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自動車の相続手続き|必要書類から名義変更まで(不動産相続と同時に進めるコツ)


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2025年9月30日
 

自動車は相続全体の一部に過ぎません

ご家族が亡くなられた後、悲しみに暮れる間もなく、数多くの行政手続きや法的手続きに直面し、大きな負担を感じていらっしゃることと思います。

本記事では、故人が遺した自動車の相続手続きについて、必要書類の準備から名義変更の具体的な手順、税金の問題まで、あらゆる側面を網羅的かつ分かりやすく解説します。ただし最も重要なのは、自動車の相続は、不動産(土地・家)、預貯金、株式といったより大きな財産全体の相続手続きの一部であるという点です。

特に不動産相続が発生する場合、当センターは遺産相続全体のコーディネーターとして、法的に有効な書類作成から登記申請まで一貫してサポートいたします。この記事を通じて、自動車という身近な財産を入口に相続手続き全体の流れを理解し、他の遺産相続と並行して効率的に進めるための戦略的な視点を得ていただければ幸いです。

※当センター代表の板垣は、行政書士登録もしております。自動車の名義変更などの行政書士業務も対応が可能です。

運輸支局へ行く前にやるべきこと

自動車の名義変更手続きは、運輸支局の窓口で書類を提出するだけでは完結しません。その前段階として、法的に重要な確認事項や相続人間での合意形成が不可欠です。この準備を怠ると、手続きが滞るだけでなく、後々のトラブルの原因となる可能性があります。

スムーズな相続を実現するためには、事前の丁寧な準備と相続人全員の合意が何より重要なのです。

名義変更・移転登録の必要性(なぜ放置してはいけないのか)

自動車の所有者が亡くなった場合、その名義を相続人へ変更する手続きが法律上求められています。この手続きは正式には「移転登録」と呼ばれ、道路運送車両法第13条により、相続などの事由があった日から15日以内に申請しなければならないと定められています。

この手続きを怠ると、期限超過以上の深刻なデメリット・リスクが生じます。

  • 法的な処分が不可能に
    故人名義のままでは、自動車の売却、譲渡、廃車といった法的な処分が一切できません
  • 保険適用のリスク
    万が一事故を起こした場合、任意保険が適用されず自賠責保険の範囲しか補償されない可能性があり、高額な損害賠償を自己負担するリスクを負います
  • 法的な罰則
    15日以内の手続きを怠った場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります
    ※ただし、この法律上の期限を相続手続きにそのまま適用することは現実的ではなく、相続による名義変更には法的な期限や罰則はないと解されています
  • 行政上の問題
    自動車税の納税通知書が故人の住所に送付され続けるなど、行政手続き上の混乱が生じます

これらのリスクを回避するためにも、速やかな名義変更手続きが不可欠です。

誰が相続するかを決める(遺産分割協議書の重要な役割)

自動車の法的な所有者が故人本人であることが確認できたら、次に「誰がその自動車を相続するのか」を正式に決定する必要があります。決定方法は主に二つです。

相続人の決定方法:

  • 遺言書がある場合:故人が作成した法的に有効な遺言書に自動車を相続する人が指定されていれば、原則としてその内容に従います。公正証書遺言であればそのまま手続きに使用できますが、自筆証書遺言などの場合は、家庭裁判所による「検認」という手続きが必要になることがあります。
  • 遺言書がない場合:法定相続人全員で話し合い(遺産分割協議)を行い、誰が自動車を相続するのかを合意の上で決定します。この合意内容を法的な書面としてまとめたものが「遺産分割協議書」です。

ここで極めて重要なのは、遺産分割協議書が相続全体を規定するマスタープランであるという点です。優れた遺産分割協議書は、自動車1台のためだけに作成されるものではありません。不動産、預貯金、株式、その他の全財産について、「誰が」「何を」「どのように」相続するのかを明記し、相続人全員が署名・実印を押印することで、相続全体に関する法的な合意を一度に確定させることができます。

なお、法律上は自動車を相続人全員の「共有名義」にすることも可能ですが、将来的な売却や廃車手続きの際に全員の同意と書類が必要になるなど、非常に手間がかかるため、特別な事情がない限り避けるべきです。

