土地名義変更 早見ガイド(4パターン共通の要点)
● 相続:被相続人の戸籍一式(出生〜死亡)・遺産分割協議書・相続人の印鑑証明書ほか。義務化により3年以内に登記必須(不動産登記法第76条の2)。登録免許税0.4%。
● 贈与:贈与契約書・贈与者の印鑑証明書と登記識別情報(権利証)・受贈者の住民票ほか。登録免許税2.0%+年間110万円超で贈与税。
● 離婚(財産分与):離婚後の戸籍謄本等・財産分与契約書/調停調書・分与者の印鑑証明書と登記識別情報ほか。登録免許税2.0%。
● 売買:売買契約書・売主の印鑑証明書と登記識別情報・買主の住民票ほか。土地は令和11年3月31日まで軽減税率1.5%(租税特別措置法第72条第1項)。
所要期間:書類収集を含めて全体で約1ヶ月(相続の戸籍収集が長引く場合は2〜3か月)
費用:登録免許税+司法書士報酬(相続66,000円〜・贈与99,000円〜・売買66,000円〜)+必要書類取得実費
必要書類:原因により大きく異なる(H2-5「必要書類」セクションで4パターン別マトリクス解説)
土地が誰の名義になっているかは法務局(登記所)で管理しています。土地の所有者が変わった場合は、名義変更の手続きをすることになりますが、管理先の法務局へ登記の申請をすることになります。
土地の名義を変える所有権移転登記手続きのことを一般的には土地の名義変更といいます。
法務局に行けば、土地や建物が現在誰の名義になっているか誰でも調べることができます。過去の所有者や担保権の有無等も確認できます。
土地の登記事項証明書(登記簿謄本)には以下の内容が記載されます。
土地の所有者が亡くなったり、土地を購入するなどして所有者が変わった場合は、登記簿の土地所有者の名義も変更することになります。
土地の所有者の名義を変更するには、法務局へ所有権移転登記の申請をすることになります。この所有権移転登記申請のことを一般的には土地の名義変更手続きと言われています。
所有権移転登記は、所有権が移転した原因(相続、贈与、財産分与、売買等)によって必要書類や登録免許税も異なります。
土地の名義変更の専門家は司法書士です。司法書士以外の者が所有権移転登記について代理で手続きをしたり、相談を受けることはできません(他の法律に別段の定めがある場合を除く)。
地番とは、一筆の土地ごとに登記所が付す番号のことです。
住居表示が実施されていない地域では住所と一致している場合がありますが、一般的に住所とは異なる番号です。
土地の地番がわからないと登記簿謄本(登記事項証明書)を見ることもできません。法務局に行けば備え付けの地図で、住所から地番を調べることができます。
農地の名義変更をするには、当事者同士の契約だけでなく、基本的に農地法の許可が必要になります。農地の地目が「田」や「畑」となっている場合に許可が必要になります。
相続による名変変更の場合は許可が不要です(農業委員会への届出は必要)。
農地の所有権移転登記を申請する際には、許可証の添付も必要となります。
許可等に関する各種申請窓口は、農地の所在する区市町村の農業委員会になります。
土地の名義変更手続きは、名義変更する原因(相続、贈与、財産分与、売買等)によって、税金や必要書類も異なります。
以下にそれぞれまとめておりますのでご参照ください。【名義変更手続きまとめ】にこれだけは知っておきたい知識8選として詳細も案内しております。
あなたの状況はどれですか?
