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家族が亡くなった際の年金手続きでは、まず年金受給者死亡届の提出が必要かどうかを確認し、そのうえで未支給年金や遺族年金の請求手続きを進めます。
日本年金機構に亡くなった方のマイナンバーが収録されている場合、原則として「年金受給権者死亡届(報告書)」の提出は不要です。ただし、未支給年金や遺族年金を受け取るための請求手続きは、死亡届の省略とは別に必要です。
誰がいつまでにどの年金で何を行うべきか、また放置した場合にどうなるかを確認することが重要です。
亡くなった方が年金を受給していた場合、まず確認すべきなのは、年金受給権者死亡届の提出が必要なケースかどうかです。
日本年金機構に亡くなった方のマイナンバーが収録されている場合、原則として年金受給権者死亡届の提出は不要です。死亡届が必要な場合は、厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内に手続きを行います。
ただし、死亡届の提出が不要な場合でも、未支給年金や遺族年金を受け取るには別途請求手続きが必要です。届出や請求が遅れると、死亡後の過払い年金の返納や、本来受け取れる未支給年金・遺族年金の請求漏れにつながることがあります。
📘 関連記事:年金手続きに必要な戸籍謄本の取り方は「戸籍謄本の取り方|郵送・窓口・コンビニ・広域交付4通りの手順」で詳しく解説しています。
添付コードの該当テキストのみ、前回の**3・4**の内容に合わせて修正しました。 ```html| 受給していた年金の種類 | 届出の名称 | 提出期限 | 届出義務者 | 届出先 |
|---|---|---|---|---|
| 老齢基礎年金のみ | 年金受給権者死亡届 ※必要な場合 | 死亡後14日以内 ※届出が必要な場合 | 遺族等 | 年金事務所または 年金相談センター |
| 障害基礎年金・遺族基礎年金のみ | 年金受給権者死亡届 ※必要な場合 | 死亡後14日以内 ※届出が必要な場合 | 遺族等 | 市区町村役場の 国民年金窓口 |
| 厚生年金 | 年金受給権者死亡届 ※必要な場合 | 死亡後10日以内 ※届出が必要な場合 | 遺族等 | 年金事務所または 年金相談センター |
| 共済組合等から支給・代行払いを受けている場合 | 年金受給権者死亡届 ※必要な場合 | 個別確認 | 遺族等 | 加入していた共済組合等 |
| 被保険者の種別 | 届出の名称 | 提出期限 | 届出義務者 | 届出先 |
|---|---|---|---|---|
| 第1号被保険者 (自営業者・無職など) | 資格喪失届 | 死亡後14日以内 | 遺族(世帯主等) | 市区町村役場の 国民年金窓口 |
| 第2号被保険者 (会社員・公務員) | 被保険者資格喪失届 | 資格喪失日から5日以内 | 事業主(勤務先) | 年金事務所 ※遺族からの届出は原則不要 |
| 第3号被保険者 (第2号被保険者の被扶養配偶者) | 国民年金第3号被保険者関係届 (死亡・非該当) | 原則として速やかに | 第2号被保険者である配偶者の勤務先等を通じて提出 | 事業主・共済組合等を経由して 年金事務所 |
相続登記の全体像を知りたい方は → 不動産の名義変更(相続登記)の手続きガイド
公的年金は大きく、国民年金と厚生年金に分かれます。公務員等の共済年金は、平成27年10月の被用者年金一元化により厚生年金に統一されました。
ただし、過去に共済組合等の加入期間がある方や、共済組合等から年金の支給・基礎年金の代行払いを受けている方については、共済組合での確認や手続きが必要となる場合があります。
国民年金について
自営業者や無職の方など国民年金の第1号被保険者として老齢基礎年金を受給していた場合、年金事務所または年金相談センターに年金受給権者死亡届を提出し、14日以内に年金を停止します。なお、障害基礎年金または遺族基礎年金のみを受給していた方が亡くなった場合の届出先は、年金事務所ではなく市区町村役場となります。
届出後は未支給年金の請求や、該当する場合は遺族基礎年金の申請手続きを行います。また、故人がまだ年金を受給していなかった場合でも、生計を共にしていた遺族は一定の条件下で遺族基礎年金や死亡一時金を請求できる可能性があります。
