定申告は、これまで説明してきたように被相続人の生前の所得に対する所得税の精算です。対象となるのは給与・事業・年金など死亡日までの所得であり、言わば「亡くなった人の最後の所得税申告」です。
一方、相続税は被相続人から相続人へと引き継がれた財産に対して課される税です。現金・預金、不動産、有価証券、生命保険金、死亡退職金、さらには美術品等に至るまで、相続や遺贈によって取得した財産が課税対象となります。
両者は課税対象が異なるだけでなく、申告期限や計算方法、専門性など様々な点で違いがあります。
準確定申告は死亡から4ヶ月以内でしたが、相続税申告は死亡から10ヶ月以内が期限です(相続開始日翌日から10ヶ月以内)。準確定申告より長い猶予があります。
どちらも申告・納税するのは相続人ですが、対象となる財産や所得が違うため、準確定申告は相続人が「故人になり代わって」行う所得税申告、相続税は相続人自身の納税義務として行うものです。
準確定申告は被相続人の収入・経費から所得金額を計算し税率を当てはめるという所得税計算ですが、相続税は遺産総額から基礎控除等を引いた課税遺産額に一定の税率を掛け、各相続人の取得額に按分して負担するといった計算になります。相続税では財産評価(不動産評価や非上場株式評価など)や税額控除(配偶者控除や未成年控除等)も絡み、計算はかなり複雑です。
所得税の確定申告(準確定申告含む)は、会社員の方でも医療費控除などで経験することがありますが、相続税申告は一般の方には馴染みが薄く、取り扱う財産も多岐に渡るため専門的知識が要求されます。そのため、相続税申告は税理士の中でも特に相続専門の人に依頼するケースが多いです。
準確定申告と相続税申告はそれぞれ要否の基準が異なるため、両方必要なこともあれば片方だけのこともあります。主なパターンは以下の通りです。
被相続人の所得状況と遺産総額の両方が一定規模以上の場合です。
具体例:
自営業や不動産オーナーで財産も多い方が亡くなると、両方の申告が発生しやすいでしょう。
被相続人の所得状況から準確定申告は必要だが、遺産は少なく相続税の申告は不要な場合です。
具体例:
所得税の申告義務と相続税の課税対象額基準は別物なので、遺産が少なくても所得によって準確定申告だけ発生することがあり得ます。遺産に相続税がかからないからといって安心していると、所得税の申告を忘れてしまう恐れがあるため注意が必要です。
被相続人は確定申告不要な給与収入のみ(準確定申告は不要)だったが、遺産総額が多く相続税の申告が必要な場合です。
具体例:
この場合でも、準確定申告が不要だからといって手続きを怠って良いわけではなく、相続税の申告をきちんと10ヶ月以内に行う必要があります。準確定申告書の提出は不要でも、相続税について税務署から問い合わせが来る可能性はあります。
被相続人が確定申告不要な給与所得者または年金生活者で、かつ遺産総額も基礎控除以下で相続税もかからない場合です。
具体例:
このケースでは、準確定申告も相続税申告も法的には必要ありません。ただし、仮に医療費控除等で所得税の還付が受けられるなら、準確定申告をあえて行うメリットはあります。また、遺産総額が基礎控除以下でも税務署から相続税の申告要否について照会が来る場合があるため、必要に応じて「相続税申告不要」の届出等で対応することもあります。
相続が発生したら、まず被相続人の所得状況から準確定申告の必要性を判断し、次に遺産の内容・評価額から相続税申告の要否を確認しましょう。どちらも該当しないケースでは申告手続きは不要ですが、どちらか一方でも該当するなら忘れず対応することが大切です。
原則として相続人全員が連名で準確定申告を行いますが、実務上は代表者1人が書類を作成し、他の相続人が連署して同意する形が一般的です。代表者が申告書をまとめ、他の相続人に内容を共有・確認してもらい提出します。
税務署への提出は一人で行って構いませんが、他の相続人へ申告内容を必ず通知することが重要です。還付金を代表者が受領する場合は他の相続人全員の委任状が必要で、納税の場合は代表者がまとめて納付し後で清算しても問題ありません。
形式上は全員共同、実務上は代表者が取りまとめという進め方で差し支えありません。相続人間で十分話し合い、透明性をもって手続きを進めることが大切です。
確定申告書を提出した後で申告内容に誤りや漏れが見つかった場合、状況に応じて修正申告または更正の請求の手続きを行います。これは通常の確定申告と同様の対応です。
