【登記事項証明書・登記簿謄本】とは?


《この記事の監修者》

司法書士法人不動産名義変更手続センター
代表/司法書士 板垣 隼 (→プロフィール詳細はこちら

最終更新日:2025年5月8日
 

  • 登記事項証明書とは、法務局で管理する不動産の所有者や、その他不動産についての情報が記載された証明書
  • 登記簿謄本と登記事項証明書はほぼ同じもの
  • 登記事項証明書は法務局で誰でも取得可能
  • 登記情報とは、登記簿のデータをインターネットで見ることができるもの
  • 住宅ローン控除の申告(確定申告)の際には、登記事項証明書が原則必要

登記事項証明書・登記簿謄本の基本情報

不動産の登記事項証明書とは?

土地、家、建物、マンションなどの不動産所有者の住所氏名、所在、大きさ、構造や地目などが記載された証明書です。

並んだファイルの写真

土地、家、建物、マンションなのど不動産の所有者が誰なのか、所有者の氏名・住所が法務局の登記簿に記載され一般公開されていますまた、不動産の場所、大きさ、構造や地目などの情報も合わせて記載があります。

現在、登記簿は電子データとして管理されています。登記簿に記録された内容を用紙に印刷し証明書として発行したものが登記事項証明書(とうきじこうしょうめいしょ)です。

法務局で誰でも登記事項証明書の取得が可能です。他人が所有している物件でも取得することができます。不動産の権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし、取引の安全と円滑が図られています。

『登記』は不動産以外にも【会社・法人】【成年後見】【債権譲渡・動産譲渡】【船舶】等があります。不動産以外の登記事項証明書(登記簿謄本)については別ページにて案内しております。

会社・法人の登記事項証明書はこちら

登記事項証明書・登記簿謄本でわかること

不動産の登記簿謄本とは?

一般的には、登記事項証明書のことです。

重なった書類の写真

厳密には法務局で備える登記簿を謄写した証明書のことを登記簿謄本(とうきぼとうほん)と言いますが、現在は基本的に法務局の登記簿も電子化されていますので、紙の登記簿を謄写するのではなく電子化されたデータの内容を出力し証明した登記事項証明書が発行されます。

コンピューター化前の古い登記簿は、現在も紙が原本ですので、古い登記簿の情報を取得する場合は、登記事項証明書ではなく厳密な意味での登記簿謄本である場合もあります。

実際は、細かい使い分けをせず、登記事項証明書も登記簿謄本もほぼ同じ意味として使われることが多いです。通常、登記簿謄本と言ったら登記事項証明書のことを指して使われているケースが大半です。

※このページで下記で説明している登記事項証明書については、基本的に登記簿謄本と同じものとしてご案内をしております。

登記事項証明書が必要になるときとは?

登記事項証明書の内容(所有者等)を確認する場合です。

登記事項証明書が必要になるのは、ご自身が所有者であること等を証明する場合や、誰が所有者であるか等を確認したい場合です。

主に以下のようなケースが考えられます。

  • 不動産関連の取引するとき
  • 不動産を相続するとき
  • 登記内容の変更が生じたとき
  • 住宅ローンを利用するとき
  • 住宅ローン控除の申告するとき

不動産関連の取引の際には、所有者や担保の有無等の登記簿の内容を確認するために取得します。

親や親族がお亡くなりになって相続する際、相続の対象となる不動産の調査が必要になります。誰の名義か?単独所有か共有名義か?など各種の確認が必要です。

住宅ローンを利用する際も金融機関より提出を求められます。住宅ローン控除の申告をする際も原則は必要です。

登記事項証明書の取得、内容

登記事項証明書を取得するにはどこで何をすればいいでしょうか?