厚生年金について
厚生年金を受給していた方が亡くなった場合、死亡届が必要なケースでは10日以内が目安です。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合、年金受給権者死亡届は原則不要です。
一方、在職中の会社員等が亡くなった場合の健康保険・厚生年金の資格喪失手続きは、原則として勤務先の事業主が、事実発生から5日以内に日本年金機構へ提出します。遺族は、勤務先で手続きが進んでいるかを確認するとともに、未支給年金や遺族厚生年金の請求が必要かどうかを年金事務所等で確認しましょう。
共済年金について
地方公務員共済や私学共済など、過去に共済組合へ加入していた方については、平成27年10月の制度統合により、被用者年金制度は厚生年金に統一されています。
ただし、共済組合等が年金の支給や基礎年金部分の代行払いを行っているケースでは、手続き先が共済組合となる場合があります。たとえば、地方公務員共済組合員期間のみの老齢基礎年金を受けている方、地方公務員共済組合員期間のみの方が亡くなったことによる遺族基礎年金を受けている方、初診日が地方公務員共済組合員期間中にある障害基礎年金を受けている方で、地方公務員共済組合から基礎年金の代行払いを受けている場合は、加入していた地方公務員共済組合が提出先になります。
遺族共済年金は現在遺族厚生年金に一本化されていますが、支給額の計算方法や手続きに共済独自の項目が残っているため、該当する共済組合に確認しながら手続きを進めると安心です。
年金手続きを放置すると深刻なトラブルが発生します。
死亡届が必要なケースで届出が遅れたり、死亡情報の反映が間に合わなかったりすると、亡くなった方の口座に年金が振り込まれることがあります。このうち、死亡月分までは未支給年金として遺族が請求できる対象ですが、死亡月の翌月分以降は過払いとなり、後日返納を求められることがあります。
単なる届出忘れや手続き遅れの場合は、まず過払い分の返納が問題になります。一方で、死亡の事実を知りながら意図的に届出や連絡をせず、年金を受け取り続けた場合は、不正受給として問題になる可能性があります。
一方、未支給年金の請求を放置すると、請求期限である時効5年を過ぎてしまい、受け取りの権利自体が消滅してしまいます。忙しさから後回しにしているうちに5年以上経過してしまい、本来受け取れるはずの未支給年金を失うケースもあります。
家族が亡くなった際に真っ先に行うべき重要な手続きの一つが死亡届の提出です。
死亡届は亡くなった事実を公的に届け出るもので、年金だけでなく戸籍や保険など様々な制度に関わる基本的な手続きとなります。死亡届の提出方法と期限、年金機構や役所への連絡の流れ、そして手続きに必要な年金証書や基礎年金番号の確認方法を理解しておくことが大切です。
まず市区町村役場へ戸籍上の死亡届を提出します。これは戸籍法に基づく手続きで、死亡の事実を知った日から7日以内に、故人の死亡地・本籍地・届出人の所在地のいずれかの市区町村役場へ提出する必要があります。
死亡届を提出できる人は、親族、同居者、家主・地主・家屋または土地の管理人、後見人・保佐人・補助人・任意後見人・任意後見受任者などです。戸籍法上、届出義務者は主に「同居の親族」「その他の同居者」「家主・地主・家屋または土地の管理人」です。一方、同居していない親族や後見人等も死亡届を提出できますが、義務者というより「届出できる人」として整理されます。
実務上は親族が届出人となり、葬儀社が窓口提出を代行するケースも多くあります。法務省も、死亡届の提出時期は死亡の事実を知った日から7日以内、提出先は死亡者の死亡地・本籍地または届出人の所在地の市区町村役場と案内しています。
戸籍への死亡記載が完了すると「死亡の事実を証明する書類」(戸籍謄本の除籍や住民票の除票など)が取得でき、これが今後の年金手続きや相続手続きの基本書類となります。
次に、亡くなった方が年金受給者であった場合は、年金受給権者死亡届の提出が必要かを確認します。日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合、原則として年金受給権者死亡届の提出は不要です。
