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詐害行為取消権とは?不動産の名義変更が取り消されるケース


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら
 

詐害行為取消権と不動産名義変更の実務|改正民法対応

借金の返済が苦しくなると、「自宅だけは守りたい」「親族名義にしておけば差し押さえられないのでは」と考えてしまう方がいます。

ですが、債務者が債権者を害することを知りながら不動産を贈与したり、相場より大幅に安く売ったり、離婚を装って財産分与したりする行為は、民法上の詐害行為取消(債権者取消)の対象になり得ます。裁判で取り消され、名義が戻される可能性がある、ということです。

さらに、やり方や状況によっては、強制執行を妨害する目的の財産隠しとして刑事罰の問題に発展することもあります。2025年(令和7年)6月1日からは「懲役・禁錮」が一本化され、刑罰用語は拘禁刑に切り替わっています。
※原則として、施行日(令和7年6月1日)以後の行為について刑罰は「拘禁刑」の用語で整理されます。

以下、一般の方向けに「どんなときに危ないのか」「改正で何が明文化されたのか」「実務ではどう動くのか」を、登記実務の視点も交えて整理します。

1. 詐害行為取消(債権者取消)とは何か

詐害行為取消とは、債務者が「債権者を害することを知って」した財産処分について、債権者が裁判所に取消しを請求できる制度です。

ポイントは、「名義を変えたから終わり」ではなく、裁判でひっくり返されることがあるという点です。不動産は典型的な対象になります。

司法書士の実務メモ
登記は「権利の対抗要件」として強い効力を持ちますが、詐害行為取消が認められれば、その登記自体が抹消される可能性があります。登記済み=安心、とは限りません。

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詐害行為取消権と並ぶ債権者保護の制度として「債権者代位権」があります。詳しくは債権者代位権のページをご覧ください。

2. よく問題になる「不動産の名義変更」パターン

実務で典型的に争いになるのは、次のようなパターンです。

パターン内容
親族への贈与配偶者・子・親などへの無償移転
格安売買相場より著しく低い価格での売却
担保設定特定の債権者にだけ抵当権を付けるなど
偏った弁済特定の債権者だけを優先して返済する行為
代物弁済借金の代わりに不動産で渡す行為
離婚時の財産分与内容が過大・不自然な場合に問題化
相続の遺産分割債務者が取り分を極端に減らす合意

⚠ これらのパターンに当てはまるだけで即アウトというわけではありませんが、債務がある状態で行うと、後から債権者に争われるリスクが高くなります。

3. 成立要件の全体像(まずここを押さえる)

詐害行為取消は「怪しいから取り消せる」というものではありません。条文上も要件が整理されています。

(1)債権者側:被保全債権の要件

  • 債権は、原則として当該行為より前の原因に基づくことが必要です(行為後に生じた債権では原則不可)。
  • その債権が強制執行で実現できない性質であれば、取消請求はできません。

(2)行為側:財産行為であること

対象は原則「財産権を目的とする行為」です。身分行為そのものは対象外、という建付けになっています。

(3)実務上の核心:共同担保を害しているか

条文の言い回し以上に、実務ではここが主戦場です。

その名義変更等によって、債権者が回収できるだけの責任財産(共同担保)が減り、回収が困難になったと言えるかどうか——無資力・支払不能の方向に寄るかが問われます。

(4)主観:債務者の「詐害意思」+受益者等の「悪意」

当事者問われる内容
債務者債権者を害することを知っていたか
受益者(名義を受けた側)・転得者その時点で、債権者を害することを知っていたか

ここでいう「悪意」は日常用語の「性格が悪い」ではなく、「事情を知っていた」という法律用語です。名義を受けた側が「借金があるとは知らなかった」と立証できれば、取消が認められない方向に働きます。

4. 2020年4月施行の債権法改正で「類型ごとの要件」が明文化された

2020年4月1日施行の債権法改正(平成29年成立)で、トラブルが多い類型が条文化され、判断枠組みが明確になりました。主な類型を見ていきます。

4-1. 相当な対価で売っても安全とは限らない(424条の2)

「時価で売ったのだから問題ない」と思われがちですが、不動産→現金化は、資産を隠しやすくする面があります。

そこで、相当の対価を得た処分でも、隠匿等の意思があり、相手方もそれを知っていた等の要件を満たすと、取消対象になり得ます。

4-2. 特定債権者だけ優先する行為(偏頗行為:424条の3)

支払不能時などに、特定債権者へだけ担保を付けたり弁済したりする行為は、要件を満たすと取消対象になります。

具体例
「銀行への返済が滞っているのに、親戚にだけ先に不動産で弁済する」といったケースが典型です。

4-3. 過大な代物弁済(424条の4)

借金額に比べて著しく高い不動産を代物弁済で渡すなど、「過大な部分」が問題になります。差額部分が詐害行為と評価される可能性があります。

5. 離婚の財産分与は「何でも取り消される」わけではない

離婚に伴う財産分与は、婚姻中の協力で形成した財産の清算等の性質があり、単純な贈与とは異なります。

最高裁は、原則として財産分与は直ちに詐害行為とはならないが、不相当に過大で、財産分与に仮託した財産処分といえるような特段の事情がある場合には問題になり得る、という整理を示しています。