法務局(登記所)に行けば誰でも取得可能です。

手続き中の女性のイラスト

登記事項証明書はどこの法務局でも、他の市町村、他の都道府県の物件のものも取得可能です。法務局以外では取得できないのでお近くの市役所・区役所・町役場では取得できません。

取得するのに必要な書類も特にございませんが、物件の情報があると取得しやすいでしょう。土地であれば地番建物であれば家屋番号がわかるとスムーズに取得できます。

物件の住所しか知らない場合は、住所から地番を調べて取得することになります。法務局にもブルーマップなどが備え付けておりますので、住所から検索することも可能です。

登記事項証明書を取得するには1通600円の手数料がかかります。窓口では収入印紙で納めます。オンラインによるインターネットを利用した申請も可能です。コンビニでの発行はできません。

なお、厳密な意味での登記簿謄本(紙の登記簿を謄写した証明書)は、対象不動産を管轄の法務局でないと取得できませんので、電子化前の古い登記簿謄本を取得する場合は、管轄法務局での取得が必要です。

登記事項証明書の取得方法詳細はこちら

2025年4月1日から登記事項証明書の手数料が変わりました。
  • 登記事項証明書のオンライン請求の発行手数料が現行の500円から520円に改定(窓口交付は現行480円を490円)。
  • 地図等証明書及び土地所在図等証明書は書面請求の発行手数料が現行450円から500円に改定(オンライン請求は送付が470円、窓口交付が440円)。
  • 法人の印鑑証明書の書面請求の発行手数料が現行の450円から500円に改定される予定です(オンライン請求は送付が470円、窓口交付が420円)。
  • 印鑑証明書の書面請求の発行手数料が現行450円から500円に改定(オンライン請求は送付が450円、窓口交付が420円)。
  • 登記手数料令の施行期日(変更日)は令和7年4月1日。

法務省からのお知らせ(各種証明書等の手数料が変わります)

登記事項証明書・登記簿謄本の取得方法

登記事項証明書に記載される内容は?見方(読み方)

土地の登記事項証明書には以下の内容が記載されます。

表題部と権利部に分かれ記載されます。

表題部

  • 所在
  • 地番
  • 地目
  • 地積
  • 原因及びその日付

(権利部)

  • (甲区)所有権に関する事項
    所有者などの情報
  • (乙区)所有権以外の権利に関する事項
    抵当権などの担保の情報、地上権などの用益権の情報

登記事項証明書の見方・読み方(サンプル)はこちら

登記事項証明書を取得したことはバレる?

登記事項証明書を法務局で取得しても、所有者には通知されませんので誰が取得したかバレることはありません。登記情報提供サービスを利用しても同様にバレません。

なお、登記事項証明書の交付申請の際は、住所氏名を記載し請求することになりますが、基本的に本人確認されることもありません。

登記事項証明書の種類と選び方

全部事項証明書

全部事項証明書(ぜんぶじこうしょうめいしょ)とは、登記記録に記録されているすべての事項として、現在の有効な登記内容だけでなく、過去に抹消された事項も含む全てを証明するものです(閉鎖記録を除く)
従来の登記簿謄本に代わるものは全部事項証明書のことになります。

主に以下の場合に利用されます。

  • 不動産の権利関係の変遷を詳しく確認したい場合
  • 過去の担保権の設定や移転などの履歴を確認したい場合
  • 重要な取引や法的な手続きなど、詳細な情報が必要な場合

現在事項証明書

現在事項証明書(げんざいじこうしょうめいしょ)とは、登記記録の現在有効な事項のみを証明するものです。過去に抹消された事項は記載されません。

主に以下の場合に利用されます。

  • 現在の所有者や担保権の設定状況など、現在の権利関係を把握したい場合
  • 日常的な取引や簡単な確認など、現在の情報のみで足りる場合

一部事項証明書(何区何番事項証明書)

一部事項証明書(いちぶじこうしょうめいしょ)とは、登記記録の一部の事項(例えば、甲区の特定の所有権に関する事項のみ、乙区の特定の担保権に関する事項のみなど)を指定して証明するものです。取得する際に必要な部分を具体的に指定する必要があります。

主に以下の場合に利用されます。

    • 特定の権利に関する情報のみが必要な場合
    • 例えば、敷地権化されていない土地などで、全体の情報量が膨大な場合

    閉鎖事項証明書

    閉鎖事項証明書(へいさじこうしょうめいしょ)とは、閉鎖された登記記録(例えば、建物の滅失や、土地の合筆などにより登記記録が閉じられたもの)の内容を証明するものです。

    • 過去に存在した不動産に関する情報を確認したい場合
    • 閉鎖された登記記録の内容を証明する必要がある場合

    どの登記事項証明書(種類)を取得すべきか?