自動車の価値を評価する(手続きと税金の両方に関わる重要ステップ)

自動車の価値(評価額)を把握することは、二つの側面で重要です。

1. 手続きの簡略化のため

相続する自動車の時価が100万円以下である場合、名義変更手続きにおいて、正式な「遺産分割協議書」の代わりに「遺産分割協議成立申立書」という簡易的な書類を使用できます。この申立書を利用するには、自動車の価値が100万円以下であることを証明する査定証(査定書)の添付が必須です。

2. 相続税の計算のため

自動車も課税対象となる相続財産の一つです。その評価額を他のすべての財産(不動産、預貯金など)と合算し、遺産総額を算出します。この総額が基礎控除額を超える場合に、相続税の申告・納税が必要となります。

自動車の評価方法:

  • 中古車情報サイトなどで同車種・同年式の買取相場を調べ、概算を把握する
  • ディーラーや中古車買取業者に依頼し、正式な「査定書」を発行してもらう(相続税申告や簡易手続きで必要)
  • 市場に流通していない特殊な車両の場合、新品価格からの減価償却によって評価額を算出する

このように、手続きに入る前の準備段階こそが、相続全体の成否を分ける鍵となります。特に遺産分割協議書の作成は、自動車だけでなく不動産を含むすべての財産承継の根幹をなす法的手続きであり、専門家の知識が最も活かされる領域です。

名義変更(移転登録)手続きの完全ガイド

事前準備が整ったら、いよいよ行政窓口での名義変更手続きに進みます。

ただし、手続きは「普通自動車」と「軽自動車」で大きく異なるため、注意が必要です。この違いを最初に理解することが、スムーズな手続きへの第一歩です。

 一目でわかる普通自動車と軽自動車の違い

相続手続きにおける普通自動車と軽自動車の主な違いは、手続きを行う場所、必要書類の複雑さ、そして費用です。以下の表でその概要を確認してください。

 

項目

普通自動車

軽自動車

手続き名

移転登録

自動車検査証記入申請

手続き場所

使用の本拠の位置』を管轄する運輸支局(自動車検査登録事務所)

新所有者の住所を管轄する軽自動車検査協会  

主要な法的書類

遺産分割協議書(または遺言書)が原則必要  

原則不要で、手続きが簡素化されている  

必要な印鑑

新所有者の実印が必要  

認印で手続き可能  

車庫証明

保管場所が変わる場合は必要  

一部の市区町村を除き原則不要(届出が必要な地域あり)  

費用

登録手数料500円+その他実費  

ナンバープレート変更がなければ原則無料  

この違いの背景には、法的な資産価値の捉え方の差があります。普通自動車は不動産に近い「登録財産」として扱われ、相続人全員の合意を証明する厳格な書類(遺産分割協議書)が求められます。一方、軽自動車は動産としての側面が強く、手続きの負担が軽減されています。

ステップ・バイ・ステップ(普通自動車の相続手続き)

普通自動車の名義変更は、以下の手順で進めます。

  1. 必要書類の準備
    第3章で解説するチェックリストを参考に、すべての書類を漏れなく揃えます。
  2. 車庫証明書の取得
    新しい所有者の「使用の本拠の位置」(主に住所)が故人と異なる場合、新たな保管場所を管轄する警察署で「自動車保管場所証明書(車庫証明書)」を取得します。申請から交付まで3日~1週間程度かかるため、早めに手続きを開始しましょう。ただし、故人と同居しており、保管場所に変更がない場合は不要です。
  3. 運輸支局へ
    使用の本拠の位置』を管轄する運輸支局(自動車検査登録事務所)へ向かいます。もし管轄が変更になる場合(例:東京ナンバーの車を大阪在住の相続人が引き継ぐ)、新しいナンバープレートの交付と封印が必要になるため、自動車そのものを持ち込む必要があります。
  4. 窓口で申請書類を入手・記入
    運輸支局の窓口で「申請書(OCRシート第1号様式)」「手数料納付書」「自動車税(環境性能割・種別割)申告書」を入手し、記入します。
  5. 手数料の支払い
    運輸支局内の印紙販売窓口で500円分の検査登録印紙を購入し、手数料納付書に貼り付けます。
  6. 書類の提出と交付
    準備したすべての書類を窓口に提出します。書類に不備がなければ、30分~1時間程度で新しい所有者名義の車検証が交付されます。
  7. ナンバープレートの交換(該当する場合)
    管轄が変更になった場合は、古いナンバープレートを返却し、新しいナンバープレートの交付を受けます。その後、係員が車体後部のナンバープレートに「封印」を取り付けて、すべての手続きが完了します。