死亡届が必要なケースでは、厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内が目安です。老齢基礎年金や厚生年金の受給者は年金事務所または街角の年金相談センター、障害基礎年金・遺族基礎年金のみの受給者は市区町村役場が窓口になります。地方公務員共済組合等から基礎年金の代行払いを受けている場合などは、加入していた共済組合が提出先となることがあります。
【届出の省略について】
日本年金機構に故人のマイナンバーが登録されている場合、住民基本台帳ネットワークシステムを通じて死亡情報が連携されるため、原則として「年金受給権者死亡届」の提出は不要です。
【注意点】
| 書類名 | 詳細 |
|---|---|
| 年金受給権者死亡届 | 年金事務所またはウェブサイトから入手 |
| 年金証書 (または基礎年金番号通知書、 旧年金手帳) | 基礎年金番号がわかる書類 ※年金手帳は2022年4月に廃止され、現在は基礎年金番号通知書が発行されています |
| 死亡を証明する書類 | 死亡診断書のコピーまたは戸籍謄本(除籍)・住民票の除票 |
| 本人確認書類 | 届出者の運転免許証やマイナンバーカード等 |
年金に関する死亡手続きでは、まず「年金受給権者死亡届の提出が必要か」「未支給年金や遺族年金の請求が必要か」を確認します。
日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合、年金受給権者死亡届は原則不要です。そのため、年金の停止だけを目的として、必ず年金事務所へ死亡届を提出しなければならないわけではありません。
ただし、未支給年金を受け取れる遺族がいる場合は、「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」の提出が必要です。また、遺族年金を受け取れる可能性がある場合も、別途請求手続きが必要です。手続きが必要か不明な場合は、年金事務所やねんきんダイヤルで確認しましょう。
遠方で窓口に行けない場合は、まず年金事務所に電話で相談し、郵送手続きの方法を確認するとよいでしょう。日本年金機構のねんきんダイヤル(電話相談窓口)に問い合わせれば、必要書類の案内や郵送提出の手順について詳しく教えてもらえます。
年金手続きを進めるには、故人が受給していた年金の種類や基礎年金番号を確認する必要があります。まず探すべきは「年金証書」です。年金証書は年金の支給開始時に年金機構から交付される書類で、受給している年金の種類や基礎年金番号が記載されています。もし年金証書が見当たらない場合は、故人の年金手帳(基礎年金番号が記載された手帳)や、毎年送付される年金定期便のハガキなどを手掛かりにしましょう。これらにも基礎年金番号が記載されています。
どうしても年金に関する書類が見つからない場合は、年金事務所に直接問い合わせます。年金事務所では、身分証明書や故人との関係性を示す書類(戸籍など)を提示することで、基礎年金番号や受給状況を教えてもらうことができます。電話での問い合わせはプライバシーの関係で詳細を教えてもらえない場合もありますが、窓口であれば必要な情報を確認できます。年金の受給状況(どの年金を受け取っていたか、最後の支給はいつか)も確認し、未支給年金や遺族年金の手続きに備えることが大切です。
💡 未支給年金とは(要点まとめ)
未支給年金とは、年金受給者が亡くなった時点でまだ本人が受け取っていなかった年金のことです。年金は偶数月(2月、4月、6月など)に前2か月分を後払いで振り込む仕組みになっているため、どの月に亡くなっても必ず未支給の期間が発生します。
例えば6月20日に亡くなった場合、その方は6月分まで年金を受け取る権利がありますが、6月分の年金が実際に振り込まれるのは8月15日です。この時点で本人は既に亡くなっているため、その6月分(死亡月分)の年金は本人に代わって遺族が受け取れる未支給年金となります。このように年金の後払いの仕組み上、必ず未支給分が生じるため、遺族による請求手続きが必要になります。
未支給年金の対象となるのは、亡くなった月までの未払いの年金です。
具体的な未支給期間は亡くなったタイミングによって1~3か月分程度発生します。例えば奇数月に亡くなった場合は当月と前月の2か月分、偶数月の支給日前(15日より前)に亡くなった場合は当月・前月・前々月の3か月分、偶数月の支給日後に亡くなった場合は当月分の1か月分が未支給になるのが一般的です。