実務上の注意点

  • 「2分の1」は目安になりやすいものの、機械的に判断されるわけではありません。ローン負担、養育・扶養、慰謝料的要素などの事情で動きます。
  • 形式だけ離婚して同居継続、時期が差押え直前、分与内容が極端…といった事情が重なると、争われやすくなります。

司法書士としての注意
離婚に伴う不動産の名義変更のご相談では、債務状況の確認が重要です。債務超過の状態で過大な分与を登記すると、後日取り消されるリスクがあります。

6. 相続では「遺産分割」は取消対象になり得る/「相続放棄」は原則対象外

6-1. 遺産分割協議

債務を負う相続人が、無資力のまま、遺産分割で法定相続分を大きく下回る取り分に合意したような場面では、詐害行為取消の対象となり得ると最高裁が判断した流れがあります。

6-2. 相続放棄(家庭裁判所での正式手続)

相続放棄については、判例上、身分行為として詐害行為取消の対象とならないと説明されることが一般的です(最判昭和49年9月20日)。

ただし注意
相続放棄の前後に行われた別の財産処分(遺産分割や贈与等)が問題になることはあり得ます。相続放棄が安全だからといって、周辺行為まで全て問題がないとは限りません。

7. 取消が認められると、実務はどう動くか(訴訟→登記)

7-1. まず「裁判」が必要

詐害行為取消は、基本的に訴訟で争います。相手方(被告)は債務者ではなく、受益者や転得者です。債務者本人には、訴訟告知をする建付けが条文化されています。

7-2. 判決の効力は "他の債権者にも" 及ぶ

改正後は、取消請求を認容する確定判決の効力が、債務者と全ての債権者にも及ぶことが明文化されています。つまり、ある債権者が勝って名義が戻ると、他の債権者も差押え等に動きやすくなります。

7-3. 現物返還と価額償還

原則は、名義を元に戻す(登記の抹消等)方向ですが、事情によっては価額での償還が問題になります。

7-4. 登記手続(司法書士の領域)

確定判決等を原因として、所有権移転登記の抹消などの登記申請が行われます。ここは登記実務の出番ですが、取消訴訟そのものは事案により弁護士の関与が必要になることも多く、実務では司法書士と弁護士が連携して進めるのが通常です。

段階内容主な担当
訴訟提起受益者・転得者を被告として取消訴訟弁護士
判決確定取消が認容され確定裁判所
登記手続所有権移転登記の抹消等司法書士
強制執行回復した財産に対する差押え等弁護士・裁判所

8. 期限がある(426条:2年・10年)

詐害行為取消にはタイムリミットがあります。

期間起算点
2年(主観的期間)債権者が取消原因を知った時から
10年(客観的期間)行為の時から

「知った時」は、名義が移った事実だけでなく、共同担保を害する状況まで含めて問題になることが多く、争点になりがちです。

9. 「差し押さえ逃れ」は刑事罰リスクがある

強制執行を妨害する目的で、財産の隠匿・仮装譲渡などをした場合、刑法の対象になり得ます。

強制執行妨害目的財産損壊等罪(刑法96条の2)
3年以下の拘禁刑(※施行前は懲役)若しくは250万円以下の罰金、又は併科
※2025年(令和7年)6月1日から「懲役・禁錮」が「拘禁刑」に一本化されています。原則として施行日以後の行為に適用されます。

ここで注意すべきは、名義を受けた親族・知人側も、事情を知って関与すれば問題になり得ることです。「手伝っただけ」のつもりでも、状況次第でリスクが生じます。

10. 「疑われないための形」ではなく「正面から整理」する

債務がある状況で不動産を動かすなら、いちばん大切なのは"逃げるための名義変更"をしないことです。

正当な理由で売却等が必要な場合でも、次の点を意識してください。

  1. 価格の根拠を残す——不動産査定書等を取得し、適正価格であることを示せるようにする
  2. 代金の流れを不透明にしない——口座記録等で資金の行き先が追える状態にする
  3. 特定の人だけを不自然に優遇しない——偏頗行為と評価されないよう注意する
  4. 早い段階で専門家に相談する——債務整理・任意整理・法的整理も含めて検討する

この方向で「後から説明できる」状態を作ることが、結局いちばん安全です。

まとめ

この記事のポイント
  • 不動産の名義変更は、背後に債務があると民法(詐害行為取消)刑法(強制執行妨害)の両面が絡む
  • 2020年4月施行の債権法改正で類型ごとの要件が明文化され、判断枠組みが明確になった
  • 2025年(令和7年)6月以降は刑罰用語も拘禁刑へ移行している(施行日以後の行為に適用)
  • 離婚の財産分与や相続放棄にも、場面ごとに異なるルールがある
  • 「とりあえず名義を変えれば何とかなる」という発想は実務では通用しない
  • 状況整理(債務・資産・家族関係)をしたうえで、登記は司法書士、紛争対応は弁護士も含めて適切な手順で進めることが重要
※本記事は一般的な解説です。個別事情で結論が変わりますので、具体的な計画がある場合は必ず事前に弁護士へご相談ください。
監修者プロフィール - 板垣隼
司法書士 板垣隼
この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Planやビジネスメディアへの寄稿実績多数。
不動産名義変更・相続登記専門年間2000件の実績全国対応
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