    取得すべき登記事項証明書の種類は、何を確認したいか、どのような目的で使用するかによって異なります。

    • 過去からの権利変動の経緯を詳しく確認したい場合: 全部事項証明書
    • 現在の権利関係のみを確認したい場合: 現在事項証明書
    • 特定の権利に関する情報のみを確認したい場合: 一部事項証明書
    • 既に閉鎖された登記記録の内容を確認したい場合: 閉鎖事項証明書

    その他、図面等

    法務局で発行される不動産の証明書は、登記事項証明書の他、図面等もあります。詳しくは以下をご参照ください。

    登記事項証明書に似たサービス

    登記情報提供サービスとは?

    登記情報提供サービスは、法務局の登記簿データをパソコン上で確認できる有料のサービスです。登記情報はPDFファイルで見ることができます。

    登記簿謄本などの「証明書」が必要な場合でなく、所有者や物件などの情報を確認する目的であれば、登記情報提供サービスの利用も考えられます。

    登記情報提供サービスを利用すると、法務局に行かなくても登記事項証明書の内容と同様の情報をインターネット経由で取得可能です。

    登記情報提供サービスの詳細はこちら

    登記事項要約書とは?

    登記事項要約書(とうきじこうようやくしょ)とは、登記記録の概要が記載された書面です。

    現在、効力のある登記記録の事項だけが記載されるので、現在の所有者は記載されますがその前の所有者(過去の所有者)については記載されません。抵当権や差押等も現在効力あるのものみ記載されます。

    登記事項要約書は、登記事項証明書と異なり登記官の印や認証文の記載がないため、証明書としては基本的に利用できません(証明力はありません)。

    取得の際は、法務局にて登記事項要約書交付申請書に記入し窓口に請求します。手数料は450円と、登記事項証明書を窓口で取得する場合の600円よりは安く確認ができます。郵送やオンライによる送付請求はできません。

    他管轄の物件については請求ができません。なお、登記事項証明書は他管轄の物件でも取得可能です。

    登記事項証明書を使用するとき

    登記事項証明書の有効期限は?

    記事項証明書・登記簿謄本に法律で決まった有効期限はありません。

    証明書の発行日時点での証明になり、特にいつまで有効といったものではありません。

    ただし、提出先によっては3ヶ月以内のものを求められたりすることもありますで、必要に応じて個別に確認が必要かと思います。

    登記事項証明書は住宅ローン控除の確定申告の際に必要になる?

    住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を適用を受けるためには、確定申告が必要です。確定申告の際に、登記事項証明書の提出が必要になります。

    なお、令和3年7月1日より、申告の際に提出する登記事項証明書について、住宅借入金等特別控除額の計算明細書に不動産番号を記載することなどにより添付を省略することができます

    マンションの名義変更のFAQ・よくある質問

    Q1: 「登記事項証明書」と「登記簿謄本」は何が違うのですか?

    A: 実質的に同じものです。厳密には登記事項証明書は電子化された登記簿の情報を出力して証明したもので、登記簿謄本は紙の登記簿を謄写して証明したという違いがありますが、ほぼ同じ意味として使われています。

    Q2: 「登記事項証明書」には何が書かれていますか?

    A: 不動産の「表題部」(物理的情報:所在地、地番、面積など)と「権利部」(所有権情報を記載する「甲区」と抵当権などその他の権利を記載する「乙区」)が含まれています。マンションの場合は敷地権に関する情報も記載されます。

    Q3: 登記事項証明書の種類と、名義変更で必要なものは?