未支給年金は、故人が受け取るはずだったお金ですが、相続財産ではなく、一定の遺族が自己の権利として請求して受け取る年金給付として扱われます。そのため、公的年金の未支給年金は、原則として相続税の課税対象にはなりません。
一方で、受け取った未支給年金は、受け取った遺族の一時所得に該当します。一時所得の合計額が50万円以下であれば確定申告は不要とされていますが、他の一時所得がある場合などは扱いが変わるため、必要に応じて税務署や税理士に確認しましょう。
公的年金の話と、企業年金・個人年金(私的年金)の未収給付で課税関係が異なる点の注意が必要です。
未支給年金を受け取ることができるのは、故人と生計を同じくしていた遺族に限られます。具体的には3親等内の親族で、故人と死亡時に同居または生計を一にしていた方が対象です。
受け取れる遺族の優先順位
重要なポイント
| 順位 | 続柄 |
|---|---|
| 1位 | 配偶者 |
| 2位 | 子 |
| 3位 | 父母 |
| 4位 | 孫 |
| 5位 | 祖父母 |
| 6位 | 兄弟姉妹 |
| 7位 | 上記以外の3親等内の親族 |
未支給年金を請求するには、所定の「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」を提出します。日本年金機構の様式を利用する場合は、両面印刷の様式です。
主な添付書類
なお、死亡診断書のコピーや死亡届の記載事項証明書などは、主に「未支給年金を受け取れる遺族がいない場合」など、死亡届のみを提出するケースで必要となる書類です。未支給年金請求の必要書類とは分けて説明した方が正確です。
注意点
提出先
基本的に年金事務所または年金相談センターに提出します。年金受給停止の死亡届と同時に提出する場合が多いですが、先に死亡届を提出していても未支給年金の請求手続きを忘れずに行わなければ未支給分は支給されません。なお、故人が地方公務員共済組合のみに加入していた場合などは、提出先が共済組合となるケースがあります。
| 書類名 | 詳細 |
|---|---|
| 年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書 | 日本年金機構の様式を利用する場合は両面印刷 |
| 亡くなった方の年金証書 | 年金証書を紛失している場合は年金事務所等に確認 |
| 続柄を確認できる書類 | 戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写しなど |
| 生計同一関係を確認できる書類 | 住民票の除票、請求者の世帯全員の住民票、生計同一関係に関する申立書など |
| 請求者名義の通帳等 | 口座番号等が確認できるもの。公金受取口座を利用する場合などは省略できる場合あり |
| 請求者のマイナンバー確認書類 | マイナンバーカード、個人番号が確認できる書類+本人確認書類など |
未支給年金の請求期限は法律で5年以内と定められています。
これは亡くなった翌月から起算して5年という意味で、例えば2025年4月に亡くなった場合、2030年4月末までに請求しないと権利が消滅してしまいます。5年を過ぎると原則として受け取れなくなりますので、「忙しくて手続きが後回しになっているうちに期限が過ぎてしまった」ということがないよう注意が必要です。ただし、やむを得ない事情がある場合は書面で申し立てを行うことで時効成立を一時的に止められる場合もあります。
請求してから実際に未支給年金が支給されるまでの期間は、おおむね1~2か月程度が目安です。年金機構での処理に時間がかかる場合もありますが、通常は請求が受理されてから次回の偶数月支給日に合わせて振り込まれるか、あるいは臨時で振り込まれます。書類不備なく手続きを完了し受理されれば、早ければ約2か月後には指定口座に未支給年金が入金されるケースが多いでしょう。ただし繁忙期や書類の確認状況によってはもう少し時間がかかることもあります。支給が完了すると「支給決定通知書」が郵送されてきますので、内容を確認して保管してください。
遺族年金とは(5秒でわかる要点)