評価額100万円以下の特例(簡易手続きの方法)

前述の通り、相続する自動車の評価額が100万円以下の場合、手続きを大幅に簡略化できる特例があります。

100万円以下の場合の簡略化メリットは、相続人全員の署名・実印が必要な「遺産分割協議書」の代わりに、**自動車を相続する相続人1名の署名・実印のみで済む「遺産分割協議成立申立書」**を使用できる点です。これにより、他の相続人から実印をもらう手間を省くことができます。

ただし、この申立書を使用するためには、自動車の評価額が100万円以下であることを客観的に証明する「査定書(査定証)」を必ず添付しなければなりません。申立書の様式は国土交通省のウェブサイトなどからダウンロードできます。

ステップ・バイ・ステップ(軽自動車の相続手続き)

軽自動車の手続きは普通自動車に比べて非常にシンプルです。

  1. 必要書類の準備
    第3章の軽自動車専用のチェックリストを参考に書類を準備します。遺産分割協議書は不要です。
  2. 軽自動車検査協会へ
    新しい所有者の住所を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所へ向かいます。
  3. 窓口で申請書類を入手・記入
    窓口で「自動車検査証記入申請書」「軽自動車税(環境性能割・種別割)申告書」を入手し、記入します。
  4. 書類の提出と交付
    書類を提出すれば、その場で新しい車検証が交付されます。ナンバープレートの変更がなければ、手数料はかかりません。
  5. ナンバープレートの交換(該当する場合)
    管轄が変わる場合は、古いナンバープレートを返却し、新しいものを購入します。普通自動車と異なり「封印」がないため、自分で取り付けることができます。

書類準備のすべて(完全チェックリストと戦略的活用法)

自動車相続の完全書類チェックリスト

以下の表は、普通自動車の相続における一般的なケースを網羅したチェックリストです。ご自身の状況に合わせて必要な書類を確認し、準備を進めてください。

 

ケース1:普通自動車(遺産分割協議・100万円超)の場合

書類名

入手先

備考・注意点

自動車検査証(車検証)

自動車に保管

原本が必要です。紛失した場合は再発行手続きが先に必要となります。

申請書(OCRシート第1号様式)

運輸支局の窓口、または国土交通省ウェブサイト

当日窓口で入手・記入できます。

手数料納付書

運輸支局の窓口

500円の印紙を貼付します。

自動車税申告書

運輸支局に隣接する税事務所

手続き当日に窓口で入手・記入します。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等

被相続人の本籍地の市区町村役場

相続人全員を確定させるために必要です。複数の役所にまたがる場合が多く、収集に最も時間がかかります。

または法定相続情報一覧図の写し

法務局

上記の戸籍謄本一式の代わりに提出できる非常に便利な証明書です。

遺産分割協議書

相続人が作成(専門家への依頼を推奨)

相続人全員が署名し、実印を押印したものが必要です。

新所有者の印鑑証明書

新所有者の住所地の市区町村役場

発行後3ヶ月以内のものが必要です。

新所有者の実印

本人持参

本人が直接申請する場合に必要です。

または委任状

本人が作成

代理人が申請する場合、新所有者の実印を押印した委任状が必要です。

自動車保管場所証明書(車庫証明書)

新しい保管場所を管轄する警察署

保管場所が変わる場合のみ必要。発行から概ね1ヶ月以内のもの。

 

ケース2:普通自動車(遺産分割協議・100万円以下)の場合

書類名

入手先

備考・注意点

自動車検査証(車検証)