土地の名義変更の原因別に最適な手続きをご案内します。
土地の名義変更は、その原因によって手続き方法、必要書類、費用・税金などが大きく異なります。
| 原因 | 主な当事者 | 登録免許税率 | 主な関連税金 | 期限・義務 |
|---|---|---|---|---|
| 相続 | 被相続人 相続人 | 0.4% | 登録免許税 相続税 | 義務 (3年以内) |
| 贈与 | 贈与者 受贈者 | 2.0% | 登録免許税 贈与税 不動産取得税 | 任意 |
| 財産分与 | 元夫婦 | 2.0% | 登録免許税 不動産取得税 譲渡所得税 ※みなし贈与 | 任意 |
| 売買 | 売主 買主 | 1.5% (軽減税率) | 登録免許税 不動産取得税 譲渡所得税 ※みなし贈与 | 必須 (慣習上) |
土地の名義変更の専門家は司法書士です。土地の名義変更手続きを司法書士にご依頼の場合は、司法書士の報酬が発生します。
司法書士の報酬とは別に登録免許税や書類収集等の実費がかかります。実費はご自身で手続きをした場合でもかかる費用です。
登録免許税以外にも後日課税される税金もありますので、全体の費用・税金を確認してから手続きを進めることをお勧めいたします。
どれくらい費用がかかるか不安な方は司法書士に相談しましょう。
土地の名義変更をするには、必ず登録免許税がかかります(※一部相続登記の特例で非課税の場合もあり)。
登録免許税は、登記申請時に法務局へ納める国税です。税額は以下の計算式で算出されます。
登録免許税 = 土地の固定資産評価額 × 税率
固定資産評価額は、毎年市区町村から送られてくる「固定資産税課税明細書」で確認するか、役所で「固定資産評価証明書」を取得して確認します。
登録免許税は、どのように名義変更するのか(原因)によって税率が異なります。亡くなった方からの名義変更であれば「相続(相続登記)」、タダであげる場合は「贈与(生前贈与)」、離婚に伴う清算の場合は「離婚(財産分与)」、お金で買う(売る)場合は「売買(不動産取引)」に基本的には該当し、他の原因もあります。
原因別の登録免許税率
登録免許税は通常は収入印紙で申請書に添付し納税します。
相続登記の登録免許税の計算方法・納付方法と免税(非課税)になるケースを解説!土地の名義変更に関連する税金としては、登録免許税、相続税、贈与税、不動産取得税、譲渡所得等、各種ございますが、物件の価額によって大きく異なります。土地は資産価値が基本的に高いので、特に税金に注意が必要です。
安易に名義変更し、後になって大きな税金に気づいては遅いのです。手続きをする前に十分に税金に注意して手続きを検討することが必要です。
事前に税務署や税理士に相談することをお勧めいたします。
土地の名義変更手続きをする際の、登録免許税の計算は「固定資産評価額」を基準として算出します。
固定資産評価額は、土地の固定資産に対して市区町村が算出する評価額のことを指します(固定資産税の基準になります)。不動産取得税の算出も固定資産評価額を使用します。
しかし、贈与税や相続税を計算するときの評価方法は固定資産評価額とは異なります。「路線価方式」または「倍率方式」によって計算することになります。
路線価方式は、路線価が定められている地域の評価方法です。路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、千円単位で表示しています。路線価方式における土地の価額は、路線価をその土地の形状等に応じた奥行価格補正率などの各種補正率で補正した後に、その土地の面積を乗じて計算します。
倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法です。倍率方式における土地の価額は、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。
土地の相続税評価額の計算方法などの詳細は以下の税理士のWebサイトもご参照いただければと思います。
土地名義変更の必要書類 早見(4パターン共通の要点)
相続:被相続人の戸籍(出生〜死亡)一式・相続人全員の戸籍と印鑑証明書・遺産分割協議書・固定資産評価証明書ほか。
贈与:贈与契約書・贈与者の印鑑証明書と登記識別情報(権利証)・受贈者の住民票・固定資産評価証明書。
離婚(財産分与):離婚届受理証明書または戸籍謄本・財産分与契約書・登記識別情報・印鑑証明書・固定資産評価証明書。
売買:売買契約書・売主の印鑑証明書と登記識別情報(権利証)・買主の住民票・固定資産評価証明書。