故人によっては、遺族が遺族年金を受け取れる場合があります。遺族年金とは、家計の生計維持者が亡くなったときに残された家族の生活を支えるために支給される年金給付です。ただし自動的には支給されないため、遺族が自ら請求手続きを行う必要があります。
受給には亡くなった方と遺族側の要件があり、条件を満たさない場合は支給されません。代表的なものに遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。
遺族基礎年金とは、国民年金の被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間を満たした者が亡くなったときに支給される遺族年金で、子のいる配偶者または子に支給されます。ここでいう「子」とは18歳到達年度の末日(3月末)までの子(障害のある子の場合は20歳未満)を指し、その子を養育する配偶者も対象となります。
遺族基礎年金では、亡くなった方が国民年金の被保険者期間中に死亡した場合など、いわゆる短期要件に該当するケースでは、保険料納付要件を満たしている必要があります。具体的には、死亡日の前日において、死亡月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間などが3分の2以上あることなどが要件です。
一方、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていた方が亡くなった場合など、長期要件に該当するケースでは、同じ形で保険料納付要件を確認するわけではありません。年金をすでに受給していた方が亡くなった場合は、短期要件と長期要件のどちらに当たるかを年金事務所で確認しましょう。例えば自営業の方で未納なく国民年金を納めていた方が子どもを残して亡くなった場合、その配偶者は遺族基礎年金を請求できます。
ただし、子どものいない配偶者のみが残されたケースでは遺族基礎年金は支給されません。その場合は代わりに寡婦年金や死亡一時金といった国民年金独自の給付制度が用意されていますが、これらは対象者や条件が限られます。
遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者または厚生年金の老齢年金受給者等が亡くなったときに支給される遺族年金です。支給対象となる遺族は主に配偶者と子ですが、条件によっては父母、孫、祖父母が受給できる場合もあります。典型的なケースとしては、会社員だった夫が亡くなり専業主婦の妻が残された場合に妻に支給される、あるいは働き盛りの母親が亡くなり残された子どもに支給されるなどがあります。
遺族厚生年金は、亡くなった方が厚生年金の被保険者であった場合のほか、厚生年金加入中に初診日がある傷病で初診日から5年以内に死亡した場合、1級・2級の障害厚生年金の受給権者が死亡した場合、老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たした方が死亡した場合などに、遺族側の要件を満たせば支給されます。
支給対象となる遺族は、子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母です。未支給年金とは異なり、兄弟姉妹は遺族厚生年金の対象ではありません。
子のない夫は、死亡当時55歳以上である場合に対象となりますが、支給開始は原則60歳からです。ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合は、55歳から60歳の間でも遺族厚生年金を受給できることがあります。
特に注意したいのは、子のない配偶者に対する支給期間や年齢要件です。現行制度では、子のない30歳未満の妻は5年間のみの有期給付です。また、子のない夫は死亡当時55歳以上である方に限られ、受給開始は原則60歳からです。
中高齢寡婦加算は、夫が亡くなったときに妻が40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている一定の子がいない場合などに、40歳から65歳になるまで加算される制度です。また、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子の年齢到達等により遺族基礎年金を受けられなくなった場合も対象となることがあります。ただし、老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている夫が死亡した場合は、夫の厚生年金保険の被保険者期間が原則20年以上であることなどの要件があります。単に「40歳以上65歳未満で子どものない妻なら必ず加算」とは限りません。