申告漏れの所得があった等で税額が不足していた場合は、判明した時点で修正申告を行います。修正申告には期限はありませんが、遅れるほど延滞税などが増えるため、気付いたら速やかに行うのが原則です。
本来控除できるものを入れ忘れて多く納税していた場合は、更正の請求という手続きによって税務署に払い過ぎた税金の還付を求めます。更正の請求ができる期間は、法定申告期限から5年以内と定められています。
期限内に申告できなかった場合は遅れてでも期限後申告を行い、納税が遅れた分の延滞税などを支払うことになります。税務署から指摘を受ける前に自主的に申告すれば、無申告加算税が軽減される場合もあります。
扶養控除や医療費控除といった所得控除を相続人が「引き継ぐ」ことはできません。所得控除はその人本人の所得税計算上でのみ適用されるものであり、被相続人の控除は準確定申告で、相続人の控除は相続人自身の申告で適用します。
例えば、被相続人の医療費控除を使い切れなかったとしても、それを相続人の医療費控除に回すことはできません。また、同じ扶養親族を被相続人と相続人の両方で二重に控除することもできません。所得控除は各納税者固有のものであり、他者に移転・承継する仕組みはないという点に注意しましょう。
申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内)を過ぎても、できるだけ早く申告・納税することが大切です。期限後申告は可能ですが、無申告加算税(通常15%、自主申告なら5%)と延滞税が日割りで課されます。これらのペナルティにより、支払う税額がかなり増えてしまうこともあります。還付申告の場合は5年以内なら可能で、罰則はありません。
重要なのは、申告が必要なケースで期限を過ぎたまま放置しないことです。税務署に指摘されると無申告加算税がさらに高率になる可能性もあります。万一間に合わなかった場合でも一日でも早く申告・納税しましょう。事前に分かっている場合は税務署に相談すればアドバイスをもらえることもあります。
はい、準確定申告は電子申告(e-Tax)に対応しています。令和2年以降、相続人代表者が自宅のパソコンからオンラインで申告できるようになりました。
ただし、相続人が2人以上いる場合は、他の相続人の同意を得たことを示す「準確定申告の確認書」を作成し、PDF化して添付送信する必要があります。また、還付金を代表者が受け取る場合の委任状も同様にPDF添付が必要です。
電子申告には、マイナンバーカードやICカードリーダライタなど、通常の確定申告と同じ準備が必要です。一度環境を整えれば、添付書類もPDF送信できるので非常に便利です。
ケースによります。「年間の公的年金収入が400万円以下」で他に所得がない場合は準確定申告不要です。したがって、年金額がそれほど多くなく、他に収入源がなければ法定上は申告不要です。
ただし、医療費が多かった場合などは還付申告をすることで源泉徴収された所得税の一部が戻る可能性があるため、あえて申告するメリットがあるケースもあります。
一方、公的年金収入が年間400万円を超えていた場合や、年金以外の所得が20万円超あった場合は準確定申告が必要です。年金額と他所得の有無で判断されます。判断に迷う場合は税務署や税理士に相談すると確実です。
準確定申告をしなかったこと自体が、相続登記(不動産の名義変更)を直ちに妨げることはありません。相続登記は法務局で行う手続きであり、必要となるのは戸籍謄本や遺産分割協議書など相続関係を証明する書類です。税務署への申告状況は相続登記の要件には含まれていないため、準確定申告をしていなくても登記申請自体は可能です。
しかし、だからといって準確定申告を放置してよいわけではありません。税務上の義務があるのに申告を怠れば、後で税務署から督促状や問い合わせが来る可能性があります。極端な場合、納税すべき所得税額が大きいのに未納のままだと、税務署が相続財産(不動産など)に対して差押え等の措置を取るリスクもあります。また、準確定申告を行っていないことが相続人間の不信感やトラブルにつながるケースも考えられます。
結論として、形式的には準確定申告未了でも相続登記は可能ですが、税務リスクや相続人間のトラブル防止のため申告はしっかり行うべきです。専門家(司法書士や税理士)に相談しながら進めると安心です。
準確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場は、被相続人の所得状況や申告内容の複雑さによって異なりますが、所得金額も少なく副業程度であれば一般的には5万円から10万円程度が目安と言われ、その他、通常の個人の申告となると少なくとも10万円以上はかかるかと思われます。