土地の名義変更で集める書類は、名義変更の原因(相続・贈与・離婚財産分与・売買)によって大きく異なります。共通して確認するのは、①登記原因を示す書類(協議書・契約書など)、②新名義人の住所証明書、③固定資産評価証明書、④登記申請書の4系統です。ただし、印鑑証明書や登記識別情報が必要になる相手は原因によって異なります。相続では「現名義人=被相続人」の印鑑証明書は取得・提出しません。遺産分割協議による相続登記では、協議に参加した相続人の印鑑証明書を添付します。一方、売買・贈与・離婚では登記識別情報(旧 権利証)の提出が前提になります。
相続による名義変更(相続登記)で必要になる主な書類は以下のとおりです。なお、法定相続分どおりの登記、遺言による登記、遺産分割協議による登記で必要書類は変わります。下記は遺産分割協議による登記のケースです。
遺言書で対象不動産と取得者が特定できる場合は、遺産分割協議書を作成せずに登記できることがあります。遺言書には、公正証書遺言・法務局保管の自筆証書遺言(遺言書情報証明書)・検認済みの自筆証書遺言の3種類があり、公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が不要なため、相続登記をスムーズに進められます。法定相続情報一覧図を法務局で取得しておくと、相続登記のほか預貯金の解約・有価証券の名義変更などで戸籍一式の代わりに一覧図1枚を提出でき、戸籍原本を各機関に回送する手間が大幅に省けます。
令和6年4月1日施行・相続登記の義務化:不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請が必要です(不動産登記法第76条の2)。さらに、遺産分割協議で取得者が決まった場合は、その遺産分割成立日から3年以内に、協議内容に応じた登記をする必要があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。
夫婦間の居住用不動産贈与では、婚姻期間20年超などの要件を満たせば、基礎控除110万円とは別に最高2,000万円まで配偶者控除(おしどり贈与)を使える場合があります。ただし、居住要件・申告要件があり、同じ配偶者からは一度しか使えません。また、相続時精算課税制度は、一定の親子・祖父母孫間の贈与について年間110万円の基礎控除と累計2,500万円の特別控除を使える制度ですが、贈与財産は原則として将来の相続税計算に反映されるため、「税金が完全にかからない制度」ではありません。これらの特例適用時は贈与税申告書類が別途必要です。税務手続きは税理士業務範囲のため、必要に応じて税理士にご相談ください。
調停調書・和解調書・判決書に、相手方が所有権移転登記手続をする旨の給付条項が具体的に記載されている場合は、財産分与を受ける側が単独で申請できることがあります。「不動産を分与する」という記載だけでは足りないことがあるため、調書の文言確認が実務上のポイントです。なお、ローン残債のある住宅を分与する場合、金融機関の承諾書が登記の添付書類になるわけではありません。ただし、住宅ローン契約上は無断で名義変更すると期限の利益喪失(一括返済請求)の原因になり得るため、登記前に必ず金融機関へ相談してください。
売主側の本人確認・意思確認は決済当日に司法書士が実施します。買主が住宅ローンを使う場合は、所有権移転登記と同時に抵当権設定登記も行います。
※ ◎必須・○条件付き・—不要 の意味。書類取得の手間は相続が最大(戸籍収集が膨大)、贈与・売買は登記識別情報の有無が鍵、離婚財産分与は離婚成立を証する書類が追加で必要、という整理になります。
日本の不動産登記簿は公開されており、所有者本人の同意なしに誰でも閲覧・取得することができます。対象の土地の所在・地番さえ分かれば、登記簿に記録されている現在の所有者・所有権移転の経緯・抵当権などの担保権を確認できます。ただし、閉鎖された古い履歴や、所有者の現在住所、境界の確定状況まで分かるわけではありません。法務局の窓口・郵送・オンライン(登記情報提供サービス/登記ねっと)のいずれでも取得可能です。
調べたいケースとして多いのは「相続した土地の所有者が誰になっているか確認したい」「隣地の所有者と境界の話をしたい」「先祖名義のまま放置されていないか確認したい」など。いずれも登記事項証明書(または登記情報)を取得すれば、現在の所有者が判明します。
土地の所有者を最も確実に調べる方法は、登記事項証明書を取得することです。取得方法は3つあります。
登記事項証明書には「権利部(甲区)」に所有者の氏名・住所・所有権取得の原因と日付が記載されています。共有名義の場合は持分割合も明記されます。
土地を法務局で特定するために必要なのは地番です。地番は、私たちが日常的に使う住所(住居表示)とは異なる番号体系で、土地一筆ごとに法務局が振っています。