自動車に保管

原本が必要です。紛失した場合は再発行手続きが先に必要となります。

申請書(OCRシート第1号様式)

運輸支局の窓口、または国土交通省ウェブサイト

当日窓口で入手・記入できます。

手数料納付書

運輸支局の窓口

500円の印紙を貼付します。

自動車税申告書

運輸支局に隣接する税事務所

手続き当日に窓口で入手・記入します。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等

被相続人の本籍地の市区町村役場

相続人全員を確定させるために必要です。複数の役所にまたがる場合が多く、収集に最も時間がかかります。

または法定相続情報一覧図の写し

法務局

上記の戸籍謄本一式の代わりに提出できる非常に便利な証明書です。

遺産分割協議成立申立書

運輸支局の窓口、または国土交通省ウェブサイト

自動車を相続する相続人一人のみが実印を押印します。

査定証

ディーラー、中古車買取業者など

100万円以下であることを証明するために必須です。

新所有者の印鑑証明書

新所有者の住所地の市区町村役場

発行後3ヶ月以内のものが必要です。

新所有者の実印

本人持参

本人が直接申請する場合に必要です。

または委任状

本人が作成

代理人が申請する場合、新所有者の実印を押印した委任状が必要です。

自動車保管場所証明書(車庫証明書)

新しい保管場所を管轄する警察署

保管場所が変わる場合のみ必要。証明日から1ヶ月(または40日)以内のもの。

 

ケース3:普通自動車(遺言書あり)の場合

書類名

入手先

備考・注意点

自動車検査証(車検証)

自動車に保管

原本が必要です。紛失した場合は再発行手続きが先に必要となります。

申請書(OCRシート第1号様式)

運輸支局の窓口、または国土交通省ウェブサイト

当日窓口で入手・記入できます。

手数料納付書

運輸支局の窓口

500円の印紙を貼付します。

自動車税申告書

運輸支局に隣接する税事務所

手続き当日に窓口で入手・記入します。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等

被相続人の本籍地の市区町村役場

相続人全員を確定させるために必要です。複数の役所にまたがる場合が多く、収集に最も時間がかかります。

または法定相続情報一覧図の写し

法務局

上記の戸籍謄本一式の代わりに提出できる非常に便利な証明書です。

遺言書

故人が保管、または公証役場など

原本または写し。自筆証書遺言等の場合は家庭裁判所の「検認済証明書」が必要です。

新所有者の印鑑証明書

新所有者の住所地の市区町村役場

発行後3ヶ月以内のものが必要です。

新所有者の実印

本人持参

本人が直接申請する場合に必要です。

または委任状

本人が作成

代理人が申請する場合、新所有者の実印を押印した委任状が必要です。

自動車保管場所証明書(車庫証明書)

新しい保管場所を管轄する警察署

保管場所が変わる場合のみ必要。証明日から1ヶ月(または40日)以内のもの。

 

ケース4:軽自動車の場合

書類名

入手先

備考・注意点

自動車検査証(車検証)

自動車に保管

原本が必要です。紛失した場合は再発行手続きが先に必要となります。

自動車検査証記入申請書

軽自動車検査協会の窓口

当日窓口で入手・記入できます。

軽自動車税申告書

軽自動車検査協会の窓口

手続き当日に窓口で入手・記入します。

故人の死亡と相続関係がわかる戸籍謄本

故人の本籍地の市区町村役場

普通自動車ほど厳格な連続した戸籍は求められないことが多いですが、窓口で確認が必要です。

新所有者の住民票の写しまたは印鑑証明書

新所有者の住所地の市区町村役場

発行後3ヶ月以内のもの。コピーでも可の場合があります。

新所有者の認印

本人持参

実印は不要です。

遺産分割協議書(相続全体の設計図)

遺言書がない場合、遺産分割協議書は相続手続きの根幹をなす最重要書類です。これは、相続人全員が遺産の分け方について合意したことを証明する法的な契約書であり、その効力は自動車だけでなく、不動産、預貯金、株式など、すべての遺産に及びます。