あくまで一般的な目安です。事業所得や不動産所得、譲渡所得の申告がある場合はさらに費用がかかります。青色申告決算や減価償却など専門的な計算が必要になると、報酬も高めになる傾向です。内容によって大きく変動するため、必ず個別に見積もりを取ることが重要です。
なお、相続税申告も合わせて依頼する場合、税理士事務所によっては準確定申告分の料金を割引してくれることもあります。依頼前に見積もりを取って、準確定申告分の費用も確認すると良いでしょう。
依頼してから完了までの期間は、資料が揃っていれば1週間から数週間程度で申告書を作成してもらえることが多いです。期限の4ヶ月以内に間に合うよう早めに依頼するのが鉄則です。税理士に依頼するメリットは、ミスなく迅速に対応してもらえることと、相続税申告も必要な場合にトータルでサポートしてもらえる点です。
相続発生後は、税務手続き(準確定申告・相続税)だけでなく、不動産の相続登記や遺産分割協議など法務手続きも並行して行う必要があります。司法書士に相談・依頼することで、これらの幅広い手続きをスムーズに進めることができます。
多くの司法書士事務所は税理士と提携しているため、窓口一つで税務手続きと登記手続きの両方を依頼でき、相続人が複数の専門家と個別にやり取りする手間が省けます。また、遺産分割協議書の作成や相続人間の調整もサポートし、準確定申告(4ヶ月以内)、相続税申告(10ヶ月以内)、相続登記など複数の期限を適切に管理してくれます。
司法書士に相談することで、相続手続き全体を見据えた適切なアドバイスを受けられ、安心して手続きを進めることができます。
司法書士は相続登記(不動産の名義変更)の専門家ですが、相続全般の手続きにも精通しています。司法書士事務所によっては「遺産整理業務」として相続手続き一式を代行するサービスを提供しており、税務と登記の手続きを一体的に進める体制が整っています。
例えば、相続登記のために戸籍謄本や固定資産評価証明書などを司法書士が集める際、それらはそのまま相続税申告にも使える書類です。司法書士が少し手間を加えるだけで税理士に引き継ぐ資料がすべて揃うので、税理士側でも処理がスムーズです。
また、司法書士事務所が提携の税理士連携していることも多く、登記の依頼をすればそのまま信頼できる税理士を紹介してもらえます。ワンストップで相続登記と税務申告を進められるため、依頼者自身が別々に専門家を探す手間も省けます。
司法書士に相談すれば、登記と税務が密接に連携したスムーズな手続きが期待でき、特に相続税申告も必要な場合、書類の共有やスケジュール調整が円滑に行われ、期限に追われる心配も減ります。
相続手続きでは、相続人全員の合意形成と正式な書類作成が不可欠です。遺産分割協議書の作成や署名押印、戸籍による相続人確定作業など、法律面の手続きを怠ると、後々相続人同士のトラブルにつながりかねません。
司法書士に依頼すれば、こうした法的書類をプロの目線で適切に整備してもらえます。まず戸籍を洗い出して相続人を確定し、法定相続分を踏まえた上で遺産分割協議書を作成します。司法書士は法に則った抜け漏れのない協議書を作成してくれるため、後で「聞いていない財産があった」「書き方に不備があった」などの紛争を防ぐことができます。
さらに、司法書士は相続登記申請代理の専門家ですから、不動産について相続人間で揉めないよう事前調整もしっかり行います。登記簿上の持分をどうするかもアドバイスしてくれます。金融資産の名義変更や解約についても、司法書士ネットワークで行政書士等と連携し、スムーズに進めてくれる事務所もあります。
このように、司法書士を介在させることで相続人同士が直接やりとりして感情的になる場面を減らし、必要な法律手続きを漏れなく進められます。結果として、相続人間のトラブル防止につながります。特に、相続人に高齢者がいたり遠方在住者がいる場合、司法書士が調整役となってくれると安心です。
不動産名義変更・相続登記の手続きの詳細(費用、書類、期間、義務等)は以下をご参照ください。
不動産の名義変更や、相続登記、生前贈与、離婚(財産分与)、売買等に関する手続きについて、ご不明な点やご相談などございましたら、電話・相談フォーム・LINE等よりお気軽にお問合せください。
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