⚠️ 「他人の土地」を勝手に自分名義に変更することは絶対にできません。登記には所有者本人の意思表示(実印押印・印鑑証明書・登記識別情報の提出)が必須であり、本人の同意なしに名義を移すことは私文書偽造・公正証書原本不実記載等の犯罪行為になります。
「登記簿謄本」と「登記事項証明書」は、現在では実質的に同じものを指します。違いは「紙の登記簿」が存在していた時代の名残です。
古い書籍や記事に「登記簿謄本」と書かれていても、現在取得する場合は登記事項証明書を請求すればOKです。法務局窓口で「謄本ください」と言っても通じます。
オンライン取得は2系統あります。それぞれ用途が異なります。
所有者確認・物件調査の目的なら登記情報提供サービスのPDFで十分です。法務局・裁判所への提出が必要な場合は登記ねっとまたは窓口で取得します。
最寄りの法務局(出張所を含む)の窓口で、誰でも土地の登記事項証明書を取得できます。
地番が分からない場合は、申請書記入前に窓口で「地番が知りたい」と伝えれば調べてもらえます。複数の土地をまとめて請求する場合は、地番ごとに600円が必要です。
遠方の土地の登記事項証明書も郵送で取得できます。
申請から受け取りまで1週間〜10日程度。急ぐ場合はオンラインまたは窓口を利用してください。
※ 登記事項証明書は令和7年4月1日改定後、登記情報提供サービスは令和8年4月1日改定後の手数料。所有者調査・物件確認の目的なら登記情報提供サービスが最安最速。提出書類として使うなら600円の窓口取得が確実です。
土地の名義変更(登記申請)は、原因にかかわらず「①必要書類の収集 → ②登記原因証明情報の作成 → ③法務局への申請 → ④法務局の審査(1〜2週間) → ⑤完了」という5段階で進みます。書類が揃っていれば、申請から登記完了までは概ね1〜2週間。書類収集を含めれば全体で1ヶ月程度が目安です。
ただし相続のケースだけは戸籍収集に時間がかかります。被相続人の出生から死亡までの連続戸籍を集めるのに、本籍地が複数回変わっている場合は2〜3か月かかることもあります。
【事前判断】自分で手続きするか・司法書士に依頼するか:手続き開始前に、自分で対応できるか・司法書士に依頼すべきかを判断します。相続人が多い・遺産分割で揉めそう・遠隔地の場合は早めに専門家への依頼を検討してください。
相続による土地名義変更 — 6STEPフロー
贈与による土地名義変更 — 5STEP
離婚(財産分与)による土地名義変更 — 5STEP
売買による土地名義変更 — 5STEP
土地の名義変更は本人でも申請できます。ただし、他人の依頼を受けて業として登記申請を代理することは、司法書士または弁護士でなければできません(行政書士や民間業者が相続登記を代理申請することはできません)。司法書士に依頼するメリットは以下のとおりです。
土地の名義変更は自分でも手続きできます。ただし以下のリスクを理解した上で判断してください。
土地を複数人で共有名義にすると、相続が発生するたびに共有者が増え、最終的に「名義人が10人以上いて連絡も取れない」状態になりがちです。共有のまま放置していると、以下の問題が発生します。
当センターでは持分譲渡・売買による単独所有化の登記手続きに対応します。共有物分割訴訟・調停などの紛争解決は弁護士の業務範囲のため、必要に応じて弁護士へのご相談をお願いします。
土地の名義変更は、原因(相続・贈与・離婚財産分与・売買)によって必要書類・費用・期間が大きく異なります。令和6年4月1日施行の相続登記義務化により、相続による名義変更は3年以内の対応が必須です。書類は原因ごとに10点前後、期間は1ヶ月〜3ヶ月、費用は登録免許税+司法書士報酬+実費で構成されます。
所有者調査・登記簿謄本取得は登記情報提供サービスを使えば自宅から330円で完結します。一方、相続の戸籍収集や遺産分割協議書の作成、登記識別情報の管理など、自分で進めるには負担の大きい工程も多くあります。年間2,000件超の相談実績を持つ当センター(司法書士法人 不動産名義変更手続センター)では、戸籍収集から登記完了まで一括で対応し、依頼者は自宅から動かずに手続きを完結できます。お気軽にご相談ください。
相続による不動産名義変更(相続登記)の手続きに不安のある方は、以下のリンクをクリックしてください。
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司法書士法人 不動産名義変更手続センター
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