自動車を遺産分割協議書に記載する際は、他の財産と明確に区別できるよう、車検証に記載されている情報を正確に転記する必要があります。

【遺産分割協議書への自動車の記載例】

第〇条 相続人である「(氏名)」は、被相続人「(故人の氏名)」が所有していた以下の自動車を相続する。

(1) 登録番号: 品川 XXX さ XXXX
(2) 車台番号: ABC-1234567

この記載例からもわかるように、遺産分割協議書は相続財産を特定し、その帰属を明確にするためのものです。専門家に依頼して、不動産や預貯金など他の財産も含めた包括的な遺産分割協議書を一つ作成すれば、各資産の名義変更手続きをこの一枚の原本(またはその写し)を基に、効率的に進めることができます。

時間短縮術(法定相続情報証明制度の活用)

相続手続きにおいて、多くの人が直面する最も煩雑な作業が「被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本の収集」です。相続人を法的に確定させるために、この一連の戸籍謄本の束を、不動産の名義変更(法務局)、預貯金の解約(各銀行)、株式の名義変更(各証券会社)、そして自動車の名義変更(運輸支局)など、手続き先ごとに提出する必要があります。

従来は、一部の手続きが終わって原本が返却されるのを待つか、高額な費用をかけて戸籍謄本のセットを複数取得する必要がありました。この問題を解決するのが、2017年に始まった「法定相続情報証明制度」です。

【制度の仕組みとメリット】

  1. 一度の提出で完結
    収集した戸籍謄本の束を、一度だけ法務局に提出します。
  2. 公的な証明書の発行
    法務局が内容を審査し、相続関係をA4用紙一枚にまとめた公的な証明書「法定相続情報一覧図の写し」を発行してくれます。
  3. 複数枚を無料で取得
    この「一覧図の写し」は、必要な枚数を手数料無料で取得できます。
  4. 手続きの同時並行が可能
    取得した「一覧図の写し」を、戸籍謄本の束の代わりに各手続き先に提出できるため、銀行、法務局、運輸支局などでの手続きを同時に進めることが可能になり、相続手続き全体の期間を劇的に短縮できます。

この制度は、自動車の名義変更はもちろん、不動産の相続登記、預貯金の解約、相続税の申告など、幅広い手続きで利用できます。不動産の相続登記を司法書士に依頼する際に、併せてこの法定相続情報証明制度の利用を申し出ることで、その後のすべての相続手続きが格段にスムーズになります。

費用の知識

手続き費用の内訳

自動車の名義変更手続きにかかる費用は、比較的高額ではありませんが、複数の項目から成り立っています。以下の表で、主な費用の目安を確認してください。

項目

費用の目安

備考

移転登録手数料

500

運輸支局で印紙を購入して納付します 。  

車庫証明取得費用

2,500円~3,000

都道府県によって異なります。保管場所が変わらない場合は不要です 。  

ナンバープレート代

1,500円~2,500

管轄の運輸支局が変更になる場合のみ必要です 。  

書類取得実費

数千円~

戸籍謄本(1450円)、除籍・原戸籍謄本(1750円)、印鑑証明書(1300円程度)などを取得するための実費です 。  

専門家への報酬

1万円~5万円程度

手続きの代行を行政書士に依頼した場合の一般的な相場です。司法書士等に相続全体を依頼する場合は、パッケージ料金に含まれることが多いです 。  

 

名義変更後、相続した自動車をどうするか

無事に自動車の名義変更が完了したら、次にその車を今後どう扱うかを決める必要があります。選択肢は大きく分けて「乗り続ける」「売却する」「廃車にする」の3つです。それぞれに必要な手続きを解説します。

乗り続ける場合(任意保険の名義変更を忘れずに)

相続した自動車を自分で使用し続ける場合、運輸支局での名義変更だけでなく、加入している任意保険の契約者名義変更も必ず行わなければなりません。

新しい所有者(相続人)が保険会社に連絡し、契約者が亡くなったことを伝えて手続きを進めます。これにより、保険契約の権利と義務が正式に相続人に引き継がれます。

この際、故人が長年無事故で維持してきた高い等級(割引率)は、配偶者や同居の親族であれば引き継ぐことが可能な場合があります。等級の引き継ぎは保険料に大きく影響するため、忘れずに確認しましょう。