これらは複雑な規定なので、該当しそうな場合は年金事務所で詳細を確認すると良いでしょう。
共済年金加入者(公務員等)だった方が亡くなった場合の遺族年金は、基本的には遺族厚生年金として支給されます。ただし、平成27年の年金一元化前に公務員だった方などについては、遺族共済年金(遺族厚生年金+経過的補償額)として支給額に調整がある場合があります。手続きは現行の遺族厚生年金と同様に年金事務所で行いますが、地方公務員共済等から基礎年金部分の代行払いを受けていたケースでは、請求先が共済組合になることに注意が必要です。
具体的には、地方公務員共済組合から基礎年金の代行払いを受けている方が亡くなった場合で、次のようなケースでは、加入していた地方公務員共済組合が提出先となります。
・被保険者期間が地方公務員共済組合員期間のみの老齢基礎年金を受けている方
・被保険者期間が地方公務員共済組合員期間のみの方が亡くなったことによる遺族基礎年金を受けている方
・初診日が地方公務員共済組合員期間中にある障害基礎年金を受けている方
共済組合独自の様式や追加書類が必要となることもあるため、共済組合等から支給・代行払いを受けていた可能性がある場合は、年金証書や通知書を確認し、該当する共済組合に問い合わせましょう。
故人の死亡後に、死亡月の翌月分以降の年金が振り込まれた場合、その部分は過払い年金として返還を求められることがあります。年金は偶数月に前2か月分が後払いされるため、死亡のタイミングや死亡情報の反映時期によっては、支給停止が間に合わないことがあります。
一方、死亡月分までの年金は、未支給年金として一定の遺族が請求できる対象です。死亡後に口座へ入金された年金のすべてが過払いになるわけではないため、死亡月分までと死亡月の翌月分以降を分けて確認する必要があります。
年金機構への死亡届提出が間に合わないと、死亡後に年金が振り込まれてしまうことがあります。年金は偶数月に前2か月分が支給される仕組みのため、亡くなった月の翌々月15日に支給される年金には死亡月の年金が含まれています。死亡月分の年金は本来遺族が未支給年金として受け取れるものですが、年金機構が死亡を認識していなければ通常通り振り込まれてしまい、死亡月の翌月以降の分が過払いとなります。
例えば6月20日に亡くなった場合、本来受け取れるのは6月分までですが、届け出が遅れると8月15日に6月・7月分の年金が振り込まれ、7月分が過払いとなります。過払い分については後日年金機構から返納の案内が届き、返金手続きが必要になります。一方、死亡届を迅速に提出していれば8月の振込はストップし、過払いは発生しません。
返金が必要になるのは、死亡月の翌月分以降の年金が支払われた場合です。死亡月分までの年金は、未支給年金として一定の遺族が請求できる対象であり、過払いとは区別されます。
過払い分を相続人が受け取ったり、故人の口座から引き出して使用したりした場合は、返納が必要となる可能性があります。一方で、相続放棄をした方が過払い年金を引き出しておらず、故人の財産にも手を付けていない場合は、当然に返還義務を負うとは限りません。相続放棄をしている場合は、返納通知が届いても自己判断で支払う前に、年金事務所や弁護士等に確認しましょう。
一方、返金が不要なケースもあります。死亡届を期限内に提出し年金機構が支給を停止したため死亡後の過払いが発生しなかった場合や、銀行口座を早々に凍結・解約したために振込不能となり死亡月分の年金が振り込まれなかったケースなどです。後者の場合、未払いの死亡月分は未支給年金として改めて請求することになりますが、過払い金として返すものはありません。つまり、死亡後に余分な年金が支給されてしまったかどうかが返金の要否を分けるポイントです。なお、故人が年金を未受給のまま亡くなった場合は過払いそのものが発生しないため返還手続きも不要です。
