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不動産の名義書換


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2026年1月23日
 

不動産の名義書換とは?名義変更との違いを分かりやすく解説

「名義書換」と「名義変更」の違いとは?

「不動産の名義書換って何?」「名義変更と違うの?」という疑問をお持ちの方は多いかと思います。似た言葉がいくつかあり、混乱しやすいかと思います。

結論から申し上げますと、不動産については「名義書換」も「名義変更」も、日常的な呼び方の違いに過ぎません。実際に必要になる手続きは、法務局で行う「登記(とうき)手続き」です。

ポイント: 不動産の名義を変える場合、法律上の正式名称は「所有権移転登記(しょゆうけんいてんとうき)」などの登記手続きとなります。「名義変更」「名義書換」という言葉自体は、一般的な呼び方です。

「名義変更」と「名義書換」の使い分け

言葉の意味自体に大きな違いはありませんが、対象となる資産によって使い分けられる傾向があります。

用語主な使用場面変更対象
名義変更不動産、自動車など法務局の「登記簿」の内容を変更
名義書換株式、金融機関の相続手続きなど「株主名簿」「名義書換請求書」など名簿を変更

株式の場合、株式を取得した人が株主になるためには名義書換などの手続きが必要で、これらの手続きを株式の発行会社に対して行う機関(信託銀行など)のことを「名義書換代理人」と呼びます。

また、ゆうちょ銀行の相続手続きでは「貯金等相続手続請求書(名義書換請求書)」といった書類が使われ、「名義書換」という言葉が使用されています。

ただし、「名義書換」と「名義変更」で法律上の明確な使い分けがあるわけではありませんので、不動産の場面で「名義書換」と言っていても、意味としては「名義変更(=登記)」を指していることがほとんどです。

不動産で実際に必要になる「登記手続き」とは

不動産の権利関係(所有者・抵当権など)は、法務局に備え付けられた登記簿(登記記録)で管理されています。この登記簿の内容を変更する手続きが登記手続きです。

不動産の名義を変えるとき、法務局で行う主な登記は以下のとおりです。

所有者が変わるとき:所有権移転登記

売買・贈与・相続・財産分与などで所有者が変わる場合は、基本的に所有権移転登記を行います。一般的に「名義変更」と呼ばれるのは、主にこの登記を指します。

住所や氏名が変わっただけ:住所(氏名)変更登記

所有者は同じでも、結婚や転居などで住所・氏名が変わったときは住所変更登記/氏名変更登記が必要になることがあります。「名義変更」と一括りにされがちですが、所有者が変わる登記とは別物です。

ローン完済後など:抵当権抹消登記

住宅ローンを完済したのに登記簿に抵当権が残っている場合は、抵当権抹消登記を行います。これも「名義変更」と混同される代表例です。

どんなときに「不動産の名義変更」が必要?

名義変更(所有権移転登記)が必要になるよくあるケースは次のとおりです。

手続きの流れ

不動産の登記はケースにより必要書類が変わりますが、流れは概ね共通です。

  1. 現状確認
    登記事項証明書で名義・抵当権・住所の状態を確認
  2. 必要書類の準備
    原因に応じて集める(相続・売買・贈与など)
  3. 登録免許税の計算
    固定資産評価額が基準になることが多い
  4. 法務局へ申請
    書類を整えて申請手続きを行う
  5. 登記完了
    登記識別情報などを受領

費用について(登録免許税+報酬+実費)

不動産の登記にかかる費用は大きく3つに分かれます。

→ 名義変更にかかる費用の詳細はこちら

費用項目内容
登録免許税(税金)国に納める税金。固定資産評価額を基準に計算
司法書士報酬専門家に依頼する場合に発生
実費証明書取得費、郵送費など

登録免許税の税率(代表例)

登録免許税は原因により税率が異なります。一般的な税率は以下のとおりです。

  • 相続による所有権移転: 固定資産評価額 × 0.4%
  • 売買・贈与による所有権移転: 固定資産評価額 × 2%(※軽減がある場合も)

ご注意: 物件や条件により軽減措置や例外がありますので、正確には個別に確認が必要です。また、贈与の場合は登記費用とは別に贈与税の検討も必要になります。

よくある誤解・注意点

「名義変更の手続き」=法務局で終わる、とは限らない

相続や離婚などでは、登記の前提として次の整理が必要になることがあります。

  • 相続人の確定(戸籍収集)
  • 遺言の有無の確認
  • 遺産分割協議書の作成(必要なケース)
  • 共有状態の整理、持分割合の確認
  • 住所や氏名の変更が未登記のままになっていないか確認

「権利証がない」=「できない」ではない

権利証(登記識別情報)が見当たらない場合でも、手続きの方法はあります(本人確認情報の提供など)。ただし、案件によって難易度・費用・必要書類が変わります。

相続は「放置しない」ことが重要

相続の名義変更を後回しにすると、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 相続人が増えて話がまとまらない
  • 不動産を売却できない
  • 担保が付けられない

相続登記は2024年4月から義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記しないと過料(最大10万円)の対象となります。早めに現状確認だけでもしておくと安心です。

→ 相続登記の義務化について詳しく見る

まとめ:言葉より「どの登記が必要か」が大切

不動産では、名義書換・名義変更という呼び方よりも、「所有権移転登記」なのか「住所変更登記」なのかなど、必要な登記の種類を整理することが重要です。

どの登記になるかで、必要書類・費用・手続きの難易度が大きく変わります。「自分のケースはどれ?」が分からない場合は、登記事項証明書を見ながら整理すると一気に分かりやすくなります。

監修者プロフィール - 板垣隼
司法書士 板垣隼
この記事の作成者兼監修者
板垣 隼(いたがき はやと)
司法書士 / 行政書士 / 1級FP技能士
司法書士法人 不動産名義変更手続センター 代表
司法書士事務所開業から17年。「難しいことを、やさしく、早く、正確に」をモットーに、相続登記や不動産名義変更の手続きをサポート。KINZAI Financial Planやビジネスメディアへの寄稿実績多数。
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