売却する場合(資産を現金化する)

相続した自動車を使用する予定がない場合は、売却して現金化することも一つの選択肢です。

売却の前提として、まず相続人への名義変更(移転登録)が完了していることが必須です。故人名義のままでは、第三者である買取業者や個人に売却することはできません。

ただし、実務上は効率的な方法が取られることが多くあります。法的には「故人→相続人」「相続人→買主」という2段階の所有権移転が発生しますが、運輸支局への書類提出は、これらを同時に行うことが可能です。通常は、売却先のディーラーや買取業者が、行政書士などと連携してこの一連の手続きを代行してくれます。

売却する際は、一つの業者だけでなく、複数の買取業者に見積もりを依頼するか、オンラインの一括査定サービスなどを利用して、適正な市場価格を把握することが、遺産価値を最大化する上で重要です。

廃車にする場合(登録を抹消する)

自動車が古い、あるいは誰も乗る人がいないといった理由で処分する場合は、廃車手続き(抹消登録)を行います。売却と同様に、廃車手続きも相続人への名義変更が完了していることが前提となります。抹消登録には、主に2つの種類があります。

  • 永久抹消登録
    自動車を物理的に解体(スクラップ)し、二度と公道を走れないようにする手続きです。これにより自動車税の課税が完全に止まり、車検の残存期間によっては自動車重量税の還付を受けられる場合があります。
  • 一時抹消登録
    海外赴任などで長期間自動車を使用しないものの、将来的に再び使用する可能性がある場合に行う手続きです。ナンバープレートを返納することで、一時的に自動車税の課税を止めることができます。

廃車にかかる費用は、解体費用や運搬費用などを含め、依頼する業者や自身で行うかによって0円から数万円まで幅があります。廃車買取業者によっては、鉄資源としての価値を評価し、無料で引き取ったり、逆に数万円で買い取ってくれたりする場合もあります。

よくある質問と複雑なケースへの対処法(Q&A)

相続手続きは、必ずしも教科書通りに進むとは限りません。ここでは、実際に多くの方が直面するであろう複雑なケースや疑問について、Q&A形式で解説します。

相続人の一人と連絡が取れない、または協力してくれない場合はどうすればいいですか?

遺言書がない場合、普通自動車の名義変更に必要な遺産分割協議書には、法定相続人全員の署名と実印の押印が不可欠です。そのため、一人でも連絡が取れない、あるいは協力を拒否する相続人がいると、手続きは完全に停止してしまいます。

このような場合の対処法は、法的な手続きを踏む必要があります。

  1. 相続人の住所調査
    まず、連絡が取れない相続人の戸籍附票を本籍地の役所で取得し、現在の住民票上の住所を確認します。手紙を送るなどして、連絡を試みます。
  2. 家庭裁判所での手続き
    住所地に住んでいない、手紙に返事がないなど、どうしても連絡が取れない場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てます。選任された管理人が行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加します。
  3. 遺産分割調停
    相続人間で意見が対立し、協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立て、調停委員を交えて話し合いを進めることになります。

これらの手続きは専門的な知識を要するため、司法書士や弁護士といった専門家への相談が不可欠です。

車検証を紛失してしまいました。どうすればいいですか?

車検証は名義変更手続きに必須の書類です。紛失した場合は、管轄の運輸支局で再発行の手続きが必要です。

ただし、相続が絡む場合、申請者である相続人が正当な権利者であることを証明する必要があり、手続きが複雑になることがあります。故人との関係を示す戸籍謄本や、手続きの理由を記した「理由書」などを求められる場合があります。スムーズな再発行のため、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。

車検証を紛失してしまいました。どうすればいいですか?

車検証は名義変更手続きに必須の書類です。紛失した場合は、管轄の運輸支局で再発行の手続きが必要です。

ただし、相続が絡む場合、申請者である相続人が正当な権利者であることを証明する必要があり、手続きが複雑になることがあります。故人との関係を示す戸籍謄本や、手続きの理由を記した「理由書」などを求められる場合があります。スムーズな再発行のため、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。

自動車を相続する相続人が海外に住んでいます。手続きはどうなりますか?