過払い年金が発生した場合、日本年金機構から通知が届きます。通知には過払いとなった期間と金額、返納用の振込用紙が同封されており、案内に従って返金します。通常は一括返納ですが、金額が大きい場合は年金事務所に相談すれば分割払いの対応を検討してもらえることもあります。
返金手続きの注意点は、速やかに対応することです。返納通知が来たら放置せず期限までに支払いましょう。通知が届かない場合でも、過払いに気づいたら自発的に年金事務所へ連絡すべきです。故意に届け出を怠り過払い年金を受け取り続ける行為は不正受給とみなされ罰則の対象となります。
また、未支給年金の請求をした後でも、故人名義の口座を解約していない場合、年金が入金されることがあります。口座を解約するかどうか、凍結後に入金がどう扱われるかは、金融機関にも確認しましょう。
過払い年金が発生した場合でも、「公的給付金だから相続放棄をしていても必ず返還義務が残る」とは断定できません。相続放棄をした方は、原則として被相続人の債務を承継しないため、過払い年金を引き出していない場合には、返納義務を負わない方向で整理される可能性があります。
ただし、相続放棄をする予定の方や、すでに相続放棄をした方が、故人の口座から過払い年金を引き出して使用した場合は、返還義務や相続放棄への影響が問題になることがあります。相続放棄が関係する場合は、返納通知への対応を含め、年金事務所や弁護士等に確認してください。
年金手続き全般で共通して必要になる主な書類は以下の通りです。
死亡の事実を証明する書類
戸籍謄本(除籍)や住民票の除票、または死亡診断書のコピーなど。年金手続きでは戸籍や除票で死亡を確認するケースが多いです。
故人の年金証書
故人が受給していた年金の証書。紛失等で無い場合は年金手帳(基礎年金番号通知書でも可)を用意します。基礎年金番号がわかる書類は必須です。
届出・請求者の本人確認書類
年金事務所の窓口で手続きする際に必要です。運転免許証やマイナンバーカード等、公的な写真付き身分証を持参します。郵送提出の場合も写しの提出や委任状が必要になることがあります。
届出・請求に関する書類フォーム
年金受給者死亡届や年金請求書、未支給年金請求書といった所定の用紙類です。これらは年金事務所で入手でき、事前に記入例を確認しながら準備しておくとスムーズです。故人・遺族双方の基礎年金番号や振込先口座情報等を記入します。
未支給年金の請求では、基本書類に加えて故人と請求者の関係性および生計同一を確認する書類が必要です。
未支給年金の請求に必要な書類
遺族年金の請求に必要な書類
年金請求書(遺族年金)、年金手帳、戸籍謄本、住民票関係、通帳が基本です。
状況により必要書類は変わるため、年金事務所に確認することをお勧めします。
公的年金の手続きでは、書類の原本とコピーの提出に関するルールがあります。戸籍謄本や住民票など官公署が発行する証明書類は、亡くなった日より後に交付されたものが必要です。提出した戸籍謄本や住民票等を他の相続手続きでも利用したい場合は、原本還付の扱いについて年金事務所等に確認しましょう。
「発行後3か月以内」と一律に断定するのではなく、年金手続きでは「死亡日後に交付されたもの」が必要である点を明記した方が正確です。請求書に所定のチェックを入れることで確認後に郵送で返送されるため、相続手続きなど他の用途に使いたい場合は活用できます。
一方、銀行通帳や本人確認書類などはコピーで構いません。通帳の写しやマイナンバーカードの表面コピーなどはコピー提出が一般的です。年金機構側で原本確認が必要な場合は窓口で提示を求められることがありますが、郵送の場合はコピーを同封すれば大丈夫です。
昨今の手続きでは、マイナンバーの活用によって添付書類を省略できるケースも増えています。請求書に故人や遺族のマイナンバーを記入すると、戸籍や住民票等の提出が一部省略される場合があります。ただし省略可否は要件によるため、心配な場合は原本を取得・添付しておいた方が無難です。
提出した書類は年金機構で確認され、不備がなければ受理となります。不備があると後日補正や追加提出を求められ支給が遅れる原因にもなるので、提出前に書類チェックを入念に行いましょう。
※年金の手続き代行は社会保険労務士の業務となります。当事務所では相続手続き全体の流れとして一般的なご案内を行っております。
年金受給者が亡くなったら、まず何をすればいいですか?