    A: 主な種類は「全部事項証明書」(過去の履歴含む全情報)、「現在事項証明書」(現在有効な事項のみ)、「一部事項証明書」(指定部分のみ)、「閉鎖事項証明書」(消滅した登記)があります。名義変更には一般的に「全部事項証明書」又は「現在事項証明書」が必要です。

    Q4: なぜ不動産の名義変更で「登記事項証明書」が必要なのですか?

    A: 現在の所有者確認、不動産の正確な特定、抵当権などの権利関係の確認、登記申請の基礎情報として、そして取引の安全性確保のために必要です。不動産の現在の法的状態を公的に証明する唯一の書類だからです。

    Q5: 名義変更のどのタイミングで「登記事項証明書」を使いますか?

    A: 手続き開始前の確認段階、登記申請書類の作成段階、法務局への登記申請段階、名義変更後の確認の段階など、複数の場面で使用します。

    Q6: 登記事項証明書に有効期限はありますか?

    A: 法律上の有効期限はありませんが、実務上は「発行後3ヶ月以内」という事実上の有効期限が設けられていることが多いです。これは登記内容が変動する可能性があるためで、提出先の指定に従う必要があります。

    Q7: 「登記事項証明書」「登記簿謄本」はどこで取得できますか?

    A: 法務局、その支局・出張所で取得可能です。コンピューター化により原則として全国どこの法務局でも他の管轄の不動産の証明書を取得できます。取得方法は①窓口申請(600円)、②郵送申請(600円+郵送費)、③オンライン申請(490円、520円)の3つがあります。

    Q8: 登記事項証明書の取得に必要な情報や費用は?

    A: 不動産を特定するための「地番」(土地)または「家屋番号」(建物)が必要です(住所とは異なる場合が多い)。費用は窓口・郵送で600円、オンラインで490円or520円です。窓口・郵送では収入印紙で支払い、オンラインではインターネットバンキングなどで電子的に納付します。

    Q9: オンラインで「登記事項証明書」を取得する手順は?

    A: 「登記・供託オンライン申請システム」にアクセス→利用者登録→ログイン→証明書請求を選択→不動産情報を入力→証明書種類と受取方法の選択→手数料納付→証明書受取、という流れです。利用時間制限や必要環境に注意が必要です。

    Q10: 他人の不動産の「登記事項証明書」も取得できますか?バレますか?

    A: 誰でも取得可能です。登記制度は情報公開が原則で、所有者確認や利害関係の証明は不要です。また、誰が証明書を取得したかを所有者に通知する制度はないため、通常は所有者に知られることはありません。

    Q11: 「登記情報提供サービス」「登記事項要約書」とは何ですか?証明書とどう違いますか?

    A: どちらも登記官による認証がなく法的な証明力がないため、公的手続きには使えませんが、現在の登記簿の情報は確認することが可能です。「登記情報提供サービス」はインターネットで閲覧できる有料サービスで、「登記事項要約書」は登記の概要を記した簡略版です。名義変更には必ず正式な「登記事項証明書」が必要です。

    登記事項証明書と不動産名義変更

    登記事項証明書に記載の所有者を変更するにはどうしたら?

    書類に記入する女性の写真

    登記事項証明書に記載されている所有者の変更手続きは、名義変更手続きのことで、正確には登記申請と呼ばれる手続きです。

    不動産の名義変更をするには、法務局での手続きが必要です。専門知識なども必要ですので、ご自身で手続きが難しい場合は、司法書士に依頼することになります。

    当センターも司法書士事務所が運営しておりますので、もちろんご依頼いただければ手続きを代行することが可能です。書類の収集、作成など全てお任せください。

    ご自身では難しいと感じたら当センターへご相談ください。

    ご参考までに、当センターへご依頼の場合の費用はこちらを参照ください。
    各種プランを用意しております。具体例などもありますのでイメージしやすいかと思います。

    【不動産名義変更の費用】実費と司法書士の報酬(具体例で案内!)

    不動産名義変更・相続登記の手続き詳細まとめ

    不動産名義変更・相続登記の手続きの詳細(費用、書類、期間、義務等)は以下をご参照ください。

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