相続人が海外に在住している場合でも、名義変更は可能です。ただし、日本国内での手続きに必要な「印鑑証明書」と「住民票」が取得できません。

これらの書類の代わりに、現地の日本大使館や領事館で発行される以下の書類が必要となります。

  • サイン証明書(署名証明書):印鑑証明書の代わりとなります
  • 在留証明書:住民票の代わりとなります

遺産分割協議書など、その他の必要書類は国内のケースと同様に準備します。国際郵便でのやり取りなど時間もかかるため、早めに準備を始めることが重要です。

故人は生前、認知症で運転できない状態でした。自動車の扱いはどうなりますか?

これは相続発生前の問題ですが、非常に関連性が高いケースです。所有者本人が存命であっても、認知症などにより意思決定能力が不十分な場合、ご家族が勝手にその方の財産(自動車を含む)を売却・処分することはできません。

このような状況で法的に正しく手続きを進めるには、家庭裁判所に申し立てを行い、「成年後見人」を選任してもらう必要があります。成年後見人は、本人の財産を管理し、本人の利益のために(例えば、介護費用を捻出するために)自動車を売却するなどの法律行為を代理で行う権限を持ちます。

この手続きは、相続問題とも密接に関わるため、司法書士などの専門家にご相談ください。

車検証の「所有者」が故人ではなく、「使用者」が故人になっていました。

車検証の「所有者」欄を確認することがすべての基本です。

所有者がローン会社の場合、ローンを完済し、所有権解除の手続きを終えるまで相続は開始されません。

所有者が別の家族(例:配偶者)の場合:その自動車は故人の遺産ではないため、相続手続きは一切不要です。使用者の変更手続きのみで済みます

賢い進め方(なぜ司法書士が相続全体のパートナーなのか)

最後に最も重要な「手続きの進め方」についてお伝えします。相続手続きは、個別の手続きをバラバラに行うのではなく、相続全体を一つのプロジェクトとして捉え、その中心に適切な専門家を置くことが、時間と労力、そして精神的な負担を最小限に抑える鍵となります。

相乗効果の力(自動車と不動産の相続を同時に進めるメリット)

自動車の相続と不動産の相続(相続登記)を別々の手続きとして捉えるのは、非常にもったいないアプローチです。なぜなら、両手続きの根幹をなす、最も時間と手間のかかる作業は完全に共通しているからです。

  • 戸籍謄本の収集
    相続人を確定させるために必要な、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本は、不動産登記でも自動車の名義変更でも必須です。

  • 遺産分割協議書の作成
    遺言書がない場合、どの財産を誰が相続するかを定める遺産分割協議書は、不動産と自動車の両方の名義変更の根拠となります。

不動産の相続登記を専門とする司法書士に依頼すれば、この最も重要な法的基盤の整備を一度で完了させることができます 。さらに、前述した「法定相続情報証明制度」を活用すれば、法務局での登記手続きと並行して、その後の自動車や預貯金の手続きに必要な証明書もまとめて取得でき、相続手続き全体が劇的にスピードアップします 。  

相続手続きのすべてを、私たちがお手伝いします

ご家族を亡くされ、複雑な手続きを前に不安を感じていらっしゃるかもしれません。しかし、一つひとつの手続きを個別に考える必要はありません。

複数の専門家や役所とのやり取りに煩わされることなく、相続手続きの窓口を一本化しませんか。当センターは不動産の名義変更を専門とする司法書士事務所として、相続全体の法的基盤となる戸籍収集から遺産分割協議書の作成、そして最も専門性が求められる不動産の相続登記まで、一貫してサポートいたします。

自動車の名義変更はもちろん、預貯金の解約など、相続に関するあらゆる手続きを円滑に進めるための土台作りを、私たちにお任せください。まずは初回のご相談から、あなたに最適な手続きの進め方を一緒に考えさせていただきます。

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