まず、年金受給権者死亡届の提出が必要かを確認します。日本年金機構に亡くなった方のマイナンバーが収録されている場合、原則として年金受給権者死亡届の提出は不要です。ただし、未支給年金や遺族年金を受け取れる可能性がある場合は、死亡届の省略とは別に請求手続きが必要です。死亡届が必要なケースでは、厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内が目安です。不明な場合は、年金証書や基礎年金番号がわかる書類を手元に用意して、年金事務所やねんきんダイヤルに確認しましょう。
年金の死亡届を出さないとどうなりますか?
年金受給権者死亡届が必要なケースで届出が遅れると、死亡月の翌月分以降の年金が支払われ、後日返納を求められることがあります。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合、年金受給権者死亡届は原則不要です。死亡届が不要な場合でも、未支給年金や遺族年金の請求は別途必要です。死亡の事実を知りながら意図的に届出や連絡をせず、年金を受け取り続けた場合は、不正受給として問題になる可能性があります。
死亡した月の年金はもらえますか?
はい、死亡した月の分まで年金は支給されます。年金は後払い(偶数月に前2か月分を支給)のため、死亡時点で受け取っていない年金(死亡月分を含む)は「未支給年金」として、生計を同じくしていた遺族が請求できます。未支給年金の請求期限は5年以内です。
未支給年金は誰が請求できますか?
故人と生計を同じくしていた遺族が請求でき、優先順位は (1)配偶者、(2)子、(3)父母、(4)孫、(5)祖父母、(6)兄弟姉妹、(7)その他3親等内の親族の順です。「生計を同じくしていた」とは、同居していた場合のほか、別居でも仕送りなどにより生計を一にしていた場合を含みます。
遺族年金はいつまでもらえますか?
遺族基礎年金は、子が18歳到達年度末(障害のある子は20歳未満)に達するまで支給されます。遺族厚生年金は、配偶者(妻)の場合は原則として一生涯受給できます。ただし、30歳未満で子のない妻は5年間の有期給付となります。夫が受給する場合は、遺族厚生年金の受給開始は60歳からとなります。
年金証書が見つからない場合、手続きはできますか?
はい、手続きは可能です。年金証書が見つからない場合でも、基礎年金番号やマイナンバー(個人番号)がわかれば手続きを進められます。基礎年金番号は、年金手帳や「ねんきん定期便」などで確認できます。年金事務所の窓口で事情を説明すれば、年金証書なしでも死亡届や未支給年金の請求を受け付けてもらえます。
年金の死亡手続きに必要な書類は何ですか?
主な必要書類は以下のとおりです。年金受給権者死亡届には、届出書・故人の年金証書(または基礎年金番号通知書)・死亡を確認できる書類(死亡診断書のコピー・戸籍謄本・住民票除票のいずれか)が必要です。未支給年金の請求には、さらに戸籍謄本(続柄確認用)・生計同一関係を証明する書類・請求者名義の通帳が必要になります。マイナンバーを記載することで一部書類を省略できる場合もあります。
年金手続きは、死亡届の提出が必要かどうか、未支給年金や遺族年金を請求できるかどうかを早めに確認することが重要です。迷う場合は、年金事務所やねんきんダイヤルに相談しましょう。
年金請求書など年金関係書類の作成・提出代行については、社会保険労務士への相談が適しています。一方、不動産の名義変更や相続登記、戸籍収集、遺産分割協議書の作成など、相続手続き全体については司法書士に相談できます。全国社会保険労務士会連合会も、社労士が年金請求書等の作成・提出をサポートできると案内しています。
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